Vが目覚める Fate/ Grand order 作:変人ちゃん
「私は死なん...いつか、決着をつけよう。いつの日か...また会おう!」
(すまないイシュメール......俺はしくじった.......)
男は一人、11年の付き合いになる左腕を伸ばす。
(....思えば
壊れかけの腕に葉巻を持たせながら、男は自らの最期を待つ
(足が動かん.....強心剤も今度ばかりは役に立たんなぁ.....
ソリッドはまだまだ青いと思っていたが.....俺も老いたな.....)
ボロボロの体を壁に預け、男は一人呟く
「.........長いことあんたの"影"をやってきたが.....俺は上手くやれたか?.....イシュメール....いや....」
ボス.........
それは今からそう遠くない時代の話だ
裏の世界を歩む者には大きな衝撃を走らせ、その衝撃は表の世界を歩む人間にも少なからず知れ渡る事となる
大規模な爆破に終わった
しかしそれで満足しない人間も一定数存在した
そういった人間の多くは取るに足らない説を唱え、やがてそれらは小さな都市伝説となっていった
しかし間違いなく、人々の日常を侵す"何か"が、この事件を皮切りに表の世界へ表出したのだ
時は変わり
「つまりこれで....英霊?...が召喚できるんですよね!」
燃え盛る街の中で、緊張感に欠けた様子の藤丸立香に苛立ちを覚えながら
呆れたようにオルガマリーは答える
「.....そうよ、いいから聖晶石を置きなさい!
いつまでも滞在してられないんだから....」
「あぁ!、まずいことになったぞぅ三人とも!
ここからそう遠く無い所に大きな反応があるみたいだ!」
「今はまだ近づいてきていないが、いつコッチに気付くか分からない!
召喚をするなら手早く頼むよ!」
余裕のない声で通信越しから唐突に会話に割り込んだロマ二に一同は驚くが
それ以上に状況が切迫している事を理解する
「っ!......先輩!」
「分かってるマシュ!」
マシュに背を押され、
やがて眩い光が輪の形を持って出現すると大きく回り始める
(まぶしい.....どんな人が呼ばれるんだろうか?.....)
光の輪は三つに分裂し更に大きく回転すると、やがて一つの柱のように収束し
目を開けていられない程の光を放つ
光が止むと
「おい坊主」
低く、通った声に、三人は目を開く
三人がまず目に入ったのは、男の右目だ
三本の紐で留められた眼帯で覆われた右目は、まず何よりもそこにいた三人の視線を引いた
左目と鼻辺りには傷跡が残っている
近代的なボディスーツを纏った、肩幅の広く、がっしりとした印象を受けるその体は、およそ多くの鍛錬によって出来上がったものだと容易に想像がつく
皺を刻んだ顔から覗かせる眼光は鋭く、しかし温かさをも持ち合わせていた
(...不思議な人ですね.....
鋭い目をしているのに、どことなく優しそうにも見えます)
(それに頭には.....角....?)
特に顔を注視していたマシュは真っ先に、男の頭から生えているように見える黒い角のようなモノに気が付いた
「....ああ、どうやら呑気に自己紹介をしてはいられないようだな.....来るぞ坊主」
「えっ?」
男はそう言うと腰元から銃を抜き、虚空へと銃撃を放った
しょーせつとかかいたことないんよね