○月□日
嬢ちゃんと二人で任務に行くと見覚えのある姿を見かけた。蝶のような羽織にまたも蝶を型どった髪飾り。そしてなによりその素晴らしきおっぱい。
まごう事なき胡蝶カナエである。俺の理想郷になってくれーとルパンよろしくダイビングした嬢ちゃんとその横にいた女の子に踏んだり蹴ったりされた。
ちくしょう、この貧乳コンビめ。てかこっちの女の子は何者?
名前を聞けばあなたみたいな人に名乗る名前はありませんとかなんとか。嬢ちゃんはこんな胸で人を判断するような人に名乗らなくていいよとか乗っかるなよ。たぶんだがお前と貧乳連合組むの嫌がってるぞ。
美乳連合だし、美乳連合だし!といきり立つ嬢ちゃんを置いておいてカナエに話を聞くとどうやら妹さんらしい。
へぇ、しのぶちゃんか。いい名前だね。そう言うと嬢ちゃんが急に黙り出してしのぶちゃんの顔を少しの間見つめた後あーっ!と声を上げた後そっかー、しのぶさんかー、まだそうだよねー、そうかそうかー。みたいな訳分からんこと言ってた。
何だこいつ、ちょっと怖いぞ。貧乳すぎてついに知性が死んだのか?
やかましいわと噛みついてくる嬢ちゃんを見てカナエが相変わらず仲良しねーとニコニコしてた。
すまん、どこが?
四人で挑む任務ということでどんだけ強い鬼がいるのかと思ってちょっと身構えてたんだが雑魚鬼がいっぱいいるだけで大したことはなかったな。
だいたい出てくるなり嬢ちゃんが斬るし残ったのはカナエが斬ってくれるし。
おー、カナエ強いんだなー。しかも聞いたことない呼吸使うし。花って面白いなー。あとおっぱい。そんな感じでボーッと見ていたらしのぶちゃんにあなたは戦わないんですか?と強めな口調で言われてしまった。
まぁ俺受ける方が得意だしな。出来ない事は出来る奴に任せときゃいいでしょ。
とかご託を並べて誤魔化しておいた。正直戦うのめんどくさいじゃん。俺の中で今日はカナエのおっぱいが見れただけでマックスなんだよ。
俺はほぼ戦うことなく終了し、嬢ちゃんにサボったのがバレて財布の中が空になったことだけは明記しておく。ちくしょうあいつ食い過ぎだ。
□月○日
この間再会してからちょこちょこカナエたちが遊びに来たりする。杏寿郎くんは近い年の友だちが出来たみたいでなによりだ。カナエも嬢ちゃんと瑠火さんと買い物に行ったりしてて楽しそう。あれ、俺ってもしかしなくてもハブられてる?
愕然としていると親父に肩をポンと叩かれた。何で休みだってのにあんたとガチ訓練せなならんのだ。鬼よりよっぽど強いから普通の任務より疲れるんだぞ。あぁ、俺の癒しは千寿郎くんだけだよ。と思って遊んでたら瑠火さんに面倒みてもらって悪いねぇ。と連れていかれてしまった。
もうそっからはずっと組手よ。そしてその後河原で寝転がって「やるな」「そっちこそ」みたいなやり取りをした。
何やってたんだ。テンションって怖い。
△月○日
最近カナエたちがこの煉獄邸に住み出した。何でも嬢ちゃんの提案で継子になったんだとか。呼吸全然違うのにいいんだろうか。カナエは花とかいう初めて聞く呼吸使ってたし。聞けば水から派生した呼吸らしい。
手合わせしたところ水の呼吸の柔軟さと足運びを女性ならではの関節の柔らかさと合わせて力の無さをカバーする呼吸のようだ。
へぇ、なるほどねぇ。鱗滝さんも水は升に入れば四角く、瓶に入れば丸くとか言ってたし応用はしやすいのかもしれない。
俺も何か工夫していけば何か新しい技を編み出せるのかもしれない。何それロマン。本格的に考えておこう。
△月◇日
自分の部屋でまったりしているとしのぶちゃんがやって来た。夜這いをかけるにはあと2カップほど足りない。出直してくるといいよ。というと蹴り飛ばされた。
結構真面目な相談をしに来たらしい。何でも自分は体が小さくて鬼の頸が斬れないので俺の受け流しの技術を教えて欲しいんだとか。
別に教えるのはいいんだがあんまり花の呼吸と合ってないんじゃないかなぁ。あれって受けるより避ける方をメインにした呼吸だろうし。
そう言うとしのぶちゃんはむすっと顔をしかめた。
どうやら親父の訓練によりカナエが成長していくのに対し、自分は無力なままなのが悔しいらしい。
うーん、体の成長に望みをかけるのは不確定すぎるしなぁ。銃とか体の大きさに関わらず使えるやつのがいいんじゃね。あるのか知らんけど。
そっか……としのぶちゃんは考え込む様子を見せた。
せっかくだしお茶でも淹れてきてやろうかねと襖を開けると目があった。
燃えるように赤い目を持つチビバカ貧乳女。そう、嬢ちゃんだ。
嬢ちゃんは部屋のなかを見るなりきゃー!と悲鳴をあげると同時に俺に殴りかかってきた。
不潔とか変態とか言いながら殴らないでください。しのぶちゃんまで俺のことを軽蔑した目で見てます。
てか痛ぇよ。ガチで殴るなガチで。手をつかんで床に押さえつけていると悲鳴を聞き付けたらしい親父に飛び蹴りを食らった。
そして居候の分際で夜這いが云々みたいな説教を食らったんだが俺はかけられた側だからな? しかもかけられたのは夜這いじゃなくて夜襲な。
そんなこんなでドタバタしていたところを瑠火さんが全員膝詰めで叱って終了。なんで俺も怒られないかんのだ、納得いかん。
そういや納得いかんで思い出したがカナエがニヤニヤしながら「私はいいと思いますよ?」と言ってきたことが納得いかない。
最近どうも勘違いされてる気がするんだが俺は巨乳好きだからな?
胡蝶しのぶの考察
あぁ、坂崎さんですか? 阿呆ですね。いっつも姉さんに飛び付いてくるし私には貧乳貧乳とうるさいし。だいたい千寿流さんと一緒にしないでほしい。私はそこまで小さくないですよ全く。
それに全然戦おうとしませんしね。いくら強いとはいえ千寿流さんや姉さんに任せっきりというのはいくらなんでも男としてどうなのだろう。
……いや、もう分かってる。あれがあの人の優しさだってくらい。
何回かあの人たちと任務に行ってやっと気づけたけれどあれはいつでも姉さんや千寿流さん、ひいては私を助けられる位置だった。私はずっと守られていたのに弱虫とかいくじなしとかさんざん酷い言葉をぶつけてしまった。
でもあの人はひらひらとからかうように笑って「出来ることだけやりゃいいんだよ」とか「自分が出来ないことは出来るやつに任せときゃいいんだよ」とか適当なことを言うんだ。
何度も何度もそんな風に言われていると段々そういう風に思えてきて私の出来ることはなんだろうと考えていると姉さんにすっかり玄信に影響されちゃったわね。とかにやけながら言われた。
全く、私と坂崎さんはそういうんじゃないんだ。貧乳だなんだとうるさい人は嫌いです。
まぁでも、そんな飾らない彼だからこそ何でも話しやすくはあるけども。ただそれだけのはずだ。きっと。
だからあの日もいい話を聞けて糸口が見えてよかったと思ってのに千寿流さんときたらいきなり悲鳴を上げてまるで私と坂崎さんが逢い引きでもしていたかのように言うんだから困る。
突撃してきた慎寿郎さんに坂崎さんはボコボコにされてるし千寿流さんは坂崎さんのことをゴミでもみるかのような目でみているし姉さんは姉さんでしのぶも大胆ねぇとか本当に違うから!
この人はちょっと話しやすくて何でも受け入れてくれる便利なだけの人だから!
必死に弁解しても姉さんはにやけながらふーんと頷くだけだった。
あぁもう! やめてよ姉さん! 私はもっと優しくて男らしい人が好きなの! 坂崎さんは……違うでしょ……違うよね?
仕事が始まり少し目を離している隙に評価バーが真っ赤になっていて嬉しい限りです。
評価ありがとうございます。引き続きお待ちしております。