ハローでハッピーな苦労人と彩りのあの人が来店です
そして深雪の本性が明かされます
「聞いて下さいよぉ、澪さん、深雪さん」
「聞いてるよ、奥沢さん」
「美咲なにかあったの?」
また新しいお客さんが来たようだ。そのお客さんは花咲川の生徒で姉さんと深雪さんの後輩らしい。しかも松原先輩と瀬田先輩が所属しているバンド、ハロハピのDJ担当だという。
その人の名前は奥沢美咲さん。僕と同じ学年で、うちの店に通うようになり、常連になった人だ。
「またこころがですね、とんでもないこと思い付いたんですよ」
「何を思い付いたの?」
一応うちの店は客の愚痴とかは別に聞いても構わないということになっているけど、その際は店が落ち着いていている状態で父さんから聞いていいかを一言聞かなくてはならない。
父さん達も落ち着いていれば愚痴を聞くこともある。母さんや姉さん、深雪さんの場合は厨房の方もあるので聞けないことが多い。愚痴を聞いてるということ自体が珍しいんだけどね。
あれ、また客が来たな。松原先輩と白鷺先輩、あともう一人は誰だろう?テレビで見たことある人のような気がするけど......。
「いらっしゃいませ。あっ、花音と千聖じゃん!それに彩も来てるんだ。久しぶりだね」
「澪ちゃん、久しぶりだね!」
「深雪さん、あの人は?」
「あれ聞いたことない?Pastel*Palettesのボーカルでアイドルの丸山彩だよ」
丸山彩......。思い出した!髪下ろしてたからわからなかったな。姉さんの知り合いってことは相談を持ち掛けたのかな?
「花音さんと白鷺先輩と彩先輩、おはようございます」
「おはよう美咲ちゃん。なんかお疲れのようだね」
「そうなんですよ。なんか疲れちゃってこっちに来ちゃいました」
奥沢さん、相当疲れてるな。瀬田先輩からハロハピのことはたまに聞くけど、特にこころさんの奇想天外な発想はヤバいらしい。花咲川の異空間という異名は伊達じゃないようだ。
「花音と千聖と彩はメニューどうする?」
松原先輩と白鷺先輩、丸山先輩は紅茶にとショートケーキにしたようだ。三人共同じメニューだなんて、同じメニューにした人を見たのは久しぶりだ。
「君は澪ちゃんの弟さんかな?私は丸山彩、よろしくね!」
「初めまして、楠木葵です。葵でいいですよ。姉がお世話になってます」
僕と丸山先輩は互いに自己紹介をした。丸山先輩って目の前で見ると綺麗だな。テレビだとツインテールだけど、普段は髪を下ろしてるのか。道理で気づかなかったわけだ。
「美咲ちゃん、なにか話してたの?」
「まだ話の途中でしたよ。今こころの考えたこととかを話そうとしてたんですよ」
「こころちゃんの考えてたこと?ああ、あのことだよね?」
松原先輩は半笑い気味に言った。何だろう?なにかあったのかな?それにこころさんの考えたことってなんだ?
「あのこと?弦巻さんまた何か思い付いたの?」
こころさん何を思い付いたんだ?奥沢さんの表情が真っ青になってる。相当やばいんだろうな。
「その思い付いたものがですね、サーカスをやりながらライブをするって言うんですよ!」
「サーカスをやりながらライブ?」
サーカスにライブって......。想像できないな。聞いててすごいけど、ヤバいとしか言い様がないな。というかこころさんの発想が斜め上すぎる。
「す、すごいね」
「さすがこころちゃんだわ」
白鷺先輩と丸山先輩も唖然としていた。そりゃそうだ、聞いててよくこんなこと思い付くなって思う。奥沢さんや松原先輩はついて行けてるのが本当に凄いよな。僕にはできないことだ。
「美咲、お疲れ様。今日はゆっくりしてていいから」
「うぅ......。深雪さーん!」
「よしよし」
「深雪ちゃん、お姉ちゃんみたいだね」
「そ、そうね。あの深雪がお姉さんなんて想像つかないわ」
奥沢さんは涙目になり、深雪さんに抱き付き、深雪さんは奥沢さんの頭を撫でて慰めた。これには松原先輩と白鷺先輩も驚いているようだ。確か深雪さんって一人っ子だったっけ?深雪さんが姉っていうのは想像できないな。
「千聖、想像つかないってどういう意味?」
「そのままの意味よ。深雪のこういう所は見たことないから仕方ないじゃない」
「それを言われたら何も言い返せないなぁ」
「千聖の言う通りだよ。深雪は一人っ子でしょ?」
「そうだけど......。私だって妹や弟は欲しいわよ!可愛いじゃん!」
深雪さんは間違いなくシスコンになりそうだな。そういえば白鷺先輩達は弟や妹はいるのかな?
「白鷺先輩達は弟さんや妹さんとかっているんですか?」
聞いたところ松原先輩は弟さんが、奥沢さんと白鷺先輩、丸山先輩には妹さんがいるようだ。これを聞いた深雪さんはというと......。
「羨ましいなぁみんな。私にも弟か妹がいればなぁ」
半泣きになって羨ましがっていた。深雪さん、まともかと思ったらここまで重症だったなんて。現実ってやだなぁ。
「じゃあ聞くけど、深雪は弟か妹どっちが欲しいの?」
「私はどっちかというと妹が欲しいかな」
「妹ねぇ。深雪らしい答えだね」
「らしいって何よ、らしいって。澪もひどいなあ」
深雪さんは妹が欲しんだな。親御さんはまだ若いんだっけ?深雪さん、まあ御愁傷様です。
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あの後、深雪さんは突然奥沢さんに「私の妹にならない?」と言ったが、奥沢さんはあっさりと断ったようだ。これには白鷺先輩達はドン引きし、姉さんからは「あんた本当に私の知ってる深雪なの?」とボロクソに言われたようだ。
一人っ子の深雪さんの気持ちはわからなくもない。僕は弟や妹が欲しいっていう欲は湧かないけど、もしそうなったとしたらどんな気持ちになるんだろう?
――一人っ子の気持ちはなかなかわからないな。
もしつぐみちゃんが妹だと思うとどんな生活になるのだろう?そうなると僕は羽沢珈琲店で働いていたのかもしれない。そう考えると姉さんの弟ではなくなる。なんか複雑な気持ちになるな。なんでかな?
まあ深雪さんに妹さんができるのを祈ろうか。どんな結果になるかはわからないけど......。
深雪の本性は追加設定のようなものです
彩の影薄かったかもです
彩推しのみなさんごめんなさい
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