遊戯王GX~もしも十代にHERO使いの妹がいたら~   作:カイナ

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IF特別編:もしも十代に魔玩具使いの妹がいたら

 デュエルアカデミア。今日はここの入学式が行われる日なのだが二年生や三年生に参加の義務はなく、彼らはいつも通りの学園生活を続けている。

 そんな中、その学園のエリートという地位にあるオベリスクブルーの男子寮の入り口付近。そこに一人の見慣れない少女が紛れ込んでいた。

 栗色の髪を首にかかるかかからないか程度のセミロングに伸ばしており、緩やかなカーブを描くタレ目や鳶色の瞳の柔らかな輝きからも大人しそうな印象を受ける。平均からすれば小柄な体躯に分類されるだろう身長もまた大人しそうな印象を後押しするが、相反してその胸部はでんと盛り上がって存在を主張している。寮の入り口近くにいる男子学生が目を奪われる美少女だった。

 ノースリーブの白色を基調に青色の差し色がされた制服に青色のミニスカートは間違いなくデュエルアカデミアの制服。つまり彼女は今日ここに入学するという新入生の一人に違いない。

 

「や、やあ、君」

 

 するとそんな彼女に声をかける者がいた。彼女と同じ青色だがこちらは青色が基調になっている、デュエルアカデミアのオベリスクブルー男子制服を着た彼はしかし親切心というよりは彼女の大きな胸にチラチラと視線を向けている辺り下心で声をかけている様子だった。

 

「新入生だよね、どうしたんだい? 入学式があるんじゃないかな?」

 

「いえ、入学式はもう終わりました。寮に向かう前にお兄様に挨拶したいと思いまして……」

 

「あ、兄? そうなんだ。えっと、君の名前は? せっかくだ、僕が呼んできてあげよう」

 

 親切そうに振る舞う男子生徒に、下心が理解できてないのか、少女はニコリと微笑んだ。

 

「ありがとうございます。私は遊城(ゆうき)百代(ももよ)と申します」

 

「……遊城? というと、まさか兄って……」

 

「兄は遊城(ゆうき)十代(じゅうだい)と言います。お兄様なら間違いなくオベリスクブルーにいると思います」

 

 百代のニコニコ笑顔での言葉に対し、声をかけてきた男子生徒は唖然とした後、苦虫を噛み潰したような表情に変化する。

 

「あいつはこの寮じゃねえよ」

 

「はぁ?」

 

 吐き捨てるような言葉に百代はきょとんとした顔になり、呆けたような声を出す。そして男子生徒はフンと鼻を鳴らした。

 

「あいつはドロップアウトの吹き溜まり、オシリスレッドだよ……そんなクズ野郎が去年はカイザーと引き分けたなんて何かの間違いかイカサマやったに決まってやがんだ。なのにどいつもこいつも……」

 

「……」

 

 男子生徒のぼやきの意味はよく理解できないが、ドロップアウトやクズ野郎、イカサマやったなど聞き捨てならない言葉が聞こえ、百代の瞳から光が消える。

 

「どうだ? そんな劣等生なんかを探すより俺と遊ばないか?」

 

「デュエルしなさい」

 

「……はぁ?」

 

 男子生徒のナンパを切り捨て、百代が光の消えた目で男子生徒に勝負を挑む。

 

「あなたはお兄様を侮辱した。けして許せることではない」

 

 鳶色の瞳が黒く染まったような、そして彼女の後ろから謎の異形が睨みを利かせているような錯覚すら覚える男子生徒だが、直後フンと鼻を鳴らした。

 

「いいぜ、先輩としてデュエルアカデミアの洗礼ってもんを見せてやる。だが俺が勝ったらお前には一日俺に付き合ってもらうからな」

 

「ご勝手に」

 

 片やリスペクトする兄を侮辱された怒り、片や美少女と付き合いたい下心。全く違う思惑で二人はブルー男子寮入り口前でぶつかり合う事になるのだった。

 

 

 

 

 

「十代、大変よ!」

 

 レッド寮。この学園の序列最下位にあたるこの寮に、他寮であるブルー寮の制服を着た女子──天上院明日香が駆け込み、寮の一室のドアを開きながら呼びかける。それに声をかけられたレッド寮の制服を着た男子──遊城十代が彼女にきょとんとした顔を向けた。

 

「どうしたんだ、明日香?」

 

「それが、十代を探してる新入生の女の子が、ブルーの男子寮前でブルーの二年生と揉めてるそうなの!」

 

「俺を探してる新入生の女の子? って、それモモか!? あいつ寮に行く前に俺に挨拶に行くから待っててくれって言ってたのになんでブルー寮に行ってんだ!?」

 

「「モ、モモ?」」

 

 慌てている明日香にきょとんとしていた十代だが、明日香の説明を聞いてピンときたのかしかし驚いた声を出して立ち上がる。その言葉に明日香と、彼と同じ寮室に住む翔がきょとんとした声を出す。

 

「ったく、迷子にでもなったのか? しゃーねぇ、迎えに行くか……」

 

 はぁ、とため息をついて頭をかく姿はまるで世話の焼ける妹を相手する兄のようで、普段見せない十代の姿に明日香と翔はポカンとしつつ、寮を走り出て行った十代の姿を見送った後我に返ったように慌てて彼を追いかけ始めるのだった。

 

 

 

 

 

 さて視点はブルー男子寮前に戻り、新入生が早速ブルーの生徒とデュエルをするという事からか噂はあっという間に広がり、二人がデュエルの準備を終えた頃には人だかりが出来ていた。やはり自分達が住む寮の目の前で行われるからかブルー男子が多いが、ところどころブルーよりは格下だがレッドよりは格上の所謂中間層であるイエロー寮の生徒の姿も見える。

 さらに明日香に連絡したのは彼女らなのか、明日香の友人であるジュンコとももえが、仮にも多少の交流がある十代の妹であり女子寮繋がりとしてはこれから後輩になるわけである百代を心配そうな目で見つめていた。

 

「レッドのクズの妹でもある新入生にハンデだ、先攻は譲ってやるよ」

 

「私は後攻の方が得意なんですが……ま、いっか」

 

 ブルー男子の言葉に百代はぼやきつつも否定するのも面倒だしと了承。

 

「「デュエル!!!」」

 

 そして二人の声が重なり合った。

 

「私の先攻、ドロー」

 

 受けたハンデ通り百代が先攻を取ってカードをドロー。六枚になった手札をさっと見る。

 

「私は[ファーニマル・ドッグ]を召喚し、効果を発動します。このカードが召喚に成功した時、デッキからファーニマル・ドッグ以外のファーニマルモンスター、[ファーニマル・オウル]を手札に加えます」

ファーニマル・ドッグ 攻撃力:1700

 

 彼女の場にポンッと姿を現したのはぬいぐるみの犬とでもいうような姿のモンスター。その姿に観客の女生徒が「可愛い」と黄色い声を上げ、さらに彼女はその犬の遠吠えによって呼び寄せられた、同じくぬいぐるみのフクロウのようなモンスターを手札に加える。

 

「さらに私は手札から[ファーニマル・シープ]を守備表示で特殊召喚します。このカードは私の場にファーニマル・シープ以外のファーニマルモンスターが存在する場合、手札から特殊召喚できます。私はカードを一枚セットし、ターンエンド」

ファーニマル・シープ 守備力:800

 

 さらにポンッと姿を現すのはもこもことした毛が可愛らしい羊のぬいぐるみ。その愛らしさに女生徒が「キャー」と黄色い声を上げた。

 

「ふん、所詮は見た目しか気にしない女か」

 

 しかしその姿にブルー男子はフンと鼻を鳴らして嘲笑を漏らしていた。

 

「お、あそこか?……って、ホントにモモじゃねえか!? おいモモ、何やってんだお前!?」

「わあ、女の子らしい可愛いモンスターがたくさんっす!」

 

「お兄様!」

 

 するとそこにオシリスレッドの制服を着た男子生徒──十代が到着。少し遅れて翔と明日香も追いつき、ついでにジュンコとももえが明日香に駆け寄るように彼らに合流した。

 ちなみにやってきて早々百代の場を見て「可愛いモンスターがいっぱい」と評した翔はその前の「女の子らしい」という言葉が気にかかったのか明日香やジュンコ、ももえに睨まれて必死に言い訳を並べている。

 

「お兄様に挨拶するために、この学園で一番強い生徒が集まると聞いたオベリスクブルーに来たのですが、そうしたらこいつがお兄様を侮辱し始めて……」

 

「あー、そういや俺オシリスレッドだって言ってなかったっけ……おーいあんたも妹が迷惑かけて悪かったなー」

 

 デュエル中にも関わらずデュエル中の百代と会話し始め、さらに形的には百代に喧嘩売られた形になるブルー男子にも軽く謝罪の声を出す十代に、ブルー男子は苛立ったように歯ぎしりした。

 

「オシリスレッドのクズが何エリートである俺と対等な口利いてんだ!? はん、まあいい。妹が無様にやられる姿を見せてやるよ! その次はお前の番だ! 俺のターン、ドロー!」

 

 十代のブルー男子的には無礼な振る舞いに彼は怒号を上げつつ、百代を倒した後は十代も倒してやると気合を込めてデッキからカードをドローする。

 

「俺は[インヴェルズ万能態]を召喚! さらに魔法カード[二重召喚(デュアルサモン)]を発動! このターン俺は二回の通常召喚が可能になる!」

インヴェルズ万能態 攻撃力:1000

 

 ブルー男子の場に黒い蓑虫のようなモンスターが現れ、さらに魔法カードの効果で召喚権を増やした彼の口にニヤケが走り、彼はさらに手札を取った。

 

「雑魚なんざ所詮上級モンスターの餌にしか役に立たねえんだよ! 俺はインヴェルズ万能態を生贄に捧げ──」

 

 黒い蓑虫が、突如地面に開いた黒い穴に吸い込まれ、その中から巨大な手が伸びて地面を掴む。

 

「──[インヴェルズ・ガザス」を召喚!!」

インヴェルズ・ガザス 攻撃力:2800

 

 地面を掴み、穴から這い出てきたのはまるでコーカサスオオカブトを思わせる三本の角を生やした黒い外皮の巨人。その口からは贄として喰らったらしいインヴェルズ万能態の破片が覗いており、観客の女生徒から「ひいっ」という悲鳴が上がった。

 

「インヴェルズ・ガザスの効果発動! インヴェルズと名のついたモンスター二体を生贄に捧げてこのカードの生贄召喚に成功した時、このカード以外のフィールド上のモンスターを全て破壊する!!」

 

 黒き巨人が咆哮するとそれが衝撃波となって場を蹂躙。百代の場の二体のファーニマルを一度に破壊してしまう。

 

「リバースカードオープン[ファーニマル・クレーン]! 自分フィールドの表側表示のファーニマルが相手モンスターの攻撃または相手の効果で破壊され自分の墓地へ送られた時、破壊されたその自分のモンスター一体を手札に加え、自分はデッキから一枚ドローする。私はファーニマル・ドッグを手札に加え、さらにカードを一枚ドロー」

 

 しかし百代の発動したカードから出現したクレーンゲームのアームが地中へと伸び、地中に存在する墓地からファーニマル・ドッグを掴み上げて百代の元まで運んでいった。さらに一枚のカードドローのおまけつきだ。

 

「だがこれでお前の場はがら空きだ! インヴェルズ・ガザスでダイレクトアタック!!」

 

「っ……」LP4000→1200

 

 インヴェルズ・ガザスが拳を振りかぶって百代に殴りかかり、一気に彼女のライフが半分以上削られる。

 

「どうだ! 俺の超攻撃的インヴェルズデッキの破壊力は!? 俺はカードを二枚セットしてターンエンド!…(…俺の伏せカードの一枚は[侵略の波紋]、これでインヴェルズ万能態を蘇生して次のターン、インヴェルズ・ガザスも一緒に生贄にして手札の[インヴェルズ・グレズ]を召喚すればあいつが何を出そうが何を伏せようが関係ねえ。全部ぶっ壊して俺の勝ちだ……それにもし攻撃をしてきても……ククク)」

 

 先ほど弱者を餌にして百代の場を蹂躙したモンスターでもさらなる切り札の餌にする。まさに弱肉強食といえるプレイングを考えながら、彼はターンエンドを宣言。

 

「超……攻撃的?」

 

 しかしその中の言葉に百代が引っかかるように声を漏らした。

 

「防御カードの一枚も伏せられなかった相手を、仕留めそこなっておいて……超攻撃的、ですか?」

 

「ははは! 負け惜しみしか言えないのか!? 諦めてサレンダーして謝ればまあ、少しは優しく可愛がってやるぜ?」

 

 百代の言葉をブルー男子は負け惜しみと言い捨てて諦めろと挑発する。が、百代は諦めた様子もなくデッキに指をかけてデュエル続行の意思を示した。

 

「では、お兄様もいる事ですし……お兄様がいなかったこの一年で磨きをかけた……超攻撃的デストーイデッキの破壊力を見せてあげます」

 

「お、楽しみにしてるぜモモ!」

 

「はうっ!」

 

 キリッとした表情での、意趣返しか先ほどのブルー男子の台詞を繰り返した決め台詞だったのだが十代が声援を送ると途端に表情が崩れただけではなく崩れ落ちる百代。

 だが立ち直した彼女は嬉しそうに頬を蕩けさせつつも目は真剣なまま、鋭い「ドロー!」の掛け声と共にデッキからカードを引き抜いた。

 

「来た!」

 

 ドローカードを見てキリッとした表情に戻った百代は、それをそのままデュエルディスクへと差し込んだ。

 

「魔法カード[魔玩具補綴(デストーイ・パッチワーク)]を発動! デッキから[融合]と[エッジインプ・シザー]を手札に加えます」

 

 

「くるか?」

 

 百代が一枚のカードを発動しただけで、十代はこれから百代が何を見せてくれるのかとワクワクした顔を見せる。その顔に応えるように百代はさらに一枚の手札をデュエルディスクに差し込んだ。

 

「私は魔法カード[死者転生]を発動します。手札を一枚捨て、墓地から[ファーニマル・シープ]を手札に加える。さらに今墓地に送った[エッジインプ・シザー]の効果を発動します。このカードが墓地に存在する場合、手札を一枚デッキの一番上に戻すことで、このカードを墓地から守備表示で特殊召喚する」

エッジインプ・シザー 守備力:800

 

「ん? さっきのぬいぐるみみたいなモンスターに比べるとなんか毛色が違うっすね?」

 

「おう。きっとここからモモのコンボがスタートするぜ」

 

 百代の場に現れたハサミのようなモンスターの姿に翔が首を傾げると、十代がにっと笑ってそう答える。

 

「私は永続魔法[トイポット]を発動し、効果を発動します。一ターンに一度手札を一枚捨て、私はデッキから一枚ドローし、お互いに確認する。確認したカードがファーニマルモンスターだった場合、手札からモンスター一体を特殊召喚でき、違った場合、そのドローしたカードを捨てる」

 

 

「ドローしたカードなんて、そんなのほとんど運任せ……」

 

「いや、彼女のコンボならば百発百中だ」

 

「あ、三沢君。いたの?」

 

「いたよ!」

 

 百代の発動した永続魔法の効果を聞いた翔が声を漏らすと、いつの間にかそこにいた三沢が百発百中になると宣言。彼の存在に今気づいた翔の言葉にツッコミを返した後、ゴホンと咳払いをした。

 

「彼女はトイポットを発動する直前、エッジインプ・シザーの効果によって手札の一枚をデッキトップに戻している」

 

「……なるほど。その時にファーニマルモンスターを戻しておけば、トイポットの効果は百発百中」

 

「おう。モモの得意コンボだ」

 

 初見で百代のコンボを見抜いた三沢に明日香が感心したように答えると、既にそのコンボを知る十代も首肯を返した。

 

「手札を捨ててドロー。ドローしたカードはもちろんファーニマルモンスターである[ファーニマル・ドッグ]、よってそのまま特殊召喚し、効果を発動します。その効果で私は[ファーニマル・ベア]を手札に加えます」

ファーニマル・ドッグ 守備力:1000

 

「はっ、だが守りを固めるのが精一杯か? ま、所詮雑魚モンスターは壁か生贄にしか役に立たねえからなぁ」

 

「いえ。ここから反撃開始といきましょう」

 

 涼やかなその言葉と鋭く研ぎ澄まされた目が、挑発してきたブルー男子を射抜く。それにブルー男子が気圧されたように僅かに引くと同時、百代は己のデッキのキーカードであるカードをデュエルディスクに差し込んだ。

 

「魔法カード[融合]を発動! 手札の[ファーニマル・ベア]とフィールドの[エッジインプ・シザー]を融合する!」

 

 彼女の呼びかけに現れるように出現するのはピンク色の可愛らしい熊のぬいぐるみのようなモンスター。その愛らしさもまたも女生徒から黄色い声が上がる。

 

「悪魔の爪よ! 野獣の牙よ! 神秘の渦で一つとなりて新たな力と姿を見せよ!」

 

 しかしそのぬいぐるみにハサミの悪魔が重なり合った瞬間、ぬいぐるみの姿が変貌する。

 身体が巨大化したと思えばその腕がバリバリと破れて中からハサミのような金具が出現してそれが腕と金具を繋ぐ。さらに腹部も横に割れて、腹から巨大なハサミが飛び出る。さらによく見ればぬいぐるみの顔の中からは何か得体の知れない赤い目が覗いていた。

 

「融合召喚! 現れ出でよ、すべてを切り裂く戦慄のケダモノ[デストーイ・シザー・ベアー]!!」

デストーイ・シザー・ベアー 攻撃力:2200

 

[ベアアアアアァァァァァァァッ!!!]

 

 見ようによってはグロテスクな姿に変貌したぬいぐるみの咆哮に、さっきまで黄色い声を上げていた女生徒がヒィッと悲鳴を上げる。

 

「ハ……ハッ、ご丁寧に融合召喚しておいて攻撃力たったの2200? 所詮はドロップアウトのクズの妹らしい雑魚モンスターだな」

 

 百代の目に気圧されていたブルー男子もデストーイ・シザー・ベアーのステータスを見て恐るるに足らずと嘲笑するが、対戦相手の嘲笑や観客の悲鳴を気にしていないかのように、特殊召喚の条件が整っていたためファーニマル・シープが再び彼女の場に姿を現して「メェ」と一鳴きした。

 

「ファーニマル・シープの効果発動! 自身以外のファーニマルを手札に戻し、自分の手札・墓地からエッジインプ一体を選んで特殊召喚する。私は場の[ファーニマル・ドッグ]を手札に戻し、墓地の[エッジインプ・シザー]を再び特殊召喚」

ファーニマル・シープ 守備力:800

エッジインプ・シザー 守備力:800

 

 百代の場で構えていた犬のぬいぐるみが光になって百代の手札に舞い戻り、入れ替わるように地中からハサミの悪魔が出現。

 

「さらに魔法カード[融合回収(フュージョン・リカバリー)]を発動、墓地から[融合]と融合に使用した[ファーニマル・ベア]を手札に加えます。

 そして再び[融合]を発動! 私は手札の[ファーニマル・オウル]とフィールドの[エッジインプ・シザー]を融合! 悪魔の爪よ! 煉獄の眼よ! 神秘の渦で一つとなりて新たな力と姿を見せよ! 融合召喚! 現れ出でよ! すべてを引き裂く密林の魔獣[デストーイ・シザー・タイガー]!!」

デストーイ・シザー・タイガー 攻撃力:1900

 

[ガオオオオォォォォォッ!!!]

 

 出現するのはデストーイ・シザー・ベアーと同じく腕や腹部からハサミが伸びた格好ではあるが、その素体となっているのは虎のぬいぐるみのモンスター。

 

「だが攻撃力はたった1900! そんな雑魚に何が出来る!?」

 

「これが出来ます。デストーイ・シザー・タイガーが融合召喚に成功した時、このカードの融合素材としたモンスターの数まで、フィールドのカードを破壊する」

 

「……なにぃ!?」

 

 

「融合はその性質上二体以上のモンスターを素材とする関係上、少なくとも二枚まで破壊できるわけか……なかなか便利なカードだ」

 

 デストーイ・シザー・タイガーの強力効果に悲鳴を上げるブルー男子を傍目に三沢は制限のない強力な破壊効果を絶賛。

 それをよそにデストーイ・シザー・タイガーの腹部にあるハサミがブルー男子の場目掛けて伸びていく。

 

「私が破壊するのは二枚の伏せカード!」

 

「ちぃ! トラップ発動[侵略の波紋]! 500ライフをコストに墓地からレベル4以下のインヴェルズである[インヴェルズ万能態]を特殊召喚!

 さらにチェーンしてもう一枚のリバースカードオープン[ライジング・エナジー]! 手札を一枚捨て、インヴェルズ・ガザスの攻撃力を1500ポイントアップする!」LP4000→3500

インヴェルズ万能態 守備力:0

インヴェルズ・ガザス 攻撃力:2800→4300

 

 破壊されそうになったリバースカードが翻り、それに呼び出された蓑虫が主の場で守備の体勢を取り、さらにインヴェルズ・ガザスの攻撃力が急上昇する。

 

「デストーイ・シザー・タイガーの効果はまだあります。このカードがモンスターゾーンに存在する限り、自分フィールドのデストーイの攻撃力は、自分フィールドのファーニマル及びデストーイの数×300アップする。私の場のファーニマルは一体、デストーイは二体、よってデストーイ全ての攻撃力が900アップします」

デストーイ・シザー・ベアー 攻撃力:2200→3100

デストーイ・シザー・タイガー 攻撃力:1900→2800

 

「ハッ、残念だったな! 俺の伏せカードがなければ倒せただろうに! しかもお前の手札はもう雑魚二枚だと分かってる! もう何も出来ないだろ!…(…インヴェルズ・グレズを捨てさせられたのは計算違いだが、その程度どうにでもなる……)」

 

「では、補充するとしましょう」

 

「……は?」

 

 ブルー男子の指摘通り百代の手札は連続融合召喚によって大幅に消費し、さらにサルベージやバウンスをした事でその中身も判明している。だが百代はなんでもないようにそう答え、同時に彼女の墓地から一枚のカードが吐き出された。

 

「墓地の[ファーニマル・ウィング]の効果発動。自分フィールドにトイポットが存在する場合、墓地のこのカードと自分の墓地のファーニマル一体を除外し、自分はデッキから一枚ドローし、さらに自分フィールドのトイポット一枚を選んで墓地へ送り、デッキから一枚ドローできる。

 私はファーニマル・ウィングと墓地のファーニマル・オウルを除外してデッキから一枚ドロー。さらに場のトイポットを墓地に送って一枚ドロー。そしてトイポットの効果を発動、このカードが墓地へ送られた時、デッキからエッジインプ・シザー一体またはファーニマル一体を手札に加える。私は二枚目の[エッジインプ・シザー]を手札に加えます」

 

 

「トイポットの発動コストに捨てたカードを、トイポットとのコンボで使ったというわけね……無駄がないわ」

 

 サーチしたエッジインプ・シザーを含め実質三枚のドロー。いきなり増えた手札にブルー男子が唖然としていると、彼の場にクマのぬいぐるみが出現した。

 

「私は[ファーニマル・ベア]を召喚します」

ファーニマル・ベア 攻撃力:1200

デストーイ・シザー・ベアー 攻撃力:3100→3400

デストーイ・シザー・タイガー 攻撃力:2800→3100

 

「は!? お前は既に召喚を──」

「いえ、私はまだ召喚権は行使していません」

 

 モンスターが出現したことに驚いたブルー男子がそう指摘しようとするも、百代はそれを力強く否定。ブルー男子は「そんな馬鹿な!?」と叫んで思い返すも、はっとした顔になる。

 

「たしかに、手札から出てきたファーニマル・ドッグもファーニマル・シープも特殊召喚。他も大体融合召喚されたものだ、まだ彼女に召喚権は残っている」

 

 観客の三沢もそれを認めていた。

 

「だ、だが、そんな雑魚に何が出来る!? 攻撃力を上げたところで焼け石に水だ!」

 

「ファーニマル・ベアの効果を発動。自身を生贄にすることで、墓地から[融合]を手札に加えます」

デストーイ・シザー・ベアー 攻撃力:3400→3100

デストーイ・シザー・タイガー 攻撃力:3100→2800

 

「な、なんだと……し、しかもお前の手札には今……」

 

「その通り。魔法カード[融合]を発動、私は場の[ファーニマル・シープ]と手札の[エッジインプ・チェーン]を融合! 悪魔の鎖よ! 野獣の角よ! 神秘の渦で一つとなりて新たな力と姿を見せよ!」

 

 羊のぬいぐるみが鎖の悪魔に絡め取られると、その呪いを受けたようにぬいぐるみの姿が変貌していく。

 やはり身体が巨大化していくと共に美しい羊毛が薄茶色に汚れていく。さらにその四肢もフックや回転ノコギリのような禍々しい武器に変形していき、さらに身体に巻きついた鎖から伸びた鎖の先にも回転ノコギリが生成される。

 

「融合召喚! 現れ出でよ、すべてを封じる鎖のケダモノ! [デストーイ・チェーン・シープ]!!」

デストーイ・チェーン・シープ 攻撃力:2000→2900

 

[メエエエエェェェェェッ!!!]

 

 その耳障りな咆哮を聞いて、可愛らしかったぬいぐるみが次々と禍々しい姿に変貌していくという事実についに耐えきれなくなったのか数名の女生徒が卒倒。どうにか卒倒までは耐えたものの明日香も頬を引きつかせ、ジュンコとももえに至っては完全に引いてお互いに抱き合って怯えた顔を見せている。

 

「だが攻撃力は及ばない!」

 

「エッジインプ・チェーンが手札から墓地へ送られた事で効果発動! デッキからデストーイカード一枚を手札に加える。私は永続魔法[デストーイ・ファクトリー]を手札に加え、そのまま発動!」

 

 百代の背後に広がるのは何かの生産工場らしき設備。デストーイ・シザー・ベアーとデストーイ・シザー・タイガー、そしてデストーイ・チェーン・シープがまるで生まれ故郷を目にして喜ぶように耳障りな咆哮を上げて不気味に踊っていた。

 

「デストーイ・ファクトリーはデストーイの生産工場。墓地の融合・フュージョン魔法カードを燃料として稼働し、デストーイの融合召喚を可能とする。私は墓地の[融合回収]をデストーイ・ファクトリー稼働の燃料として除外する。デストーイ・ファクトリー、稼働開始!」

 

 主たる百代の命を受け、融合回収の魔法カードを燃料にガゴンと音を立ててデストーイ・ファクトリーが稼働開始する。

 

「フィールドの[デストーイ・シザー・ベアー]、手札の[エッジインプ・シザー]と[ファーニマル・ドッグ]を融合!」

 

 

「こ、今度はデストーイまで融合っすか!?」

 

 その融合素材として己の切り札カードであるデストーイを指定し、同時にデストーイ・シザー・ベアーがデストーイ・ファクトリーに吸収されていくと翔が驚きに声を上げる。

 

「すべてを切り裂く戦慄のケダモノよ! 悪魔の爪よ! 獰猛なる牙よ! 神秘の渦で一つとなりて新たな力と姿を見せよ! 融合召喚!! 現れ出でよ! 全てに牙むく魔境の猛獣[デストーイ・サーベル・タイガー]!!!」

デストーイ・チェーン・シープ 攻撃力:3200→2900

デストーイ・シザー・タイガー 攻撃力:3100→2800

デストーイ・サーベル・タイガー 攻撃力:2400→3300

 

[グルルルルル、グオオオオォォォォォンッ!!!]

 

 デストーイ・ファクトリーから姿を現すのはまさしく古代に生きていたサーベルタイガーである禍々しいぬいぐるみ。仲間の登場に沸き立つデストーイ・シザー・タイガーとデストーイ・チェーン・シープに応えるようにデストーイ・サーベル・タイガーが不気味な声で咆哮する。

 その威圧感と咆哮に女生徒どころか観客の男子生徒まで一部失神していた。

 

「デストーイ・サーベル・タイガーのモンスター効果発動! このカードが融合召喚に成功した時、自分の墓地のデストーイモンスター一体を特殊召喚する! 舞い戻れ、[デストーイ・シザー・ベアー]!」

デストーイ・チェーン・シープ 攻撃力:2900→3200

デストーイ・シザー・タイガー 攻撃力:2800→3100

デストーイ・サーベル・タイガー 攻撃力:3300→3600

デストーイ・シザー・ベアー 攻撃力:2200→3400

 

[ベアアアアアァァァァァァァッ!!!]

 

 しかもその咆哮に導かれたように融合素材として消えたデストーイ・シザー・ベアーが復活、再び咆哮を轟かせた。

 

「さらにデストーイ・サーベル・タイガーの効果! このカードがモンスターゾーンに存在する限り、自分フィールドのデストーイモンスターの攻撃力は400アップする!

デストーイ・チェーン・シープ 攻撃力:3200→3600

デストーイ・シザー・タイガー 攻撃力:3100→3500

デストーイ・サーベル・タイガー 攻撃力:3600→4000

デストーイ・シザー・ベアー 攻撃力:3400→3800

 

 

「こ、攻撃力が最低でも3500……」

 

 四体もの融合モンスターが並んだ壮観な光景に、さらにそのステータスも二重の強化を得て豪快な数値となり、それを見た明日香が絶句しつつもどうにか言葉を述べる。だがブルー男子はクククっと笑みを漏らした。

 

「お、惜しかったな? 攻撃力は僅かに足らない。ま、雑魚にしちゃよくやった方だと褒めてやるよ。諦めてサレンダーすれば許してやらなくもないぜ?」

 

「いえ、まだです」

 

 だがブルー男子の言葉に対し、百代はニヤァと笑みを浮かべてさらにもう一枚の手札をデュエルディスクに差し込んだ。

 

「魔法カード[魔玩具融合(デストーイ・フュージョン)]を発動。自分のフィールド・墓地から、デストーイ融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを除外し、その融合モンスター一体を融合召喚する。私は墓地のエッジインプ・シザー、ファーニマル・ドッグ、ファーニマル・ベア、ファーニマル・シープを除外融合!」

 

「よ、四体融合だとぉ!?」

 

「悪魔の爪よ! 獰猛なる牙よ! 野獣の牙よ! 野獣の角よ! 神秘の渦で一つとなりて新たな力と姿を見せよ! 融合召喚!! 現れ出でよ、全てを狩り取る密林の狩人[デストーイ・シザー・ウルフ]!!!」

デストーイ・チェーン・シープ 攻撃力:3600→3900

デストーイ・シザー・タイガー 攻撃力:3500→3800

デストーイ・サーベル・タイガー 攻撃力:4000→4300

デストーイ・シザー・ベアー 攻撃力:3800→4100

デストーイ・シザー・ウルフ 攻撃力:2000→3900

 

[ウオオオオォォォォォン!!!]

 

 またも出現するのは狼のぬいぐるみをハサミで繋ぎ合わせたような不気味なぬいぐるみ。その咆哮と、彼女の場に完成した陣形を見たブルー男子の頬が引きつった。

 

「ご……五体の融合モンスターを、一ターンで……」

 

 

「すっげー! こんなの俺が地元にいた頃だと10回に1回出来ればいい方だったのに……成長したな、モモ! 兄として俺も嬉しいぜ!」

 

 

「ありがとうございます。お兄様!」

 

 絶句し、怯んでいるブルー男子を横に十代は目をキラキラさせて妹の成長を喜んでサムズアップを向け、それを見た百代もハートマークを乱舞させながらその声援に応えた後、すっとその目から感情を消したような冷たい瞳でブルー男子を射抜く。

 

「さあ、覚悟はよろしいですね? ゆきなさい、デストーイ・サーベル・タイガー。あいつを地獄に送る一助となれ」

 

[グオオオオォォォォォンッ!!!]

 

 主の指示を受けてデストーイ・サーベル・タイガーがインヴェルズ・ガザス向けて突進、インヴェルズ・ガザスもその突進を受け止めて力比べに持ち込む。

 

「相討ちっす!」

 

「いや、そうはいかねえぜ! やっちまえ、デストーイ・サーベル・タイガー!!」

 

 攻撃力は同等、そこから導き出される未来を翔が叫ぶと、隣の十代が拳を振り上げてデストーイ・サーベル・タイガーを応援。

 それに応えるようにデストーイ・サーベル・タイガーが力任せにインヴェルズ・ガザスを振り払うとその顔につけられた刃でインヴェルズ・ガザスを斬り裂き、最後には噛み砕いて惨殺した。

 

「な、なんで!?」

 

「モンスター三体以上で融合召喚されたデストーイ・サーベル・タイガーは戦闘・効果では破壊されないんだ!」

 

 驚く翔に、兄ゆえか妹の切り札の効果はよく知っているとばかりに十代が解説。

 これで彼女の場は一切の儀性が無いまま、モンスターは彼自身が雑魚と呼んだインヴェルズ万能態のみ、魔法・罠は空っぽ。さらに手札も尽きた事でほとんどがら空きとなったブルー男子は、まだ攻撃権が残る四体のデストーイが獲物を見定めるようにこちらを見ていて、さらにそれらに命令を下せる百代を恐れるような目で見ていた。

 

「そ、そんな馬鹿な……エリートである俺が、一年生なんかに……」

 

「ウルフ、仲間を呼びなさい」

 

[ウオオオオォォォォォン!!!]

 

 ガタガタと震え出すブルー男子に対し、情けはかけないとばかりに百代はデストーイ・シザー・ウルフに指示、デストーイ・シザー・ウルフが遠吠えを上げるとどこからともなくさらに三体のデストーイ・シザー・ウルフが出現した。

 

「な、なんだ!?」

 

「デストーイ・シザー・ウルフは融合素材としたモンスターの数まで一度のバトルフェイズ中に攻撃できる。私が融合素材としたのは四体、よって四回の攻撃権を得た」

 

 

「こ、攻撃力3900の四回攻撃って……」

 

「オーバーキルというレベルじゃないぞ……」

 

 一発で初期ライフでも瀕死になり、今のライフでは即死になる攻撃力でさらに四回攻撃。それだけでもオーバーキルだというのに、さらにそれと同等かそれ以上の攻撃力を持つモンスターも控えている。その光景に明日香と三沢が頬を引きつかせた。

 

「お兄様を侮辱したものがそう簡単に楽になれるとは思うな……ゆけ、我が僕(デストーイ)達、雑魚を踏み潰し、全てを蹂躙せよ。魔玩具行進(デストーイ・パレード)

 

[ベアアアアァァァァァッ!!!]

[メエエエエェェェェェッ!!!]

[ガオオオオォォォォォッ!!!]

[ウオオオオォォォォォン!!!]

 

 ビシッと指差し、攻撃を宣言。それと共にデストーイ達がまるで行進するようにブルー男子の場に向けて突撃。彼の場に唯一残るインヴェルズ万能態をデストーイ・シザー・ベアーが丸呑みにし、残る三体(とデストーイ・シザー・ウルフが率いる同族)が正真正銘がら空きとなったブルー男子目掛けて突進。

 

「ぎゃああああああああああ!!!」LP3500→-19800

 

 デストーイ達が突進の勢いのまま轢き潰し、一気に彼のライフは危うく-二万の大台に向かおうかというレベルに削られ、当然デュエルの決着を示すブザーも鳴り響いた。

 

 

 

 

 

「あ、ああ、あああああ……」

 

 デストーイに轢き潰されたブルー男子はうつ伏せに倒れていた状態からなんとか起き上がるも、その眼前で自分を見下すような視線を向けている百代を見ると途端に怯えたように顔を歪ませて腰が抜けたように倒れ込む。

 

「この程度でお兄様を侮辱するとは、身の程知らずが……」

 

 そう呟く百代の横に、背中から巨大な翼が生えた、橙色と緑色のオッドアイだけではなく巨大な目玉が額に縦向きにくっついている悪魔の幻影がブルー男子の目に見えたような気がする。十代が「お、ユベル」とか言っているがそれが彼の耳に聞こえる事はなかった。

 

「ひ……ひいいいぃぃぃぃっ!!!」

 

 その存在や、それを従える百代へ恐怖を感じたか、ブルー男子は最初は這う這うで、なんとか立ち上がって走り出してからも何度か転びそうにつんのめりながらその場を逃げ去っていった。

 

「すっげーなモモ! まさかワンターンキルしちまうなんて思わなかったぜ。一年間見てなかっただけで成長したじゃねえか。兄として俺も鼻が高いぜ!」

 

「ありがとうございます、お兄様!」

 

 十代もオベリスクブルーの百代からすれば先輩にあたる二年生をワンターンキル(しかも超オーバーキル)した事を賞賛し、百代も嬉しそうに頬を蕩けさせてお礼を返す。

 

「でも俺だって負けないぜ! これからレッド寮に戻ってデュエルだ!」

 

「はい!」

 

 自然な流れでデュエルの約束を取り付けた十代は百代を連れ、「いくぞ翔!」と翔に呼び掛けてレッド寮に向け歩いていく。その三歩後を百代はついていき、さっきまでの惨劇ともいえるデュエルに実はドン引きしてフリーズしていた翔は僅かな後に意識を取り戻して十代の後を追いかける。

 

「……これは、とんでもない新入生が来ちゃったようね」

 

「そのようだな……」

 

 その場に残った明日香と三沢はこの恐ろしいデュエルを見てブルブルと震えたり最悪恐怖に耐えきれず失神・卒倒した仲間達を見て、今年も大変な事になりそうだと嘆息したのであった。




 久しぶりに更新しました。まあ更新したっていうか、この前まさか完結一年経ってから感想を貰うとは思わず感想が来てビックリしながら、前々から思いついていた「百代がデストーイを使っている」っていう短編をせっかくの機会だからと書いてみただけなんですけども。
 実際、普段はお淑やかで可愛い系なんだけど十代が関われば途端にヤンデレて十代を侮辱した相手は容赦なく排除する百代なら普段は可愛いファーニマル、だけど戦う時は恐ろしいデストーイっていう二面性のこれって結構似合うなって思うんです。(笑)

 でもってどうせ続きを書くつもりないので思いっきりやらせてみました。(笑)
 ワンターンキル&融合連続によるオーバーキルレベルの戦力展開前提で考えると手札確認・調整がめちゃめちゃ大変でした……というか手札調整ミスって「あれ、もう未知の手札がない……この融合素材どこから来たんだ?」って書き終えた後の確認段階で気づいて書き直しを何度繰り返したか……。
 で、これでなんとか帳尻はあったはず……という結果が今回になります。(汗)

 そして先述通りこれの続きを書く予定はありませんのでご了承ください。
 では今回はこの辺で。ご指摘ご意見ご感想はお気軽にどうぞ。それでは。

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