明久がDクラスに向かっている間に俺はお姉ちゃんに俺の友達を教えた
「お姉ちゃん、右からムッツリーニこと、土屋康太でその隣が木下秀吉だよ」
「は、初めまして。姫路瑞希です」
「・・・初めまして」
「初めましてじゃ。後、ワシはこう見えても男じゃからのう」
「それとこのクラスのもう一人の女子の人は・・えーと」
「あ、うちは島田美波よ。宜しくね?」
「は、はい。島田さん」
「ウチのことは下の名前で読んでね?後、ウチは瑞希って呼ぶね?弟の方は総司ってよぶけどいいかしら?」
「俺は良いよ」
「私も美波ちゃんと呼びます。よろしくお願いします」
「えぇ!」
女の子は仲良くなるの速いな・・・。すると、このタイミングで大声で叫びながら教室に学年一のバカがボロボロになって戻ってきた
「騙されたぁぁぁぁぁ!」
「やはりそうなったか」
「やはりってなんだよ!使者への暴行は予想通りだったんじゃないか!」
「当然だ。そんなことが予想もできないで代表が務まるか」
「少しは悪びれろよ!」
聞いてるそばでは面白いがまぁ思ったより・・・
「元気そうだな?」
「吉井君、大丈夫ですか?」
「あ、うん。大丈夫。ほとんどかすり傷」
「吉井、本当に大丈夫?」
「平気だよ。心配してくれてありがとう」
「そう良かったーーウチが殴る余裕はまだあるんだ・・・」
「ああっ!もうダメ!死にそう!」
俺が言えた義理ではないが島田は止めを刺そうとするのは恐ろしいな・・・まぁ・・・
「その様子ならもっと切り刻めるか(大丈夫か?明久)」
「君のは本当に酷いよ!?!本音と建前が逆だし、もっと・・・」
「うん?もっと切り刻めと?」
「ちがーーーう!!!もっと優しさを出してっていってるの!!」
「そんなことはどうでもいい。それより今からミーティングを行うぞ」
そう言った雄二は立ち上がった。他の場所で話し合うためか扉をあけ外へ出ていった
俺たちは屋上に着き、それぞれ聞こえやすいように話していた
「じゃ、会議を始めるぞ。明久、宣戦布告はしてきたな?」
「一応今日の午後に開戦予定と告げて来たけど?」
「それじゃ、先にお昼ご飯ってことね?」
島田がそういうと雄二は頷いていた後に明久の方をみて言った
「そうなるな。明久、今日の昼ぐらいはまともな物を食べろよ?」
「そう思うならパンでもおごってくれると嬉しいんだけど」
「えっ?吉井君ってお昼食べない人なんですか?」
雄二と明久のやり取りにお姉ちゃんは不思議そうな顔をしていた。だけど、まぁ事情を知ってる身からしたら自業自得だけどね
「お姉ちゃん違う、違う。明久はご飯を食べない日々続いてるだけ」
「えぇ!?!もしかって吉井君はだ、ダイエット中なんですか!?」
「いや、一応食べてるさ!あと、ダイエットしてないからね!?」
「いやそもそもお前は間違ってるぞ、明久」
「なにが?」
「お前の主食は水と塩だろ?」
「むっ!失礼だな!きちんと砂糖だって食べているさ!」
「いや、明久。水と塩と砂糖って食べるとは言わないぞ」
「舐める、が表現としては正解じゃな」
「驚異の生命力・・・」
本当にこいつの生命力はひょっとしたらとんでもないのではないのか?と思う俺がいる
「まぁ、飯代まで遊びに使い込むお前が悪いよな」
「し、仕送りが少ないんだよ!」
「てめぇは今すぐ世の中の働いてるお母さんに謝ってこい。というか、子供のためにしっかり働いてるお母さんに謝ってこい」
「なんで!?」
「あの、良かったら明日は私が弁当作ってきましょうか?」
「ゑ?」
そんなかわいそうな明久を見かねたお姉ちゃんは「お弁当を作ろうか?」の言葉に機能停止になったので見かねた俺は明久に・・・・
「ほら!」
「っは!?あぶなっ!?」
「ッチ・・・避けたか・・・」
「危ないじゃないか!?そして・・・本当にいいの?姫路さん」
「はい。明日のお昼で良ければ・・」
「良かったじゃないか明久。手作り弁当だぞ?」
「うん!」
雄二の言葉に明久は嬉しそうだった。だが、それをつまんなさそうに言ったのがいた
「・・・ふーん。瑞希って随分優しいんだね。吉井だけに作ってくるなんて」
「あ、いえ!その、皆さんにも・・・」
「俺達にも?いいのか?」
「はい。嫌じゃなかったらですが」
「それは楽しみじゃのう」
「・・・・(コクコク)!」
「・・・お手並み拝見ね」
「今だから言うけど、僕、初めて会う前から君のこと好き──」
「明久、今はやめといたほうがいい?今振られると弁当の話はなくなるぞ?」
雄二がそう止めると明久のいった言葉は・・・
「・・・にしたいと思っていました」
「こいつ・・・犯罪者ですぜぇ?逮捕する?」
「明久。それでは欲望をカミングアウトした、ただの変態じゃぞ?」
「明久・・・お前はたまに俺の想像を越えた人間になるときがあるな・・・」
「だって・・・お弁当が・・・・」
そこまで欲しいならもっと別の言葉を言えばいいのにな・・・しかも発言が本当に下手したら訴えられるかもしれないぞ
「さて、話が逸れたな。試召戦争の話しに戻ろう」
「そういえば、確かにそうですね」
「色々と理由はあるんだが、とりあえずEクラスを攻めない理由は簡単だ。戦うまでもない相手だからな」
「つまり、今面子いるので判断したわけか」
「そうだ。明久、今いる面子をいってみろ」
「えーっと、美少女が2人と馬鹿が2人と、ムッツリが1人いるね。あとドSが1名いる」
「誰が美少女だと!?」
「ええっ!?雄二が美少女に反応するの!?」
「ポッ///」
「ムッツリーニまで!?どうしよう、僕だけじゃツッコミ切れない!」
「まぁまぁ。落ち着くのじゃ、代表にムッツリーニ」
「そ、そうだな」
「いや、その前に美少女で取り乱すことに対してツッコミいれたいんだけど」
「それと明久、ドSはだれだ?まさか俺ではないよな?」
「「「「「・・・・」」」」」
ふむ・・・
「明久、今すぐ切り刻まれるのとハバネロを飲むのがいいか選べ」
「どちらも嫌だよ!?」
「ん?どちらでもいいと?」
「このドS!!!!!」
「ダメですよ。総ちゃん」
「わかりました。お姉ちゃん」
俺が木刀を構えるとお姉ちゃんが止めてきた。ッチ、命拾いしたな・・・月夜ばかりと思うなよ?明久
「おい、雄二。勝つ算段はあるのか?」
「ふっ・・・よく聞けよ?ウチのクラスは──最強だ!!」
その一言は・・・不思議だが、なんの根拠もない言葉なのに雄二の言葉にはその気にさせる『自信』があった
「面白い・・・」
「そうね!」
「そうじゃな。Aクラスの連中を引きずり落としてやるかの」
「・・・・(グッ!)」
「そうか。それじゃ、作戦を説明しよう」
悪いが・・・Dクラスは犠牲になってくれ・・・この戦争のな・・!!
ここまで読んでいただきありがとうございます!次回も宜しくお願いします!