白騎士物語 StrikerS   作:新たなる愚者

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第7章 訓練その一

 「フフフ・・・やはりモノシップ1隻だけでは、物足りぬか・・・」

 

 暗い闇の底・・・広い地下空間に巨大な水晶玉と一人の老人・・・

 

 巨大な水晶玉には、先ほどのレナード達と、イシュレニアの戦いが記録されてい

 

た。

 

 「なるほど・・・騎士達は未だに健在か・・・フフッ・・・実に面白い」

 

 水晶玉の光源に当てられ老人の顔が段々と見えてきだす。

 

 「まあ、そうやってささやかな抵抗でもして居るがいい、まだまだこれから始ま

 

る計画の一歩にもならぬのだからな・・・」

 

 その光源に照らされた顔は、20年前に死んだはずの老人だった・・・

 

 「<レダム>よ・・・」

 

 レダムと呼ばれた老人が振り向く。

 

 「これはこれは・・・陛下、ご機嫌麗しゅう・・・・」

 

 陛下と呼ばれた男がレダムの正面に歩み寄り、水晶玉を見上げる。

 

 「これは・・・何者なのだ」

 

 「この者達は、陛下の父君・グラーゼル様の仇・・・正面の男をレナード、右の

 

女をユウリ、左の男がシーザー、そして、その後ろに居るのが陛下の叔母君、カー

 

ラ・・・どれも、グラーゼル様を殺した張本人達にございます・・・」

 

 「父上は、この者達に・・・」

 

 「そうでございます!グラーゼル様は、この者たちの毒牙にかかり、その御一生

 

を閉じました・・・ですが!今陛下のほかに誰がこの者・・・いや、この不届きも

 

の達を裁けましょう!・・・陛下、剣をお取り下さい」

 

 レダムが片腕を上げると、闇の中から黄金に光る一振りの剣が舞い降りる・・・

 

 「レダム、これは何だ」

 

 「これは、陛下の父君・・・グラーゼル様の魔力より鍛えし聖剣」

 

 「聖・・・剣・・・」

 

 「はい、そうにございます・・・」

 

 ヴェーラの前に現れたのは聖剣などではない・・・レダムが20年前の戦争によ

 

って流された兵士や民の血を限界までに凝縮して集めた念・・・恨みや悲しみの部

 

分を地獄の業火で鍛え上げたオリハルコンに流し込んで作り上げた魔剣であった・

 

・・

 

 「陛下、この剣は、まだ生まれたばかりでございます。良ければ剣に名を与えて

 

くださいませ」

 

 「生まれたばかりか・・・我と同じだな」

 

 ヴェーラは、しばらく考えた後に「フッ」と軽く笑って、剣を掲げながら名を授

 

ける。

 

 「我が剣・・・ビシャスよ!我が願いを共に遂げよ!」

 

 そして・・・剣が闇の光を立たせながら鼓動を始めた・・・

 

 

 

 

 「さあ、ついたよ、ここが訓練場だよ!」

 

 なのは達の後をついて行く事10分、クロードは海の中に浮かぶ島のような場所

 

に着いた。

 

 「ここが訓練場?・・・なんにもないんだな」

 

 (こんな所で訓練?こんな所で想定戦訓練なんて出来るのか?・・・)

 

 「なあ、こんな所で想定戦なんて出来るのか?」

 

 クロードの素朴な疑問になのはが空中に飛んで「ちょっと待っててね」と言って

 

どこかに飛んでゆく。

 

 「なあ、今から何が起こるんだ?」

 

 クロードは、隣に居るエリオに問いかける。

 

 「えっと・・・今から訓練のためのホログラムを投影するんですよ」

 

 「ほろぐらむ?」

 

 「ええっと・・・・すいません、見ていたら分かります」

 

 「ハハ・・・わかったよ」

 

 「すいません」

 

 うまく説明が出来ないことに、軽く落ち込むエリオ・・・その時、なのはの声が

 

聞こえる。

 

 「さぁて、じゃあいつも通りの廃都市から始めるよっ!」

 

 なのはのこえが聞こえた後に、クロード達が居る島の床が光りだすと、目の前に

 

ボロボロの都市が現れる。

 

 「おおおおおっ!スゲーーーーッ!マジかよ!」

 

 初めて見るホログラムに驚くクロード・・・まあ、無理もない、彼の居た世界で

 

は、こんな科学の発達した文明ではなく、魔法の発達した文明、当然こんな設備な

 

どなく、初めてなのでかなり驚いた。

 

 「じゃあ、訓練始めよっか!」

 

 「「「「はいっ!」」」」

 

 スバル、ティア、エリオ、キャロが即座に返事をすると

 

 「クロード君は、少し離れて見ててね」

 

 なのはに促され、その場を離れるクロード・・・

 

 「それじゃ、始めるよっ!」

 

 にこやかになのはが自分のペンダントを外して構える。

 

 「あの赤い玉はなんだ?」

 

 なのはの構える赤い小さな玉に疑問を持つクロード、それにヴィータが答える。

 

 「アレは、<デバイス>ってやつだ」

 

 「でばいす?」

 

 「ああ、アレで俺達は、奴等と戦うことが出来るんだ」

 

 (でばいすかぁ~どんな物かお手並み拝見だな!)

 

 完全にわくわくがとめられないクロードは、目を光らせて見つめる。

 

 「行くよっ!レイジングハート!セーットアーップ!」

 

 なのはの声に反応して、レイジングハートが答える。

 

 『スタンバイ・レディ』

 

 「おおっ!スゲー!」

 

 クロードは、なのはが一瞬で姿が変わったのに驚く。

 

 「ストラーダ!セットアップ!」

 

 エリオの声に反応して腕時計形のデバイス・ストラーダが起動して、エリオの姿

 

が変わり、その手には槍が構えられていた。

 

 (エリオ・・・槍使いか、あの人が居たら喜んだろうに)

 

 「ケリュケイオン!セトアップ!」

 

 キャロも同じようにセットアップを済ませる。

 

 (キャロは、グローブ?どんな魔法を使うんだ?)

 

 「行くよっ!マッハキャリバー!」

 

 スバルのデバイスは、足のローラーブーツと片腕のナックルであった。

 

 (ん?何だ?あれ、ナックルは分かるが、あのブーツじゃあ安定できないだろう

 

に)

 

 「行くよ、クロスミラージュ」

 

 ティアの場合、クロードの見たことのない武器が出てくる。

 

 (変わった武器だな?どんな攻撃が出来るんだ?)

 

 「今日は、クロード君も居ることだし、初めから軽く飛ばしてみよう!」

 

 「「「「ええっ!」」」」

 

 驚く4人。

 

 「なのはの訓練ってそんなにきついのか?」

 

 続いての疑問にシグナムとヴィータが答える。

 

 「あいつの訓練は、少し甘い所があるが、基本を段々と難しくするのがあいつの

 

やり方だ」

 

 「確かに基本だが、それを難なくこなすのが案外難しい・・・チッ!もっとどー

 

んとでかい訓練をすればいいんだよ!」

 

 「じゃあ、シュートイベーションをやるよ」

 

 「「「「はいっ!」」」

 

 「レイジングハート」

 

 『オーライ・アクセルシューター』

 

 なのはの言葉に反応してなのはの周りに16個の魔力の玉が現れる。

 

 「ルールはいつもど通りだね、じゃあ、いっくよ~!」

 

 その言葉にティアが即座に指示を出す。

 

 「5分は、難しいから、一発で行こう!」

 

 「おうっ!」

 

 「「はいっ!」」

 

 3人が指示に反応したことを確認すると次の指示を出す。

 

 「スバル!牽制!」

 

 「分かった・ウィングロードッ!」

 

 スバルの言葉によって、なのはの周りを回るように魔力のレールが敷かれると、

 

即座に走り出す!

 

 シュッ!

 

 スバルの足元から流れるように青い魔力のレールが敷かれ、なのはの周りをぐる

 

ぐると回るように展開される。

 

 (なかなかいい反応!それにチームへの指示も的確!)

 

 なのはが分析をしているとスバルによる真正面からの攻撃がなのはを捕らえる!

 

 「はぁぁぁあああっ!」

 

 「甘い!」

 

 スバルの攻撃がなのはに当たる瞬間!なのはの周りに浮いていた魔力球がスバル

 

を襲う!

 

 バッ!・・・スッ!

 

 「!・・・幻覚!」

 

 なのはが気づくと同時に、背後から高速でエリオが飛来する!

 

 「やぁぁぁぁっ!」

 

 だが、なのはもそれにはすでに気づいていた。

 

 「そこっ!」

 

 なのはの言葉と同時にエリオに向かって魔力球が飛んで行く!

 

 「えっ!?」

 

 ドオォォォォンッ!

 

 当然高速で飛来していたエリオは防ぐすべもなく衝突する・・・・だが、その煙の中からさらに加速を加えてエリオが突破してくる!

 

 「なっ!」

 

 なのはが障壁を作ると同時にエリオが衝突した瞬間、エリオの姿が消える!

 

 「また幻覚!」

 

 

 

 (っく!連続の幻覚使用は疲れる!)

 

 「ティア、大丈夫なのか?」

 

 ティアとスバルは、なのはのいる位置から1キロほど離れた場所に居た。

 

 「大丈夫、何とかあの2人の時間稼ぎにはなると思う!」

 

 ティアが少しきつそうになるのを見てスバルが判断する。

 

 「じゃあ、作戦通りに始めるよ!」

 

 「分かった!・・・スバル!感づかれないようにね!」

 

 「分かってるって!」

 

 そのままウイングロードでなのはに向かってゆくスバルだった・・・

 

 

 その頃、エリオとキャロの両名は、スバル達の反対側3キロ地点に居た。

 

 「エリオ君、今から全開の魔法でエリオ君を私の限界まで加速させるからね!」

 

 「わかった!」

 

 「それとひとつ注意が必要だけど・・・」

 

 「何?キャロ?」

 

 「今まで全開のサポートが必要な時がなかったから私もどれだけの加速が出るかが分からないの、だから、気をつけてね・・・」

 

 物凄く心配そうな顔でエリオに注意を促すキャロだったが、当の本人は・・・

 

 「大丈夫だよ、なんとしてでも制御して見せるから、全力でお願い、キャロ!」

 

 「うん・・・じゃあ、始めるよ」

 

 キャロのサポート魔法が発動してエリオに加速の付加が加えられる!

 

 

 

 (いきなり静かになった・・・)

 

 なのはの周りにいやな静寂が訪れる・・・だがその瞬間、なのはの真下からウイ

 

ングロードが展開される!

 

 「また幻覚!・・・いや、ちがうっ!」

 

 「はあああああっ!」

 

 真下から、スバルが一気に魔力をためる!

 

 ガシャンガシャンッ!

 

 2発のカートリッジがナックルから排莢される!

 

 「ディバィィィィンッ・・・」

 

 「真下からの急襲と、強力な魔法での合わせ技だね!悪くはないけど・・・隙だ

 

らけだよっ!」

 

 なのはの言葉と共にスバルを取り囲むように魔力球が襲う!・・・だが、スバル

 

は、それを気にせずに一揆に放つ!

 

 「バスタァァァァッ!」

 

 ドォォォォオオオンッ!

 

 スバルからのディバインバスターがなのはの横を通り抜ける!

 

 「っく!」

 

 ギリギリでそれを避けるなのは!それに対して、スバルは避けようともしない。

 

 (どうして!?)

 

 ドドドンッ!・・ドドンッ!

 

 その時であった、なのはの放ったアクセルシューターがスバルの背後でひとつ残らず撃ち落とされた!

 

 (なるほど・・・ティアナ!)

 

 「だけど、ここまでの連携は良かったけど、スバルはここからどうするのかな?」

 

 なのはがスバルに問いかけるがスバルは・・・笑っていた。

 

 (何で?・・・!!!)

 

 なのはが気づいた時はもうすでに遅かった。スバルの放ったディバインバスターの青い軌跡に隠れてエリオは、猛スピードでなのはのすぐそばに迫っていた!

 

 「はあぁぁぁぁぁっ!」

 

 ッドオオオオォォォォンッ!

 

 なのはとエリオのストラーダの一撃がぶつかり合った瞬間!瞬く間に広がって行く煙にスバルがひるむ。

 

 「うっ!」

 

 (前が見えない!エリオは大丈夫なのか!)

 

 段々と晴れてゆく煙の中スバルは、エリオの姿を確認した・・・

 

 

 

 

 「エリオ君もうそろそろスバルさんの、ディバインバスター発射時期だよ!」

 

 「うん!キャロの準備は?」

 

 「こっちもOKだよ!・・・さっきも言ったけど、エリオ君に対してのフルでのサポートは初めてだから本当に気をつけてね!」

 

 「大丈夫だよ!僕にはこれしかとりえがないからっ!」

 

 だんだんとエリオに加速の魔法が掛けられる。エリオ自身もその力を感じていた。

 

 (す、すごい!どんどん魔力が膨らんでゆく!)

 

 その時、エリオの目に青いディバインバスターが映る!

 

 (今だっ!)

 

 「ストラーダッ!」

 

 エリオの言葉に反応してストラーダのブーストが唸りを上げる!

 

 ゴゴ・・・・ドンッ!

 

 一気に噴射されるストラーダのブーストに身を任せエリオはなのはの元まで一直

 

線に突っ込んで行く!

 

 「うおぉぉぉぉっ!」

 

 スバルのディバインバスターがなのはの真横を通り過ぎた後すぐにエリオがなの

 

はに向かって突っ込んでくる。

 

 僅かななのはの油断をうまく衝いた攻撃がなのはに直撃する!

 

 ドオォォォォォンン!

 

 巻き上がる砂埃、あたりは静寂に包まれた。

 

 

 

 (前が見えない!エリオは大丈夫なのか!)

 

 だんだんと砂埃が消えて行くとスバルは、エリオの姿を確認した。

 

 エリオは、ストラーダをなのはに突きつけた状態で固まっておりなのはも先程の

 

状態で硬直していた。

 

 「・・・エリオ、目を開けてみて」

 

 なのはの言葉にオソルオソル目を開けるエリオ・・・目を開けると目の前の光景

 

に顔を綻ばせる・・・

 

 「あ、当たってる・・・当たってる!」

 

 「当たった・・・」

 

 スバルが小さく震える・・・

 

 「中々いい作戦だね!合格だよっ!」

 

 「いよぉっしゃぁぁぁ!」

 

 スバルが高らかに勝鬨を上げる。その声を聞いたティアがホッと息を下ろす。

 

 「はぁぁぁぁぁっっ・・・みんな、よくやっわよ、作戦成功!」

 

 「やっ、ゃったー!」

 

 キャロが小さく飛び跳ねて喜んだ・・・

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