俺たちが呆然と立ち尽くしていると高橋先生が雄二と霧島翔子さんを連れてAクラスに戻り、あらためて勝負の結果発表を言った
「Aクラス対Fクラスの一騎討ちでの結果・・3対2でAクラスの勝ちです」
「「「「「・・・・・」」」」」
「・・・雄二、私の勝ち」
高橋先生が改めて勝負の結果をいうと地面に手をおいて悔しがってる雄二と微かに表情は喜んで宣言する霧島翔子さん・・・
うん・・・・
ーーカチャカチャ
「雄二・・・言い残すことは?」
明久がゆっくりとゆっくりとフラフラと雄二に近づき・・・
「・・・殺せ」
「よし・・・・いい覚悟だぁぁぁ!!」
「明久君!落ち着いてください!!」
「落ち着いなさい!アキ!!」
雄二の遺言に明久が興奮状態に入っていて、島姉とお姉ちゃんが全力で押さえていた。普段の明久なら恐らくは興奮するだろうが今は別の意味で興奮している
「だいたい、53点ってなんだよ!0点なら名前の書き忘れとかも考えられるのに、この点数だと――」
「あぁ・・・いかにも俺の全力だ!」
「この阿呆がぁーっ!」
「アキ、落ち着きなさい!アンタだったら30点も取れないでしょうが!」
「それについて否定はしない!」
「それなら、坂本君を責めちゃダメですよ!」
「くっ!どうして止めるんだ2人とも!この馬鹿には喉笛を引き裂くという体罰が必要なのに!」
「明久君、それは体罰じゃなくて処刑です!!」
お姉ちゃんと島姉が必死に明久を止めてる側では俺はゆっくりとあるものを引き抜いて、雄二の首もとに置くと、雄二は震えていた
「そ・・・総司・・・?な、なんの真似だ?」
「雄二・・・俺は言ったよな?『もし結果を出さなかったら・・・覚悟しとけよ』って・・・」
「あ・・・」
「俺はお前が霧島翔子さんに勝つために日本史を教えていたはずたが・・・どうやら聞き流していたみたいだな(チャキ)」
「えっとその・・・・」
「その命・・・償いな!」
俺が木刀を思い切り雄二の方にふろうとすると誰かが俺を止めた
「ッちょっとさすがにそれは不味いよ!?ここを血まみれにする気!?」
「霧島紫桜さん・・止めているところ悪いが、俺はこのバカ代表を切り裂かないと俺の気がすまないのだけど・・?」
「いやいや、さすがにダメよ!?貴方が犯罪になるから!?」
「ッチ・・・雄二、霧島紫桜さんに感謝しろよ」
俺が舌打ちすると霧島紫桜さんが安心したように息をはいていた
「・・・でも危なかった。雄二が所詮小学生の問題だと油断していなければ負けてた」
「言い訳はしねぇ」
「油断してるの認めるのかよ・・・」
「だから、木刀直しなさい!?というか、それはどこから取り出したの!?」
「企業秘密」
「そんな企業秘密はないわよ・・・」
「・・・・ところで約束」
「・・・・・!(カチャカチャカチャカチャ!)」
俺の暴走に霧島紫桜さんは疲れたように突っ込みをいれるのと同時に霧島翔子さんが雄二に約束を切り出した。その瞬間、ムッツリーニが夢中にカメラを磨いて撮影の準備も進めていた
「わかっている。何でも言え」
「・・・それじゃあ」
霧島翔子さんがお姉ちゃんに一度視線を送って、再び雄二に戻します。そして、小さく息を吸って・・・
「・・・・雄二、私と付き合って」
「「「「「へっ?」」」」」
霧島翔子さんの告白にFクラスもAクラスもみんなビックリして変な声だしていた。勿論俺や霧島紫桜さんも声は出さないもビックリしていたが、告白された当の本人は平然していた
「やっぱりな。お前、まだ諦めてなかったのか」
「・・・私は諦めない。ずっと、雄二が好き」
「その話は何度も断ったろ?他の男と付き合う気は無いのか?」
「・・・私には雄二しかいない。他の人なんて、興味ない」
「拒否権は?」
「・・・ない。約束だから。今からデートに行く」
「放せ!やっぱこの約束は無かったことにーーーーぎゃぁぁあ!?」
霧島翔子さんは雄二を引きずりながら教室を出て行った・・・
「姉さん・・・」
「あの雄二が引きずられているのか・・・こいつは写メ取り損なったな」
「貴方は貴方でぶれないのね・・・」
「さて、Fクラスの皆。お遊びの時間は終わりだ」
俺と霧島紫桜さんが小さなやり取りしてると、聞き覚えのある声が来たので振り向くと
「鉄人?なんでここにいるの?」
「鉄人というな。今から我がFクラスの補習についての説明をしようと思ってな」
「ん?(我がFクラスって言わなかった?)」
「おめでとう。お前らは戦争に負けたおかげで、福原先生から俺に担任が変わるそうだ。これから一年、死に物狂いで勉強できるぞ」
「「「「何ぃ!?!」」」」
あのFクラスに鉄人が見るとなれば間違いなく地獄になるぞ・・・
「お前らFクラスがここまでくるとは正直思わなかった。でもな、いくら『学力が全てではない』と言っても、人生を渡っていく上では強力な武器の一つなんだ。全てではないからといって、ないがしろにしていいものじゃない」
「いってる内容は正論ね・・・」
「・・・」
「特に吉井、坂本は念入りに監視してやる。なにせ、開校以来初の《観察処分者》と要注意人物だからな」
「そうはいきませんよ!なんとしても監視の目をかいくぐって今まで通り楽しい学園生活を過ぎしてみせる!」
「お前に悔いを改めるというのはないのか・・・?」
「ないです!」
明久の即答に鉄人は頭を抱えてため息ついていた。あの鉄人にそう真っ正面から答えるのはなかなか少ないと思うがな
「あぁ、それと!!俺が居らないときのために副担任が決まったからな!」
「「「「副担任!?」」」」
「あぁ。副担任は今度こちらに二人の先生が正式に配属されることになった!」
「「「「何ぃ!?」」」」
「まぁ副担任の件はおいといて・・とりあえず来週からは授業とは別に補習の時間と特別テストの時間を設けてやろう。まあ休日はゆっくり休むといい。点数が悪い奴は更に特別補習だ」
「「「「神は我らを捨てた・・・」」」」
副担任・・・いったい誰だ?
そう考えていると、お姉ちゃんと島姉が明久と何かやり取りしていた
「さぁ~て、アキ。補習は来週からみたいだし、今日は約束通りクレープでも食べに行きましょうか?」
「え?美波、それは週末って話じゃ・・・」
「ダメです!吉井君は私と映画を観に行くんです!」
「ええっ!?姫路さん、それは話題にすら上がってないよ!?」
「に、西村先生!明日からと言わず、補習は今日からやりましょう!思い立ったが仏滅です!」
「『吉日』だ!このバカ!」
明久だから仕方がないと思いますよ・・・
「うーん、お前にやる気が出たのは嬉しいが──」
「嬉しいが・・・!?」
言葉を区切って、明久と島姉とお姉ちゃんを見る鉄人。あぁこれは俺も鉄人の考えがわかった
「無理することはない。今日だけは存分に遊ぶといい!」
「おのれ鉄人!僕が苦境にいると知った上での狼藉だな!こうなったら卒業式には伝説の木の下で釘バットを持って貴様を待つぅぅ!!!」
「なら俺は明久がくたばる瞬間をとるためにを応援する」
「斬新な告白と応援だな、おい」
俺と明久の宣言に鉄人は呆れたように言うと、島姉が怒って明久に言っていた
「アキ!こんな時だけやる気を見せて逃げようったって、そうはいかないからね!」
「ち、違うよ!本当にやる気が出ているんだってば!」
「吉井君!その前に私と映画です!」
「姫路さん、それは雄二じゃなくて僕となの!?」
「アキ!いいから来なさい!」
「あがぁっ!美波、首は致命傷になるから優しく──」
必死の抵抗むなしくお姉ちゃんと島姉に連行された明久・・・。俺はお姉ちゃんも島姉も明久が好きなだと知ったのはつい最近だ
お姉ちゃんの好きな人ができたのは喜べばいいのか何か複雑だな・・・
「あなた少し時間がある?」
「ん?まぁあるが・・・」
「・・・少し放課後私と話するの付き合ってくれない?」
「・・・は?」
お姉ちゃん・・・どうやら俺も何やら大事な話ができたので帰るの遅くなります・・・
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