おまけにVC版クリスタルで必死こいて出した色違いセレビィも連れて行けなさそうでワシはどうすれば良い?
あの後、俺はもう一度会議室に戻って謝罪をした。
正直周りからの声としては、「この数分で心変わり早すぎだろ」とか「信用できるわけない」とか「一緒に仕事なんて無理」とか「前回から何日経ってると思ってんだ?投稿頻度ヤバスギでしょ」みたいな感じだった。アレ、最後可笑しくねぇか。
でも、氷川さんに免じてここは耐えるしかないのだ。まあ今思えば俺なんかこんな扱いされても当然だろう。
しかし、自分でもびっくりするほどの変容ぶりだ。誰かの支えが今まで無かった俺にとって、サポートがあるということは何より大切なことだったのだ。
俺は挑戦し続けよう。失敗したとしても。誰かがいれば大丈夫。
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とりあえず今日のところは、気持ちと、夏休み中何をしてきたかということの整理をするために早く帰らされた。というかまぁ自分もどっと疲れていたので、これは有難いことだった。
清々しい気分だ。今だったら今まで迷惑かけた人に心からの謝罪ができそう。
・・・・まぁでも、マトモに受け取ってもらえるかどうかなんてわからんが。
そんなことを考えていると。
「なぁつぐみちゃん!僕を見てくれよ!」
「な、なんなんですか!?やめてください!」
・・・・・見たことあるような景色だ。てかあの喫茶店のストーカーの精神力強すぎで笑うんだが。
違うと言えば俺自身の立場であろうか。見逃すわけにはいかんな。
ストーカーにやり返そう、とか百合カップルを守ろう、とかそんな考えではない。
単純に困っているからだ。
「あの・・・・流石にもう無理だと思いますから、手を離されてはどうでしょうか」
そう声をかけた。すると、ストーカーがすごい勢いでこちらを見てきた。
「ハッ・・・来たか・・・・こうすれば来ると思ってたよ・・・
キミに仕返しさせてもらう!」
え?狙いは羽沢さんじゃなくて俺かよ!?
「ハァ!」
初撃をいつかと同じようにモロに喰らう。いやチョット待て!こいつのパンチすげぇ重くなってんだけど!?夏休み中に何があった!?
「お前が憎くて憎くてしょうがなかった・・・・お前をボッコボコにするためにこの数か月間ボクシングを習ったんだ!!土下座しても俺の気が済むまで殴ってやる!」
俺は夏休み中に何もしていなかった所為か、奴の殴打をよけることなど出来ず、結果ボロボロになってしまったのだ。
「あの・・・・もういいじゃないですか!」
流石に見かねたのか、羽沢さんが声を荒げた。
「フン・・・つぐみちゃんはコンナ弱いヤツをかばうのかい?見損なったよ・・」
「こんな形でやり返すなんて・・・流石にヒドイじゃないですか!」
そうか・・・・かばってくれるのか。
てっきりお前なんて殴られて当然、とばかり言われるかと思っていた。
この人は、やはり、天使なんだな。
でも。
「いや、殴ってもいいよ」
俺はそう言い放つ。
「そんな、本当に死んじゃいますよ!」
「いや、殴ってくれていいんだ。でも分かって欲しい。気がすむまで暴れたところで、虚しくなるだけなんだよ」
ほんとさ、今日改心した奴が何言ってんだろうな。
でも本当の事だ。考え方次第で直ぐに人間は変わる。変われる。
あの日唐突に恋愛を諦め百合豚に変わった俺の様に。
この日唐突にヒールを辞めて変わった俺の様に。
負けてばかりでも、挑戦し続けなければならないのが人生だ。
「分かった様な事言いやがって・・・腹が立つ・・・」
そう言い残し、彼は言ってしまった。
「あ、あの・・・負犬野さん、ですよね?」
初めて名前を呼ばれた気がする。
「その、なんて言うか・・・有り難うございました」
「お礼はいいよ。僕からも謝らせて欲しい」
「っへ?」
「本当に今までのこと、すいませんでした。もうなるべく関わらない様にするから、許せとは言わないけど、謝罪だけさせて下さい」
「そ、そんな・・・」
そう、関わらない様に。氷川さんも自分をサポートするとは言ったけれど、俺はなるべく関わらないようにするつもりだ。
誰かの支えがあれば、なんて言ったが、俺はあの人から支えを受ける資格なんてない。
自力で見つけて行こう。
「あ、あのなんて言うか・・・何があったのかは良く分かりませんけど・・・」
羽沢さんが口を開く。
「私は、前よりも、今日の貴方の方がカッコよく見えましたよ」
「・・・そうですか」
そう言って、歩き出す。
本当に、遠回りをしてきたのかもしれない。
最初からこれで良かったのだ。
「いやーホントに変わっちゃったねー。おねーちゃんは凄いや」
その時、声が聞こえた。
なるべく会いたくないが、まぁこの人にも謝らなければならないので好都合だろう。
「ちょっとお話ししたいんだけど、いいかな?」
氷川日菜は、今日も笑って立っていた。
もう暗くはなりません。絶対です。