恋は喫茶店から始まる   作:ネム狼

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連続投稿です
息抜き程度に書いた話なので、短いです
今回は深夜の通話という名のデートです
リアルでも深夜通話、からの寝落ちってあるあるですよね



深夜の通話デート、少年と少女の甘いかもしれないお話

 お店を閉店して金曜日の夜、僕はこの前父さんから借りたミステリー小説を読み終えた。やっと読み終わった。今日の夜に読み終えようって決めてたから、ようやくだよ。

 

「明日が休みでよかった」

 

 明日と明後日はお店は珍しく休みのようだ。なんでも、臨時休業にしたらしく、七夕が近いので、七夕キャンペーンに備えての材料を揃えるとのことで休みにしたそうだ。

 

「暇だな。つぐみちゃん、起きてるかな?」

 

 そう、明日はつぐみちゃんと初のデートなんだ。まさかつぐみちゃんから誘ってくるなんて思ってもなかった。僕は明日が楽しみで本当に眠れなかった。

 

 電話してみようかな?でも、時間が遅いしなあ。迷惑だと思われるよな?

 

 そんなことを思っていたらスマホから電話が来た。誰だ?こんな時間に。僕は画面を見て誰から電話が来ているのかを見た。

 

「え、嘘!?つぐみちゃん、なんで!?」

 

 なんでだ!?つぐみちゃんから電話が来るなんて!これはあれか?眠れないから遅くまで通話しましょうっていえことなのか!?

 

 と、とりあえず電話に出よう。僕は電話に出ることにした。

 

「も、もしもし?」

「もしもし?あ、よかった!まだ起きてたんだね!」

「まだ起きてるよ。つぐみちゃん、本当に眠れなかったんだね」

「うん。明日が楽しみでね......」

 

 楽しみで眠れないつぐみちゃん、可愛いなあ。想像しただけでも和んでしまう。

 

「そうなんだ。それでどうしたの?」

「なんかお話でもしない?」

「いいけど?何を話そうか?」

「なんでもいいよ。なんかさ、これって......」

 

 

――話してるだけだけど、デートみたいだよね!

 

 

「そ、そうだね!」

 

 やばい、とんでもないことを聞いてしまった。通話でデートって聞いたことがない。確かデートには色んな種類があったっけ?普通のとか、家とか。なんかそのくらいしか聞いたことがないな。

 

「じゃあさ、七夕のことでお話しない?」

「いいよ。つぐみちゃんの話ならなんでも聞くよ!」

 

 七夕か。どんな願い事にしようかな。まだ何も考えてないや。一人前のバリスタになるっていう願いがあるけど、今年は願い事が変わりそうな気がする。つぐみちゃんと出会ったからだな。

 

「葵君はさ、願い事決まった?」

「全然、まだなにも決まってないよ」

「え、そうなの!?」

「そうなんだ。今までは一人前のバリスタになれますようにって願ってたんだ」

 

 そう、僕の願いは一人前のバリスタになれますように、と願っていた。けれど、今年は変わるかもしれないんだ。

 

「今年はどうするの?」

「どうしようかな。決まってはいないけど、変わるかもしれないんだよね」

「いいの?葵君はバリスタになるんだよね?」

「うん、なるよ。それは何度も願ってた事だからね。最近は父さんにも認めてもらえるようになってきたんだ」

 

 僕はここで働いている間にバリスタとしての修行もやっている。怠ったことは一度もない。それに、姉さんも母さんに認めてもらえたんだ。

 

「すごいね葵君!」

「そんなことないよ。実はね、姉さんも母さんに認めてもらったんだ」

「澪さんもなんだ!」

「あ、話を戻すね。願い事のことなんだけど、まだ教えないよ」

「やっぱり教えてくれないよね」

「もちろんだよ。僕が聞いてもつぐみちゃんは教えてくれないんでしょ?」

 

 つぐみちゃん、君のおかげで僕は変われたんだよ。君のおかげで僕は恋というものを知った。君のおかげで色んな人と出会えた。本当に僕は君を好きになってよかったって心から思ってるよ。

 

「もちろん教えないよ!」

「だよね。じゃあそろそろ寝ようか。眠くなって来たよ」

「そうだね。じゃあ葵君、また明日ね」

「うん、また明日。じゃあね」

「じゃあね」

 

 僕は電話を切った。さあ、明日は気合いを入れよう!つぐみちゃんにいいところを見せなきゃ!

 

 

▼▼▼▼

 

 

 どうしよう。明日が楽しみで眠れないよ。葵君が恋しい。葵君の声をもっと聞いていたいよ。

 

 はあ、私ってもう重症だな。ここまで葵君のことを好きになるなんて思わなかった。でも、私が恋に憧れていたのは事実だ。

 

 うん、決めた!葵君と電話で話そう。寝てるかもしれないけど、ダメ元でかけてみようかな。

 

 私は葵君に電話をかけた。お願い、出て!葵君が起きていますように!

 

「もしもし?」

 

 あ、起きてた!よかった、まだ話せる!

 

「もしもし?あ、よかった!まだ起きてたんだね!」

「まだ起きてるよ。つぐみちゃん、本当に眠れなかったんだね」

 

 そうだよ!私、本当に眠れないんだよ!楽しみで楽しみで仕方がないよ!

 

「うん。明日が楽しみでね......」

「そうなんだ。それでどうしたの?」

 

 そうだ!葵君とお話をするんだった。忘れてた。

 

「なんかお話でもしない?」

「いいけど?何を話そうか?」

 

 どうしよう。なにも決めてなかった。話題が思いつかない。ああ、もう!なんでもいいや!

 

「なんでもいいよ。なんかさ、これって......。話してるだけだけど、デートみたいだよね!」

 

 ああああああ!私は何を言ってるの!?なんでこんなこと言っちゃったの!?また勢いに任せちゃったよお!私のバカァ!

 

「そ、そうだね!」

 

 絶対葵君引いてるよ!ドン引きだよ!明日のデート葵君と会ったらどんな顔をすればいいの!?わからないよ!

 

 そうだ、一つだけ思い付いた!七夕のことを話そうかな。

 

「じゃあさ、七夕のことでお話しない?」

「いいよ。つぐみちゃんの話ならなんでも聞くよ!」

 

 なんでも聞くって、葵君優しいなあ。こんな私にまで優しくしてくれるなんて、もっと好きになっちゃうよ。

 

「葵君はさ、願い事決まった?」

「全然、まだなにも決まってないよ」

 

 私は驚いてしまった。決まってないんだ。てっきり決まってるかと思ってたなあ。

 

「え、そうなの!?」

「そうなんだ。今までは一人前のバリスタになれますようにって願ってたんだ」

 

 そういえば葵君はバリスタを目指しているんだった。まだ見習いで、澪さんはパティシエを目指しているんだったよね。姉弟揃って忙しいんだな。

 

 私は葵君が今年の願い事をどうするのかを聞くことにした。

 

「今年はどうするの?」

「どうしようかな。決まってはいないけど、変わるかもしれないんだよね」

 

 

――変わるってどういうこと?

 

 

「いいの?葵君はバリスタになるんだよね?」

「うん、なるよ。それは何度も願ってた事だからね。最近は父さんにも認めてもらえるようになってきたんだ」

 

 凄い!葵君は滋さんに認めてもらえたんだ。私の知らないところで葵君は成長していた。私も負けてられないなあ。

 

 それからは色々な話をした。どうやら葵君だけでなく、澪さんも真衣さんに認めてれていたようだ。葵君も澪さんも凄い。私なんて、頑張っても努力が報われない時がある。

 

 認めてもらえるのはたまにあるくらいだ。バンド面は蘭ちゃん達が認めてくれてるからまだいい。でも、私の中ではもっと頑張らなきゃっていう気持ちが強く出てしまう。

 

 私はそんな葵君を羨ましく思った。

 

 そして、葵君は言った。願い事はまだ教えないと。葵君が教えないなら私も教えないよ。葵君はだよね、と言った。

 

 そろそろ寝るねと葵君は言った。そして、私はじゃあねと言って電話を切った。

 

 明日は私にとっても、葵君にとってもすごく大事な日だ。いい一日にしよう!頑張れ、私!

 

 

 




つぐみのキャラ崩壊はお許しを
次ははデート回になります
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