私は八雲紫、木の葉隠れの忍者ですわ   作:アナンちゃん

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正直この辺は自分が15か16歳の時書いたのでストーリーとか拙いところが目立ちますね。なんでそうなるねん!っていうのがあると思いますが、優しく見守ってください(¦3ꇤ[▓▓]


其の二 木の葉隠れの里

「――ということよ。その子に興味沸かない?」

「……まあ、興味はありますけど。いい加減放浪癖やめません?」

 

 二人が話すは、木の葉隠れの里の人気のない道。

 そこには長い金髪を華麗に揺らし、扇子を常に扇ぐ、八雲紫がいた。

 今、彼女はある者と話していた。

 

 紫と同じ金髪で、長さは肩口あたりまでのショートボブ。頭部から、二つの出っ張りがある白い帽子を被っている。

 身長は紫より若干低く、服装は古代道教の法師が着ているようなもので、ゆったりとした長袖ロングスカートの服に、青い前掛けのような服を被せている。

 雰囲気、中華風だ。

 

 手は左右の袖の中に隠していて、見える肌は顔しかない。取り敢えず、物凄く暑そうだ。

 紫に見劣りしない美貌で、男性を魅了するには充分すぎるほど。

 

 そんな彼女は、八雲 藍(らん)と名乗っている。

 

 彼女は紫の式神……平たく言うと、召し使いなのだ。

 主である紫の突拍子もない行動や命令にも、少しの愚痴を漏らしながら実行するほどの忠誠心を持っている。

 彼女も同じく、長い年月を生きてきた。紫ほどではないにしても、強大な力を持っているには違いなかった。

 

 しかし、式神の彼女は妖怪ではない。人間からしたら同じかも知れないが、妖獣なのだ。それも、とんでもなく位の高い妖獣だ。

 

 二人が話している内容は、二つほど。

 その内の一つは、この里に来て最初に会った少年、ナルトについてだった。

 しかも、そのナルトの内包する力についてだ。紫がその力を初めに感じた時の驚きは、今も忘れていない。

 藍が興味をそそられたのは、正にこの部分で、藍にとっては重大なことだった。

 

 そしてもう一つ。里としてはかなりの一大事かも知れないこと。

 

「それにしても、甘いわよねぇ。私達みたいな者を簡単に受け入れるなんて」

 

 紫の手には、日光に反射する鉄の何かが握られていた。

 それは額当てだった。

 忍者の証である額当てを、何故この二人が持っているのか。理由を知るには、数刻遡ることになる。

 

◇◆◇◆◇

 

 彼女達は、火影室という所にいた。

 ラーメン店『一楽』でナルトの話を聞き、この場所へと赴いたのだ。

 

 ナルトの話で得られた情報は、ほんの少ししかなかった。

 誰でも知っている、一般常識にも満たない情報だ。

 それでも、何も持っていなかった紫にとっては、それなりの収穫だった。

 時々、ナルトの説明に補足を付け加えるように、一楽の店主も詳しく教えてくれた。

 

 その後、紫は更に詳しく情報を得たかったので、その情報源が何処にあるか聞いたところ、この火影室に辿り着いたというわけだ。

 「火影のじいちゃんに聞いたらどうだ?」とナルトが案内してくれ、案外楽に里の長との面会が実現出来た。

 ナルトと火影はそれなりに親密な関係らしい。

 

 許可を取る為か、先にナルトが入ってくれて話を付けてくれた。結構役に立つ。

 火影は許可を出し、ナルトを部屋から出て行かせてから、紫と火影との一対一……いや、一対二の対話が始まった。

 

 まず、紫の当たり障りの無い会話から、この面会はスタートした。

 

「初めまして。ナルト君から紹介があったかも知れませんが、私、八雲紫と申します」

 

 自己紹介から切り出す。

 紫と対面するのは、これまた好々爺然とした老人だった。見た目は還暦をとっくに超えている。

 しかし、この老人は流石に里の長というところだろうか。醸し出すオーラが、やはり一般のソレとは遥かに違う。

 歴戦の忍者。最初に見ただけでも、この老人が相当の強者だというのが分かった。

 

 好々爺らしく、そんな温和な姿勢を崩さず、紫へと優しく語りかけた。

 

「うむ、木の葉の里へようこそ。ワシは三代目火影をやっておる、猿飛ヒルゼンじゃ。どうかな、この里に来た感想は」

「大変素晴らしい里ですね。平和という言葉がぴったりですわ」

「そうかそうか、それはよかった」

 

 世間話から入った会話だが、木の葉の里を褒めると、三代目火影はまるで自分のことのように笑顔を浮かべた。

 

「お主がどこから来たのか聞かせてもらってもいいかな? あと旅人と聞いたがそれは本当か?」

「遠い遠い海を越えたその先の東の国から私はやって参りました。そこから海を越え、様々な異国の地を巡り歩き、自由気ままに旅を楽しんで、そしてこの里へと辿り着きました。

 そして私が旅人かと聞かれると、実は少し違いますね。私はいわゆる陰陽師と言われる者です。ここ一帯ではあまり有名ではないため、便宜上旅人と称させていただきました」

「陰陽師とな? 申し訳ないが聞いたことないのぉ。どういったことをする者なのじゃ?」

「私の住んでいた場所には妖怪という者が出没します。聞いたことはあるのではないかと思うのですが、私はそれを退治する仕事を生業としています」

 

 堂々と嘘をつく。むしろ、彼女は本来狩られる側だが、人間であることをアピールするために陰陽師と名乗った。まだ陰陽師が存在していた頃は、ほとんどの妖怪は陰陽師のことを憎んでいただろうが、紫にとっては強力な妖怪だったためかさほど思うところはない。

 もっとも、幻想郷にいる紅白巫女が陰陽師のような役割を担っているから、今更それに対してどうこう思うのもおかしい話でもあるのだが。

 

「ほお妖怪か、聞いたことはあるがこちらではあまり一般的ではないな。しかし世界には何があるか分からんからな。そういう存在があってもおかしくはない」

 

 妖怪が存在するかどうか火影には分からないが、紫の話を聞きそういった者がいても変ではないと結論づける。

 次に火影は本題に入るためか、少し雰囲気が変わった。

 

「おぬしが本当に旅人かどうか聞いた理由としては、この里に辿り着く前に色々あったと思ったからじゃ。遠い場所から来たのだから、何回かは野盗だとかの何らかに襲われたじゃろう。ただの旅人にそれが防げるとは思えないから聞きたかったじゃ。

 さて、おぬしはそれなりに力を持っているとの認識でいいのかな?」

「まあ、そうなりますわね。私としては、陰陽師というのは忍者に負けないくらいの能力があると考えています。また、あと一人同行人がいたというのもありますが」

 

 紫は火影室の扉を一瞥し、外で待っている従者を呼んだ。

 

「藍、入りなさい」

 

 すると、扉がゆっくりと開かれ、藍が紫の側までゆっくりと歩いて来る。

 紫の左斜め後ろに位置を取ると、小さくお辞儀をし、簡単な自己紹介をした。

 

「八雲藍です、紫様に仕えています」

 

 紫に続いてこれまた美人な女性が現れたと火影は息を飲む。        

 

「ほう、おぬしたちは二人で襲撃してくるものを撃退しながら旅をしていたのか」

「ええ、ここの藍も陰陽師でして腕が立ちます。全く問題ありませんでしたね」

 

 扇子を扇ぎながら丁寧に答え、次の話へと切り替わっていく。

 

「木の葉隠れの里の長であるワシと面会する理由としては定住したいという思惑があってかな?」

「ご明察、今まで見てきたどんなところよりも平和そうな里がありましたので。

 旅もひと段落つけて、この里に住ませていただきたいというのが、私共の願いですわ」

 

 正直旅をし続けてもいいのだが、拠点となる場所が紫は欲しかった。そこまで急いでいるわけでもなく、ただ暇を満たせればいいので、のんびりとこの世界を楽しもうと考えていた。

 火影は深く考え始める。

 少しの時を挟むと、何か確認したい事柄があるような語気で喋りかけてきた。

 

「……だとしても、ワシと面会せずとも暮らすことは可能じゃろう。その手続きはワシを通さなくてもいいはずじゃ。他に何かあるのか?」

「ナルトくんを通じて来てみたら、まさか本当に火影様に会えるとは思っていなかったのが正直なところです。まあ運が良いとも言えるかもしれませんがね。

 他に何かあるというのは当たりです。この里での身の振り方についてです」

「なるほどな、確かに定住するとなったら職は必要じゃろうしな。しかし、旅の間は適当に野盗を狩れば路銀を稼げたが、この里に住むとなったら中々その手段は取りづらいということでの相談か」

「話が早くて助かります」

 

 今までは野盗などを撃退して稼ぐことができたかもしれないが、この里ではそれは忍びの領分だ。この里に住む以上、依頼は全部忍びが処理してしまうため、その仕事では稼ぎづらくなる。なら他の仕事を、と考えてもいきなり定住するまで稼ぐのは中々難しいと判断した上での相談だと火影は認識した。

 トントン拍子で話が進んで行くなと思いながらも、紫は火影に対して相談を始めた。

 

「火影様に提案ですが……。

 私どもの能力は保証いたしますし、それに……抜け忍でしたか? おそらくそういった者も撃退したことがあります」

「なっ……、抜け忍を!?」

 

 つまり、と溜める。

 

「この里の忍者として、恐らくやっていけると確信しています」

 

 火影はただの野盗ではなく、抜け忍も撃退したことがあるという紫の言葉に驚愕する。ただの護身術を持つ程度の人間では抜け忍に勝つのは不可能だからである。つまり、紫たちはかなりの実力者であると伺える。

 火影は、紫と藍の姿を観察――力量を見抜こうと試みる。これほどの忍者なのだ。洞察眼は群を抜いているだろう。

 

 しかし、その視線があまり好きじゃなかった紫は、別の代案を提示する。

 

「私達の力量を確かめたいのなら、近々丁度良いイベントがあるじゃないですか。

 中忍試験……でしたっけ? そこなら火影様も見れるでしょうし、私達としても一般の忍者の力量を肌で感じることが出来ます。

 良い機会じゃありませんか?」

 

 忍者には階級のようなものがある。

 下から、下忍、中忍、上忍の三つが代表的なものだ。

 中忍試験とは、中忍へと昇格のチャンスがある試験。下忍の者にとっては、この上ないほどに受験をしたいものなのである。

 

「中忍試験のことを知っておるのか?」

「ナルト君が嬉々として話していましたから。意外にナルト君との会話で一番印象に残ったのは、中忍試験のことかも知れないですね」

「あやつにとって中忍試験なんてものは、楽しみでしょうがないものなんじゃろう。興奮しながら喋るのも想像がつく。

 それで、おぬしはその中忍試験に出たいとな?」

「先程も言った通り、火影様が力量を確かめるには、それが一番手っ取り早いというだけですわ。私も忍者の力が如何程のものなのか、非常に興味がありますし。

 しかし、試験を受験する条件……まあ当然ですが、下忍でなければいけませんよね? つまり、私達は下忍になる必要があるわけです」

「…………」

「そこでです。私達を下忍として、この里に置いていただけないでしょうか?」

 

 相変わらず扇子をパタパタと動かしながら、火影に問い掛ける。

 藍は顔はあまり引き締まってなく、興味なさげである。だが、話を聞いていないわけではなく、下忍になる過程が面倒臭いだけだろう。

 今は主である紫に任せる。

 いつも面倒を見てあげているんだ、自分で思い立った行動には、たまには自分でどうにかしてくれ、そんな藍の心情がひしひしと伝わって来る。

 

 普段は苦労人な藍。突然、紫から召喚され、若干不機嫌なのだ。もしかしたら、その時は自分の式神と遊んでいたのかも知れない。

 そんな藍の気持ちをいざ知らず、いや、無視をして、紫は交渉紛いを始めていた。

 

「そうは言ってものぉ……」

 

 下忍になるためには、何かしらの順序はあるのだろう。

 ナルトも踏んだであろう、下忍になるための経路を、何処出身なのかも分からない、実力も分からないような者に対して、省いていいのか。

 格式というわけでもないが、やはりこの里出身でない者に、いきなり下忍の位置を与えるのは、些か気が乗らない。

 

 こんな御老人でも、里の長であり、最高権力者なのだ。

 どんな小さな者でも、いつかは里に大きな影響を与えてしまうような、バタフライ効果(エフェクト)が起きることも否定出来ない。

 最高権力者である以上、安易な考えは里を破滅に導く。熟考の末、決断を下すのが定石なのだが……。

 

 同じ立場である紫には、火影の懸念は考えずとも分かる。対立国というのが無い分、幻想郷の紫のほうが遥かに決断は軽いが。

 それでも、火影の気掛かりは分かるので、長なら長なりの、少しは安心出来るような条件を、紫は挙げてみる。

 

「忍者の仕事はしっかりと遂行します。下忍の仕事から、下忍の身にあまるような仕事まで、大体の仕事は請け負いますわ。少ないよりは、多い労働力のほうがいいでしょう?

 もし、私達の存在が、この里の不利益となるならば、私達を国から追放……忍者の権利を剥奪、或いは抹殺してもらっても構いません。

 私達の真意は、この里を陥れることではなく、安住出来ることにあるのです。その里を平和にするのに、努めない理由はありませんわ。

 どうでしょう、一度騙されたと思って、私達を忍者にしてくれませんか?」

 

――私達ほど使いやすい者はいませんよ?

 

◇◆◇◆◇

 

 その後、里の空いている忍者と多少の隠行と手合わせをする試験を行った。隠行はそこそこにこなしたあと手合わせをしたのだが、たまたま手の空いている忍びが下忍から中忍の間程度の力量だったためボッコボコにした、主に藍が。

 試験を頼まれた忍者がボロボロになって帰ってきたのを見て、紫たちが下忍レベルの能力を持っていると判断し、火影は紫と藍の下忍を認めた。

 正直大したことはしてないため説明は割愛させていただく。ただ試験を行った忍びは、「とんでもなく強い」と評した。

 

 そして先の紫の発言に戻る。

 安易に決めてはならないということは分かっているとは思うのだが、やはりそれが温く感じてしまう。やるなら徹底的にやる、その部分が火影には少し欠落していると、紫は率直な意見を持った。もっとも、ダメな場合は追い出すという前提なので、そこまで深くは考えていないのかもしれない。

 

 そのことには藍も否定せず、火影の甘さを感じていた。

 

「ですが、それが反(かえ)って、ここの住人の信頼を得ているようですね。火影はこの里の皆から、絶大な人気を誇っています。それは里人を見て、すぐに分かりました。

 見た感じから温和ですからね。包容力というんですかね、お爺ちゃん気質の持ち主でした」

 

 この二人から見ても、火影の放つ包容力というのは優しいものがあった。

 長年生きてきた二人が感じたのだ。普通の人間なら尚更だろう。

 

「まあどうでもいいけど、なんか担当上忍とやらが私達に付かなくてよかったわ。そっちのほうが動きやすいしね」

 

 基本、下忍は三人一組(スリーマンセル)に、担当者として上忍をつけたものを一班とする。

 ナルトの班も、彼と一緒に、うちはサスケと春野サクラ、上忍にはたけカカシの第七班として活動しているらしい。

 このように、下忍三人と上忍一人で班を作るのが慣わしとなっている。

 

 しかし、その上忍も里にとっては大きな労働力。よそ者の新参者である紫に、そんな貴重な存在は宛がえるはずがない。

 と、紫は説明した。

 

 当初は火影は上忍を配属させるつもりだったのだ。それを紫が拒否した、先のことを言って。

 見張りとして上忍を置きたかったのだろうが、人手が足りないのも事実。已むなく、二人で一組を認めざるを得なかった。

 

 そんなわけで、これからは紫と藍に任務が与えられる。

 期待半分、興味半分といったところ。紫は楽しみにしていた。

 

 特に、中忍試験というものに。

 

 そして藍も楽しみにしていた。

 紫が最初に会った少年、ナルトに。その封じ込められている絶大な力に。

 

 大妖怪と、その従者は各々興味を持つ。

 紫の奇行に、今回は珍しく藍も乗り気だ。それ程ナルトに興味がある。

 

 二人の化物は、忍者となって暇を潰しはじめた。

 それは、永年生きてきた者特有の動機、気まぐれによるものなのだ。

 

 二人の行動は、誰も予測が出来ない。




めちゃくちゃご都合主義ですね。まあ序盤の細かい部分は適当にやりましょう( ˙³˙)( ˙³˙)( ˙³˙)( ˙³˙)
どんどん進めていきたいですね。
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