坂崎玄信の憂鬱   作:小林 陽

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子どもが1人増えた頃の日記

 ◯月×日

 

 最近カナエとしのぶちゃんの任務に嬢ちゃんがついていくようになった。

 やっぱ何だかんだ女子会は楽しいんかねぇ。

 俺と嬢ちゃんのコンビ解散という意味では非常にめでたいことではあるのだがそのせいで親父に連れられて任務に出たりすることになってしまった。

 雄っぱいとかまじでいらねー。余計なのがついてくるとはいえカナエと行きたかった。

 てか柱の仕事量えげつなさすぎだろ、もはや地区ってか市とかそういう単位で動いてるんだぜ。こんなんまともな人間じゃ無理無理。

 3日くらい親父について任務に行ってたんだが移動が多くてしんどいね。鬼自体は雑魚なら俺か親父のどっかが一撃で仕留めるし出来ないようなら俺が釣って親父が斬るしであんまり時間かからないんだよな。

 だからほぼ区域を夜の内に回る耐久マラソンみたいになってた。頭の中でグルメレースとか流すといい感じ。

 ただ不完全燃焼なのか親父が移動しながら稽古だとか言って斬りかかって来たときはホントに頭おかしいと思った。木刀とはいえ本気で斬りかかって来るなっつーの。

 やっぱ柱ってどっかおかしくないとなれないんだなぁ。

 

 

 ○月▽日

 

 親父との色んな意味での死の行軍も終わり帰ってくると家に一人子どもが増えていた。髪を横で1つにまとめた端整な顔立ちの少女。その髪には特徴的な蝶の髪飾りがつけられていた。

 誰かと思い杏寿郎くんに話を聞くとカナエが連れてきたのだそう。

 まっ、まさか。カナエ、俺という男がいて他に相手がいたってのか今までのは遊びだったのかー。としのぶちゃんに言った。

 だってカナエいなかったし。なんか買い物行ったみたいだ。

 しのぶちゃんにはちょっと落ち着いてくださいよ。相変わらずバカですねぇとサラッと毒を吐かれた。お前は初期のドラえもんか。

 聞けば身売りされてたのを見てついかっとなって引き取ってしまったらしい。

 ん? そしたら連れてきたの君じゃね。カナエきっかけとはいえ。

 まぁそんなことはどうでもいいや。部屋の真ん中でちょこんと正座しているその子のもとに歩み寄って声をかけるといきなりコインを上に放ると明後日の方向に飛んでいってしまった。それをいそいそと取りに行くとようやく話してくれた。

 名前は栗花落カナヲというらしい。名字はしのぶちゃんにはつけてもらって名前はカナエからもらったそうだ。

 いい名前だね。まさかしのぶちゃんにそんなセンスがあったとはなぁ。

 それにしてもそのコインなんなんだ? さっき投げてたけど。

 聞くともう一回投げてまたポトリ。そしてとてとてと取りに行く。そして小さく口を開く。なんだこれかわいいな。

 なんでも、自分で決めるのが苦手だから決まったらコインを投げて決めるのをカナエに薦められたらしい。

 へぇ、だったらうまくコインキャッチする方法教えてやろう。俺は前世の中2くらいだったかな、何でもかんでもこうやって上に高く弾いて食べたりするのがカッコいいと思ってたんだな。大体のものは高く飛ばせるし口でキャッチできる。コインなんてちょろいぜ。

 俺の数少ない特技が時を越えて活きるとはな、あの頃の教えてやりたいぜ。

 そんなわけでカナヲちゃんのコイントスがレベルアップして指ピンになったわけだがあまりうまくいかなくてわたわたする姿は非常に愛らしく恐らく1日見てられる。やはりかわいいは正義だなうん。

 俺が癒されてるとしのぶちゃんが複雑そうな顔でカナヲちゃんを見ていた。

 どうしたのかと聞けば自分で判断できないのは危ないとかなんとか。

 まぁ危ないと思うが今は別にいいんじゃねぇかな。買われてきたばっかなんだし、それに何より子どもだからな。子どもは守られるべきなんだよ。大人になるまでに動けるようになってりゃいいだろ。

 そんなことを言って俺は部屋を出た。

 その後買い物に行ってたカナエと嬢ちゃんが買ってきたものでカナヲいらっしゃいパーティーを開いたんだが瑠火さんの体は大丈夫だろうか。

 いくらしのぶちゃんが手伝ってるとはいえ元々体は強くないのだからあまり家事が増えても大変だろう。

 しばらくは任務減らして家事を手伝うとするかねぇ。

 

 ○月◇日

 

 最近千寿郎くんがカナヲちゃんに構っていて微笑ましい。きっと同い年くらいの子が来てくれて嬉しいんだろう。千寿郎くんの周りは年上ばっかだったからな。同世代はいた方がいいもんね。

 まぁただ何話してるかは分からんけどな。よく縁側に二人で腰かけてお茶飲んでるの見るけどコイントスしてんのも結構見るしなぁと二人の姿を覗き込んでる俺の背後にいつの間にやらカナエがいてニコニコと楽しそうに眺めていた。

 そしてカナヲも罪作りねぇとかいい始めた。 何でもこの間杏寿郎くんともこんな感じで話してたんだとか。あー、たぶん杏寿郎くんもそういう感じじゃないと思うけどなぁ。てかそういう話に結びつけるの好きだね。

 カナヲも女の子だからねとかよく分からん。好きな人が出来ればカナヲちゃんもすぐ変わるんだと。

 それでも俺を候補に入れるのは勘弁してくれ。俺は子どもはノーサンキューなんだ。あ? しのぶちゃん? しのぶちゃんも子どもだろ。

 あと2カップは盛らないと対象にはならんな。ねぇ、聞いといて呆れて溜め息は酷くね? 

 

 

 

 

 栗花落カナヲの散文

 

 

 私は自分で決めることか出来ない。何もかもがどうでもいいから。

 だからしのぶさまにも怒られたし家の人にも話そうとたくさん言われた。

 でも坂崎さんは何も言わなかった。それどころか理由を聞いてなお銅貨の弾き方とキャッチの仕方を教えてくれた。何というか普通は怒られるものだと思っていたからそうやって認めてくれるのはありがたかった。そうやって放っておいてくれるのはカナエ様だけだったから。

 でも坂崎さんはすごく私に話しかけてくる。話しかけてくると言えば千寿郎もすごく話しかけてくる。最近は銅貨を投げる暇もないほどたくさん話しかけてくる。無視をしても話しかけてくるのはどうしてなのだろう。

 杏寿郎も何だかすごく稽古に誘ってくる。この間は銅貨が裏だったから行かなかったけれど。

 でもきっと優しい人なのだろう。皆そうだ、体調が悪いらしくあまり姿を見れない瑠火さんもすごく優しい人。私のような汚い子を2つ返事で受け入れてくれた槇寿郎さんもきっとそう。

 何だろう。最近胸の中がじんわり暖かいようなむず痒いような感覚に襲われる。

 少しだけ考えてもよくわからなくて私はすぐに考えるのをやめた。

 




序盤の鬼の声優豪華すぎませんかねぇ。
あの頭から腕生やしてたやつ緑川さんでしたね。勝てる気しないっすね。あと子安手鬼。WRYYYYとか言って襲いかかってきそう。
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