私は八雲紫、木の葉隠れの忍者ですわ   作:アナンちゃん

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フランスから予約投稿です。でもまだ飛行機の中にいるかもしれません( ˙³˙)


其の五 集う下忍達

 某日、火の国を象徴するような快晴の今日、中忍試験が開催される日である。各里の下忍達はこの日を待ちわびていた。

 中忍試験を行う会場に向かって、ぞろぞろと忍び達が歩みを進めている。皆の目指すものはただ一つ、中忍の資格だ。

 

 それは木の葉の下忍達も同じ想いだった。

 

「はあ〜やっと今日がやってきたってばよ」

「ふん……」

 

 ナルト達も会場へと向かって期待を抑えきれない様子だ。前から長い間この日を待っていたのだから、この試験に対し気合は十分といったところだろう。

 どんな試験があり、どんな相手と戦うのか。好戦的な忍び達の楽しみは尽きない。

 

◇◆◇◆◇

 

 ナルト達は下忍達が集まっている部屋へと辿り着いた。この部屋にたどり着く前に色々と悶着はあったが、無事試験に参加できるようで、サクラなどは内心はホッとしていた。

 

(ふぅ……なんとか大丈夫そうね。

 サスケくんとリーって奴との戦闘もそうだし、ついさっきあった子供騙しの幻術騒動とかもそうだし、試験前に色々起こりすぎなのよ、もう……)

 

 試験に集中していきたいサクラだったが、様々な出来事のせいで精神をすり減らし、不満の一つや二つ湧き出ていた。今ではホッとしているが、これ以上無駄に精神的に疲れたくないというのが正直なところである。

 しかし、中々そうはいかないのが中忍試験である。

 

(うわぁ……なんて人数なの……。これ全員受験生? しかもみんな、なんか凄そうな奴らばっかりに見えるわ……)

 

 下忍達の集う待合室に入った瞬間目に入ったのは、鋭い目つきで入室してくるものを睨む他の受験生達だ。模様の違う額当てを各々所持していることから、それぞれが競争相手だと認識しているようだった。試験前ということもあり、非常に張り詰めた雰囲気を醸し出している。

 

 まるで蜂の巣のように視線を当てられ、気後れしているサクラだったが、突如場にそぐわぬ幼い声が響き渡った。

 

「サスケくんおっそーい!」

 

 長い金髪を一つにまとめた少女がサスケの背後から抱きついた。どうやら彼女もサクラと同じ、サスケに対して恋慕を抱いているようだ。

 

「サスケくんから離れろーー! いのぶた!」

「あら、サクラじゃな〜い、相変わらずのブサイク〜」

「なんですってぇ!!」

 

 少女の名は山中いの言う。事あるごとにサクラと張り合っている。

 続々と他の下忍達も集まりだす。

 

「お! オバカトリオか!」

「その言い方はやめー!」

 

 ナルトはめんどくさそうに雰囲気を隠そうともしない少年達に対して声をかけた。奈良シカマルと秋道チョウジといい、いのと同じスリーマンセルを組んでいるメンバーだ。

 

「ひゃほ〜みーっけ!」

 

 また別の方向から声が聞こえてきた。肩に犬を乗せながら、挑発的な視線でナルト達を向いている。

 彼もまたナルト達と同じ同期の下忍であり、犬塚キバという。その後ろから彼の班員として、油女シノと日向ヒナタもナルト達と合流した。

 

「く〜なるほどねー、今年の新人下忍9人全員受験ってわけか! さてどこまで行けますかねぇ俺たち、ねぇサスケくん?」

「えらく余裕だなキバ」

 

 サスケに対して対抗心を募らせているキバだが、それに応酬するように不敵な笑みを浮かべたサスケ。新人下忍9人全員が受験するということで、どことなく見知った顔が増えたことから精神的に余裕のできたサクラだが、一つ疑問が湧き出た。

 

「あれ? そういえば紫さん達も新人に入るのかな?」

 

 初めて紫達に会った際に、彼女らも中忍試験に参加するということをサクラは思い出した。それを聞き、ナルトもそういえば、と声を発した。

 

「そういや受験するって言ってたもんな〜、ってことは紫姉ちゃん達も新人ってことか?」

「あん? 誰だよその紫姉ちゃんっていうのは」

 

 聞きなれない名を聞きキバはナルトへと問い返したが、疑問符を浮かべたのはキバだけではない。他の新人下忍もお互い顔を見合わせて、初めて聞く名に対し私は知らないと確認しあう。

 

「元々旅人だったらしいんだけどよ、木の葉に住みたいってことで下忍にしてもらった人だってばよ。

 あと藍の姉ちゃんって人もいるんだけど、どっちもすっげ〜美人なんだっ!」

「そうなのよ! ホントにすっごい美人さん達なんだから!」

 

 ナルトとサクラが紫達の美貌についての説明で盛り上がっている中、それを聞いているサスケは思案に耽った顔へと変わった。

 あの日のやり取りを思い出し、得体の知れない人物達だと警戒しているからである。

 

 そしてまた一人、シノもその話を聞き、あることを思い出しながら声を発した。

 

「そういえば聞いたことがある……。二人の女性が下忍として認められ、ツーマンセルとして活動していることを。

 そして……」

 

 シノの話を食い入るように皆が話を聞いている。

 ただの旅人が下忍として認められただけでなく、通常スリーマンセルとして活動するはすだが、ツーマンセルでの活動をしているという珍しさ。またナルトとサクラによるととんでもない美貌の持ち主達。

 新人下忍達が興味を持つのも当然だった。

 

 しかし、次のシノの喋る内容が下忍達をより驚愕させた。

 

「――史上最速のペースで任務を達成していっているらしい」

『!?』

 

 その場にいた者全てが信じられないと言った反応見せている。

 

 史上最速。

 

 この言葉の意味を正確に理解しているものほど、なおさら信じられない出来事だと認識しているのである。

 これは他の里ほど、もしかしたら驚く出来事ではないのかもしれない。里としての歴史が浅い国だと、記録を更新すること自体はそう珍しくないからだ。

 里の歴史が浅いということは、すなわち里がさほど大きくないことが多いと言い換えることもできる。歴史に比例するように規模が大きくなるものだからだ。

 当然、規模が小さい里は忍びの数も大国と比べると少ない。そうなると史上最速、史上最強といった言葉は、すごいことはすごいと言えるのだが、所詮小国での話だと周囲からは思われるのである。

 

 しかし、今回は違う。

 

 木の葉の里での、史上最速だ。

 

 世界で見ても、最も長い歴史を持つ里である木の葉の里での史上最速。

 

 他国との重みがまるで違う。それこそ、歴史上で見てもトップクラスのものと判断できるだろう。

 

 それを、この場にいる者は理解したのだ。

 それがどれほどのことなのかを。

 それがどれほどの能力が必要なのかを。

 

 少なくとも、旅人から忍びになって間もないような人間ができることではない。

 

 そう――人間には、できないのだ。

 

(チッ……世界は広いってことかよ…… )

 

 この話を聞き、サスケは一人毒づく。自分は強くならなくてはならない、焦りと共に中忍試験を受けたはいいが、次から次へと想像できないほどの者達が現れる。

 サスケの焦りと苛立ちは、より加速していた。

 

「おい君たち! もう少し静かにした方がいいな……」

 

 紫達のことを聞いて驚愕していた一同のところへ、眼鏡をかけた一人の男が声をかけてきた。

 見たところナルト達よりも一回り近く年上に見えるが、それに構わずにいのが噛み付く。

 

「なによあんた、偉そうに」

「こんな殺気立ってる空間の中できゃっきゃしてたから注意しようと思ってね。君たちかなり浮いてたよ」

 

 眼鏡の男は会場を見渡すように促す。改めて見るとこちらを鋭く睨み、初めよりも殺気がかなり強くなっていった。

 ふー、とため息をつきながら男は話す。

 

「まあ最初だから浮き足立つのは仕方ない。でも気をつけた方がいいね。

 ああ、そういえば自己紹介がまだだった。僕は薬師カブト、年齢でも中忍試験でも君たちよりも一応先輩だ」

 

 優しく微笑みながらも、その笑顔の中には少々自虐が混じっているように見えた。中忍試験でも先輩と言うところに恥ずかしさを感じているようだ。

 サクラが疑問に思ったようで、カブトに質問を投げかけた。

 

「えと……カブトさん? もう前に中忍試験を受けたんですか?」

「うん、7回ほどね」

「へぇ……」

 

 7回と答えた瞬間に反応に困るサクラだが、それを見たカブトは苦笑し、気を使うように別の話題へと転換した。

 

「まあ、というわけで結構中忍試験には詳しいんだ。いくつか君達にも教えられることはあると思うよ。

 たとえば……」

 

 自身のポーチからかなり量の多いカードの束を取り出した。そのうち一枚を指に挟み、ナルト達に見せるように説明を始めた。

 

「これは忍識札っていってね、たくさんの忍びの情報が入ってる。誰か知りたい人の情報があるなら見せてあげるよ」

 

 サスケがいの一番に出てきて、カブトに情報の欲しい人間の名を告げる。

 

「まずロック・リー、次に砂漠の我愛羅を見せてくれ」

「うん……これかな」

 

 二枚の取り出した忍識札をカブトは指でくるくると回し始めた。すると煙と共に、白紙だった忍識札に様々な情報が浮かび上がってきた。

 容姿や任務達成数、また戦闘スキルをグラフ化して示している。

 

「ロック・リーはこれだね、班員は日向ネジとテンテン。戦闘スタイルは主に体術で非常に伸びてるが、他がてんでダメだな。

 Dランク任務が20回、Cランク任務が11回。昨年期待の新人下忍として注目されたが、この中忍試験には出てこなかった。君たちと同じで今回が初受験だ」

 

 忍識札に記載されている情報を読み上げていく。続いて我愛羅の情報も読み上げる。

 

「じゃあ次だね、班員はカンクロウとテマリ。Cランク任務が8回、Bランク任務が1回。すごいな、下忍でBランクか……。

 他国の忍びでしかも新人ということもあってこれ以上詳しい情報はないけど……ただ、任務は全て無傷で帰ってきているらしい」

 

 読み上げられる情報を聞きサスケはより表情歪める。リーはともかく、我愛羅はこの話を聞いていても厄介な者と判断できるからだ。

 サスケもBランク、もしかするとAランク相当の任務を過去にやったが、無傷で帰ってくるなんて不可能だと認めざるを得ない。自身よりも上のランクだということを否応なしに認識させられる。

 

 そして次に、先程の下忍達との話でも出てきた、今最も気になる人物。

 史上最速と言われている、かの女性。

 これはサスケだけでなく、ナルトやサクラ、他の下忍達も聞きたいであろう者の情報を彼は求めた。

 

「……八雲紫という女の情報もあるのか」

「八雲紫……一応、あるね」

 

 同じく指で忍識札をくるくると回し始めた。情報が出てくるまでの間、どことなく緊張が走ったような空気にカブトは違和感抱いたが、構わずに続ける。

 皆が噂の八雲紫の情報を見たがっているようだ。どのような人物なのか、下忍達は札を食い入るように凝視する。

 

「……出てきたね――これは……!」

 

 さっきまでとは違う様子のものが浮かび上がってきた。

 まず容姿の記載がない。他国で情報が少ないはずの我愛羅でさえも容姿は表示されていたが、紫の姿はどこにもない。

 どのような戦闘スタイルかも分からず、分かることといえば班員が八雲藍であるということ。

 

 そして最も目を引くのは――任務の達成数。

 

「な、なんだこれは……」

 

 カブトは驚きを隠せずに声を漏らし、サスケは内心信じられないと目を剥いた。他の者もこの数字を見て同様のことを考えていた。

 

 こんなことが果たして可能なのか?

 下忍になってまだ日が浅いはずなのに――

 

 Dランク任務53回

 Cランク任務38回

 Bランク任務9回

 

 どう考えても達成不可能なこの数字、忍識札を何度見返しても、なんの変化も見られない。正真正銘、紫がこなした任務である。

 

「す、すっげぇってばよ」

(この短期間での任務達成数……どうなってやがんだ)

「これは……驚いたな、まるでベテランだ……」

 

 史上最速のペースというのは間違いないのだろう。こんな数字、過去にもできた奴がいてたまるかと、この場にいる忍び達は全員が同じことを考えていた。

 

「どんな見た目かも記録できてないほどに、本当にここ最近下忍になったようだよ、この女性は」

「もし俺と初めて会ったその日に下忍になったって考えても、実際そんなに前じゃねーってばよ……」

 

 なおさらおかしすぎる数字だ。これは忍びになってから、かなりの年数を経ないと達成できない。いくらDランクやCランクが簡単だからと言っても、時間はどうしてもかかってしまうものだ。

 新人下忍だけでなく、この情報を見たカブトでさえもこの異常さには驚きを隠せない。

 

(……こんな者が存在するのか、あの方に報告しておかなくては。とんでもなく大きい障害となり得るかもしれない……)

 

 忍識札の情報は正式なデータならば自動更新だ。名前自体登録したことは覚えているが、それから全くカブトは紫に注視してなかった。

 そういえば、とカブトは思い出したかのように過去に聞いたことを思い出す。「最近やたらと依頼の処理数が多い」という噂だ。この時、サスケのこともあってか、優秀な新人下忍が複数人現れたのかと安易に考えていた。

 

(八雲紫……彼女のことだったか……)

 

 これを機に、カブトは一気に紫の警戒レベルを引き上げた。

 

 そして、サスケも未だにこの事実を素直に受け入れることができていない。

 

(……ありえねェ)

 

 一筋の汗が頬を伝う。

 

(マジで人間業じゃねえ。物理的に考えても、こんなの不可能だ……)

 

 ナルトの話を聞いても、紫が下忍になってからまだ数ヶ月も経っていない。なのに、この任務達成数は時間で考えても、能力で考えても、如何なる方法を考えても、明らかにおかしい。

 

 サスケはある意味、限りなく正解に近い答えを脳内で反芻させていた。

 

――本当に人間じゃねぇのかもな……

 

「ハッ……」

 

 そんなわけないか、とサスケは自虐的に自らの浅はかな考えを否定した。どうやったかなんて相変わらず見当はつかない。

 そんな中、いのは疑問を投げかけた。

 

「それで、その当の本人はまだ来ないのかしら」

「そういえば、まだ見ないわね」

 

 会場を見渡すように、サクラは記憶の中にある紫の姿を探すが、どこにもその存在はない。あれだけ目立つ容姿をしているのだから、絶対に気付かないなんてことはない。

 

「時間もうそろそろよね? 紫さん大丈夫かな……」

 

 時間が近くなっても現れないことを心配するが、それは杞憂に終わった。

 

 ギィ……。

 

 会場の扉が開く音が響き渡り、受験者は一斉にその方向を向いた。

 

 入ってきた者の姿を見た瞬間、全員の目が釘付けとなった。

 

 見た目は明らかに忍者とは思えないほどの豪奢なドレスに、まるで金を伸ばし糸のように加工したかのような輝くブロンドヘア、そしてそれらをさらに引き立たせるような抜群のスタイルの持ち主の女性がこの中忍試験の会場へと現れた。

 彼女こそが八雲紫。ありえない数と言われるほどの任務をこなし、新人下忍達の話題の中心だ。

 紫の後ろをつくように歩く八雲藍も、紫に負けないような美貌の持ち主だ。

 

 磁石のように視線を集める二人は、ナルトなどの新人下忍達を見つけ歩み寄っていく。

 

「久しぶりね、ナルトくん。時間に間に合ってよかっ……どうしたのかしら、みんな私のことジロジロ見てるけど……?」

 

 きょとんとしたような顔をしながら、不思議さを交えた口調でナルト達に話しかけた。

 

「久しぶりだってばよ、紫の姉ちゃん。紫の姉ちゃんの話を聞いて、みんなすげー興味持ってんだ」

「私の話? 何か変なことでもしたかしら?」

「変なことというよりは、とにかくすげーことだな」

「??」

 

 何故自分がそこまで興味を持たれているのか本気で予測がついてない様子だ。その悩む仕草でさえも、人形のように可愛らしい芸術的なものを感じさせる。

 初めて紫達を見る者は、その美貌に対し驚きと羨望を込めた瞳でその姿を見つめる。何から何まで次元が違う容姿に嫉妬すら湧き上がらない。

 

「姉ちゃん達のやった任務の数を見て驚いてんだってばよ、こんな短い間にすげーって感じでさ!」

「あぁ、なるほど」

 

 手をポンと得心がいったように叩く。

 

「ほら私は特例で下忍にさせてもらった身でしょ? 上のランクの任務をやるのに、普通よりも厳しめの条件だったのよ。

 だから多く感じるってことだと思うけど……違うかしら?」

「なるほどなぁ〜、でもそれ抜きにしてもとんでもない数だってばよ。何かコツみたいのがあんのか?」

「ふふ、企業秘密ー。女性の秘密を暴こうとするのはダメよ〜」

 

 ナルトの口を塞ぐように人差し指をつける。ナルトの頬は若干赤く染まった。

 

「えぇーずりぃよー! いいじゃんいいじゃん、ちょっとでもいいから教えてくれよ〜!」

「教えたところで貴方達じゃできないわよ、まあ諦めなさいな。

 さて、そろそろ時間かしらね?」

 

 ちらりと会場の時計を見て、試験の開始時刻が近いことを確認する。見たところ、もうほとんどの受験生が集まっており、いつ始めても問題がないほどだ。

 

(なーんか私のことを監視するような目が多いわね、ゆかりんは魅力的すぎちゃうのかしら……罪な女ね)

 

 戯けたことを考えるが、そんなことを本気で考えるほど紫は馬鹿ではない。単純な頭脳でも幻想郷随一と言われているほどだ。冷静に思考することができる。

 

(まあ、こうなることは予想がついてたわ。敢えて面倒ごとに巻き込まれるために意図的に目立つ行動をしてきたのだから。

 この世界、そろそろ面白くなってきそうね)

 

 大妖怪は暇を持て余しているがために世界を闊歩している。自身が楽しむためなら種をそこら中に巻き続けるだろう。紫の期待は徐々に膨らみを帯びてきた。

 

 時計が予定時間をちょうど指したとき、会場の前方に煙がボンと巻き起こった。その煙が晴れると、そこには多数の試験官と思わしき者たちが現れ、全受験先の視線はそちらに移行した。

 試験官達の中で最も目立つ風貌をした男が声をあげる。この中でのリーダーを務めているのだろう。

 

「待たせたな……中忍選抜第一の試験、試験官の森乃イビキだ」

 

 受験生全員に語りかけるようにイビキは開始を告げる。

 

「ではこれから、中忍選抜第一の試験を始める。座席番号の札を受け取り、その指定通りの席につけ!

 その後筆記試験の用紙を配る……」

「へっ?」

(へっ?)

「ペッ……ペーパーテストォオォォオ!」

(ペッ……ペーパーテストォオォォオ!)

 

 ナルトと紫の感情が一致した。しかし、その理由は大きく異なる。ナルトは学力的な意味で筆記試験が苦手なだけだが、紫はとてつもなく頭が良い。他に理由があるのだ。

 

(な、なんで忍者の世界まで来て筆記試験なんてやらなくちゃいけないのよ! 全然忍者っぽくなぃ……)

 

 忍者のような試験を期待していたが、全くの想像外の試験だったので落胆してしまう。

 様々なルールを説明されたが、いずれにしても紫達にとっては簡単な試験だったため、大したことは起きずにそのまま第一の試験通過した。

 

 試験中は何かと騒動が起きていたが、紫にとっては気に留めるほどのことではなかった。

 

(はぁぁぁ……つまらないいいぃぃぃ)

 

 退屈な時間を過ごした紫だが、次の第二の試験の内容は元気を取り戻すような内容が行われることになる。

 

 第二の試験は、『忍者っぽい』サバイバル合戦だったからだ。

 

 紫達の能力が徐々に発揮されていく。




この小説の方針としては原作と変わらないストーリーの場合は基本的に端折ります。紫達が関わることで変化した部分だけ描写したいと考えているのでご了承下さい(>人<;)
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