☆4評価をしてくださったMinorNoviceさん、ありがとうございます!
『そろそろ建造終了しますよ~!」
「えっと、深海棲艦の方だよね」
『はい!』
あちこちで海賊を襲ったり、採掘したりして手に入れた物資を使い、まず小型建造をすることにした。
ここ深海鎮守府には、艦娘用と深海棲艦用の工廠があり、使う資材もそれぞれ違う。
しかし、両方の資材がいい具合に溜まってきたため、両方同時に建造してみた。
ところが、艦娘の方は見事失敗。嫌というほど見た失敗ペンギン君が降臨した。開発じゃなかったんだが…やっぱり、ゲームとは勝手が違うらしい。
で、深海棲艦の方に一縷の望みを託しているというわけだ。
「そう言えば、レシピは妖精さん任せにしちゃったけど…どんなの?」
『やっぱり初めてということで、駆逐艦レシピにしようかとも思ったんですが…思い切って、全艦種が出やすいレシピにしてみました!』
「…楽しみなような、不安なような…」
~移動中~
「あと1分だね」
『はい!ワクワクしますね!』
「さて、誰が出るかな~」
小型建造だから、鬼や姫は出ないだろうけど…イロハ級の彼女らも結構好きだし、誰でもばっちこい。
まだかまだかと待っていると、ついに建造完了。
シャッターが開き、出てきたのは…
「………ヲ?ヲヲ…」
大きな黒い帽子をかぶり、ステッキを携えた白髪の少女…
すなわち、ヲ級ちゃんでした。
『わああ!』
『いきなり空母です!しかも軽空母じゃなくて、正規空母ですよ~!!』
「たまには博打もしてみるもんだね…」
敵艦隊のアイドル、空母ヲ級。実は、私も結構好きだったりするのだ。
可愛いだけでなく地味に耐久と火力も素晴らしく、初期に迎えられたのは僥倖と言えよう。実際、ゲーム内でも苦しめられたしね。
「ヲ、ヲッヲ、ヲヲ?」
こてんと首をかしげる。あらやだ可愛い。
たぶんだけど…「あなたがここの提督?」って聞いてるのかな?
「ええと…こっちの言葉はわかるかな?」
「ヲ!」
返事をして、うなづく。どうやら、言葉は理解できているようだ。
「良かった。私がここの提督のメリィだよ。これからよろしくね、ヲ級」
「ヲ、ヲ!」
びしっと敬礼しながら、返事をするヲ級。…かわいい。
「母性に目覚めそう…」
「ヲ?」
「あ、何でもない」
いやしかし、まさかしょっぱなからヲ級ちゃんを引けるとは。艦娘の方はあんなことになったけど、割と建造運はいいのかもしれない。できれば前世の方で発動してほしかった。陸奥になるビームの恐怖を散々味わいましたよ、ええ。
『あのう、提督…』
「?どうかした?」
おずおずと、建造妖精さんの1人が話しかけてきた。
『空母って、たくさん資材を使うんですよね?』
「…………あ"っ」
ヲ級フィーバーもつかの間、私は資材集めという現実に引き戻されたのであった。