あれから俺は必死にストーカー活動を行なっていた。
おいおい勘違いするなよ?これはあくまでも女性達を心ない男という悪魔どもから守るための活動なのだ。ストーカー阻止のためのストーカーみたいなもんだ。
ここ最近ではバンドウーマン達の通っている二つの高校近辺を行ったり来たりする生活が続いているので足がかなりキツい。だが収穫はあった。このストーカー活動のおかげで大体のカップリングが判明したのだ。これで誰が誰といるときに保護すべきかという大事な点が明らかになった。自分の情報収集能力と影の薄さはかなりのものである。
そんな生活が続いていたある日、俺の通っている高校の昼休み、事件が幕を上げようとしていた。
「最近ヨォ〜俺好みの女がいるんだよ」
そう話すのはクラスで二番目のカーストにいる一番イケメンの後ろをいつもついて歩く野郎だった。要するに割と影が薄いがやることやってそうなキョロ充とも判定し難い、よく分からん存在である。
「その子さぁ、バンドやってんの!バンド!かっこいいと思うじゃん⁉︎でも可愛くもあるんだよなあァ〜」
俺好みの女がいる。ここまではどうでも良い。問題はその後だ。
バンドをやっているだと...?由々しき問題だ。ここはレズカップル応援協会(たった今設立、会員俺一人)会長の俺が何とかせねばッ!
なによりも、こんな男がバンドウーマンと付き合って突き合うなんて我慢ならねぇッッッッ!
・・・こういうときどうすればいいのだろうか。
また俺の気後れが発動していた。この陰キャの俺が?そんな偉そうに「やめろ」なんて言えるのか?
言った場合どうなる?俺の学校生活は終わったも同然ではないか?
情けないもので、俺は何も言い出せず、昼休みを終えたのである。
モヤモヤしていると時間は早く過ぎるのだろうか。もう放課後である。先程のとあるバンドウーマンに恋心を抱いている男、名前を覚えていないからA男としよう。A男は二人の取り巻きを連れて羽女へ向かって行った。なんともヘタレな野郎だ。俺は一人でライブハウスへ向かったというのに。
野郎ども三人衆は羽女の校門から少し離れた場所でターゲットが来るのを待っているようだ。あまり近づきすぎると怪しまれるからであろうか、それともターゲットが一人になった所を狙おうとしているのか。
ーこんな野郎に、神聖なる女性の関係を壊させる訳にはいかない。
先程はしくじったが、今回は違う。なんとしても己の目的を完遂させねば。ターゲットが来る前に奴らに攻撃を仕掛けるのだ...!俺は顔バレを防ぐためにつけ髭とサングラス、帽子をかぶり、制服もバレないように家からジャージを着て来た。そう、変装すれば俺だとバレないのだ。限られた時間の中、学校から家に帰りここまでくるのは中々大変だったぜ...!
計画はこうだ。まず変装し初老のおっさんと化した俺が、野郎どものもとへ近づき羽女の生徒指導のふりをするのだ。
「たった今生徒から怪しい男三人組が校舎から出てくる女生徒をなめまわすように見ているという報告を受けた」
この言葉とともにA男とその取り巻きを撃退。最後についでに「次こんなことがあったらどうなるか分かってるよな?」と脅しをかけ二度と羽女凸しないようにするアフターサービス付きで見事レズカップルの平和を守るのだ。
緊張で足が震える。いやこれは筋肉痛による痙攣だから。決して緊張じゃない。
意を決して、俺は足を動かす。大丈夫。俺ならやれる。
ーその時だった。俺は後ろから何者かが近づいてきている気がして、後ろを振り返った。
「ねぇキミー、そんな所で何してるのー?」
こいつ、見覚えがある。そこにはPastel*Palettesの氷川日菜がこちらを睨みつけ立っていた。
確か身辺調査によると、ふむふむ・・・なんでもかんでもやったことは一度でハイレベルでこなしてしまうようになる。所謂天才か・・・
「キミだよね?最近あたし達のことつけまわしてるの」
端的に、事実を冷めた声で、それこそ氷のような、背筋の凍る目線とともに、告げる。
・・・・あれ、バレてんの?俺また詰んだ?
次は会話多めになると思いやす。
あと一話読み返してみたんすけど、なんか展開急すぎて自分で訳分からんくなったのでそのうち編集すると思います。