魔法少女リリカルなのは~欠損遊戯~   作:空勝

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何かいろいろあってだいぶ間が開きましたが本編突入です
短いですが・・・・


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「ごめんなさい」、そう言う少女がいた。頭を下げ必死に泣きそうな顔で謝る少女。その少女の周りにいる女性や同い年と思われる少女も頭を下げて謝っている。そんな光景に俺は・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「起きてください。」

そんな女性の声が聞こえる。夢の少女とは違った凛とした声。そう、さっきのは夢。俺が体験した過去。今は寝ていた俺を起こそうとするこの女性に礼を言って起きるべきなのだが、だがしかし昨日遅くまで仕事と言う名のGAMEをやっていた俺は眠気がまだ取れていない。よってここで取る行動はーーー

「あと1時間~」

再度寝ることである。

「それはいいですが次に起こしに来るのはレヴィですよ?」

「はい起きます。」

再び聞こえた女性の内容にすぐに意識が覚醒される。

俺が寝ているベッドのわきに俺を起こした女性、髪を短く切りそろえて青い目、ベージュの長袖シャツと薄紫のワンピースを着こなしているシュテル・スタークスが立っていた。

「結構、普段からそのように起きてくださるといいのですが。」

呆れたような眼差しでこちらを見るとそんな一言を言ってきた。だって、レヴィの起こし方って凄まじぃんだもん。何が楽しくて寝ている人間の鳩尾目がけてダイビングクロスチョップぶちかますんだ?しかも起こしに来たはずなのにそのまま落としに掛かるし。初めてやられた時にはマジで落ちた。程よく首の圧迫で意識を刈り取られた。あん時はディアーチェがすぐに来たから良かったもののマジ死ぬわ。あれ以来、俺を起こすのはレヴィ以外がやることになってはいるが・・・最近みんな俺が素直に起きないとレヴィを呼ぶ。しかも今回のシュテルみたいに警告してくれるならいいのだがディアーチェなんかは無言でレヴィ召喚するからマジで怖い。

「さっさと着替えてください。もう朝ごはんは出来ていますよ。」

「ん~。りようかい。ついでに顔も洗ってから行くから。」

そう伝えると「分かりました」と言ってシュテルは俺の部屋を出ていく。とりあえず着替えるためにベッドから降りるため布団を剥いで脇に置いてある腕と足を装着する。俺の左の手足は寝るときなどは外している。装着部に負担がかかるから出来るだけ長く装着しないようにしているのだ。まぁ手足も付いたことでやっとベッドから降りた俺は早速着替える。ラフなTシャツにスウェットを履いてから軽くストレッチを開始する。高度な義手義足であるため適度に動かさないと関節部や神経系に刺激が行きわたらず、不調の原因になったりする。これが結構面倒で腕は肘上までないため、指関節に始まり手首、肘をゆっくりと動かす。足に至っては膝下までない状態なので基本的に足首のストレッチのみだ。この動作を全部込みで10分でやらなければならない。本当は取り外しのない一体型の方がいいのだろうが自分はちょっとした理由からこっちの方がいいのだ。面倒ではあるが重宝してるし。

ドタドタドタ!!

「ボク登場!!」

「ゲフッ!!」

ありのままに言うならば部屋に駆け込んできた女性に鳩尾へのダイレクトキックを受けた。その女性は少し幼さを残した顔立ちに長いツインテール、運動しやすそうなタンクトップの上に裾の短いジャケット、短パンを着込んでいるレヴィ・ラッセル。とても楽しそうな顔をしているのでこのダイレクトキックに対してはさして考えもなしに「唯かっこいいから」でやったのであろう。

「・・・・レヴィ・・・部屋に・・・入る・・時・・は・まず・・・ノック」

「あ~、ノックね。ゴメンゴメン。忘れてた!!」

まったくを持って悪びれた様子もなくワハハと笑って謝ってくるレヴィ。

ダメージが残っている俺はorzな状態だ。最近こいつの何気ない一撃は洒落にならんぐらい強豪化してきている。

 

 

 

 

 

 

 

「あ~イタイ。マジ痛い。」

「ゴメンってば~。」

ゆっくりと階段を下りながらいまだにダメージの残る鳩尾を摩りながら後ろについてくるレヴィに文句を垂れる。それにレヴィも反笑いをしながらも少しは悪いと思ったのか謝ってくる。

「次はもっとかっこよく決めるから!!」

「反省しろ!!」ゴンッ!!

さらなる身の危険を感じたため早々に止めるべくレヴィへの拳骨をかます。

洗面所で顔を洗いリビングに着くと先に来ていたシュテルがテーブルに着いていた。台所ではコトコトと何かを煮込んでいる音と匂いがこちらの感覚を刺激してくる。

「あっ、おはようございます。もうすぐできますから」

笑顔でキッチンから顔をのぞかせるのはユーリ・エーベルヴァイン きれいなウェーブのかかった長い髪に今は料理中もあって軽く結んでいるが花柄のエプロンと相まってとてもかわいい女性だ。エプロンのしたはロングTシャツにジーパン、そこまでおしゃれする子ではないがとてもいい子だ。我が家の清涼剤だな。

「ふん、いつまでもだらだらしおって、我の作った朝食が覚めてしまうではないか!!この塵芥」

同じくキッチンにいたもう一人の女性 ディアーチェ・K(キングス)・クローディア 。我が家のキッチン担当兼王様だ。ユーリと同じく肩まである髪を後ろでまとめ紫のエプロンを着けて鍋の中の何かをかき回している、匂いからして・・・・

「ジャガイモスープ?」

「ヴィシソワーズだ!!何度言えばわかる!!お前は・・・・バカだったな」

「そんな諦めたような溜息つくなよ。」

とてもかわいそうなのを見るような目でこちらを見るディアーチェ。口は悪いほうではあるが根は優しい子なのである程度許容できる。・・・・たまにへこむときもあるけど。

「はっやくごはん!!はっやくごはん!!はっやくごはん~~!!」

いつの間にかテーブルに着いていたレヴィは朝食の催促を始める。スプーンやフォークを楽器のようにしてテーブルを叩く。

「こらレヴィ、行儀が悪いぞ。あんまりにも悪いと王様の朝ごはん食べれないぞ」

視線をレヴィからゆっくりとディアーチェに移すと意地悪そうな顔をしていた。

「そうだな、食後のデザートはいらないと見た。ユーリ代わりに我々でいただこう」

「いいですね~」

意図を理解したユーリはとても楽しそうに肯定する。そして視線をレヴィに移すと絶望したこの世の終わりみたいな顔をしていた。ディアーチェのデザートが大好物のレヴィにとって楽しみを奪われるのは最大の恐怖なのだ。そっと食器をテーブルに戻して行儀よく座りなおすレヴィの姿に俺たちや静かに会話を聞いていたシュテルでさえ苦笑していた。

5人がテーブルに着いたところでディアーチェが気づいたようにシュテルに「そういえばあやつは?」と訪ねる。

「先ほどを宅配便がきていたのでもう戻ってくるとおもいます」

我が家の最後の住人の話をしていたところで、その本人が帰ってきた。

「ケイ、また通販で何か買ったのか?この箱は何だ?」

 

 

 

 

中くらいの箱を持って現れるリインフォース・アインス


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