クロ 「それでもおせーよ!」
愚 「そう言うなって、俺も仕事があるの」
クロ 「はいはい・・・」
愚 「アラ、そんな態度とっちゃうわけ?」
クロ 「な、なんだよ」
愚 「いいや、なんにも・・・フッ」
クロ 「お、おい!何だ今の笑い・・・」
愚 「それでは始まり~」
クロ 「おぉぉぉい!!!!」
「クロード君、どうしたんや?」
はやてもクロードの様子がおかしいことに気づく・・・
「分からない・・・だけど、クロードくんから魔力が感じられない・・・」
フェイトが答えると、なのはがクロードの元へとむかう。
「クロード君!」
なのはが語りかけるが、一向に返事を返さないクロード・・・
「なのはちゃん!」
そこにユウリが飛んでくる。
「ユウリさん!クロードくんが・・・」
「大丈夫、少し疲れてるだけよ・・・」
ユウリが答えるが、ユウリですらこの状態が分からない状況だった・・・
「なのはちゃん」「なのは」
はやてとフェイトが寄ってくる・・・それに続くように全員がクロードの元に集まる。
「クロードッ!クロードッ!」
ユウリが語りかけるも、一向に返事を返さない・・・
「ユウリ!どうした!」
そこにレナードが様子がおかしいことに気づいて、近寄ってくる。
「レナード!クロードが・・・」
「クロード!?どうした!」
レナードがクロードに語りかけるが、それにも応答しない・・・
「皆下がってくれ・・・」
レナードがクロードの頭部に手をつく・・・
「くっ!・・・」
パァァァッ!
レナードが手をついた場所から眩いばかりの光がもれ、それがクロード全体を覆う・・・
・・・・・
『クロード君・・・』
なのはたちが目を開けると、変身が解け、空中に浮かぶクロードの姿がそこにあった。
スッ・・・
「おっと・・・」
落ちそうになるクロードをザフィーラが背中に乗せる。
「取り敢えず、船に戻ろう」
レナードが言うと、全員がバランドール号に戻っていった。
「!!!・・・ここはっ!・・・いっつつ!・・・」
暗闇で目を覚ますクロード・・・
『まだ動くな・・・』
「ん?誰だ・・・」
どこからか聞こえてくる声にあたりを見回す・・・
カツン・・・カツン・・・ブルルルッ・・・・
(この音は・・・)
『久しい・・・と言うにはそれほども時間は立っておらぬがな・・・』
クロードの目の前に現れたのは、以前出会ったまばゆいほどに輝く鎧を纏った騎馬だった・・・
「お前は、あの時の・・・」
『覚えておられたか・・・我が主よ』
「主?」
『?・・・フッ・・・そうか、まだお忘れで・・・』
「なにいってんだお前?俺が主って・・・お前に会うのはこれで2回目だと思うんだが・・・」
クロードが問いかけると、騎馬の雰囲気が変わる。
『いや、今の話は忘れて下され・・・』
「忘れろってもな~」
『それよりも主、なぜこのような所に?』
「なぜって言われてもなぁ・・・」
記憶を探るクロード・・・
「ん!!そうだっ!!俺は変なギガースと戦ってたはずだ!なんでこんなとこに・・・」
クロードの話の中で、ある単語に騎馬が反応する。
『ギガース・・・』
「どうした?」
『主よ・・・まさか、今までギガースと戦っていたと申すか・・・』
「そうだ・・・ってか、ギガースを知ってんのか?」
クロードが問いかけると、騎馬が一人呟く・・・
『なるほど・・・時は輪廻とはよく言ったものだ・・・・』
「一体何を言ってんだ?」
『いや、こちらの話・・・時に主よ、白き勇者の魂をお持ちだな?』
騎馬が問いかける。
「白き勇者の魂?・・・あっ、もしかしてコレのことか?」
クロードが換装魔法で、白騎士のアークを取り出す。
カッ・・・
クロードの左手に装着されたアークを見るなり、騎馬がまるでアークに語りかけるように口を開く。
『おおっ・・・ウィゼル様、お懐かしい・・・』
「懐かしいって・・・どういう事だ?」
クロードが尋ねるが、騎馬はアークに向かったまま微動だにしない・・・
「お~い、聞こえてますかー」
『聞こえておる』
「そうか、耳が腐ったんじゃねーかと心配したぜ」
クロードがふざけるように言う。
『フッ・・・なるほど、よく似ている』
「誰にだ?」
『そのうち分かる・・・それよりも、そろそろ目覚めなくて良いのか主よ・・・』
「目覚めろったってよー、前にもこんな事はあったけど、俺の意思で目覚めたわけでもねーしな・・・」
『なるほど・・・なれば、今回は我が手助けしよう・・・』
フッ・・・
騎馬が地面に口を近づけると、そこから波紋が広がる・・・
・・・・・・キィィィィィッ!!!!
「ウッ!!!」
突如クロードの頭をかき回すかのような勢いで響く音!
『またお会いする時もこよう・・・覚えておかれよ!』
騎馬が話しかけると共に強くなる音にクロードの意識がとびかける・・・
「ぐっ・・・・」
『我が名は・・・・』
キィィィィィィッ!!!
『白き閃風・・・バロン!!!』
「くっ!・・・・うっ!!!」
ガバッ!!
クロードが目覚めると、そこはバランドール号の医務室だった・・・・
「ここは・・・」
「やっと目覚めたかい」
クロードの耳に声が入る。
(うっ、この声は・・・)
クロードが振り向くと、そこにはメイド服を着た長い金髪の女性がいた・・・
「あ、姐サン・・・」
クロードが姐さんと呼ぶ人物・・・ネリアだった。
「なんだい?化物でも見たような面して」
少しムッとした顔になるネリア。
「いや、何も・・・それより、全員はどうした?」
「さっきまでいたけど、邪魔だったから追い出したよ」
「そ、そうか・・・・」
ガチャ・・・
クロードがつぶやくと、ネリアは部屋を出ようとする。
「まあ、私はこれで戻るけど、あんたはしっかりと身体休めときな」
「ああ、分かった」
クロードが答えると、さらに一言ネリアが言い放つ。
「それと、もう一つ。マリナ・・・泣いてたよ」
「え?どういう・・・」
「それじゃあ、そろそろあの子が来ると思うから、じっとしとくんだよ」
パタン・・・
ネリアが扉を閉めると、クロードは先程の出来事を頭の中で整理する。
(バロン・・・奴は一体・・・)
スッ・・・・カッ・・・
クロードは白騎士のアークを取り出す。
カチャ・・・
(確か・・・アークのことを白き勇者の魂と・・・それに奴の魔力・・・まるで騎士の・・・・)
コンコン・・・
部屋の扉がノックされると、クロードはアークをしまう。
「誰だ?」
「私です・・・失礼しても?」
扉の向こうからした声は、マリナだった。
「いいぞ」
ガチャ・・・
「ご気分はいかがですか?」
「ああ、もう大丈夫だ」
「そうですか・・・良かった・・・」
マリナが本当に安心した顔になる。
「・・・悪かったな」
「えっ?・・・・」
「いや・・・その・・・なんとなくだ」
少し恥ずかしくなったのか、そっぽを向くクロード。
「ふふっ・・・」
マリナが笑い出す。
「な、なんだよっ!」
「い、いえ・・・すみません。でも、ふふっ・・・」
「ったくよー・・・でも、久しぶりに見たな・・・お前の笑顔」
「えっ!?」
「いやさ、しばらく見てねーだけで、こんなにも懐かしい感じがするんだお前の笑顔」
クロードが笑いながら話しかけると、マリナが顔を熱くする。
「ク、クロードッ!」
バッ!・・・トン・・・
マリナがクロードに飛びかかる。
「ハハッ!!・・・マリナ?」
クロードに飛びかかったマリナは、震えていた。
「いっぱい・・・いっぱい心配したんですよ・・・」
スッ・・・
マリナの背中に手を回すクロード。
「悪かったな・・・だけど、俺はもう大丈夫だ・・・」
その時・・・
ガチャ・・・
「クロード、起きたの?」
『へ?』
クロードが起きたと報告を受けたユウリとシズナ達が部屋のドアを開ける。
・・・・
・・
・
時間が止まる・・・
『お、おじゃましました~』
パタン・・・
ユウリとシズナが声を揃えて扉を閉める。
ガチャ・・・
だが、再び扉が開かれる。
「マリナ!」
「はっ!はいッ!」
「しっかり!」
「は、はぃ・・・」
パタン・・・
シズナがほくほく顔で去る・・・
『・・・・・』
静寂が走る室内・・・
『キャーッ!どうするの!』
『ついにバランドールとシンカの合併!?』
はしゃぐ室外・・・
『!!!!』
ようやく何があったかに気づくクロードとマリナ・・・
バッ!・・・
『・・・・・・』
二人は顔を赤くしてそむける。
「な、なあマリナ!」
「は、はヒッ!」
「な、なんでもねぇ・・・」
「そ、そう・・ですか・・・」
『・・・・・』
(お袋ぉぉぉぉぉっ!!なんてことしてくれたんだ!!)
(お母様!し、しっかりって!)
室内で声無き声が響いていた・・・・・
「ギガース・甲壱式改撃破されました・・・」
暗闇の中、先ほどの戦闘が巨大なディスプレイで繰り広げられていた。
「データを・・・」
「はい・・・」
ウーノがコンソールを叩くと、様々なデータグラフが表示される。
「戦闘・防御共にギガース甲壱式より30%の増加が見られます」
「フム・・・・」
ジェイルがグラフを見ながら考えこむ・・・・
「フフ、やはり素晴らしいな・・・だが、それ以上に良いデータがとれた」
ジェイルが見ていたのはギガースではなく騎士の方だった。
「ウーノ、陛下につなげ」
「はい」
再びコンソールを叩くと、画面が変わり、ヴェーラが映る・・・
「ジェイルか・・・どうした」
玉座に座り、ジェイルに向くヴェーラ。
『実験の結果が出ましたので、報告を・・・』
「続けろ」
『はい・・・』
ジェイルが答えると、ヴェーラ側のディスプレイに先ほどの映像が映る。
『結果から申しましたら、敗退です。ですが、以前の状態よりも30%の強化が見られています』
ヴェーラが、報告を聞きながら、ディスプレイを見る。
「ジェイルよ、よもやこれだけではなかろうな・・・」
ヴェーラが威嚇するようにジェイルを見やる。
『いいえ、今回は実験体のギガースにございます。これからさらなる研究を重ね、能力の飛躍的向上を追求したいと思っております・・・』
ヴェーラはジェイルの話を聞きつつ、彼の目をじっと見ていた。
「・・・・・・・」
『・・・・・・・』
ディスプレイを通して静寂が流れる。
「まあ良かろう・・・今回はよくやり遂げた。これからも精進せよ」
『ありがとうございます・・・では、私はこれで・・・』
「次の報告を待っておる・・・」
シュン・・・
ヴェーラの前からディスプレイが消える。
(奴め・・・未だに我を利用するつもりか)
「フフッ・・・」
ヴェーラが自嘲するように笑う。
「我も舐められたものよな・・・」
ヴェーラが一人つぶやくと、扉が開く。
「陛下、失礼致します」
「レダムか、どうした?」
レダムがヴェーラの元に跪く・・・
「彼が戻って参りました・・・」
レダムが扉を見やると、そこに一人の男がいた。
角のように整えた奇抜な髪型・・・
『これはこれは、ご機嫌麗しく・・・陛下・・・』
道化のような服装に耳にかかる嗄れた声・・・
「戻ってきたか・・・・『ベルシタン』」
フッフッフッ・・・と、にやけた顔でベルシタンがヴェーラのもとにのっしのっしと歩み寄る。
「僭越ながら報告させて頂きます。陛下」
「うむ・・・」
「今回我らが得ている兵力は、ギガースが50・兵士120・武器は超過製造となっておりますので、さらなる兵力の強化が期待できます・・・」
「なるほど・・・して、ベルシタンよ・・・他にもあるにだろう?」
ヴェーラが目を鋭く輝かせながら問いかけると、待ってましたと言わんばかりにベルシタンが口を開く。
「はい・・・確かに存在しておられました・・・マドラス皇帝陛下です」
マドラスという言葉にヴェーラの瞳が揺れ動く・・・
「そうか・・・フフッ・・ご存命だったか・・・」
「ですが、陛下」
さらにベルシタンが口を開く。
「何か問題か?」
「はい・・・私が感じた魔力は確かにレダム様から知らせられていた魔力ですが、どうもあちら側にいらっしゃるようで・・・」
「どういう事だ・・・」
ベルシタンは、少し考えた後に口を開いた。
「私が行って参りました世界・・・ミッドチルダにございます」
「フム・・・レダムよ」
ヴェーラは顎に手を当てながらレダムを呼ぶ。
「はっ」
「お前はどう見る・・・」
ヴェーラが試すような眼差しでレダムに問いかける。
「私としましては、マドラス陛下は器なくしての復活はありえないと見ます。ですから、今あちら側にその器となる人物が存在すると考えるのが良いかと・・・」
「なるほど・・・なればその人物とは何者だ?わかっているのだろう」
ヴェーラがすべてを見透かした目でレダムを見やる。
「はい・・・ですが、その者をこちらに迎え入れるのは、まだ時期尚早にございます・・・」
「フフッ・・・お前も焦らすのがうまい・・・良かろう、この件についてはまだ先と考えても良いのだな?」
「はい」
「分かった。ではベルシタンよ」
「はっ!」
「引き続き兵力の増強を続けよ」
「おまかせくださいませ・・・」
そう言うと、闇に消えるベルシタンだった・・・
愚 「さて、終わっちゃいましたよ21章」
クロ 「オイオイ・・・やっぱベルシタン出てんじゃねーか」
愚 「いいじゃん、なんか同窓会みたいで」
クロ 「ちっともよくねーよッ!」
愚 「それよりもクロード」
クロ 「なんだ?」
愚 「前書き、忘れてねーな?」
クロ 「ん?」
愚 「フッ・・・」
クロ 「だから何なんだよおぉぉぉぉおぉ!!!」