緋弾のアリア~IFエネイブル間宮 短編集   作:リムル=嵐

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ども、活動報告で書いてた記念のお話です。書いてて1話じゃまとまらなかったので3話構成になりました、未来線の話ですけどパラレルワールドみたいなもの(実際本編と別けて投稿してるし)ですから、あんま気にしないで楽しんで下さいね!


あかりハッピーバレンタイン 第一次血のバレンタイン戦争 前編

ついにこの日がやってきた。

 

新年になり節分でハビ達と遊んですぐ後、私と志乃はこの日のために同盟を組んで、対キンジ用の決戦兵器ことチョコレートを作ってた。

 

他の女の子達がキンジに渡すものよりもインパクトがあって、かつ甘いものが得意じゃないキンジの口に合う味で、私が選んだのはずばりホットチョコ、平たく言えばココアだ。

 

厳密にはまた違うんだけど、要するにカカオを使った飲み物で、私は勝負する。

 

この日の為に市販のココアパウダー買い漁ってどの割合が一番美味しいか調べたり、複数のココアパウダーで調合したりして、実に一ヶ月の超大作。因みに市販のココアパウダーで一番美味しかったのはバン○ーテンのピュアココア、あの味ならいくらでも飲める気がする。実際ココアばっかりで嫌気が差してた時でも、普通に美味しいと思えたからね………………その分高いけど。

 

私はカフェインの制約があるから、基本飲んでたのは志乃で、私は志乃が選んだブレンドの割合を飲んで、最終決定してたんだけど、それでも結構飲んだから、この一ヶ月部屋にほぼ篭りきりだったんだよね、かこの体質が恨めしい。

 

「あかり、チョコちゃんと持った?」

 

寮の部屋が同じな志乃が、荷物の確認をしてくる。

四人部屋で他には陽菜ちゃんとライカが居るけど、二人とも朝が早いから、夜にしかろくに話せないんだよね。ソフトボール部とチア部、朝練大変みたいだし。

 

「勿論、そっちは?」

 

カバンに入れた保温の効く水筒を見せて言うと、志乃が重そうにパンパンに入ったカバンを持った。

 

途中ココアを買い過ぎて、キッチンの棚がココア一色になったから、志乃と話してクッキーにして友チョコ義理チョコで配ることにしたんだよね、それでも凄い量になったんだけど。

 

「私は友チョコと義理チョコを私とあかりからって配るから、それだけかな」

 

小袋に入れて別けてあるクッキーが詰まったカバンを持って、志乃が疲れた顔で言う。

 

「ゴメンね、私の分まで頼んじゃって」

 

「あかりは本命がいるんだし、それにそのための同盟でしょ?」

 

私はチョコを渡すけど、そこから先はしないで今日は志乃と放課後デートだっけ、キンジと一緒に居られないのは嫌だけど、チョコ作るの手伝ってくれたし、これからも手伝ってくれるし、それに前世からの夢とか言われたら、断れないじゃん。

 

「それでもだよ、本当にありがとう」

 

「ほら、早くしないと遠山先輩バスに乗っちゃうよ?」

 

「あ、ゴメン先行くね!!」

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()!!

 

急いで駆け出して寮の近くのバス停に向かう。

 

キンジいつもバス通学だから、バスの中か降りた時にでも渡さないと、邪魔が入るんだよ。

 

バス停まで走ると、バス停の方に人集りが出来ているのが分かって嫌な予感がする。

 

「キンちゃん、こんな淫乱の小汚いチョコなんて食べちゃお腹壊すよ!!」

 

「ひどーい、私ぃ、一生懸命作ったんだけどなぁ!!」

 

「何でいつもバス使わないあんた達がここに居んのよ!!」

 

黒髪金髪ピンクブロンド、三色の髪色が見えて、これは失敗だったかなと反省する。

 

考えることは皆同じか、邪魔の入らない時間で一番最初にチョコを渡す為のバス停前を、ここまで被るとは。

 

「俺、甘いもん苦手だから、そんな貰ってもな………」

 

「「「だったら私のだけ食べてよ!!!!」」」

 

ううむ………これは修羅場、出直すべきね。

 

HR(ホームルーム)の時間が迫ってるから、駆け足でその場を離れる。学校まで普通の人なら歩いて30分の道だけど、強襲科(アサルト)なら10分で駆け抜けろって言われる距離。それなりに歩くから、後方支援の学科の子とか朝ゆっくりしたい子でバスは混むんだけど、今日はキンジにチョコを渡したくて集まった女の子で満員になるんだろうなぁ。随分ゆとりのある満員になりそうで、周囲が可哀想だね。

 

仕方無い、これはお弁当渡す時に一緒に渡すかな、そうした方が良さそうだもんね。

 

後ろの方から聞こえてきた音とキンジの悲鳴に、あれに割って入る勇気が無くて苦笑いする。

 

あの人達は一直線過ぎて周りの事を考えないから、戦妹の皆が苦労するんだよね………私も他人事じゃ無いんだけども。

 

無事に学校に着いて、下駄箱を開けて用意してた紙袋にチョコを入れていく。全部キンジ宛のチョコ何だけど、一年生は私の下駄箱が窓口になってる。事前に話してもらった人達の分をピンクの紙袋に入れて、残りは学校のカバンに入れる。それが終わったらローファーを下駄箱に入れて、学校のカバンに入れてた上履きに履き替える。

 

今年は事前に六人に話してもらったけど、それ以外にも結構いるなぁ、これはののかと食べよ。トリュフチョコとかクッキーにマシュマロと、手が込んでる割に勇気は出せないのね。

 

チョコの事で事前に話しを通す事すらしない人のチョコは、私のオヤツになる。話した人は、キンジに余裕があったら出来るだけ食べてもらってる。余ったら私の所に持ってくる形だ。今年は半分も食べれば御の字かな?

 

二年のクラスの方から聞こえる騒がしい雰囲気を無視して教室に入る。

 

「お、あかりおはよ~」「おはよ~あかりー」「今日はチョコ配るのか?」「友チョコで良いからくれよ、俺もう間宮以外の女子に拒否られてて………0は嫌だぁ!!!!」「諦めろよ藤、お前日頃の言動さえ無ければ一つ位貰えただろうに…………間宮さんおはよう、こいつの事は気にしなくて良いよ」

 

「皆おはよ~、チョコは志乃がまとめて持ってるから、後で貰いに行ってね~」

 

皆が挨拶してくれたから、私も皆に挨拶して席に座る。

 

「「「「「いよっしゃあ!!!!!」」」」」

 

モテない組の男の子がガッツポーズしてるけど、無視して机に突っ伏する。まぁ、現役アイドルのチョコだからね、そりゃ喜ぶわ、私も同じ立場なら嬉しいよ。

 

今朝はお弁当+チョコで、早起きしたから眠いのよ、だからって眠け覚ましにコーヒー飲めないし、辛いぃ。

 

隣の席からシャッター音がして、そっちに視線を向けると、間抜け面した私の写真がガラケーの画面に写されてた。

 

「あかり今凄い顔してるよ、今日は寝不足?」

 

隣の席の華が携帯で私の写真を撮ってたみたい。

この子と私は、神奈川武偵高校附属中学校(カナチュー)からの転校組で、ずっとクラスが一緒の女の子。

 

「昨日徹夜でクッキー焼いて袋詰めしてたから、眠くて、朝お弁当とチョコの準備で起きるの早かったし~」

 

「そっか~、それはお疲れ様。それじゃ今朝のメールも見てないんじゃない?」

 

「メール?」

 

聞き返した私に、華がメールを見せてくれた。学校からの一斉メールで、何やらヘンテコな事が書かれてた。

 

「何々、今日は特別訓練により授業は一時中断。特定のランクの人物を対象に捕縛(マンハント)をせよ。報酬は成功グループに対しての各学科の単位0.7と一人当たり現金5000円、学食で使える食券一ヶ月分?」

 

開始時間は10:00~15:00まで、捕縛成功は無力化した後に教務課(マスターズ)に連行で判定。

 

対象になるのは二年と三年の強襲学部とSSRのA、Sランクの生徒。

これバスカーヴィル組は全員対象になるんじゃ?

 

「特定の人物の捕縛成功は、追加報酬が貰えるみたいだよ~」

 

「何でまたこんなこと」

 

リストを見ると、しっかりバスカーヴィルの人達が乗ってる、最重要対象になってるし。

 

「どうも蘭豹先生と綴先生の暴走みたいね、矢常呂先生と校長先生がそれに乗っかったみたい」

 

関わっちゃいけない教師のツートップが悪ノリとか、悪夢かな?それにしても、

 

「あの見える透明人間(ミスターアンノウン)が乗っかったの?」

 

「呼び捨てはやめた方が良いよ?」

 

武偵は縦の関係に厳しいから華に注意されるけど、私はその縦に入らないイレギュラー扱いだから、多少の無礼は見逃されるんだよ~。

 

「私は許されてるから大丈夫」

 

「あかりのその謎のコネ、七不思議の1つよね」

 

「他の七不思議が気になるね、それ」

 

他には何が入ってるんだろ、アリア先輩の細腕がアルミ缶をねじ切る力があるとか、たまに現れる黒髪の女神(女装したキンジ)とか?

 

「校長先生が何処にでも現れるのと、地下倉庫(ジャンクション)が年々大きくなってるって話と、一年の茶髪の女の子は、実は国のトップと繋がってる謎の人物とか。二年のある男子生徒は、二人きりになった女性を無条件でトリコにしてしまうとか。夜な夜な現れるピンク髪の乱射魔とか。SSRで怪しい儀式をしてこの世のものとは思えない存在を呼び出してるとか、チャン・ウー先生は実はAIで、それを操ってるのは校長先生とか。」

 

校長先生七不思議に二回も出てきてるんだけど、後半分ぐらい知り合いっていうか、あの先輩達は何故こんなになるまで自重しないのか、私が言えた事じゃないけど。

 

っていうかやっぱり最初と最後の話は七不思議じゃなくてただの噂じゃ?

 

「殆ど実在の人物じゃん、理科室の人体模型とか、一段増える階段とか無いの?」

 

「そんなのより正体不明のどこにいるか分からない声(チャン・ウー先生)とか神出鬼没の見える透明人間(校長先生)とか、バスを素手で横転させた蘭豹先生の方が怖いじゃん」

 

速報、武偵高の先生は下手な怪談よりも怖い模様。

 

「流石に先生も生徒に手を出したりは………」

 

「蘭豹先生何でこんな事をッッッ!!!!」

 

「うるさいわ!!良いから私と香港に来い遠山!!!!」

 

私が先生をフォローしようとしてると、校庭の方からそんな怒鳴り声が聞こえてきて、ドンパチと()()()()()()が聞こえてきて、フォローしきれないと両手を上げて降参のポーズをする。

 

「遠山先輩、先生にすら効くニコポナデポの持ち主だったとは」

 

華がそんな事言って携帯でポチポチと多分校内新聞の記事を作り始めたから、私は先生が来るまで寝てることにした。

 

そういえば蘭豹先生、強襲科の授業の時、やけにキンジに当たり強かったけど、あれって好意だったんだ~。

 

最後にそんな事考えて目を瞑ると、携帯のメールの着信音で目覚めた、マナーモードにするの忘れちゃってたかってもう12時!?

 

「あれ、HRは!?」

 

思わずに出た私の言葉は、誰も居ない教室に空しく響いた。

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