空に輝く十二の星々   作:奥二重

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微趣注意(r-17まではいってないハズ………………!)

ネタ提供者:「あさり」さん
Twitter(@whitesakananek)

ありがとうございます


八重の桜と猫の声

2月22日。世間では今日は猫の日などとされて随分と持て囃されているらしい。

電脳世界もそう変わらないのだが、最近イベント事とはご無沙汰であったし、この熱気に乗ってもよいのではないだろうか。

私─八重沢なとりは携帯の中の賑わいを寝ぼけ眼をこすりながら見て、そんなことを思った。

それならばハロウィンの衣装に近いものがあった筈だと布団から這い出て洗面所へと向かう。冷え込むこの時期の洗顔は爽快感よりも寒さの方が勝る。

 

「~~~~っ」

 

手早く済ませて軽く髪の乱れを直すために鏡に向き直る。

するとそこには、頭頂部でゆらゆらと揺れる信じ難い物が映っていた。

 

「な、な……んなぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

冷たくも穏やかな澄んだ冬の空に、猫のような(・・・・・)絶叫が響き渡った。

 

 

 

 

──────────

 

「ふ……わあぁぁぁ」

 

時刻は8時40分。世間的には遅刻とされる時間に大きな欠伸をしながら歩く学生が一人。

 

(レートを戻そうと躍起になったのがマズかったなぁ……)

 

生徒の模範となるべきはずの生徒会長、夜桜たまは銀色の髪を靡かせのんびりと学園へ歩を進めていた。

 

(まぁ、なとちゃんに叱られるのは悪くないもんね)

 

顔を緩ませながら歩いている内に学園が近づいてくる。あぁ、きっと今日も可愛らしくぷりぷりと怒っているのだろう。

 

「──あれ?」

 

しかしそこには無人のばあちゃる学園の校門。いつもならばギリギリまで稲鞭を持って待ち構えている筈なのだが。

一体どうしたのだろうか、と考えていると視界の隅で何かが動いた。

 

「風紀室?」

 

ばあちゃる学園の校門のそばの風紀室。そこの窓に、影が映ったような気がした。もしや彼女は仕事の真っ最中なのだろうか。

もしも予想通りならば──驚かせてみよう。

そんな悪戯心が沸いた私は風紀室のドアノブに手を掛けて思いっきり開け放った。

 

「なっ、とっ、ちゃーーん!もう授業の時間だ……ぞ?」

 

「あ、え!?会長なんでここに!」

 

そこには私の待ち望んだ彼女が居た。ただし──お尻のあたりから伸びてフリフリと揺れるしなやかな尻尾。髪と同色のピンと立った猫耳を隠そうとする、想像だにしなかった姿であったが。

 

 

 

【事情説明中】

 

 

 

「なるほどねー。猫の日だからか」

 

「釈然としませんが……プロデューサーが言うにはそのようです」

 

私たちアイドル部のプロデューサーであるばあちゃること馬P曰く、この気合いの入ったコスプレのようなこれはバグのようなもので、時が経てば戻るとのこと。

長くても今日中には元に戻るし、なんとなく猫のような衝動に駆られる程度でそれ以上の害らしき害はないらしい。

今日は一日、課外活動という扱いで出席にも影響はないとのこと。

流石電脳世界の学園、緩いなぁ。

 

「でも、見れば見るほど凄いよね。まるでずっと前から生えてたみたいな」

 

そういってたまはなとりの髪を梳きながら頭の上で揺れる猫耳を弄り始める。

 

「うぅ……恥ずかしいです」

 

「ハロウィンの時はノリノリだったじゃーん。似たようなもんじゃないの?」

 

「そ、それはそれで今とは違うんですぅ!」

 

なとりは真っ赤になって否定する。よく分からないが、彼女にとっては重要な部分なのだろう。

──しかし、なんともけしからん姿だ。とたまは思った。

物音がする度に猫耳をピクピクと揺らし、顔を赤らめながら周囲を伺う様はどこかイケナイコトをしているような連想をさせる。

極めつけは尻尾だ。そもそも尻尾があることを想定していない服のため、必然的にそれはスカートを持ち上げるように服の下から伸びている。

そのため元より短いスカートが捲れて、先程からチラチラと眩しい白いものが見えてしまっている。しかし決して下品ではなく、なんというか素晴らしきチラリズムを体現している。

 

「…………」

 

魔が、差した。手を伸ばしてむんず、と尻尾を掴む。

 

「ひゃあ!」

 

と、彼女はとてもかわいらしい悲鳴を上げた。

それと同時に毛がブワリと逆立ち、一瞬でたまと距離を取る。太くなった尻尾を抱えるようにして頬を朱に染めながら涙目で訴えている。

ぞくり、とするその仕草。心のどこかに火が点いた。

 

「…なーとーちゃん♡」

 

たまはなとりの腕を掴んで備え付けのベッドに彼女を押し倒す。

 

「え、え?会長、そのなにを……」

 

なとりはまだ理解が追い付いていないようで、なすがままだ。

 

「なとちゃんが、悪いんだよ……」

 

たまはベッドに膝をつけ、なとりに覆い被さるようにして獣の耳に甘く囁いた。

 

 

 

 

2人だけの風紀室。八重の桜が咲き乱れた。

 

 

 

 

 




ぶつ切りオチですまぬ……どうしても筆が趣を書いてしまうんだ。
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