「変身解除っと・・・」
変身を解除して元の姿に戻るクロード。
「まあ、こんなもんだな・・・何か感想は?」
クロードは、今のを見てキョトンとしている六課メンバーに対して平然と問いかける。
『・・・・』
返事がない、ただの屍のようだ・・・
「なんだ今の?・・・じゃなくって、おーい・・・」
「ん?へ?」
クロードの問いかけにやっと反応するなのは・・・
「へ?・・・じゃねえよ!せっかく変身して見せたのになんの反応もなしかよ!」
「いい、いや、そうじゃないよっ!えっと・・・そ!そうだ!そろそろ日がくれてきたし、ご飯の時間だよ!」
(あ、そらした)
クロードがなのはをジト目で見る。
「え、えっと、クロード君もご飯食べよ」
じー
「い、いや、その・・・」
たまらずいたたまれなくなるなのは・・・
「プッ!」
「へ?」
「アッハッハ!」
クロードがいきなり大声で笑い出す。
「ちょ、ちょっと!クロード君!」
クロードが笑い出したことによって自分がからかわれているのに気づくなのは。
「お前、やっぱおもしれーよ!」
「っ・・・もう、知らない!」
「おっ!何だ、拗ねたのか?」
そのやりとりを見ている他のメンバー・・・
「なんや、クロード君となのはちゃん、出会ってまもないのに仲ええなぁ」
「そうだね、なんだか妬けちゃうな」
なのはとクロードのやり取りを見てはやてとフェイトが笑う。
「あ、あのなのはさんが・・・」
「あしらわれてる・・・」
スバルとティアが驚く・・・
「ね、ねえ、キャロ・・・」
「な、何?エリオくん」
「あんななのはさん見たことある?」
「もちろんないよ・・・」
エリオとキャロも唖然とするようななのはの一面だった・・・
所変わって、ここは、XV級大型次元航行船<クラウディア>、その艦長、クロノ・ハラオウンは、機動六課部隊長、八神はやての頼みで次元漂流者の乗船していたと思われる船を探していた。
「提督、これを見て下さい」
そう言って目の前のモニター映像が映し出される。
「これは・・・」
目の前には、何らかの戦闘で破壊されたものと思われる所属不明船の残骸・・・
「所属は?」
クロノが問いかけると、コンソールを叩いていたクルーが答える。
「お待ちを・・・・出ました!この戦艦は、ジェイル・スカリエッティらと共に確認されている黒い魔道士のメンバーのものと思われます」
「なんだと!あの魔道士らを相手にこれほどの戦力を持っているだと・・・」
イシュレニアの兵士の情報は、提督であるクロノの下にも入ってきてはいるが、その強さもクロノは、知っていた。
「周辺に反応は?」
「ソナーを確認・・・周辺に影なし」
「分かった、引き続き、捜索を続けてくれ」
「はい!」
(まさか、あの魔導師たちに対抗出来る魔法があるのか・・・)
クロノが、そんなことを考えていると・・・
「提督!前方に大型の正体不明船を確認しました!」
「モニターを」
クロノの指示にしたがってモニターに映し出されるは・・・・
「何だ!この船は!」
クロノが驚くのも無理はない。目の前のモニターに写ったのは、このクラウディアでさえ、小さく思えるほどの大型船・・・それが、優雅にこの時空を飛んでいたのだった・・・
「艦長!後方に正体不明の戦艦の反応を確認しました!」
バランドールクルーのジャンがロッコに報告する。
「またイシュレニアのモノシップか!?」
レナードがロッコに問いかけると
「いいえ、まだわかりません!・・・リム副館長!確認を!」
「わかりました!・・・今映します!」
そう言って純白の壁に後方部の映像が投影される。
「何だ?この船」
「見たことのない型だな、敵なのか?」
「わかりません、ですが攻撃をしてこない所を見ると敵船ではない様ですが・・・」
「ロッコ」
「なんでしょうか、レナード様」
「相手と交信出来るか?」
「ええ、一応外部のスピーカーからなら音を出すことならできますが・・・」
「じゃあ、それで・・・」
ロッコが外部スピーカーにつながるマイクを出してくる・・・
前方の不審船を確認したクロノ達は、先程から無線と念話で交信を試みるも応答なしの結果にお手上げになっていた・・・
「無線が繋がらないだと・・・念話は?」
「両方共を試しましたがつながりません」
「そうか・・・」
その時、別のクルーから報告があった。
「待って下さい!外から音が・・・」
「なんだと?スピーカーに・・・・」
「スピーカーに繋ぎます」
スピーカーから流れてくるのは男の声・・・
『・・ら・・・・おう・・・・おね・・』
最初は、聞き取りにくかった声だが、だんだんと整って聞こえて来る・・・
『こちら、バランドール王国艦、バランドール号、聞こえたら応答願う』
それを聞いたクロノは・・・
「こちらもスピーカーに切り替えるんだ!」
「はいっ!・・・つながりました!」
クロノは、マイクを手にとって話しかける。
「こちらは、時空管理局所属、次元航行部隊提督及び艦船クラウディア艦長、クロノ・ハラオウンだ!貴艦の所属と部隊名、及び艦長名を述べよ、繰り返す、こちら時空管理局、貴艦の所属と部隊名、及び艦長名を述べよ!」
レナード達、バランドール号にもその声は伝わっており、艦長のロッコが応答をする。
「コホンッ!・・・こちらは、バランドール王国所属艦、バランドール号であります!並びにバランドール号艦長のロッコと申します!」
その返答に敵意がないのを感じ取ったクロノは少し安堵の息を吐いた。
「返答、感謝する。出来れば、貴艦への乗船許可を望む」
クロノは、内部の人間と会って話がしたいと考えていた。
「乗船ってことは、直接会いたいってことよね?」
「だと思う・・・皆は、どう思う?」
レナード達は、相手と会うべきか会わざるべきかを考えていた、何せ、あいては、会ったことのない者、警戒をして当たり前なのだが・・・
「ロッコさん、艦を近づけて下さい」
最初に口を開いたのは、シズナだった。
「へ、陛下!よろしいので?」
ロッコが心配そうに問いかけるが
「大丈夫です、もしかしたらクロードについての情報を持っているかも知れません」
シズナがマリナの肩をさすりながらロッコに言うと
「・・・わかりました、リム、すぐに後方の艦船に引き継いでください」
「はいっ!」
大きく返事をしてリムがマイクに向かう。
「提督、相手艦からの許可が降りました!」
「分かった、すぐに艦を近づけてくれ」
「はいっ!」
クルーが答えるとクラウディアがバランドール号に近づく・・・
「艦長、相手艦から、乗船許可の申請が来ています」
「わかりました、では、左舷後方の入り口を利用してもらってください」
「はいっ!」
リムが相手艦に指示を出す。
しばらく立つと艦内にガシャンッ!と何かがぶつかる音がする。それを確認するとロッコが命令を出す。
「艦内の兵は、すぐに左舷後方のエントランスに集合してください!」
ロッコの声が艦内に響くと大勢の人間の足音が後方へと響いてゆく
「さあ、私たちも行きましょう」
シズナが立ち上がりマリナを促す。
「はい・・・」
小さな声でマリナが答えるとミウがマリナのそばに寄る。
「マリナちゃん、クロード様はきっと見つかります・・・だから、会ったときに備えて暗い顔はなしですよ」
マリナに向かってミウが微笑むとマリナもわずかに微笑んだのだった・・・
「エリオ、ちょっといいか?」
「どうしました?クロードさん」
騎士の姿を見せた後、皆で夕食をとったクロードと機動六課メンバー、食事が終わるとクロードは、エリオを外に呼び出した。
「エリオ、お前の獲物は、槍だったよな?」
「はい、そうですけど・・・」
「よかったら、だしてみてくれないか?」
「?、わかりました」
エリオは、片腕を掲げると<ストラーダ>を呼び出す。
「<ストラーダ!>」
一瞬エリオの腕時計が光ってストラーダのみが出てくる。
「なるほどな・・・」
(こうやって武装すると中々の魔力になるな)
「ちょっと貸してもらってもいいか?」
「いいですよ」
クロードは、エリオからストラーダを受け取る。
ビュン!・・・ビュビュン!
それをなれた手つきで振り回す。
「・・・すごい」
自分のデバイスを慣れた手つきで扱うクロードを見て、エリオは驚きを隠せない・・・
「なあ、エリオ」
「は、はい、どうしました?」
「お前のやってたあのすっ飛んでいくヤツどうやるんだ?」
「ああ、それでしたらクロードさんはできませんよ」
それを聞いたクロードは、意外そうな顔をする。
「?・・・なんか特別な魔法なのか?」
そう言うとエリオは、少し難しい顔をする。
「えっとですね、皆が所有しているデバイスは、所有者の登録をしたらその人しか扱うことができないんですよ」
「なるほど、それじゃあ、デバイスってのは、その人専用の武器ってことになるのか」
「その通りです!クロードさん」
(なるほどな、それであそこまでまで個人の魔力と同化することが出来てるのか・・・)
「よし!それなら・・・」
クロードが何かを思いつく
「なあ、エリオ」
「なんでしょうか?」
「お前、個人的な練習なんかは、してるのか?」
「は、はい、朝となのはさんの訓練が終わった後などにしていますが・・・」
クロードに問いかけられ少し戸惑うエリオが答える。
「そうか、それなら、俺もその訓練に付き合ってもいいか?」
「え?・・・いいですけど、面白く無いですよ?」
エリオが苦笑いをしながら問いかけると・・・
「見るんじゃなくて、俺が、お前に槍術を教える」
クロードが言うとエリオは、嬉しそうな顔になる。
「本当ですか!」
「ああ、本当だ!」
そう答えると一段と笑顔になる。
「お願いしますっ!・・・でもどうして、いきなり?」
エリオが少し戸惑った顔になる。
「お前は恐らく前線に出ての戦闘要員だろ?」
「はい・・・そうですが・・・」
「なら、先刻の訓練のような突っ込むだけの技じゃあ、難しいだろ。だから、俺がお前に槍術を教えてやる」
「なるほど・・・技術面の強化ですか!」
「その通り、前線では、敵のおおよその強さ、勢力、状況を後方にできるだけ正確に伝えるためでもある立ち位置だ。だが、元も大切なのは、自分の身をいかに守ることができるかにもある」
「なるほど・・・」
エリオが頷く
「じゃあ、鍛錬は明日からだが、お前に覚えてほしい技を一つ見せる」
「はいっ!」
エリオの元気な返事を確認したクロードは、腰を低くしてストラーダを目の前の海に向かって構える。
「じゃあ、行くぞ」
クロードが、ストラーダを構える腕に少しだけ魔力を送り、力を込める。そして、目を瞑って深呼吸をする。
「スゥ・・・フウゥ!」
閉じた目を一気に開く!
「<ソニックマグナム!>ハアッ!」
シュンッ!・・・ズバアッ!
クロードがストラーダを突き込むとともに起こる衝撃波が、海の遥か彼方にむかって一気に飛んで行く!
バサアアッ!
放たれた衝撃波の軌跡を追うように海がしぶきを上げながら割れてゆく!
「・・・・」
一方のエリオはというと、その光景を口を開けてぽかぁんとした表情で見ていた・・・
「まあ、これはある程度槍術をマスターしだしたら覚えるからな、見るとすごく難しそうな技だと思うが、実際やってみるとそうでもないヤツだから、まずお前には、これを目指して覚えてもらうぞ」
「は、はい!」
(ハハ・・・動揺してんなぁ・・・)
「そんなに硬くなるなよ!」
クロードが、おどけながらエリオにストラーダを返す。
「は、はあ・・・」
未だに唖然としたエリオの顔を見るとクロードは、「フッ」と笑ってエリオの隣に立って、口を開く・・・
「なあ、エリオ」
「は、はい」
「俺がこの技を覚えたのは、ちょうどお前位の頃だったんだぜ」
「ほ、本当ですか!」
その話を聞いたエリオが驚く
「ああ、本当さ、お前ぐらいの頃にな、大切な人に大怪我をさせたことがあるんだ」
「大切な人に・・・ですか?」
「そうだ、だから俺みたいな思いをしてもらいたくないんだよ」
そのまま海の彼方をじっと見つめてるクロードだった・・・
ガシャンッ!
クラウディアとバランドール号をつなぐための橋架が連結される。
「相手船との橋架の連結成功しました」
クラウディアのクルーがクロノに報告する。
「分かった」
艦長席を離れ、橋架へと続く通路を進んで行く・・・
「全員整列!」
ザッ!
バランドール号内は、泡立っていた。
「いいか、俺とユウリでシズナ様とマリナ・ミウ大公の前を護衛、シーザーとカーラは、後ろのほうを頼む」
「分かったわ!」
「おう!任せろ!」
「分かった」
7人がそのまま入り口エントランスに集まる。
カツン・カツン・カツン・・・
硬い靴が、こちらに向かって向かってくる・・・
コツン・・・・
足音が消えると、シズナが兵士に扉を開けるように促す。
カシャンッ!・・・ガガガ・・・
重たい音を立てながら扉が開けられる。
コツ・コツ・・・・
扉から出てきたのは、若い男だった。
男は、そのままレナード達の前まで歩くと立ち止まり・・・
「自分は、時空管理局・次元航行部隊提督、クロノ・ハラオウンです」
敬礼をとりながら、クロノが自己紹介をする。その様子を見て、危害はないと悟ったロッコが皆の後ろから前に出て来る。
トコトコ・・・バッ!
トコトコと歩いてしゅばっ!と敬礼をするロッコ
「私は、このバランドール号艦長をさせてもらっているハピタル族のロッコと申しますっ!以後お見知りおきを!」
(う、うさぎ?・・・)
「・・・・」
まさかの現実を前に言葉が消えるクロノ
「えっと、あの、」
ロッコもクロノが反応を返さないのを見て困っている。
「ロッコ、下がっていて」
レナードがロッコを後ろに戻す・・・
「こんにちは、俺はレナードだ、よろしくな」
「あ、ああ・・・」
「こっちは、ユウリだ」
「よろしくね」
「よろしく」
「後ろの赤い服を着てるのは、シーザーだ」
「よろしくな、えっと・・・クロノでいいんだな」
「あ、ああ」
「その横にいるのが、カーラだ」
「レナード」
「どうした?カーラ」
「少し落ち着かせてやれ」
カーラに注意されるとレナードがクロノを見る。
「・・・大丈夫か?」
「あ、ああ、問題ない」
少し落ち着いたクロノにシズナが歩み寄る。
「はじめまして、私は、バランドール王国・現国王・シズナと申します。以後お見知りおきを」
クロノは、目の前の女性が只者ではないと感じ取り、最敬礼をする。そして、その後にミウが前に出る。
「私は、フォーリア公国・現大公・ミウと申します。お見知りおきを」
「こちらこそ・・・」
クロノは、ミウが出てきたときにその頭に注目する。
(・・・・角?)
「あの、やはり体調でも優れないのでしょうか?」
ミウが、不安そうにクロノを見る。
「い、いえ、大丈夫です・・・」
ミウの自己紹介が済んだのを見計らい、シズナが後ろにいるマリナを紹介する。
「こちらは、私の娘のマリナです」
コクッ・・・
マリナは、軽く会釈をするが、その様子も力ない
「大丈夫ですか?体調が優れないのでは・・・」
「いえ、少し問題が起きておりまして・・・」
「問題・・・ですか?」
「はい・・・立ち話も何ですから、そちらへ・・・」
シズナが、クロノをソファーに促す。
「失礼します」
全員がソファーに座り事のあらましをクロノに伝える・・・
「なるほど、では、あなた方は、そのクロードという青年を探して、この次元空間に?」
「はい、クロードは、娘の命を救っていただいたのは勿論、我が国における重要人物でありますので、このような大部隊での捜索をしていました」
クロノは、その話を聞いて、顎に手を当てて考え始める。
(なるほど、それなら、はやてから聞いた話に合致する)
しばらく考えた後、クロノが口を開く
「恐らく、クロードと言う青年については、我々が保護している次元漂流者に間違いありません」
『!』
その言葉を聞いて全員が目を丸くする!
ガタンッ!
「その話は、本当なのですかっ!」
マリナが弾かれるように立ち上がってクロノに問い詰める。
「あ、ああ、つい先日の事だが・・・」
「彼はっ!・・・クロードは、無事なのですかっ!」
「ああ、無事だ」
その言葉を聞いてマリナがホッと胸を撫でる。
「それで、クロードには、会わせてもらえるのか?」
レナードがクロノに問いかける。
「ああ、それについては、少し手続きが必要だが」
「その手続きは、どれくらいで?」
「何もなく穏便に行けば、約5日ほどで完了する」
「5日も・・・ですが、それでクロードに会えるのですね!」
「ああ、そうだ」
その言語を聞いて全員が安堵の溜息を出す。
「それじゃあ、早速頼む」
「分かった」
そのまま、クロノが、空中にディスプレイを映し出す・・・