本編どうぞぉ!
今日はつぐみちゃんとのデートだ。この日をどれだけ待ったか。今回は気合いを入れて私服は上は開襟シャツ、中はTシャツ、下はジーパンにした。髪もワックスを掛け、
赤渕の伊達眼鏡も掛けた。
少しでもつぐみちゃんをリードしてあげよう。せっかくのデートなんだ、つぐみちゃんを楽しいって思わせてあげなきゃ!
「おお、葵気合い入ってるねえ」
「姉さんいつからいたの!?」
「葵が鏡で見てるところからかな」
「それって今じゃん!」
あ、これ絶対姉さんに聞かれるな。聞かれると色々面倒だから誤魔化さないと。
「その服装さてはデートだね」
「な、なんのことかな......?」
「惚けても無駄だよ。つぐみちゃんとデートでしょ?」
やっぱり気づいてた。そりゃそうだ、恋愛関係で隠し事なんて姉さんには無駄なんだ。僕はこのまま隠しててもしょうがないので姉さんに話すことにした。
「デートに七夕で一緒に願い事かあ、つぐみちゃんやるねえ!」
「僕もこれにはビックリだよ」
「それに引き替え、葵はヘタレすぎだよ」
僕は正論を言われて何も言い返せなかった。悪かったねヘタレで!
でも今日は少しでもつぐみちゃんに良いところ見せないと!姉さんにヘタレなんて言われないようにしよう。このままだと蘭ちゃんや巴ちゃんにも言われかねない。
「そろそろ時間だから出るね」
「いってらっしゃい。葵、頑張って来なさい!」
「ありがと!じゃ、いってきまーす」
さあ、今日は頑張っていこう!僕の心はどんな1日になるかという想いでいっぱいだった。
▼▼▼▼
やばい、遅くなっちゃうかもしれない。早く起きれたのはいいけど、私服をどれにするかで2時間掛かっちゃった。葵君は先に待ってるのかな?そうだとしたら凄く申し訳ない。
私は今日のために私服をいくつか選び、自分でこれだ!と、思った私服を選んだ。上はカーディガン、中はTシャツ、下はロングスカートにした。赤渕の眼鏡も掛けたし、私としては充分気合いを入れたつもりだ。
「いってきまーす」
いってらっしゃい、お母さんが言った。出掛ける前に「葵君とお楽しみにね」なんて言われたけど、そんなことを言われたら恥ずかしくなってしまう。けど、誘ったのは私だ。今回は私が頑張らないと!
私は家から出て駅まで向かった。事前に待ち合わせの場所を駅にしたから向かっているんだ。もう葵君は着いてるかな?
しばらくして駅に着き、私は葵君を探すことにした。一応像の方で待ち合わせって言ったけど、どこにいるんだろう。今時間は8時45分、電話をして場所を聞いてみようか、又はひたすら探すか。
まずは電話して場所を聞いてみようかな。私は葵君に電話をすることにした。
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あれ、電話だ。誰からだろう?画面を見たらつぐみちゃんだった。何かあったのかな?
「もしもし?どうしたの?」
「もしもし?今どこにいるの?」
もしかして道に迷ったのか?大丈夫かな?
「今像の近くだけど......。何かあった?」
「像の近く......よかった!私もそこにいるんだけど......」
近くにいるのか!?とりあえず探してみよう。僕はつぐみちゃんに探すから待ってて、と言って電話を切った。早く探そう。
僕は周囲を見てつぐみちゃんがどこにいるかを見渡すことにした。駄目だ、この辺にはいない。今度は後ろを見渡すか。後ろを見渡して数秒、手を振っている姿が見えた。あれは......つぐみちゃんだ!やっと見つけた!
僕はつぐみちゃんの元に走った。本当に申し訳ないことをしたな。待たせちゃって退屈かもしれないな。
「つぐみちゃんごめんね!遅くなっちゃって......」
「いいよ。私も今来たところだったから」
「そうなんだ」
「そ、そう......だよ」
なんか焦ってるな。まあいいか。今日はいいところを見せようと思ったけど、失敗したな。次は気を付けないと。
「今日のつぐみちゃん、なんか可愛いね」
「そ、そう?」
「そうだよ。僕も一瞬見惚れちゃったよ」
そう、本当に見惚れたんだ。つぐみちゃん、気合いが入ってるな。それに、眼鏡も掛けてるし。まあ、僕は伊達眼鏡をかけてきたけど
「そ、そう......なんだ」
「そうだよ。僕はそれくらいにつぐみちゃんが可愛いって思ったんだ」
「それを言うなら葵君だってカッコいいよ!髪にワックスも掛けてるし、眼鏡だってお揃いだし......」
「っ!?」
つぐみちゃんは照れながら僕の私服を褒め、さらにお揃いだと言った。まさかカウンターされるなんて、けど私服を褒めたんだから良いところは見せられたよね?
さて、そろそろ行かないと。僕はつぐみちゃんに手を差し伸べた。
「じゃあ行こうか!」
「うん!今日はよろしくね!」
「こちらこそよろしく!」
カッコいいところを見せようって言ったけど、よく考えたら僕は何をやってるんだろう......。普段はこんなことしないのに、恥ずかしくなってしまう。
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電車に乗ったのはいいけど、休日でも電車の中は人が多かった。私と葵君は人混みに紛れながら一緒にいる。もちろん、離れてはいないから大丈夫だ。大丈夫だけど......。
――なんで私は葵君とくっついてるの!?
今の私の状態は私が扉の前にいて、葵君は私の前にいる。まるで壁ドンみたいな状態になっている。初めての壁ドンがこんな形でされるなんて思わなかったよ!
「大丈夫?つぐみちゃん」
「だ、大丈夫だよ!」
いや、大丈夫じゃないです!ていうか顔近いよ!私と葵君の距離は吐息がかかるくらいに近かった。しかも葵君の片足の膝が私の股に当たってるんだけど!?ああもう、変な感じがするよぉ!私の頭は混乱寸前だった。
「本当に大丈夫?顔赤いけど......。熱はないよね?」
「大丈夫だから!そ、それに熱はないからね!本当だよ!」
「そう。ならよかった。つぐみちゃんにもしものことがあったら大変だからね」
葵君がそういった瞬間に電車が揺れた。へ、待って!?今どうなってるの私!?なんかぶつかったような気がするけど......。
なんだろうこれ?匂いがする。もしかして私......葵君の胸の中にいるの!?胸の中だけど、いい匂いがする。......じゃなくて!なんでこんなことになってるの!?
「つぐみちゃん、怪我はない?」
「大丈夫だよ。葵君は疲れてない?」
「僕は疲れてないよ」
葵君は微笑んで言った。なんか私気を遣われてのかな?そんな気がするけど、気のせいだよね?私は離れないように葵君の服を掴んだ。
「つ、つぐみちゃん!?どうしたの?」
「こ、これはね!離れないようにするためだから、決して疚しいことじゃないから!」
「そ、そう......」
そうだ。これは疚しいことじゃない。葵君からいい匂いがしたからもっと嗅ぎたいから掴んだ訳じゃないからね!
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人混みに紛れたのは仕方ないけど、なんで僕はつぐみちゃんとくっついちゃったのかな?しかもつぐみちゃんを追い詰めたような状態になってるし、膝に至っては変な所に当たってるし、つぐみちゃんの表情は色っぽいし、なんでこうなるの!?
はあ、今日のデート大丈夫なのか本気で心配になってきた。とりあえず、為せば成る......よね?
僕はつぐみちゃんが心配になり、大丈夫か声を掛けた。
「つぐみちゃん、大丈夫?」
「だ、大丈夫だよ!」
よかった。僕は心の中で安堵した。つぐみちゃんが大丈夫なら安心だ。因みに僕がつぐみちゃんをこの状態にしたのは、人混みに紛れさせないのと、痴漢から守るためだ。つぐみちゃんは僕が守らないと!
それにしてもつぐみちゃん、顔が近いよ。これじゃあキスしちゃうかもしれないな。ファーストキスが電車の中でってなると複雑な気持ちになるな。ていうか待って、つぐみちゃん顔赤くなってるけど!?
「本当に大丈夫?顔赤いけど......。熱はないよね?」
「大丈夫だから!そ、それに熱はないからね!本当だよ!」
「そう。ならよかった。つぐみちゃんにもしものことがあったら大変だからね」
その時、電車が揺れた。言った側から大変なことになったんだけど!これが俗に言うフラグ回収ってやつか。
なんか胸の辺りにドンって音がしたな。それに、へその辺りに柔らかい物が当たってるような気がする。下を見ると、つぐみちゃんがいた。
なんでここにいるの!?ってそんなことより怪我とか大丈夫かな?そっちが心配だ!
「つぐみちゃん、怪我はない?」
「大丈夫だよ。葵君は疲れてない?」
「僕は疲れてないよ」
いや、急なことがありすぎて少し疲れてます。こんなラッキー......じゃなかった、こんな事故が起こるなんて全く予想してなかった。僕の頭の中はパニック状態になっていた。
そんな時、つぐみちゃんが僕の服を掴んだ。どうしたんだろう、もしかして怖くなったのかな?
「つ、つぐみちゃん!?どうしたの?」
「こ、これはね!離れないようにするためだから、決して疚しいことじゃないから!」
「そ、そう......」
疚しいことってなに!?なにをするつもりなの君は!?つぐみちゃんってたまにヤバいこと言うよね。なんだろう、なんか先が思いやられるな。
――こうして始まった僕とつぐみちゃんの初デート、これから先どうなるのだろう。初っぱなからこんな状態で大丈夫なのかな?
というわけで前半終わりです
今回は2、3話くらいでまとめていきたいと思います
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