君と結ばれる、物語の作り方   作:らむだぜろ

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今回は補足説明の番外編です。
メタ発言多発するのでご注意ください。


番外編 補足説明一回目

 

 

 

 

 

 

 ここは彼女たちが綴る物語ではない姫園鎮守府。

 有り体に言えば舞台裏である。なに? どういう意味かって? 

 今回は番外編。作中語りきれない補足説明をするのだ。

 此処からは作中演じてきた役のような前提で話をする。

 なのでここでの彼女たちは所謂作中の彼女たちとは違う、メタを多発しながら解説をしていく。 

 苦手な方は、要注意。

 では、始めよう。

 君と結ばれる、物語の作り方。

 舞台裏のお話である……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 姫園鎮守府、執務室。

 そこを急遽収録スタジオに改装工事を行った。

 出演者は台本のチェックと、衣装の確認、あとマイクテスト。

 で、一通りオッケー。

 よく見る提督の机に、来客のソファーを対面に置いて、間に高級で木目の美しい重厚な机も鎮座。

 床はフローリング、壁も木材の壁にして。

 窓の外は……取り敢えず昼間に設定。照明は明るく、準備は万端。

 カメラを二人で扱う山風と弥生が終わったと仕草で確認。

 その他諸々、艦娘たちが忙しく働いて、一通り完了。

 ……収録を開始する。

「えー……あれ? マイク入ってなくないですか? 衣笠、マイクが死んでるんですけどー?」

 喋った途端に音を拾わないマイク。

 トラブル発生、初っぱな修正して撮り直し。

 もう一度収録を開始する。

「……はい。と言うわけで、ここまで読んでくださった読者の皆さま方、本当にありがとうございます。今回は番外編。君と結ばれる、物語の作り方。その補足説明の放送をしたいと思います。お送りするのは、本作の主人公を務めております、渋谷七海です。今回は宜しくお願いします」

「七海の教育とツッコミはお任せ。軽巡、五十鈴よ。宜しくね」

 提督の机とセットになった椅子に座る、白い軍服のオーバーフロー状態の七海。

 そして、その隣に立っている制服姿の五十鈴で今回はお送りする。

「先ず、気がつけば今回で90話などというすごい数になっていますが、ここまで読んでくださった読者の皆様に深く感謝の気持ちを、作者に代わってお礼を」

「頭のおかしい主人公の物語を読んでくれて、本当にありがとう。まだエンディングが一つしかないから、もうしばらく続くと思うから、また良かったら読んでくれると嬉しいわ」

 二人で頭を下げて、続ける。

「今回はいい加減、細かい補足をしないと書ききれないという情けない事情もあるので、ここで邪道ながら番外編とさせて頂きます」

「結構話が続いていて、入れられるかも不透明になりつつあるから、こんな風に舞台裏なんていう形で解説していきたいと思うの。因みに本編じゃ全く関係ない独立した話だから、言いたい放題言うから気をつけてね?」

「あと、作者がこんな話を書くのは慣れていないので不手際があると思います。なので今回は作者の言い訳も聞く為に、こんなものを用意しました」

 七海はそう言ってから、足元からなにかを取り出す。

 机に載せたのは……イ級のぬいぐるみ?

「これが作者の分身です。文句がある場合は、あたしたちがこいつに直接訴えを起こします。物理で」

「!?」

 動くぬいぐるみ、嫌がるように身を捩るがその場で七海に殴打されて絶叫した。

「いぎゃっ!?」

「そうそう。こうやって殴るたびに気色悪い悲鳴をあげるから、そこも気をつけて。作者登場なんてやったことないから、メタも良いところだけど目を瞑って貰えると嬉しいかな」

 五十鈴がそう切り出し、解説が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「先ずは……というか、補足が必要なのはどこでしょう?」

「おいコラ七海」

「冗談です。作者が補足したいのは、主に深海棲艦や艦娘に関する本作の設定のこと。両者との人間の関係性と、あと多分語れないと判断したので昔の島村さんの状態とかですかね。今回は長くなりそうなので、前者を主に解説します」

「全部語りなさいよ!」

「長くなりそうなので勘弁してください」

 五十鈴に置いてあったイ級が持たれて殴られる。嫌な音がした。

「おいコラ作者」

「んぐはぁ!?」

 殴るのを無視する七海が語り出した。

「では先ず、深海棲艦に関してですね。種類に関係なくぶっちゃけ、正体は作中触れてません。何故生まれるのか、何故戦うのか。何処から来るのか、なぜ人類を襲うのか。あと、珍獣……じゃない、妖精に関してもあまり関係がないので根源は敢えて触れていないそうです。パクチーの時に彼女が、自分のことを何一つ覚えていないと言いましたが、あんな風にそもそも何故、深海棲艦である皆があたしや艦娘に通じる言葉を喋れるのか? それは、わからないままとなっています。仕様だそうです」

「補足になってないでしょうが! 作者ァッ!!」

「ぎゃああああああ!!」

 怒る五十鈴に豪快に二つに折られるイ級。

 骨が折れるような耳の痛い音がする。 

「然し、作中出てきている村雨、春雨に関して。更にバッドエンディングで少し触れましたが、同じ条件の存在も確認されています。この元々艦娘だったのが、轟沈して深海棲艦になった場合です。死ぬ間際に未練のようなものを残したことが分かっているのが今の知れる範囲です。前提として、本作では深海棲艦は喋れても片言で、辛うじて喋れる程度しか出来ないとなっています。普通に皆喋るので忘れがちですが。なので最初、あたしも驚いたわけです。この場合は、艦娘だったことが関係しているのでは? と曖昧なままにしてあります」

「明確に語るってことを知らないわねあんたは……」

 淡々と語る七海の隣で死にかけ痙攣するイ級ぬいぐるみ。

 五十鈴は机に再び置いた。

「そこを語り出すと、話の軸がすり替わるから、というのが理由だそうです。あくまで本作品は頭のおかしいヤンデレが、周囲と関わりながらエンディングを目指すお話です。ですんで、戦闘の描写もあまり重要ではないので、軽めにしております」

「元帥も七海も、ガッチリした戦闘の描写がないからね。基本的に一方的にすぐに終わるか、説明だけで語るから薄いし」

「それも仕様です。戦いを軸にした成長の物語ではないので、対人を重点に書いているとこのぬいぐるみは申しております」

「ぬいぐるみの目標だから、なんとも言えないけど……。これからも、そのスタンスは変わらないわ。ご了承して頂けると有り難いかな」

 ピクピク痙攣しながら頷くぬいぐるみ。

 口から鉄臭い赤い綿が出ていた。

「艦娘に関してはちゃんと解明しているわね。人間に艦の魂を注ぎ込んだのが最初、と言われているけど。昔は随分厳しい時代だったみたい」

「そうですね。翻訳機がないとコミュニケーションが取れないのも、安全性と人道を優先した結果、人の部分が欠落した結果です。肉体を人工的に精製してそこに魂を注ぎ込んだのが本作の一般的艦娘に当たります」

「……作中触れているけど、これを人間扱いしろって言うのも少し無理がある気がするわ」

「まあ、どう見ても人間じゃないですものね。あたしは初期には化け物と言っていて、途中で皆が人間がいいと言うので変えました」

「他の人はどうなの? 出てこないけど」

「真っ二つです。基本的には、赤松提督のような人間とする擁護の一派。あとは、島村さんの兵器とする一派。一度ありましたが、この二つは凄く折り合いが悪いです。あんな感じで毎回対立しています。あたしは完全な中立と言うか無視しているので無関係です。あたしはあたしなので」

「そうよね……」

 あまり触れる機会が無かったが、と七海は不満そうにぬいぐるみを拳で潰した。

「あぁんっ!?」

「喘ぐな変態作者。でも、派手に揉めてたもんね……。元帥は擁護の一派だっけ?」

「そうです。それのボスに値する偉い人です。従来型と呼ばれる古い艦娘を束ねる本作の最強ですので」

「あんたバッドエンディングで殺したじゃない如月と」

「あれは、奇襲と消耗していた状態、更にはあのエンディングの時に変容した状態の恩恵です。他のルートでは不可能です」

 首を振る七海に改めて聞く五十鈴。

「そういえば、あのエンディングで最後あんた謎の老衰してなかった? あれは結局何だったの?」

「あれはですね、今のルートで死ぬときに夕立が語っていましたが深海棲艦の力と言うものです。根源は不明ですが、明かされているのは深海棲艦のパワーの源。作中では泥と例えていますが、憎しみや恨みなどが凝縮された猛毒と思ってください。あたしはその毒を飲み干して支配していたのですが、最後に皆を殺めてしまったせいで精神が折れて、支配していた毒に逆に蝕まれてしまった。そう言うことです」

「五十鈴ははね除けたけど、やっぱりあれ猛毒なのね?」

「ええ。ですので島村さんの鎮守府で特訓している艦娘は頑張っている方です。普通は五十鈴や桜庭さんみたいにはね除けてお仕舞い。自分のものには出来ません」

「……えっ? じゃああのハゲ、理解していたけどあれ相当おかしいってこと!?」

「普通に考えても作中あんなこと人間で出来るのは島村さんだけですよ? 普通の人間には到底無理な芸当ですので。如何にあの人のメンタルが強固かよくわかると思いますが」

「負けたら飲まれるって言ってたけど、そういうことか……」

 驚く五十鈴。七海は再びぬいぐるみを持ち上げた。

「理解すれば、割と優しく力添えしてくれます。なので作中の戦力は島村さんの鎮守府はかなり高いです」

「理解者を探しているってことになるわけね」

「そういう一面もある、と思っていただければ」

 逃げられないぬいぐるみ。

 左右に揺れて無駄な抵抗を続けている。

「じゃあ、次にいくけど……深海棲艦にも戦いを望まない一派はあるのかしら?」

「一派と言うほどじゃないですが存在はしますよ。ただ、この世界の人類も艦娘も深海棲艦は皆殺しにするべきと言う前提が成り立っています。言葉が通じるとは思ってませんしね」

「……仮に通じても襲うって、春雨言ってたもんね……」

「はい。普通は向こうから襲ってくるので、艦娘も応戦する世界ですよ? 思い込みがあっても何もおかしくないでしょう?」

「話し合いと言う概念がまずない世界、だもの。無理もないわね……」

「そして、仮に連れ帰ってもあの反応が当たり前。あたしが散々な目に遭っているのは皆様知っているでしょうが、あたし以外がやっても似たような扱いを受けます。迫害は当然にしても、あらゆる場所で深海棲艦は、人類と艦娘に袋叩きにされる運命が、この作品の世界なのです。連れてきた奴も当然漏れなく攻撃されてしまいます」

 こいつがそういう世界が好きなので、と勢いよく机に叩きつける七海。

 内臓が破裂する音が響いた。

「はぁい!?」

 口から赤い綿が更に飛び出た。

「村雨も夢で言っていました。深海棲艦になったあとは、居場所などどこにも無いのです。もう一回死ぬしかない。それが結論と思っていただいて構いません」

「そう言えば元帥と同じ最終兵器の連中も皆を殺そうとしている事もあったっけ」

「あの人たちも深海棲艦と似たような扱いをされてますが、人間ですから。しかも強いので我を通すが出来るのです」

「成る程……。そこは立場の違いもあるってことね」

「ですので、この世界は戦いを望まない、なりたくてなったわけじゃない深海棲艦たちは、迷子のようなモノなのです。あたしのしていることは、人類への裏切り行為と言われても否定は出来ないのですよ。しょうがないのですけどね」

「いいわ、ありがとう。簡単だけど、こんな感じで、今回は補足してみたわ。どうだったかしら? まだ分かりにくかったら、ごめんなさい。一応補足もまだ予定しているから、その時に補足の補足をさせて貰うわね」

「はい、と言うことで今回の解説はこの辺で終了いたします。長々とお付き合い頂きありがとうございました」

「次回は多分普通の話よ。まだ未定だけど……それでは!」

「お疲れさまでした!」

 

 

 

 

 

 

 

「……五十鈴に……折檻されるのって、最高だなって……思います」

「五十鈴、ぬいぐるみがなんか呟いてますよ?」

「あらそう? じゃあ、最期に特大のお仕置き、お望み通りにしてやるわッ!!」

「ファッ!?」

 

 

 

 

 

「――あーっ!!」

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