今回はあこと燐子、さらにリサが来店です
「いらっしゃいませ、今井先輩でしたか。こんにちは」
「おはよう葵。先日はごめんね」
今月から6月、梅雨の時期に入ってきた。あの気まずい空気から2日が経過して今井先輩が来店してきた。なんでも今日はRoseliaの他のメンバーも来るらしい。どんな人なんだろう。
ドアが開いた。もしかして今井先輩の言ってた人が来たのかな?
「いらっしゃいませ」
「こ、ここが古風な古の......えーとなんだろう?」
「居城だよ、あこちゃん」
「そう!古の居城だよ!」
な、なんだ!?また変な人が来たのか!?
「来たね二人共」
「今井先輩、この方達は?」
「自己紹介が遅れました。私は白金燐子で、この子が宇田川あこちゃんです」
この背の低い女の子があこちゃんか。ということは巴ちゃんの妹さんだ。さっきなんか言ってたけど、あれはなんだったんだろう?
「宇田川あこです!」
「僕は楠木葵、葵でいいですよ。君が巴ちゃんの妹さんなんだね」
「おねーちゃんを知ってるんですか?」
「知ってるもなにも、知り合いだからね」
そうだ、巴ちゃん達が来店してもう3ヶ月経つ。早いな、もう来月には七夕が始まろうとしている。時間が経つのってこんなにも早いんだな。
「席は今井先輩と一緒でよろしいですか?」
「はい、よろしくお願いします」
僕はあこちゃんと白金さんを今井先輩の席に案内し、メニューを聞いて準備をした。父さん、なんか新作を出すって言ったけど、なにを出すんだ?店も梅雨の時期だから色んなサービスをやるようだ。
僕は三人の注文したメニューを置いて立ち去ろうとしたとき、あこちゃんに話かけられた。
「あの、葵さん」
「なにあこちゃん?」
「葵さんって好きな人いるんですか?」
え?なんて言ったのこの子?好きな人?まさかあこちゃんも知ってるのか!?
「な、何のことかなあこちゃん?」
「えっ、いないんですか?」
やばい。あこちゃんに知られると何か嫌な予感がする。ここはなんとか誤魔化さなきゃ!
「あ、知ってるよアタシ☆」
しまった!今井先輩がいたんだ、知らないよな!?知ってるはずがないよな!?
「リサ姉知ってるの?」
「知ってるよ。モカから聞いたんだよねー」
「葵さん。好きな人がいるってすごい......ですね」
モカちゃんか原因は!?なんでだ?確かモカちゃんはコンビニでバイトしてるって聞いたけど、今井先輩に聞いてみるか。
「今井先輩、モカちゃんから聞いたってどういうことですか?」
「アタシねモカとバイト先が一緒でさ、バイト中に聞いたんだ。応援してるよ♪」
嫌な予感は的中した。やっぱりか!モカちゃんなんてことをしてくれたんだ。ちょっと今井先輩には言わないようにしてもらわないとな。
「今井先輩このことは言わないでくださいよ」
「わかってる、言わないよ。言ったらマズイよね」
「なんかあこ気になってくるよ!葵くんの好きな人って誰かな?」
「あこちゃん、元気だね。......私も恋してみたいな」
今井先輩なんか言いそうな気がする。なんか信用できない。
「結局、葵くんの好きな人って誰なの?」
「あこちゃん、まだ聞くんだ。葵君、なんかごめんね?」
「大丈夫ですよ白金さん!あこちゃん誰にも言わないって約束できる?」
「うん、するよ!堕天使あこ姫の名に誓って、えっと何だっけ?」
「誓約......」
「そう!誓約を結ぼうではないか!」
あこちゃんって中二病患ってるのかな?まあいいか。あこちゃんが楽しそうならいいかな。あと、白金さんあこちゃんのフォローお疲れ様です。
「あ、葵君。言い忘れてたけど、私先輩だからね?」
「え、そうだったんですか!?じゃあ白金先輩でいいですか?なんか、すいません!」
「いいよ。私が言い忘れてたから」
白金さん、いや白金先輩いい人だな。見た目からしたらお嬢様っていう感じがするけど、白金先輩からはなにかオーラを感じる。なんのオーラだこれは?
「話が逸れたね。あこちゃん耳元で言うね。僕の好きな人はね......」
僕はあこちゃんの耳元で好きな人の名前を囁いた。耳元から離れるとあこちゃんの顔はみるみる赤くなっていった。
「あ、葵くん。すごいね」
「そういうこと。本当に本人にも言わないでね!」
「うん、言わない!絶対に言わないよ!」
「じゃあさ、葵とその人の出会いとか聞いていい?」
それから僕は今井先輩から色んなことを聞かれた。僕とつぐみちゃんの出会いや旅行のこと、天体観測のことも話した。さすがに一緒に寝たことと抱きついてきたことは話さなかったけどね。
その話は周りの常連さんの耳にも入ってしまっていた。さすがに父さんも「葵の恋愛を応援してあげてくれ」と言ってしまい、僕は恥ずかしい思いをしてしまった。常連さんからも頑張れよ坊主とか若いっていいわねー、とか散々なことを言われた。
「今井先輩、このことは湊先輩や紗夜先輩にも言わないで下さいよ」
「えーダメなの?」
「ダメですよ!湊先輩なんて言うかわからないし、紗夜先輩からもどんな目で見られるかわかりませんから!あと、あこちゃんも巴ちゃんには言わないでね!」
「うん、わかった!」
応援してもらえたのは嬉しいけど、なんか複雑。むしろ常連さんの耳に入ったのが一番ショックだよ。
「皆さん、これは他言無用でよろしくね?」
はーい!と常連さんは息ピッタリに返事をした。なんで息ピッタリなのさあ。怖いようちの店。
「葵君。ここっていつもこんな雰囲気なの?」
「そうですよ。まあいいところですからね。僕はこういう雰囲気好きですよ」
そうなんだ。白金先輩はそのように納得した。話をしていると父さんが近づいてきた。
「君が今井君だね。先日はお恥ずかしいところをお見せしてしまったね。すまない」
「そんな!?私達だって雰囲気を悪くしてしまってすみませんでした!」
「そんなことはないよ。私もついカリカリして八つ当たりをしてしまったようなものだ。今後とも葵のことをよろしくね」
今井先輩は顔を赤くしながらお辞儀をした。これじゃあ父さんが今井先輩を口説いてるように見える。気のせいか?
「かっこいい!なんか探偵みたい!」
「探偵?嬉しいねそれは。私はよく紳士と言われているが、探偵にみたいというのは初めて言われたね。ありがとう、宇田川君でいいかな?」
「なんで名前知ってるんですか?」
「話が全部聞こえるからだよ。カウンターから近いからね。私はカウンターにいるからなにかあれば呼びにくるといい。話し相手にもなるよ」
父さんはあこちゃんと話し終わった後、カウンターに戻った。今井先輩はまだ顔を赤くし、あこちゃんは喜び、白金先輩は固まっていた。なんだこの雰囲気は?
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もう梅雨の時期か。僕もなにか梅雨限定のメニューを作ってみようかな?店のこともそうだけど、気になるのは姉さんと紗夜先輩の関係についてだ。あの二人、過去になにかあったのかな?
多分、姉さんは教えてくれないと思う。それなら深雪さんに聞いてみるしかないかもな。なにがあったかは僕はわからない。あの時、紗夜先輩は姉さんのことを睨んでいた。
とりあえずこの件は後回しにしよう。僕は今はつぐみちゃんにいつ告白するかを考えようかな。
今井先輩達にコイバナをしてしまったけど、なんであんなことを話したんだろう。自分でも饒舌になるくらいに話したのかもしれない。やっぱり僕はつぐみちゃんが好きなんだなって改めて思った。
今日はもう寝よう。明日はどんな客がくるのかな?楽しみだ。
これでロゼリアは全員出ました。
彩、イヴ、麻弥、はぐみ、美咲等についてはどっかしらで出していく予定です。
感想と評価お待ちしてます。