白騎士物語 StrikerS   作:新たなる愚者

15 / 22
第15章 裸の付き合い

 コンコン・・・

 

 「どうぞ・・・お母様?」

 

 「気分はどう?」

 

 「もう大丈夫です!」

 

 マリナの元気そうな声を聞いて安心するシズナ・・・

 

 「フフっ・・・みたいね」

 

 「はいっ!・・・どうしたのですか?」

 

 そこで手をパンッ!と叩くシズナ

 

 「もしかしたら、明日クロードと合流できるかもしれませんよ」

 

 その話を聞くと、マリナが一気に笑顔になる。

 

 「本当ですかっ!」

 

 「本当よ、だから明日のために今日はゆっくりしなさい」

 

 「はいっ!」

 

 コンコン・・・

 

 スズナが部屋をでて行こうとしていた時、扉がノックされる。

 

 「どうぞ・・・」

 

 ガチャッ・・・

 

 「シズナ様、少しいいでしょうか?」

 

 入ってきたのは、レナードだった。

 

 「はい・・・」

 

 シズナは、レナードとともに部屋を出ていった・・・

 

 

 

 シズナはレナードとともに、別の部屋に移動していた。そこには、ユウリ、カーラ、シーザー、ミウが揃っていた。

 

 「皆さん、どうしたのですか?」

 

 シズナが問いかけると、レナードが答える。

 

 「これを・・・」

 

 そう言って渡されたのは、一枚の写真・・・そこには、ミウ以外の全員がよく知る男が写っていた。

 

 「こ、これは・・・これを何処で?」

 

 シズナが驚く・・・そう、その写真とはクロードの見た写真と一緒のものだった。

 

 「これは、先日陛下が手続きを行なっている時にクロノから渡されたものです。数日前にこの光景が目撃されたらしいのです」

 

 クロードが答える。

 

 「ですが・・・ありえません!ベルシタンは、20年前に死んだはず・・・シーザー、どうですか?」

 

 20年前にベルシタンを倒したシーザーの意見を聞こうと、シーザーに向く。

 

 「俺は確かに奴を倒した。何せ、コイツに出会った時のことだったからな、手応えは確かだった」

 

 シーザーがアークを出しながら答える。

 

 「ですが、なぜベルシタンがここに・・・」

 

 シズナが写真をよく見ると、ある事に気づく。

 

 「リト副艦長」

 

 「はいっ!」

 

 「これを拡大できますか?」

 

 「少々お待ちください」

 

 シズナがリトを呼んで指示を出す。

 

 「どうかしたの?」

 

 ユウリが問いかけると

 

 「何か違和感を覚えまして・・・」

 

 その時、リトからの合図が出る。

 

 「準備できました」

 

 「皆さんにわかるように投影してください」

 

 「はい!」

 

 リトが半球体状のコンソールを操作すると、壁に投影される。

 

 「ベルシタンの腕に注目してください」

 

 皆が注目すると、シーザーが気付く。

 

 「おい・・・マジかよ・・・」

 

 「どうしたのだ?シーザー」

 

 カーラが問いかけると、シーザーは席を立って、ベルシタンがギガースを指示している片腕に指を指す。

 

 「なっ!嘘だろ・・・」

 

 「何?・・・これ」

 

 「馬鹿な・・・」

 

 全員が驚く!ベルシタンが上げている片腕・・・服の裾から出ている手首から先の部分が白骨化していた・・・

 

 「一体どういう事だ?」

 

 皆がそれぞれ思案している中、通信が届く・・・・

 

 「シズナ様、クロノ提督からの通信です」

 

 ロッコが、予めクロノから受け取った通信機をシズナに渡す。

 

 「はい、私です」

 

 『只今手続きが終わりましたので、クロードとの合流は、明日12時になりました』

 

 「はい!そうですか、ありがとうございます!」

 

 『では、僕はこれで・・・』

 

 「どうしたのですか?」

 

 レナード達には会話が聞こえないので、シズナが答える。

 

 「明日クロードの引渡しが行われるそうです!」

 

 それを聞いたユウリが立ち上がる!

 

 「本当に!」

 

 「ええ!」

 

 「よかったな、レナード」

 

 シーザーが一緒に喜ぶ

 

 「ああ、皆ありがとう!」

 

 「お前らの息子ならば、私達にとっても息子同然だ。礼なんていらない」

 

 カーラが言うと、ユウリがレナードに抱きつく!

 

 「おっと・・・ユウリ?」

 

 「・・・・・・・」

 

 ユウリは泣いていた・・・・今までは、冷静を保つように泣きたい気持ちを抑えていたが・・・行方不明の息子と会えると聞いた時には、さすがに涙を抑えきれなかった。

 

 「無理もないさ、今までずっと我慢してたんだ。今だけは、泣かせてやれ」

 

 カーラが優しい顔で言う。

 

 「ああ・・・」

 

 レナードは、ユウリの頭をゆっくりと撫でた・・・・

 

 

 

 

 暗い闇の中・・・広い空間の中にギラギラと光る赤い光・・・それは一つではなく、いくつも無数に部屋の中にひしいめいていた・・・

 

 「フフフッ・・・ついに完成だっ!」

 

 闇の中に響くのは、スカリエッティの声だった。

 

 「博士、ガジェットドローン・甲式及び乙式、予定台数の製造が完了しました」

 

 「分かった、まずは実戦投入の実験だ・・・そういえば、ウーノ」

 

 何かを思いついたか、ウーノに話しかける。

 

 「はい」

 

 「近々、ホテル・アウグスタでオークションがあったな」

 

 「はい、この中にレリック関連の出品もいくつかあるみたいですが・・・」

 

 「フフ・・・いいぞ、その日に実験としようじゃないか」

 

 「はい・・・どうやら、警備は機動六課が担当するみたいです」

 

 「六課・・・プロジェクトFの残滓も同時に手に入れれるかもしれないな・・・」

 

 そう言うと怪しい笑みを見せるスカリエッティだった・・・・

 

 

 

 

 六課の隊長室を出たクロードは、風呂場に向かっていた・・・

 

 「確か聞いた話だとこのあたりのはずなんだがな~」

 

 あたりを見回すクロード、そこにザフィーラがやってくる。

 

 「クロードか、どうしたのだ?」

 

 「おっ!ザフィーラだっけ、ちょっといいか?」

 

 「なんだ」

 

 「風呂場って何処だ?」

 

 「風呂か・・・ちょうどいい、私も風呂場に行こうとしてたとこだ」

 

 「そうか、じゃあ一緒に行こうぜ」

 

 「ああ」

 

 そのまま、ザフィーラについて後を追うクロード・・・

 

 「ここが風呂場だ」

 

 「ここか、それじゃあ入るとしますかね」

 

 「ああ・・・」

 

 そこでクロードは疑問を持つ

 

 「そのままで入るのか?」

 

 「いや、さすがにこのままでは、私も抵抗があるからな」

 

 そう言うと、ザフィーラの身体が光る!

 

 カッ!

 

 「おっ!」

 

 光が収まると、そこには筋骨隆々の男が立っていた。

 

 「これが私の擬人化した姿だ」

 

 「うおー!すっげー!これどうやってんだ!?」

 

 「まあ、魔法の一種だ」

 

 「この世界に居ると改めて魔法が凄いって実感できるな」

 

 「ハハハっ!そうか!」

 

 豪快に笑うと、風呂場に行くクロードとザフィーラだった・・・

 

 中に入るとザフィーラに向かって旦那と呼ぶ声が上がる。

 

 「おっ、旦那!」

 

 「ヴァイスか、今からか?」

 

 「はい!旦那もですか?」

 

 「ああ・・・」

 

 ザフィーラと話している時、ヴァイスがクロードの方を向く

 

 「あんたが、今話題の?」

 

 「ああ、クロードだ」

 

 「なるほどな、こりゃあ局の女の子たちが黙ってないわけだ」

 

 「どういう事だ?」

 

 クロードが訝しげな顔になる。

 

 「いや、その話は置いといて」

 

 男がスッと立ち直すと、自己紹介をする。

 

 「俺は、機動六課・ロングアーチの<ヴァイス・グランセニック>陸曹だ、皆を運ぶ役割ってとこだな、よろしく」

 

 ヴァイスと握手をかわすと

 

 「クロードだ、よろしくな」

 

 握手を終えると、三人で脱ぎ始める・・・

 

 「それじゃあ、クロードは戦いの最中に漂流したってことか?」

 

 「ああ、そうだな・・・まあ、明日には俺の世界の捜索隊と合流出来るらしいがな」

 

 「なるほどな、じゃあまずは、互いの信頼を深めるために裸の付き合いと行こうじゃねぇか」

 

 「そうだな!」

 

 風呂に入ってかかり湯を浴びて、湯船に浸かる三人・・・まだ早い時間だが、チラホラと風呂に入っている隊員もいた。

 

 「ふぃ~っ!洗われるねぇ」

 

 まさにおっさん発言をするクロード

 

 「そうだなぁ~」

 

 隣でヴァイスが同意する。

 

 「もう少し熱いほうがいいな」

 

 ザフィーラが温度にケチを付ける。

 

 「なあ、ヴァイス」

 

 「ん?どうした」

 

 「あんた本当に皆を運ぶだけなのか?」

 

 「どうしてだ?」

 

 いきなりの質問の意図がわからないヴァイス

 

 「いやさ、なんだかあんたを見ていたら、訓練された動きだなって思ってな・・・」

 

 クロードの的を射ている言葉に一瞬息が詰まるヴァイス

 

 「そりゃそうだろ、俺も兵士だからな・・・訓練ぐらいはしてるさね」

 

 ヴァイスの言葉にまだなにか引っかかるクロードだったが

 

 「そうか・・・」

 

 あまり突っ込まないことにした。

 

 「それにしてもクロード」

 

 今度はザフィーラがクロードに話しかける。

 

 「どうした?」

 

 「お前、少し立ち上がってみろ」

 

 それを聞くと、ギクっとなるクロード

 

 「ど、どうしてだ?」

 

 「いや、なに、お前は先程から隠そうとしてたみたいだが、僅かなりとも魔力を流していたらわかる」

 

 ザフィーラがクロードの背中を指さす。

 

 「ハァー、分かったよ・・・」

 

 ザバッ!

 

 クロードが背中を向けて立ち上がると、ヴァイスとザフィーラの目に騎士の紋章が映る。

 

 「これは・・・」

 

 「魔方陣・・・なのか?」

 

 「違う・・・紋章だ」

 

 「紋章?」

 

 「ああ、この話については今度にでもするさ・・・さて、俺はそろそろ上がるぞ、のぼせちまいそうだ」

 

 逃げるように風呂を出ていくクロードだった・・・

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。