空に輝く十二の星々   作:奥二重

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【微趣注意】
cepnのようなpnceのようなもの


Your Lord

 

「…………」

 

「…………」

 

ベッドの上のちえりとピノ二人の間にもどかしい沈黙が流れている。

切欠はとても些細な事だ。カルロ家に遊びに行ってお喋りをしていた。その際、恋愛的な話になって、ちえりに「お子様」と煽られたピノが皮肉で返し、言い合いになった。

それだけだったらいつも通りの“ターン制お嬢様バトル”だったのだが、ちえりがピノをベッドに押し倒して驚かせてやろうという思い付きを実行に移した結果──現在に至る。

 

(うっわ……いい匂いがしてヤバイわー。てか細っこい)

 

虚を衝くために手首を捕らえて押し倒したため、顔と顔を至近で突き合わせている状態だ。そんな体勢だと必然、色々な事が分かる。

長い睫毛、驚きに見開かれる銀河のような不思議な色合いの瞳。赤く色付く頬、すうっと通った鼻筋。ぷるぷるの唇、握った肩の細さ。

香水か、はたまたこれこそが彼女の匂いなのか。子供ではないが、大人でもない。まさしく女性になりかけているような、曖昧な境界線。

天蓋付きのふかふかのベッドはもちろん上質で、2人分の体重を受けて尚、小さな音を立てて沈みこむだけに留まる。

静寂が支配する空間で心臓がドクドクと脈打つ音だけが耳に届く。もしかしなくても相手に聞こえてしまいそうな程の距離。だって、息遣いまで手に取るように分かるのだから。

ピノはなだらかな胸板を浅く上下させるばかりで腕に力を入れているようには感じられない。それどころか脱力しているように思える。

チラリと顔に視線を戻すと、潤んだ銀河がこちらをジッ、と見つめていた。

 

(──これで終わりですの?)

 

そうとさえ取れる挑発的な眼光。赤くなってる頬を隠しきれていないとか、強がりなだけなのは分かりきっているだとか、そんなことなんてどうでもいい。

今、わたしを動かしている燃料(おもい)は、「お姉ちゃん」としての意地だ。

ならば。望むなら。見せてやろう。やってやろうじゃないか。

 

(後悔しても、知らないよ)

 

視線でそう伝えるように一瞥する。肩にかけた手をゆっくりと離して体勢を整える。乱れ拡がるシルクの銀髪が、瞳と同じように室内灯の光を乱反射させて輝く。

きっと今、己の顔は朱に染まっているに違いない。耳の裏でけたたましく鳴る鼓動を振り切って、彼女の服─その合わせの部分に手をかける。

一番下のボタンだけを外して肌を露にする。染み一つないスベスベの肌。その上で指を踊らせると彼女はむず痒さに身体をくねらせる。

逃がさない。

彼女の腕と腰をホールドして、ベッドに沈みこませるように押さえ込む。お臍の少し上のあたり、はだけたその部分に

 

「ちゅっ」

 

口付けた。

 

「ちゅっ、ん……ん~~~~~~」

 

二度目は、跡を残すように吸い付いて。

押さえ込んだ腕から逃れようと抵抗する力が伝わるが、上からガッチリと抑え込んでいるため身悶えているようにしか見えない。

 

「ぷぁ…………は…。どう、よ………まだお子様じゃないって言う?」

 

ほんのりと桃色に色付いたピノの白磁の肌。その中でも一際濃く色付いた部分を見てちえりはにんまりと笑みを浮かべ、唇をペロリと舐める。

彼女の方に目をやるとなだらかな山が浅く、早く、上下に乱れていた。頬が紅潮して目元が潤んでいる。薄く開いた唇が艶かしくて目を奪われる。

 

「………と……」

 

彼女の漏らした声にハッと我に返る。

 

「もっと、して…ください……」

 

蕩けた声、表情。その全てが私を狂わせる。

花が自らの種の保存のために虫の生態に適応進化したように。

むしろ私が教え導く側である筈なのに。教えられているのはコッチだ。私の方が、お姉ちゃんなのに。

この熱はまだ、冷めそうにない。

 

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