ベン・トー、つきツキ!ss
「うーん。腹がへった....」
俺、南姫大輔は空っぽの冷蔵庫の前で膝をついていた。
「忘れてた.....。完璧に忘れてた.....。イェーイ....おっそろしいぐらい何も入ってねえ....。」
それもそう、今日の朝ごはんで最後の卵と味噌、米を使い切っていたのだ。
(道場の帰りに、スーパーに寄り食材を買って帰ろうと思いたのに。クソっ。昼飯返上で稽古してたからやばい....。今からスーパーまで行って帰ってきたら確実に晩飯を作る元気は残らないだろうな....。)
「今日、くらいサボってもね...?」
自分で自分を納得させ、今日はスーパーのお弁当を買うことにした。
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スーパーに着いた時何やら異様な空気を感じた。
「っ!?」
その空気に反応してつい殺気を放ってしまった。
すると、俺に視線が集まったと思ったら、すぐに散っていった。
「一体、なんなんだ?」
(まあ、気にしていても仕方ないか....。)
お弁当コーナーに行きお弁当を見た。思わず口によだれが浮かぶ。
(綺麗なきつね色のエビフライが1、2、3匹もっ!?さらに若草色のレタスの上に乗るエビチリ。そしてパプリカとレタスをふんだんに使ったサラダ!!ん?サラダに白とピンクのシマシマがわずかに.....。まさかこれもエビっ!?そして、ご飯が天津飯。天津飯ってことは、まさかこれにもエビが!?俺の大好きなエビがこんなにも!!)
【エビ、えび、海老っ!!!海老好き共めこれで満足か!?エビをふんだんに使った海老弁当!!】890円
(な....んだと.....。)
俺が今日持ってきているのは500円。3割引きのシールが貼ってあるがそれでも623円123円も足りない。
(海老.....好きなのに。お金が無いとは.....。今日はカップうどんで我慢するか.....。次来たときにあったらいいのに....。)
インスタント食品のコーナーで知らないアフロのおっさんが話しかけてきた。
「やあ、見慣れない狼だね?どこから来たんだい?」
(狼?何のことだ?忍さんなら狼でもわかるが....。あの目付きだしな。忍さんの関係者か?何かあって迷惑をかけるのもあれだしなあ。)
俺は、全く見当違いなことを考えてることに気づかず。勘違いしたままごまかすことにした。
「狼?知らないなあ。」
(こいつ、あれだけの殺気を放っておいて犬以前だと?しかもごまかし方が、嘘っぽいな.....だが、もし本当に知らなかったらもったいない。強い狼が増えることは俺のためにもなるし教えておくか....)
「狼とは、半額になった弁当を自分の腹の虫に呼びかけて、力を増幅し、全身全霊でを戦うものd「おいっ!弁当は半額になるのか?そしてそれを奪い合うと?。」そ、そうだ。あと、もうすでに持っている弁当を奪うのは御法度だ。」
(海老弁当を食えるだと!?これはもう、戦うしかない!でも、大丈夫なのか?傷害事件とかにはならないよな?)
「俺は武術の心得がある。そういうのを使っても大丈夫なのか?ここはスーパーだろ?」
「全然大丈夫だ。だが、それだけじゃ勝てねえ。自分の腹の虫を呼び起こしその力を存分に使えないと、勝ち目はない。」
(腹の虫?なんだそれは?)
「腹の虫?」
「そう、腹の虫だ。さっきお前弁当見てたよな?それを思い出し、食べたいと思え!そうすれば自然と答えてくれる。」
「ああ、わかった。ありがとう。」
「じゃあな。犬、俺はあそこから見ている。」
アフロのおっさんは階段の方に歩いていった。
バタンっ!
ドアがしまった音がするのと同時に周りにいた人たちが一斉に走り出した。
弁当コーナーの前に人だかりができている。
(なんでもありの対外試合みたいなもんか.....。よし、行くぞ!俺はエビを食べるっ!!)
「うらあああああああああああああ!!!」
最初に前に立ち塞がったのは茶髪でコートを着ている女だ。
「フンッ」
俺は左足で地面を蹴り上に飛んだ。そして茶髪に向かって右足の飛び蹴りをかます。
「あら?そんな隙だらけで大丈夫なのかしら?」
茶髪は少し横にずれ地面に叩き落とそうとする。
「予想通りッ!」
茶髪の肘をよけ、更にその横を飛び抜ける。飛び蹴りの態勢のまま左足で着地。
(飛び蹴りの態勢のまま着地!?)
茶髪が顔に驚愕の色を浮かべる。
そして俺は体を180度回転させた。すると茶髪に後ろから足払いすることになる。
「ビンゴっ!」
狙い通り、茶髪を転ばせた。が、素直に地面に落としはしない。足払いをした右足を軸に立ち上がり回転した勢いのまま、回し蹴りをした。
「く、はっ。」
茶髪の肺から空気が一気に抜けて飛んでいく。茶髪は後ろで髪をくくっている小柄な女の子の方にぶつかった。その二人は地面に伏せた。
普段は女の子をぶっ飛ばすことは、罪悪感を感じることだろう。だが、気にしてはいられない。腹の虫がエビを求めて暴れている。俺の頭には海老のことしかなかった。
やっと海老の前についた時にはすでに、俺ともう一人しか立っていなかった。確かうちの高校の先輩だ、確か佐藤とか言ったきがする。佐藤先輩とにらみあう。ジリジリと弁当に近づいて行く....。
先輩の隙を見つけた!!
(今だっ!)
俺は弁当に向けて飛び込んだ。が、俺は弁当とは逆方向に飛ばされていた....。
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「お、おい。大丈夫か〜。」
誰かに呼ばれてる。顔を叩かれている...。
「はっ!?」
「やっと、起きたか。君は烏田の一年間だろ?始めて見たが今回が初めて?」
先輩だ。今、はっきりと思い出した2年の佐藤洋先輩だ。
「はい、そうです。1年の南姫大輔です。」
「俺は2年の佐藤洋。ご飯を一緒に食べようぜ?」
(なんだ、この先輩は男をしかも初対面のやつを食事に誘うのか!?ホモ?ホモなのか?だが、まあ家に帰って一人で食べるのもあれだしな。俺の人脈を増やしておいて損はないか.....。)
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俺は夜の学校にきていた。細かく説明すると学校のハーフプライサー同好会の部室だ。大きなテーブルと、お湯のポットと戸棚と電子レンジがある。壁には半額のシールが山ほど貼ってあった。そして、銀髪ショートのとてつもなく美人がいた。
「おい、佐藤こいつが月桂冠を争った相手か?」
「はい、そうです先輩。初めてなのにあのちゃ、いやシーリーコートを一瞬で沈めました。」
「本当か?この男が.....」
3年の槍水先輩がまじまじと見てきた。なので、俺はニコッと笑ってみた。
「ヒッ!?」
槍水先輩が驚いて軽い悲鳴を上げた。
「すいません、先輩。俺、生まれつき目がきつくて。」
「俺は一年の南姫大輔です。」
「ああ、挨拶をまだしていなかったな。私は槍水仙だ。」
チンッ
電子レンジが温め終わったことを告げた。
「もたもたしていて、せっかくの月桂冠が覚めてしまってはもったいない。続きは食べながら話すがいいか?」
「はい。大丈夫です。」
「じゃあ、食べようか。
「いただきます。」
「「「いただきます。」」」
「うむ。美味しいな佐藤。」
「そうですね。先輩。」
槍水先輩と佐藤先輩がイチャイチャ初めそうだったので話をぶったぎることにした。
「あの?先輩、話ってなんですか ?」
「ああ、すまない。今から話そう。」
「と言っても、一つ聞きたいことがあるだけだが。」
「はい。なんでしょうか?」
「この、ハーフプライサー同好会に入ってはくれないか?。」
「えっ?でもそんな急に」
「新しい生徒会長が少し厳しくてなあ。部員が5人いない部活は廃部だといいだしてな。」
槍水先輩が微笑みながら少しずつ寄ってきた。
「いや、ここに名前を書くだけでいいんだ。」
「いや、でも....。」
先輩が後ろから抱きつき俺にペンを持たせてきた。
(ちょっ!?胸がフニってちょっ!?)
南姫大輔も男だ美女の胸には負ける。力が体から抜けてしまい。サインをしてしまった....。
(まあ、胸の代金だと思えば安いものか......。)
こうして、南姫大輔はハーフプライサー同好会に入ることになった....。
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