艦これ 2人の兄妹   作:よなみん/こなみん

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どうも。小南 桐絵です。
新しく艦これのssを投下します。よろしくお願いします。

それではお読み下さい。


始まり

・・・目を開ける度に砲撃の怒号が聴こえる。

耳障りの悪い雑音が耳を貫くようにして、さらに大きな音を立てる。

 

「大和っ!私と戦いなさい!」

 

誰だろうか。聞き覚えのない声が誰かに向かって発せられている。

その誰かは、“大和”と、明確な名前を口にするが・・・誰のことを指してるか検討もつかない。

 

「死にたくなければ私たちと共に!御願い!戦って!」

 

先頭で突撃してくる、女性・・・いや、皆は音の中心とも言える。身に覚えのないモノを彼女たちの視線の正面に向ける・・・そして

 

「御願い・・・!私たちを・・・助けてっ!」

 

 

 

―――

 

 

・・・鎮守府の司令室。そこでは出撃した艦娘が、報告をしている場面であった。その中で、旗艦を務めていた赤城、そして秘書艦であった長門は報告書を見て悩む顔を見せていた。

 

「・・・そうか。敵の防御力が・・・上がっている、と。」

「そうデース。戦艦は当たり前に駆逐艦まで上がってたデース!」

「・・・敵の動きも前より各段に成長していました。まるで戦術と言う言葉を覚えたてみたいな・・・」

 

この部屋の大きな机に座る青年。通称“提督”は報告書を見ながら、彼女たちの反応を伺っていた。

また、彼の前に立つ、英語混ざりの言葉を話す、戦艦。金剛、そして赤城の横に立つ空母。加賀はそれぞれの反応を見せる。

 

「・・・君たち以外はどうした?」

「それぞれ中破以上の損害があったので。先に入渠してもらってます。」

 

そう答えたのは、金剛の後ろで控えていた、戦艦。霧島だった。彼女は眼鏡を少し上げると、次の報告書を提督の机に差し出す。

 

「・・・そうか。敵もそこまで来てるんだな。」

「ですが・・・このままではこちらが疲弊。最悪の場合。敗北することになりますが――」

 

霧島が言葉を続けようとした時、提督が椅子を立ち、1枚の書類を彼女たちに見せる。

 

「これは・・・新造艦の報告書・・・ですか?」

「そうだ。長門にも立ち合ってもらい。工廠で新造艦が建造された。」

「・・・戦艦・・・ですか。」

「そうだ。艦種は大和型。恐らくだが・・・大和だろう。」

「WOW!それは素晴らしいサプライズネ!」

 

金剛が喜ぶ中、提督は難しい顔をする。

 

赤城も、それに気づいたのか。提督に言葉をかけようとするが、その前に提督がこう答える。

 

「・・・彼の世話を。君たちに任せたい。」

 

 

―――

 

 

目を覚ますと、そこは天井が広がっていた。

寝ていた誰かは、身体を起こすと、状況の把握を始める。

 

(・・・俺は・・・どうしてここに?)

 

記憶にあるのは、大和型一番艦。大和。の記憶のみ。つまり・・・

 

(俺は・・・大和なのか?いや・・・俺は・・・飛彩(ひいろ)霊幻 飛彩(れいげん ひいろ)のはずなんだ。)

 

彼の中にある記憶は、少なくとも混乱をしていた。

混乱していると理解出来る理由は、まず彼自身が誰なのか把握していないということ。

そして、彼が大和の記憶を受け継いでいるということだ。

 

「・・・俺はどこで生まれて、なんで沈んだのかも分かる・・・俺は・・・俺は・・・っ!」

 

身体を起こして、拳を壁に叩きつけようとした時、ちょうど扉が開いて、そこには3人の人影が見える。

 

「おはよう・・・かな?」

「・・・」

「俺はここの鎮守府の司令官・・・まぁ、気軽に提督とでも呼んでくれ。」

「・・・はぁ。」

 

そう言うと後ろの和服の似合った。まるで大和撫子を体現したかのような女性が、お茶を近くの机に置くと、提督と自己紹介した青年は

 

「まぁ、ゆっくり話そう。君が誰で。何者なのかを。」

「・・・」

 

 

―――

 

 

「・・・君は死んだ人間だと。」

 

飛彩・・・と、言う少年は、提督と言う青年に自分のことを話した。自分の名前、どんな人間でどのように生活していて・・・そして、大和の記憶を受け継いでいるということも・・・

 

「・・・転生かな。」

「そんなラノベみたいな・・・」

「ははは・・・まぁ、君がどう言った者なのかはわかった・・・ところで。君の体には変化はないか?」

「体ですか・・・」

 

飛彩の身体は寝るための寝巻き・・・の服装のはずなのだが。何が変なのか。問おうとした時。

 

「はぁぁぁっ!」

「――っ!」

 

突然部屋に入ってきた猫耳のようなものに、眼帯をかけた女性に襲われるが、飛彩の身体はそんな突然のことにも見事反応してみせた。

 

「・・・」

「こ、これでいいのかよ?提督。」

「十分だ。ありがとう天龍。」

 

天龍・・・そう呼ばれた娘は、飛彩にペコペコと頭を下げると、そのまま部屋を出ていってしまう。

 

「・・・今のは?」

「これが今の君の力だ・・・君は・・・艦娘と呼ばれる存在を知っているかい?」

「艦娘・・・知らないですね」

「・・・今、俺達は生存の危機に晒されている。」

「・・・!?」

 

提督が、1冊の本を見せてくる。それには状況を説明書・・・みたいなタイトルが書かれていた。

飛彩はペラペラとめくると、そこには人とは言い難い、また、飛彩の知る、化け物とも程遠い、異形の怪物が映っていた。

 

「・・・俺達人類はこの敵を、深海棲艦。と呼んでいる。」

「深海棲艦・・・」

「そうだ。俺達はこれにより海を奪われることになった。もちろん海が奪われれば貿易も、交易も出来なくなるだろう。」

「・・・」

「いや。君の言いたいこともわかる。だが、深海棲艦には空母・・・そして、戦艦のような怒号のタイプもいる。つまり・・・」

「海上交通路が、閉鎖されたんですね。」

「そうだ。これは俺達だけが受けている被害ではない。各国も、似たような状況が確認されている。」

「・・・」

「・・・俺達人類は、この深海棲艦をこれまでにない脅威としている。そのために戦うのが君たち艦娘と呼ばれる存在なんだ。人類には、それまで対抗する手段は無かったからな。」

 

提督は、飛彩に気づかれないように拳を握りしめる。後ろで控えている空母、鳳翔はそれに気づいたのか、少し悲しい顔になる。

飛彩は唖然としていた。今、自分がおかれている状況が理解できないとかではない。知らないうちに、こんな事が起こっていることに信用が持てなかったのだ。

 

「もちろんこの情報は本物だ。現に彼女たちはその存在を知っているのだからな。」

「・・・俺も・・・これと戦うために生まれ変わったんでしょうか。」

「恐らくな。だが・・・君が嫌と言うのであれば、君を工廠で解体し、元の人間に戻した上で、普通の生活を送って貰うが・・・俺は戦って欲しいと考えている。」

「・・・」

「・・・恐らくこの状況を変えれるのは君たちだけだからな。それに・・・この鎮守府は俺が指揮権。そして全ての君たちに関する権利を握ってる。もちろん大本営から文句は来るだろうが・・・まぁ、俺が怒られるからお前は安心してればいい。」

 

・・・そこから数分置き、提督が湯呑みを再び机に置くと、こんな言葉を飛彩に投げかけてくる。

 

「さて・・・君はどうしたい?死ぬかもしれない戦場へ出るか・・・それとも命を守るために逃げるか」

 

・・・そしてそこから数分後、飛彩は汗を拭くと、再び提督と目を合わせる。

 

「・・・その聞き方は卑怯ですが・・・俺は逃げたいですよ、」

「・・・」

「命は欲しいし、それになんで俺がこんなことをって思うかもしれません・・・ですが・・・」

 

飛彩は覚悟を決めると、その場を立ち、提督へと手を差し伸べ笑顔でこう答える。

 

「戦いますよ。俺。これは・・・俺たちにしか出来ないことなんだ。」

「そうか。ようこそ飛彩。君の着任を歓迎するよ。」

 

お互いに手を取り会う中で、鳳翔は今までとはまた違う優しい笑顔で、その光景を見つめていた。

 

 

―――

 

 

「・・・大和型戦艦。大和・・・です。えっとぉ・・・一応、大和では無いんで。飛彩って呼んでください。お願いします。」

 

飛彩はもう潰されそうな感じだった。

何か。と聞かれれば、彼はこう答えるだろう・・・周りの環境のせいだと。

 

「はーい!以上!飛彩くんの紹介でしたー!ありがとねー!」

「フー・・・フー・・・」

 

ステージ上で、軽巡洋艦の那珂が飛彩をなでなでしながら紹介を終えると、飛彩は駆逐艦の子達に支えられながらステージを降りる。

 

「はい!それじゃあ那珂ちゃん1曲歌うよー!」

「もう良いから早く音頭を上げなさいよ!お酒が飲めないでしょ!」

 

そう言って野次を上げるのは重巡洋艦の足柄だった、彼女は既に酔っているのか、空の酒瓶を逆さに持ちながら鬼のような顔で那珂のいるステージへ上がろうとする。

それを抑えているのは同じ重巡洋艦の妹、羽黒だった。

 

「姉さん落ち着いて!妙高姉さんも!那智姉さんも止めてくださいー!」

「むー!せっかく歌おうとしてたのにー!それじゃー!準備はいい!?飛彩くんの着任を祝ってー!」

 

「「「かんぱーい!!」」」

 

 

―――

 

 

「や、大和・・・なのよね?一応。」

「あぁ、えっと・・・霞だよね?覚えてるよ。」

「ううっ!あーん!」

「ごめんごめんごめんごめん!なんかごめんね!大丈夫!今度は守るから!」

「君は戦艦なのかい?いや・・・大和型だから戦艦か。」

「男の人なのです。」

「んな事俺に聞かないでくれよ!」

 

提督曰く、魂がどうのこうの。らしい・・・詳しいことはわからないとのこと。

しかも、俺の記憶は大和から受け継いだとはいえ、全てが負の記憶。つまり・・・

 

(・・・俺は二水戦の子達が沈んでるのをよく覚えてる・・・ってことなんだな。)

 

当時の二水戦。矢矧、霞、初霜、雪風は記憶に焼き付いて忘れれないメンバーだ。

 

(・・・今度は。しっかりと俺が守ってやらないとな。)

 

駆逐艦と飛彩ががやがやと戯れてると遠くから飛彩を呼ぶ声が聞こえた。

飛彩は声のする方へと顔を向けると、そこには同じ戦艦のメンバー・・・さらには空母の先輩たちの姿があった。

 

「飛彩ー!早くコッチにcome on!!」

「準備は出来ます!早く早くー!」

「ごめんね。俺は行かなきゃ。」

 

そう言い、駆逐艦の輪から抜け出すと、戦艦、空母の先輩たちの集まってる場所へと顔を出す。

 

「久しいな・・・大和・・・いや。君は違うのか?」

「いえいえ。俺は大和であり大和では無い・・・いや。そんなことより、お久しぶりです。長門。」

「ああ。よく来てくれた」

 

そう言い、飛彩より背の高い艦娘。長門は飛彩と硬い握手を交わすと、後ろの艦娘たちも紹介する。

 

「・・・扶桑型戦艦。姉の扶桑と・・・」

「妹の山城です・・・」

「はは・・・よろしくお願いします。」

 

少し引き気味の2人と、少し控えめな握手をし。

 

「よろしく!伊勢型戦艦の伊勢と!」

「日向だ。よろしく頼むぞ」

「ええ、よろしくお願いします。」

「言っとくけど、最強の戦艦の座は譲らないからね!」

「こんなこと言ってるが長門に負けているから気にしないでくれ。」

「ちょっと日向!」

「ははは・・・」

 

テンションの高い、低い2人とそれぞれ硬く握手したり。そして・・・

 

「ハーイ!帰国子女の高速戦艦!金剛デース!よろしくお願いしマース!」

「比叡です!」

「その妹の榛名です。」

「その妹の霧島です。」

 

・・・独特な4人を相手したりと・・・飛彩は大変だった。

 

「・・・えっと・・・戦艦はこれで全員ですか?」

「一応だ。あとは・・・空母だな。」

 

そう言うと、空母の方へと挨拶しに行くが・・・

 

「・・・あら。あなたと私達は違うわ。一緒にしないで」

「ぐぬぬぬぬー!」

 

・・・そこでは2人の空母で、既に争いが行われていた。

片方は話ぐらいでしか聞いたことないが、もう片方は知っている。

 

「・・・加賀さん?瑞鶴さん・・・?」

「っ!?ひ、飛彩くん!?」

「・・・あら。戦艦の皆さんには挨拶終わったのね」

「ええ。一応一通り・・・は。」

「なら私達も紹介しなくてはね。私は一航戦の赤城、そしてこちらが同じ一航戦の加賀さんよ。」

「よ、よろしくお願いします!」

「・・・よろしくお願いするわ。あなたには期待してるわ」

 

そう言うと加賀は、コップを持ってそこを離れていく、離れる時に、瑞鶴は「べー!」と舌をだしていた。

と、赤城さんと入れ替わるように飛彩の前には二航戦の2人がいた。

 

「二航戦の飛龍です!よろしくね!」

「同じ蒼龍よ、よろしく!」

「お話には聞いてます!よろしく御願いします!」

「どんな話聞いたの!?」

「えっと・・・4人とも主力の空母だって・・・当時の人達が話してるのを聞きましたよ。強くて・・・」

「そうなんだー!やったね!蒼龍!」

 

喜んだ飛龍は、蒼龍を置いて別へ場所へ・・・蒼龍はそれを慌てて追いかけるように走っていく

 

「・・・大変な人達だなぁ。」

 

飛彩は改めてこの世界で生きていくことを決めていた・・・





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