白騎士物語 StrikerS   作:新たなる愚者

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第5章 探索開始と目覚め

 「姫様!お待ちください!」

 

 バランドール城の地下の大回廊を降りてゆくマリナ、彼女はこの回廊の先にある

 

部屋を目指していた。

 

 「姫様!この先には使われていない部屋だけです!すぐにお戻りください!」

 

 静止する兵の声を聞かず駆け抜けるマリナ、しばらく走ると彼女の前に巨大な扉

 

が現れた。

 

 「確かここに」

 

 ギギギ・・・

 

 その扉を開き、部屋の奥・・・白騎士のアークがあったフロアに向かう。

 

 「えっと・・・ありました!」

 

 アークが置いてあった台座の上に透明な水晶球が浮いている。

 

 「姫様、それは・・・」

 

 後から追いついてきた兵士がマリナの手元にある水晶を見つめながら尋ねる。

 

 「さあ!上に戻りましょ!」

 

 「姫様!」

 

 そのまま今来た道を折り返し、玉座の間に向かうマリナだった・・・

 

 

 

 玉座の間では、シズナを始め、レナード、ユウリ、シーザー、カーラ、ミウが顔

 

を連ねている。

 

 「久しぶりだな、こうやって集まるのも」

 

 「だな、もうあれから20年か・・・」

 

 「道理で年を取るわけよね私達」

 

 「そうだな、最近は肌のハリがだいぶ気になる・・・」

 

 「分かりますよ・・・確かに最近、鏡を見づらくなりますものね・・・」

 

 完全に女性連中はおばさんトーク気味になる中、ユウリの視線がミウを捕らえる

 

 

 「それにしてもミウちゃんは、いまだに若すぎるわよね~」

 

 「へっ?」

 

 「そうですよミウさん、一体どうやってその若さを保ってるのですか?」

 

 「うむ・・・確かに」

 

 「えっ、え~っと」

 

 女性連中の一斉砲火の的になるミウ。

 

 「まっ、まあ、私は、フォーリア族ですし、普通の人の約2倍ほど寿命が長めで

 

すから・・・」

 

 「いいなぁ~私もフォーリアに生まれたかったわ」

 

 「「確かに」」

 

 「あう」

 

 女性陣の話を聞きながら苦笑いしかできないレナードとシーザー。するとそこに

 

マリナが駆け込んでくる。

 

 「お母様!皆様!」

 

 「マリナ!どうしたのです?そんなに急いで」

 

 「少し地下にこれを・・・」

 

 そう言って皆の前に先ほどの水晶玉を差し出す。

 

 「マリナ、これは?・・・」

 

 シズナが不思議そうにそれを見る。

 

 「これは、昔、クロードが私に下さったものです」

 

 「クロードが?・・・少し見せてくれないかい?」

 

 「どうぞ・・・」

 

 マリナがレナードに水晶玉を渡すとレナードは、おもむろに水晶玉をなでる。

 

 パァァァァァッ!

 

 「キャッ!」

 

 いきなり光りだす水晶玉に目がくらむマリナ。

 

 「やっぱり・・・」

 

 「何がやっぱりなのですか?」

 

 「この水晶だよ、これは、<失見の水晶>といってね、これに魔力を移すとその

 

人の居場所を写し続けるマジックアイテムなんだよ」

 

 「失見の水晶・・・でしたら、これで!」

 

 「これでって事は、これにクロードの魔力が?」

 

 「はい!」

 

 「確かにこれに魔力を注いだクロードの居場所は分かるけど、どこでこれを?」

 

 レナードからの質問にマリナは答える。

 

 「今から7年前のことです・・・」

 

 

 

 

 当時、まだお母様が王国の復興に手を焼いていた頃、何度かレナード様とユウリ

 

様がクロードを連れてお城に遊びにきていた頃がありました・・・・・・

 

 「お母様!あの人は、どちら様ですか?」

 

 まだ幼い私は、お城の中にいる男の子を見ていた。

 

 「あの子?・・・ああ、レナード様のご子息の方よ」

 

 「ご子息?」

 

 「まだ早かったかしら?簡単に言うとレナード様の息子さんですよ」

 

 その男の子は、強く優しそうな眼差しで私を見つけると小さく会釈をしてくれま

 

した。

 

 「お母様、私、あの方と少しお話をしたいです!」

 

 私がお母様に頼むと「いいですよ」と返されたのですぐさま駆け出す私。

 

 「ご機嫌よう、私は、マリナと申します。あなたは・・・」

 

 「俺?俺はクロード、シンカ王国のクロードだ」

 

 「クロード様・・・よいお名前ですね・・・」

 

 「そうかい?ありがとうな」

 

 それが私とクロードの初めての出会いであり、そして・・・私の初恋でもありました。

 

 それから何度目かの再会を重ね、ある日、クロードが私の前に不思議な水晶を出してきました。

 

 「マリナ、もし、俺の助けが必要な時は、この水晶に俺の居場所を願うんだ」

 

 「これに?」

 

 「ああ、これは、<失見の水晶>と言って、水晶に魔力を注ぎこむと、注ぎ込んだ人の魔力に反応してその人の居場所を指し示すんだ!」

 

 「これがですか?」

 

 「ああ!ためしに俺の魔力を入れるよ」

 

 そう言ってクロードが水晶に魔力を注ぎこむと・・・

 

 パァァァァァッ!

 

 いきなり光りだしました。

 

 「これでよし!じゃあマリナ、これにマリナの魔力を注いでみて」

 

 私は言われるままに魔力を注ぎこむと赤と青、2つの小さな光の点が現れました

 

 

 「いいかい、この青い点が俺、そして、この赤い点がマリナだ。今二人とも近く

 

にいるから点はくっついているけど、もし俺が遠くに行ったときは、これで探すと

 

すぐに見つかるからそこまでおいで」

 

「はいっ!分かりました。ですけど、クロード様は、どこか遠くに行かれるのです

 

か?」

 

 「いいや、俺は、ここから少し遠目のところから来たから、でも、これでマリナ

 

は、俺の居場所がすぐに分かるよ!」

 

 「本当にですか!?絶対に居ますか?」

 

 「ああ、本当さ」

 

 その言葉を聴いてからと言うもの、私は毎日のように水晶玉でクロード様の居場

 

所を探しました。ある時はお勉強の時、ある時は寝る前。ある時はお風呂でも・・

 

・・・・とにかく、四六時中クロード様の居場所を常に探していました。

 

 

 

 「へぇ~じゃあ、これは、クロードからの?」

 

 「はい、私は、もしものために地下に保存しておいたのを思い出して、とって参

 

りました」

 

 「そうか、じゃあ、はい」

 

 レナードからマリナに水晶が手渡される。

 

 「では、魔力をこめます・・・」

 

 マリナが水晶玉に魔力を注ぎこむと光りだす・・・

 

 「出ました!」

 

 皆が水晶を覗き込む・・・

 

 「結構離れていますね・・・」

 

 「ああ、だけど、これは、遠すぎるんじゃないか?」

 

 「この上下関係はなんだろう?」

 

 「一度クロードが落ちたとこまで行ってみるってのはどうだ?」

 

 「おお!お前にしては、すばらしい回答だな」

 

 「驚くこたぁないだろ!」

 

 「とにかく!今すぐに急ぎましょう!」

 

 マリナが居ても立っても居れなくなりバランドール号に急ぐと、レナード達も後

 

に続く、去り際にシズナがこっそり大臣に「後のことはお願いします」と言って付

 

いていった。

 

 

 

 「レナード様!お久しぶりです!」

 

 船に乗り込むとロッコが懐かしい顔ぶれに挨拶をする。

 

 「久しぶりだなぁ!ロッコ!元気にしてたか?」

 

 「はいっ!今は、このバランドール号の艦長を勤めさせてもらってます!」

 

 「出世したのね!」

 

 「ユウリさん!お久しぶりです!」

 

 「ええ、久しぶり!今回は、よろしくね!」

 

 「あっ・・・はい、よろしくです」

 

 ユウリは、ロッコの浮かない返事に「しまった!」と顔をしかめる。

 

 「ああ!気にしないで!今回のことは誰も悪くないの!」

 

 「ですが!この艦で起きた事は、私の責任です!クロード様が艦の外に出るとき

 

に私が止めていれば!」

 

 「ロッコ!」

 

 その時、シーザーがロッコの名前を叫ぶ!

 

 「はっ!はいっ!」

 

 「いいか!ユウリはお前に気にするなと言ってんだ!誰も後悔しろなんて言って

 

ない!分かるか!」

 

 「ですが・・・」

 

 「ですがじゃない!カーラ!お前からも言ってくれ!」

 

 「なぜ私に振る!」

 

 いきなりのバトンタッチに戸惑うカーラだったが、ロッコに向かい一言。

 

 「後悔するなら反省しろ!以上!」

 

 この一言にロッコは感謝した。あの事故から常に後悔していたロッコにはこの言

 

葉が一番効いた・・・

 

 「それではロッコ、出航してもらってもかまいませんか?」

 

 シズナの問いかけに「はいっ!」と元気に答えると全員席に着く。

 

 「では、あらかじめ記録していた座標に向かいます!リト!」

 

 「はいっ!艦長!異空間移動を開始します!」

 

 副艦長のリトの号令と共に、バランドール号はゲートに進入して行く・・・

 

 「凄いな」

 

 「スゲー」

 

 「予想以上だな」

 

 「素敵・・・・」

 

 「マリナ?大丈夫?」

 

 レナード達が思い思いの言葉を浮かべる中マリナは震える肩をシズナに抱かれて

 

いた。

 

 「マリナちゃん、大丈夫?」

 

 ミウも心配になり、マリナの傍による・・・

 

 「はっ、はぃ・・・」

 

 常態からして、あまりよろしくない感じなので寝室へ向かうように促すがマリナ

 

は一歩も動かなかった。それよりも窓に張り付いて離れなかった。

 

 「クロード!何処なの・・・貴方は何処に居るの」

 

 小さくかすれた声で悲痛な声を上げるマリナだった・・・

 

 

 

 「ここが食堂です!」

 

 リインフォースⅡの案内でクロード達は、食堂に居た。

 

 「とりあえず何か食えるのをくれ!」

 

 完全に目が血走ってるクロード、なのはがカウンターへ注文を出す。

 

 「おばさん!」

 

 「あら、なのはちゃん!いらっしゃい、今日は何が食べたいんだい?」

 

 なのはを迎えたのは、この食堂の料理長、トメさん、この名は通称なので本名は

 

、誰も知らないという謎多き人物である。だが、食事の腕前は一級品なので誰も気

 

にしない。

 

 「えっと、エリオ君とスバルは、いつもの大盛りで、私とフェイトちゃんとはやてちゃんは、おにぎりセット、キャロちゃんとティアには、いつものをお願いします。それと・・・めちゃくちゃおなかがへってる人が満足するものを」

 

 「分かったわ!ちょっとまっててね」

 

 そう言ってトメさんは、食堂の奥に消えていった。

 

 「ただいま!」

 

 「お帰りなのはちゃん」

 

 「お帰りなのは」

 

 戻ってきたなのはを迎えるはやてとフェイト。

 

 「クロード君の様子は?」

 

 「それが・・・」

 

 「あのとうりや・・・」

 

 なのはがクロードの方に視線を移すと驚く!

 

 

 

 「どうなってんだ!?」

 

 クロードが食堂の席に座った時であった、近くから小さな声で「ねぇ、あの人っ

 

て」「もしかして」「えっ!別人じゃないの?」などと言う声が聞こえて来たので

 

振り向くと、「きゃぁ~」「やっぱりあの人よ」「誰か話しかけて来なさいよ」と

 

聞こえ、「じゃあ、私が」といって、一人の女性が話しかけてくる。

 

 「あの・・・」

 

 「うん?どした?」

 

 「いえ、間違いではすみませんが、4年前の大火災の時に女の子を助けたって言

 

う人じゃないですか?」

 

 「ああ、そうだけど、なにか?」

 

 それを聞くと女性は後ろを向き大きく頭の上で輪を作ると、周りから大勢の女子

 

が押し寄せる!

 

 「なんだなんだ?」

 

 「あの4年前の人なのですよね?」

 

 「お名前なんていうの」

 

 「襟足長いね」

 

 完全にもみくちゃ状態だ・・・

 

 「コラコラ!皆、クロード君の事は後、クロード君、今から食事だからね」

 

 なのはの助けによってかろうじて生き延びたクロード、そんな時、料理が運ばれ

 

てくる。

 

 「はいっ、なのはちゃん」

 

 「あっ、ありがとうございます、トメさん」

 

 「いいから・・・はいっ、フェイトちゃんとはやてちゃんの分」

 

 「「ありがとうございます」」

 

 「はいっ、ティアちゃん、キャロちゃん、2人は、ちゃんと食べるのよ」

 

 「「ありがとうございます」」

 

 そして、エリオとスバルの大盛りパスタがテーブルに上がる。

 

 「はいっ!いつもの!」

 

 「「はぁぁぁぁっ」」

 

 2人の目が感激に光る。

 

 「お、俺のは!」

 

 クロードが今にも飛び掛りそうな目でトメさんを威嚇する。

 

 「はいっ!超巨大ハンバーグッ!」

 

 ドズンッ!

 

 食堂中を響かせるような音と共にクロードの目の前に現れたのは、まさに言葉の

 

通りのハンバーグ!縦30cm横45センチの巨大ハンバーグだった。

 

 「ちょっと、トメさん・・・やりすぎなんじゃないですか?」

 

 「アッハッハッハ!久しぶりに頑張っちゃったからね!しっかり食べるんだよっ

 

!」

 

 クロード以外の全員が目を見開く・・・だが当の本人は・・・

 

 「うおっ!こっ、これマジで俺だけでいいのか!」

 

 やる気マンマンだった・・・

 

 「ああ、いいとも!だけど、残したら皿洗い1週間だからね!」

 

 「分かった!じゃあ・・・いただきます!」

 

 ガツガツ!ムシャムシャ!ゴクッ!

 

 「ス、スバルさん」

 

 「な、何、エリオ」

 

 「僕にあれは、無理です」

 

 「私もだよ・・・」

 

 「ティアさん」

 

 「どうしたの、キャロ」

 

 「私があれだけ食べたらどうなるのでしょう?」

 

 「私が知るわけないでしょ、にしてもよく食べるわね」

 

 「「「・・・・」」」

 

 隊長陣3人は、完全に黙りこんでいた。

 

 ガツガツ!モグモグ!・・・・

 

 全員が呆気にとられること5分、完全に巨大ハンバーグを制覇したクロード。

 

 「うっぷぅ~食った食った!」

 

 (ハンバーグか・・・初めて食ったけど、結構うまかったな)

 

 「ん?どうした?皆、食わないのか?」

 

 「えっ?あっ!そうだね!皆、食べようか!」

 

 「そ、そうや!皆食べ、食べ」

 

 「そうだよ、エリオ、スバル、貴方達らしくないよ」

 

 「「りょ、了解しました」」

 

 そのまま食事を取る2人だが、完全にクロードに圧されたか、ペースが進まない

 

・・・

 

 「キャロ、食べよっか」

 

 「は、はい」

 

 こちらも小食がさらにペースダウンする。

 

 「それにしても、よく食べるなぁ~クロード君」

 

 「まあな、俺の居た世界では、まだ戦がひどくてな、食えるうちに食っとけってのが、主流だな」

 

 「戦!?」

 

 なのはが驚く。

 

 「ああ、この世界では、ないのか?」

 

 当たり前のような顔でクロードが問いかけると、フェイトが答える。

 

 「ええ、この世界では、戦争は何年も前に終戦してるんだよ」

 

 「それは本当か!」

 

 飛び掛る勢いでフェイトに詰め寄るクロード。

 

 「わっ!う、うん」

 

 (近い近い!だけど、近くで見るとやっぱりかっこいい)

 

 自然と顔が赤くなるフェイト・・・

 

 「ま、まぁ、そんなに興奮しないで」

 

 なのはがクロードをなだめにかかる。

 

 「ああ、悪ぃ・・・だが、本当に戦争はないのか?」

 

 今度は、なのはが答える。

 

 「うん、少なくともこの国では、ないよ」

 

 「(この国では)って事は、ほかの国では?」

 

 「確かにおこっとるよ、私達の居た世界・・・地球ってとこなんやけど、私達は

 

、日本って国におったんやけど、その国は、戦争が全くなかった。だけども、ほか

 

の国では、毎日のように戦争がおこっとるとこもあったんや」

 

 「じゃあ、この世界は、お前達の世界ではないのか?」

 

 「うん、そうだよ、私達の居た世界は、第97管理外世界・惑星名、地球・極東

 

地区、日本・海鳴市ってとこが私達の出身世界なんだよ」

 

 「ん?第97?管理外?地球?海鳴?」

 

 完全に聞いたことのない言葉で混乱するクロードにフェイトが説明する。

 

 「なのはちゃん、それじゃクロード君が分からないよ・・・えっとね、私達が今

 

居るのは、ここ、ミッドチルダって言うんだけど」

 

 フェイトがメモ帳を取り出してクロードに説明する。

 

 「ああ」

 

 「たとえば、このミッドチルダをひとつの世界とすると」

 

 フェイトはミッドの文字を囲むといくつもの枝分かれを書く。

 

 「今このミッドチルダには、魔法があるよね」

 

 「ああ、」

 

 「たとえばこのミッドから魔法のない世界があるとすると、これで二つの世界が出来上がるよね」

 

 この言葉でクロードがフェイトの言いたいことを悟る。

 

 「お!おい!待てよ!それじゃあ完全に無限の世界じゃないか!」

 

 「そうや、世界は全ての状況を想定した、無限大の可能性であふれとるんや!」

 

 「それじゃあ、俺は、その無限大の世界の中からこの世界に飛ばされたってのか

 

!?」

 

 「うん、そうだよ、このミッドチルダにね」

 

 「お前らは、俺の居た世界は、分かるのか?」

 

 「おおよその特定は、できるとおもうんやけど、問題は、そのおおよその特定で

 

も膨大な世界が選択肢に入るってことや」

 

 「そんな、まさか・・・」

 

 (クソッ!マジかよ、マリナ姫とミウ様は、どうなったんだ!)

 

 「クロード君?」

 

 「あっ、ああ、どうした?」

 

 「大丈夫か?なんや想いこんどった見たいやけど」

 

 「いや、大丈夫だ」

 

 「そうか?それじゃあ続けるな・・・その膨大な世界なんやけど、クロード君の

 

世界が見つかる方法がひとつだけあるんやけども」

 

 「方法?それは?」

 

 「相手世界からの干渉だねハヤテちゃん」

 

 「ご名答、クロード君のおった世界からこっちの世界、もしくは、時空にクロー

 

ド君の乗ってきた乗り物が見つかれば一番分かりやすいんやけどもなぁ」

 

 「乗り物・・・バランドール号のことだな」

 

 「バランドール号?」

 

 フェイトの問いかけに答える。

 

 「ああ、俺の居た世界にバランドール王国ってのがあってな、その国で完成した

 

巨大異空間移動戦艦、それが、バランドール号だ」

 

 「バランドール号か・・・」

 

 ハヤテが考え込むとすぐに案が浮かぶ。

 

 「そうや!次元航行艦や!」

 

 「次元航行艦?」

 

 「うん、そうや、今、時空には、次元航行艦っちゅうでっかい船艦がたくさんうかんどるんや」

 

 「なるほど!本局に捜索を依頼すれば」

 

 なのはの直感が働く。

 

 「ああ、クロード君の捜索もそっちの世界ではじまっとるはずや、その捜索部隊を見つけることができれば・・・」

 

 「クロード君の世界も分かる!」

 

 「その通りや、フェイトちゃん」

 

 その時、食堂の入り口から、声が響く。

 

 「主はやて、ここに居ましたか」

 

声がした方向を見ると、大小さまざまな少女3人と犬が1匹立っていた。

 

 「おお、シグナムかぁ、ちょうどええ、クロード君、紹介するわ」

 

 はやてが赤い髪で長身の少女に向く。

 

 「この子はシグナム二等空尉や」

 

 「主はやて、この方は?」

 

 シグナムと呼ばれた少女はクロードを観察するように見つめる。

 

 「ああ、ごめんな、この人は、クロード君、例の時空漂流者や」

 

 「クロードだ、よろしくな、シグナム」

 

 (ん?なんだか変な魔力だな?にしてもやけににらみつけてくるねぇ~)

 

 「シグナム二等空尉だ」

 

 「ああ、よろしく」

 

 「そんでこの子がシャマル医務官や」

 

 ショートカット金髪の少女が前に出る。

 

 「シャマル医務官です。よろしくねクロードさん」

 

 「よろしくシャマル」

 

 (おっ!なんだか優しそうだな、でも、この人も変な魔力だな)

 

 「んでもって、この子がヴィータ三等空尉や」

 

 「おう、よろしくな」

 

 「あ、ああ、よろしくヴィータ」

 

 (背ぇ小っさ!口悪!でも、こいつも変な魔力なんだよな~)

 

 「ほんで、最後にザフィーラや」

 

 青い犬がクロードの前に出る。

 

 「へえ~こんな犬まで居るのか、よろしくな、お手」

 

 「私は、犬ではなく狼だ」

 

 「しゃ!しゃべった!」

 

 クロードが驚きの声を出す。

 

 「そうや、この子は、守護獣やからな」

 

 「守護獣?」

 

 「まぁ、そのことは、追々せつめいするわ」

 

 「ザフィーラだ、階級はないが、ここでは、部隊守護と要人警護を勤めている。

 

よろしくな、クロード」

 

 「あ、ああ、よろしく」

 

 (まさか喋るとわ思わなかったぜ・・・でも、こいつも変な魔力だよな)

 

 一通りの紹介が終わるとシグナムがはやてに向く。

 

 「主、先ほど何か用件があるとかで」

 

 「ああ、ごめんな、皆!食事終わったかぁ?」

 

 はやての確認と共に全員が頷く。

 

 「ほんなら、会議室行こうか」

 

 

 

 

 コツコツ・・・・・

 

 ほの暗い闇の底、正確には暗い地下へと続く螺旋階段を下りる老人の靴の音。

 

 コツコツ・・・・コッ!・・・

 

 足跡がやむと老人の目の前に重厚な木の扉が現れる。

 

 ギイィィィィ

 

 老人が扉を開くと小さな部屋にたどり着く。当然地下なので光もなければ何の装

 

飾品もない・・・だが、その部屋の真ん中にひとつだけ異彩を放つ黒い棺が置かれ

 

ている。

 

 「やっと、やっとこの日が来た!」

 

 老人は、何年も待ちわびた万感の思いを発散するように声を出す。

 

 「陛下、目覚めの時でございます・・・ッ!」

 

 老人は、おもむろに棺の蓋に手をかけると吹き飛ばすように開く!

 

 バァアンッ!

 

 蓋が開かれた棺から黒い光が漏れ出る。

 

 「さあ、グラーゼルが末裔・ヴェーラよ!目覚めるがよい!」

 

 黒い光で見えにくい棺の中に赤い禍々しい双眸が輝く!

 

 「ハッハッハッハッハ!アーッハッハッハッハ!・・・」

 

 静寂と闇に包まれた地下室に邪悪な笑い声が響いていた・・・・

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