ポピパ来店です
今回は香澄の星が次の伏線となります
ではどうぞ
――星は一つに集まることで輝きを増していく。
しかし星は時に流星の如く降ってくるときがある。そう、五つの星が喫茶店に降ってくることをまだ誰も知らない。
喫茶店は今日も平和である。瀬田先輩が滋さん目当てで来店することは少なくはない。最近は蘭ちゃん達が来店することが多い。特にひまりちゃんが来ることが多く、ここのメニューを相当気に入ったみたいだ。
それを知った蘭ちゃんは「このままだと太るよ?」と釘を刺したらしく、それもあってひまりちゃんの来店は少なくなっている。それとつぐみちゃんとはあの旅行以来関係は上手くいっている。いってはいるけど、話をする時に気まずくなる時がある。
つぐみちゃんの想いを知ったことで僕はこれからどうしようかを考え始めるようになった。帰ってから姉さんにも全部話して相談しようとした。しかし姉さんが暴走しちゃって相談どころではなくなってしまったため、相談は未だにやっていない。
まあそれは置いといて......。
――今日は誰が来店するのかな?
ドアが開く音がした。あれ?おたえさんだ。でも後ろに何人かいる。なんだあれは?猫耳か?
「い、いらっしゃいませ...」
僕は若干緊張しながらもおたえさん達の接客をした。なんか嫌な予感がするなあ...。
「久しぶり葵!」
「ひ、久しぶりおたえさん」
1週間ぶりだっけ?まあいいか。
「ここがおたえの言ってたお店なんだね!なんかキラキラしてるなあ!」
「香澄、喫茶店だから騒ぐなよ~」
「へぇ、なかなかいい雰囲気だね」
「あのバーのマスターさんなんかカッコいい...」
なんかまた父さんに惚れた人が増えたような気がする。あの落ち着いた子がそうなのかな?そう思っていたら厨房から姉さんがやって来た。
「あれ?君達はポピパの子達かな?」
「あ、澪先輩!」
「香澄ちゃんじゃん!会えるなんて偶然だね」
「姉さん知ってるの?」
姉さんどんだけガールズバンドに詳しいんだ?本当姉さんって知り合いが多いんだな。
「この子達は私の後輩なんだ」
「えっ、そうなの!?」
「その通りです!あ、私は戸山香澄です」
「あ、はい。よろしく」
それから他の人達も自己紹介をした。金髪のツインテールの人が市ヶ谷有咲さん、黒髪のショートヘアーの人が牛込りみさん、あとはポニーテールの姉御肌を感じさせる人が山吹沙綾さんだ。みんなタメで下の名前で呼んでいいと言った。いやいいのかよ、そんなに気を許して。会って間もないのに...。
僕はみんなにメニューを聞いた。香澄さんはショートケーキ、有咲さんはチーズタルト、沙綾さんはチーズケーキとブラックコーヒー、りみさんはチョコケーキとミルクティー、おたえさんはチーズタルトとブルーマウンテンを注文した。
「ねえ葵君」
「どうしたの、おたえさん?」
「ウサギをもh」
「言わせないよ。ウサギはいないし、あっても非売品だからね!」
またやるのかよこのネタ。おたえさんのウサギ好きは尋常じゃないな...。
「葵...君...」
「どうしたの、りみさん?」
「あのマスターさんって葵君のお父さんなの?」
「そうだよ。うちの店の店主かな」
「初めましてお嬢さん。私は楠木滋、滋でいいよ」
「はわぁ~」
あ、りみさんがショートした。父さん、そこで笑顔にならなくてもよかったんじゃない?なんか父さんってジゴロなところあるよなあ。
そんなことを思っていたら注文したメーカーができた。相変わらず多いけどこれも仕事だ。まあこれは他の店でも言える接客あるあるかな?
「お待たせしました。注文されたメニューになります。どうぞごゆっくり」
「おお~、美味しそう!」
「そのケーキやタルトは全部私とお母さんが作ったからね。召し上がれ」
「そうなんですか?確か澪先輩ってパティシエ目指してましたよね?」
沙綾さんは姉さんにパティシエを目指していることを聞いた。姉さんと母さんの作ったメニューはほとんど常連からも評判がいい。もちろん、父さんのコーヒーも評判はいい。
「有咲~、このお店ケーキも美味しいし、お店も雰囲気いいよ!なんかワクワクする!」
「そんなものか?確かにここって古風で今風な感じするけどなあ。いつ開店したんだ?」
「よくぞ聞いてくれました!」
「どわあ!な、なんなんだこの人!?」
今度は母さんが急にやって来た。おい、厨房どうするんだよ......。
「この開店のきっかけはね...」
「やっべ!?私厨房に逃げるね!葵あとよろしく!」
「ちょっ、姉さん!?」
逃げたよあのバケモノ。ホント親の恋には弱いんだな。その後、母さんと父さんによる開店のきっかけの語りが始まった。まあ常連の人は慣れてるからいいとして、ポピパのみんなは顔を赤くして聞いていた。有咲さんとりみさん、沙綾さんは顔を赤くしてるけど、香澄さんとおたえさんは真っ赤になってショートしてしまった。ああこの話慣れるのに半年はかかるからなあ。仕方ないね!
▼▼▼▼
今日の営業は終了し、夕飯も風呂も済ませた。今は夜で僕は小説を読んでいた。呼んでいる小説はミステリーものだ。僕はこう見えてミステリー系が好きだけど、たまに恋愛系を読む時はある。読んでいた時、机に置いた携帯がプルルと鳴った。誰からだろう?
スマホの画面を見たらつぐみちゃんからだった。あれ?なにかあったのかな?僕は電話に出てつぐみちゃんの話を聞いた。
「もしもし、こんばんは。どうしたのつぐみちゃん?」
「こ、こんばんは葵君!今大丈夫かな?」
「うん、いいよ。話は聞くよ、何かあったの?」
つぐみちゃんの話なら何だって聞くよ。なんて言えない!なんだ?なんの話だ?僕は唾を飲み込んでつぐみちゃんの次の言葉を待った。
「今度の土曜日なんだけど、天体観測に行かない?」
「え?天体観測に......。なんでまた?」
天体観測か。初めてになるけどどんな感じかな?なんか気になる。
「実はね、香澄ちゃんが天体観測ツアーのポスターを見て、私と蘭ちゃんを誘ったんだ。あと、こころちゃんと日菜先輩も来るんだけど、葵君も誘おうかなって思っね...」
「そうなんだ。その日菜先輩とこころちゃん?ってどんな人なの?」
「あれ、知らないかな?先輩の氷川日菜先輩と、弦巻家のお嬢様のこころちゃんだよ」
氷川日菜先輩、聞いたことあるな。あの"天才"の氷川先輩か。あとはこころちゃん、あの弦巻家のお嬢様って言われてる人だったよな...。会うのは初めてだな。
「そういえば会うのは初めてだよね。もし行くなら夜寒いから暖かくした方がいいよ」
「ありがとうねつぐみちゃん。もちろん行くよ。つぐみちゃんの誘いは断れないからね!」
今度は天体観測か。どんな一日になるか楽しみだな。
――戸山香澄の来店は天体観測への知らせなのか。それとも羽沢つぐみからのただの誘いなのか。
――青春の1ページ、正確には少年と少女の恋路が描かれようとしている。
次は天体観測となります
葵とつぐみの恋路をお楽しみに
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