深海提督、ワンピース世界で生きる(?)   作:菅野アスカ

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☆2評価をしてくださったダルビロさん、
☆9評価をしてくださった紅頚黄鼓光慧航行さん、ありがとうございます!



我が家のひいおじいちゃんは、陸軍に居たそうです。
行った先で食べ物がなくて虫まで食べていた、なんて話をよく聞きました。
それに比べればはるかに恵まれた環境にいるのに、未だに子供舌卒業できない私…


深海提督、帰還

「提督、目的地に到着しました」

「あ、もう?早いなあ」

 

まっすぐ帰ってもいいのだけど、ちょっと寄り道をする。

つい先日も、この海域で嵐が発生した。そのため上を通った船が数隻沈没したのだが、運が良ければ(というのもどうかと思うが)ほしいものが手に入るだろう。

 

「海賊船ガ2、商船ガ1ダヨー」

「船の種類は?」

「ガレオン船ト、キャラベル船ト、キャラック」

「あー、ガレオンがあるかー。ごめん間宮さん、ちょっと手間取りそう」

「いえいえ、構いませんよ」

 

潜水艦なら話は別だけど、深海棲艦と違い、艦娘は水中での呼吸ができない。そこは人間と一緒なのだ。

というわけで、回収作業は、深海棲艦たちと私で行うこととなる。間宮さんなどの艦娘は、ぷかぷか丸の中で待機。

 

ぷかぷか丸を出て、泳ぎ出す。

船幽霊だからか、水の感覚が前世以上に心地いい。人が水に好感を抱くのは、全ての命の生まれた場所が海だからだとか、人の体の半分以上が水だからだとか言うけれど、この心地よさはどちらかというと前者のようだ。

母なる大地、母なる海。どちらもよく聞く言葉だが、今の私は海の方に母性を感じる。こうして水中にいると、実家に帰って来たかのような安心感に包まれるのだ。

まあ、海で母というと、前世で提督と人類最後のマスターを兼任していた私は、どうしても某グレートマザーを思い出してしまうのだけど…

 

「提督、イイノ見ツケタヨー」

「お、さっそく?」

 

雨が抱えていたものは、ぱっと見赤いもやもやした塊。

エラー娘たちが用意していた資料によると、これは怨念の集合体なんだそう。

 

何故かはわからないが、深海棲艦を建造するには、怨念などの念と廃材が必要不可欠らしい。つまり、古道具屋で買ってきた錨とかも、建造に使うのだ。

念が強ければ強いほど、上位の深海棲艦が誕生する。廃材が船に関係するものであればなおいい。

 

たまにクラバウターマンのなれの果てとかも拾ってくることがあるが、そう言うのは、元の船の種類にもよるけれど、大概優しかったりやんちゃだったりする深海棲艦になる、らしい。

元々、クラバウターマンというのは、船版座敷童子のようなもの。いれば船旅がうまくいき、沈没することもなくなるけれど、船員が仲たがいを起こしたり、怠けたり、悪事に手を染めたりすれば、去っていく。そうして行き場を無くしたクラバウターマンが、水底に留まることも結構あるようで、現在5隻いる深海棲艦のうち2隻はクラバウターマンが使用されている。

 

ちなみに、雨潮はちょっと特殊。実は、「完成できなかった船の無念の思い」からできている。

少し前、火山の噴火が原因で捨てられてしまったとある街へ行ったとき、ドックに未完成のまま放置された2隻の船を見つけた。その船に、ちょうど怨念と同じようなもやになって残っていた無念を、実験も兼ねて使ってみたら、生まれたのが雨潮である。2隻分が1つになっていたためか、双子なのだ。

 

無念や怨念などの感情の集合体があるというのも不思議だけど、そう言うものなんだろうと飲み込んだ。

なお、念は素手で触ると念がこっちに伝わってきてしまうので、手袋して回収している。

 

「提督、隠シ金庫ガ!ガレオン船ノ船長室ニアッタ!!」

「よくやった潮!!!」

 

潮の案内で入っていくと、そこには確かに大きな金庫があった。銀行にあるようなの。

どうやら潮がこじ開けたらしく、大きく扉が歪んでいる。

中にはたくさんの宝石と、宝箱がいくつか。

宝箱はヤンキー連装砲に持たせて、宝石はこういう時のために持ってきた袋の中に突っ込む。

 

そんな感じで、回収作業を進めていく。

 

~回収中~

 

宝箱12個、怨念1つ、1000万ベリー、その他もろもろ。船の鉄製品も引っぺがしてきた。

宝箱の中身は、鎮守府に帰ってからのお楽しみ。みんなのいるところで開封と決まっているのだ。

どうやら商船は商売を終えて帰ってくる途中だったらしく、商品はほとんど残っていなかったが、代わりにお金がたくさんあった。

 

「大漁~♪」

「オ金イッパイ!」

「どれもいい宝石ばかり…これは宝箱にも期待できますね!」

「じゃあ、帰ろうか」

 

~帰還中~

 

『提督、お帰りなさい!!』

「ヲ、ヲ!!」

「ただいまー」

 

深海妖精さんとヲ級ちゃんが出迎えてくれた。

 

「司令官さん、お帰りなさいなのです!」

「電、ただいま」

 

電も走ってやって来た。まさか、何の気なしに建造してこの子が来るとは思わなかった。どうしてか、前世ではなかなか来なかったんだよね…。

 

「ワ級たちとチ級は?」

「もう少ししたら来ると思うのです」

 

弊深海鎮守府には、2隻のワ級が居るが、どちらも元クラバウターマン。納得できるような、微妙なような。

 

「シレイカン、オカエリナサイ」

「オ…カ、エ…リ…ナ、サイ…」

「オツ…カ…レ、サマ…デ、ス」

「うん。ただいま、チ級、ワ級たち」

 

どうやら、深海棲艦にもまともに話せるのとそうでないのがいるらしい。人型に近くなればなるほどうまく話せるようになる(ヲ級は話せなくもないけどヲッヲって言ってる方が楽だからそう言ってるだけらしい)そうなのだが、彼女たちは少々苦手らしい。

なお、見分けるために、番号を書いたネックレスをつけてもらっている。これからどんどん増えるだろうから、たくさん用意せねば。

 

「今日は大漁だったんですよ!」

「物資タクサン補給デキル!」

「オープンセサミ!」

 

潮、どこで覚えたそれ。

まあいいや。

 

「とりあえず、この宝箱開けてみよう」




うちの子たち設定に、雨潮を追加しました。よければ見ていただけると幸いです。


クラバウターマンが木槌を持っているのは、悪戯(甲板などをたたいて音を出す)と警告(いろいろな箇所を叩きまくり危険を知らせる)のためであって、クラバウターマンが船を直したという話はないそうです。
さらに、本来クラバウターマンが姿を現すのは、船長の前。沈没する前、一度だけ会いに来るそうです。
それを考えると、メリー号って本当にすごい船なんですよね。本当はできない船の修理を見よう見まねでやったばかりか、船長でもなんでもないけど自分を大切にしてくれるウソップの前に姿を現し、極めつけに自分の思いをテレパシーで伝える。頑張り屋さんだったんですね、メリー。



なお、クラバウターマンの気配を感じたり姿を現したりするのはたいてい悪いことの前触れなので、スカイピアでメリーのクラバウターマンをウソップが目撃したのはメリー沈没の伏線ともいえる…か…?
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