白騎士物語 StrikerS   作:新たなる愚者

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第16章 会議

 カカンッ!・・・カカンッ!・・・

 

 暗闇に響く謎の音・・・その音に起こされるように男が起き上がる。

 

 「ううっ・・・ん?」

 

 男は、自分が何処に居るのかがわからずあたりを見渡す。

 

 「ここは・・・何処だ?」

 

 カカンッ!・・・カカンッ!・・・

 

 なおも響く謎の音、その音はだんだんと近づいてくる。

 

 「わっ!」

 

 カカンッ!・・・ブルッ!

 

 男の目の前に現れたのは、光り輝く鎧を纏った一頭の巨大な騎馬であった・・・

 

 「な、何だ!?」

 

 眼前の状況が飲み込めず混乱する男・・・そして、光り輝く騎馬が男に向かって、顔を差し出すと男の頭に声が響く・・・

 

 『・・・・・』

 

 「な、何を言ってるんだ?」

 

 その声が聞こえないのか、聞き返す男

 

 『主よ・・・』

 

 今度は、はっきりと馬の声が聞こえた。

 

 「あ、主?・・・ぐっ!」

 

 ギイィィィィィンンッ!

 

 声が聞こえたかと思うと、男の頭にノイズが走るように謎の音と激痛が駆け巡る!

 

 「がっ!・・・・グッ!・・・」

 

 ドサッ!

 

 あまりの激痛に立つことすらままならない男は、その場に倒れる・・・

 

 『主よ・・・我はいつまでも待っておりますぞ・・・』

 

 その言葉を最後に男の意識が途切れた・・・・

 

 

 

 「・・・さん・・・ロードさん・・・クロードさん!」

 

 まだ夜も更け始めの時刻に身体を揺さぶられるクロード・・・

 

 「う・・・うん・・・なんだ・・・まだ夜更けじゃねーか・・・」

 

 眠い身体を起こしながら答えるクロード。そんなクロードに心配そうな表情で問いかけるエリオ

 

 「大丈夫ですか?ものすごくうなされてましたけど・・・」

 

 「はぁ?俺が?・・・」

 

 エリオの問いかけに訳がわからず目をこすろうと顔に手を当てると、クロードの手が止まる。

 

 「・・・・」

 

 クロードの顔や額には、玉のような汗が滲んでいた。

 

 「本当に大丈夫ですか?」

 

 「あ、ああ、うわ・・・全身びっしょりだな、着替えるから出ててくれないか?」

 

 「は、はい・・・」

 

 バタン・・・

 

 本当に心配な顔で出て行くエリオ。クロードは部屋の中で一人思案する・・・

 

 「主か・・・どういう事だ?それにアレは馬だったよな・・・・」

 

 先程の夢のなかでの出来事について考えていると

 

 『クロードさん?本当に大丈夫ですか?』

 

 扉の向こうから聞こえるエリオの声に急ぐクロード。

 

 「ああ!大丈夫だ!」

 

 「こりゃ考えてる暇なんてねーな・・・」

 

 小さくつぶやくと、換装魔法でシュートガープセットに着替えるクロード。

 

 「今行く!換装・ブルーティッシュ」

 

 カシャン!

 

 クロードが装備するのは、特徴的な反りを持ち青く輝く片刃の片手剣<ブルーティッシュ>だった。

 

 ガチャ・・・

 

 「悪ィな待たせた。さて、訓練とするかね・・・」

 

 「はいっ!」

 

 部屋を出て、エリオといつもの訓練場に向かうクロードだった・・・・

 

 

 

 所変わり機動六課隊長室、ここには各隊長・副隊長が招集されていた。

 

 「皆朝はよからありがとな。今日ここに集まってもらったんは、クロード君の世界の人達がここ、機動六課隊舎に来るんでそれについての話や」

 

 はやてがなのはに目を移すと、なのはがディスプレイを出して説明する。

 

 「まずは、クロードくん側の世界について・・・クロード君の世界の呼称は<バランドール国>にします。今回、バランドール国の人達はここ、機動六課海側に転送してもらいます」

 

 なのはの話に耳を傾ける全員だが、シグナムが疑問を持つ。

 

 「待て、なのは。海側だと?どういう事だ」

 

 シグナムが疑問を持つのは、転送する場所。確かに海側なのだが、なのはの指している場所は、海側と言うよりも海の真ん中だった。

 

 「その事なら心配なし、バランドール国の人達は船に乗ってるみたいだから」

 

 船と言う言葉にヴィータが引っかかる。

 

 「船?まだ知らない世界の人間を戦艦でこらせるつもりなのか?」

 

 ヴィータの問にはやてが答える。

 

 「そのことについては、さすがに護衛艦をつけてもらうつもりや、クロノくんにも協力してもらっとる。それに、クロードくんみたいな人が居る様な国や、人柄もええと思うけどなあ」

 

 その言葉が引っかかったのか、ヴィータが一言漏らす。

 

 「そんなにあいつが気に入ったのか?はやて・・・」

 

 それを聞いたはやてが顔を赤くする。

 

 「ち、違うんよ・・・ウチが言いたいんは・・・何や、そんなことやのうて・・・」

 

 はやての様子にクスクスと笑いが漏れる。

 

 「な、なのはちゃん!つ、次や!」

 

 照れ隠しになのはに先を急がせるはやて。

 

 「はいっ、それじゃあ次に予想配置について・・・」

 

 ディスプレイに次の画像が映し出される。それは、見たものに分かる特殊な配置だった。

 

 「これは・・・一級要人の配置図か・・・・」

 

 要人警護の役職に就くザフィーラが答える。

 

 「そうや、まだ詳しいことは私達も聞かされてないけど、カリムからの特別警戒態勢令がおりとんよ」

 

 その言葉にシグナムが驚く。

 

 「騎士カリムが?では、バランドール国は相当な重要国ということですか?」

 

 「そうみたいや、さっきも言ったとおりまだ詳しい話は聞いてないんやけど、騎士カリムからの直接の指令やから、かなりの重要人物または主要国ちゅう事みたいや」

 

 そこになのはが待ったをかける。

 

 「でもそんなに重要な人がどうしてクロードくんを?」

 

 「それはウチも情報がおりてないからまだわからない。けど、今考えたらクロードくんの向こう側での立場はまだ聞いたことがないな・・・」

 

 そこにシグナムが答える。

 

 「そういえば・・・2日ほど前に聞いた話なのですが」

 

 「どうしたんや?シグナム」

 

 「はい、2日ほど前の林焼失事件を?」

 

 「ああ、それは知っとるで。原因は未だに調査中やけど、訓練中の事故や無いかとウチは踏んでる」

 

 「それは、間違いです」

 

 「へ?どういう事なん?」

 

 「あの焼失事件は、クロードの魔法による仕業です」

 

 「はぁ!?どういう事や!?」

 

 はやてが問いかけると、シグナムがなのはに向かう。

 

 「なのは、現場画像を出せるか?」

 

 「ちょっと待って・・・はい」

 

 シュン・・・

 

 なのはが操作をすると、配置図から現場画像に切り替わる。

 

 『!』

 

 その画像を見ると、全員が目をみはる。

 

 「こっ、これを全部クロードがやったと言うのか・・・」

 

 「ああ、あたしらが見たときは冗談かなにかと思った」

 

 ザフィーラがつぶやくとヴィータが呆れたように答える。

 

 「これ全部クロードくんが?!」

 

 フェイトが驚きの声を出す。

 

 「そうだ、奴が手をかざした瞬間に焼け野原にしてみせた・・・私も見たときは我が目を疑ったよ・・・」

 

 呆れたように鼻で笑いながら語るシグナムにはやてが先ほどの話のつながりを問いかける。

 

 「けど、これがクロードくんの立場とどういう関係があるん?」

 

 「はい、これ自体は関係性は無いと見られますが、問題はこれをした後の奴の言動です」

 

 「言動?」

 

 「奴は、まるで自分に何かしらの肩書き・・・つまり階級を持っているかのような言動を聞きました。本人はその場をごまかすつもりだったのでしょうが、私自身・・・騎士としての立場で言わせてもらえば、奴の言動の端々に訓練された動きなどが見られます」

 

 それを聞いたはやてが考えこむ・・・それを見ていたフェイトがクロノとした話を思い出す。

 

 「そういえば・・・クロード君に関係あるかはわからないけど、過去にも同じ案件があったみたいだよ」

 

 フェイトが机の上に幾つかの資料を出す。

 

 「かなり過去のことだったから資料が少ないけど・・・これがその時の資料」

 

 『・・・・』

 

 その資料を見る全員・・・するとなのはが疑問を持つ。

 

 「フェイト隊長・・・この画像だけど、かなり昔のものみたいなんだけど・・・」

 

 なのはが指したのは石碑の画像だった。

 

 「それ?それは・・・」

 

 フェイトが少しどもる。

 

 「どうしたんや?フェイトちゃん」

 

 「ええっと・・・その画像は今から約1万5千年以上前の石碑らしいの・・・」

 

 フェイトの言葉に全員が驚く!

 

 「せ、せやけど、こんな石碑見たことないで・・・さすがにそんな昔の石碑やったら、うちらが知らんわけ無いやろ?」

 

 確かに、機動六課の正式名称は古代遺物管理部機動六課・・・1万年以上前の石碑なら記録が残っているはずだが、そんな記録を見たことのないはやてが驚くのも無理はなかった。

 

 「それだけど、この石碑は今から50年前に消失したらしいの・・・」

 

 フェイトの言葉を聞いていたなのはも質問する。

 

 「消失?だけど、その時の資料は残ってなかったの?」

 

 「問題はその資料なんだけど・・・この石碑の消失と同時に関連資料はすべて消えている・・・」

 

 資料がすべて消えている・・・その事実に全員が疑問を持つが、今はバランドール側の受け入れ体制が先決だと考えたはやては話を元にもどす。

 

 「分かった、この話は追々クロード君にも話してみようと思う・・・だから今は、バランドール国側の受け入れ体制に話を戻そう」

 

 「そうだね、確かに今日のことだから、急いで話を終わらせないと間に合わなくなっちゃうね」

 

 なのはが答えると、はやてが話をつづけるように促す・・・だが、彼女達はまだ気づいていなかった。この出来事が後につながる壮大な物語の序章に過ぎないと言うことを・・・・

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