寝たいです、マスター
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「ふふ。使わせてもらうわよ、エクター」
◇◆◆
高原に炎の柱がそびえ立つ
全てを飲み込んでしまいそうな勢いだ。
実のところ、聖剣の中ではこれが一番怖い
あーぁ。暑くるっしいたらありゃしない
なぁ、グリン師匠
ひひーん。
だよねぇ。ちょーわかるー
したり顔で相槌を打ってくれる同僚の馬がなんだかとても愛おしい。具体的にいうと顔とか。
「_____ガラティーン!!」
最後の柱が燃え上がった。
「...おっと。
ガウェイン卿、大丈夫ですかー?」
「ええ、こちらは終わりました
...ところで、エクター。先程から私ばかり働いているように思えるのですが」
彼の目がジッと細められた
その、深い海色の瞳は一人の女性を想起させる
あまり心地いいとは思えない思い出と共に
「あ、あぁ申し訳ない
なにぶん後ろから刺すのが得意分野でして
こういった、あっぴろげな戦いは些か苦しいのですよ」
なんとなく背筋に冷たいものが当てられた気がして、さっと思いついた戯言を口にした。
何故だか、体が怠い。
「適材適所というのは分かりますが...貴方は十分戦えるでしょう?」
ふんわりとウェーブがかかった金髪が揺れる
王とはまた違った気品がある容姿だ。ご婦人方には、こういう誠実さが感じ取れる男の方が人気があるのだろうか。....不毛な話だ
目の前の彼とあの彼女には決定的な違いがある
「私の蟻みたいな助力なんて、太陽の如き貴方の前には無意味も同然
そうだろ?
陰ながら見守らせてもらいますよ、ええ」
◇◇◇
前に、お会いしませんでしたか?
...それナンパ?千年前の?
確かに常套手段ではありましたが...
いえ今のは違いますよ?
ふーん。...マシュに何か用?
...ひとつ、聞きたいことがあります
あの、ところでマスター。...何故彼女を庇うのですか?
私何かしました?
自分の胸に聞いてみてください。
あと目がやらしい。スケベ、なんか最終回で裏切りそう
マシュに近づいちゃダメ。です
先程のことは本当に謝ります、マジで
...そうですね、騎士王に誓ってもうしません
きしおう?って...
...先輩、敵性反応です!
千年ぶりの休暇かと思ったんだけど
はぁ。ここも大概地獄だなぁ
...大丈夫、かな
ご心配なく、マスター
後ろから刺すのは得意なんですよ
先輩のこと、信じてます
私たち、先輩に指一本触れさせたりしませんから
...うん。ありがとう、ふたりとも
(...お嬢様
私の....とても、大切な人に貴女はよく似ている..気がする
あぁ思い出せない。なんだ、これは )
読んでくれて...まじ卍...
幽霊っていつの時代からいるのかなぁ