空に輝く十二の星々   作:奥二重

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また書いてしまった。ありがとうございます

ネタ提供者:灰無さん
Twitter( @kaim_lvksar )


Sweet Sweet Cherry

どうやら私は守られているらしい。

 

「おっ!かわいい娘はっけーん………チッ、いいところで誰だよ……」

 

「はいはい……教授!?いや今バイト先に居てすぐは……上?…………すぐ行きます」

 

今も私をナンパするつもりだった風のチャラい男が去っていく。そしてそのすぐ側の物陰から不思議な色合いの髪の少女が携帯片手に現れる。

こちらの姿を認めるとにこりと微笑んで歩を進める。

 

「お待たせしました、ちえりお姉ちゃん。何もありませんでしたか?」

 

「大丈夫。ピノちゃんは心配性だなぁ」

 

それじゃ行こう、とピノを従えて大学の門を潜る。

 

「今日は服を見に行くんだよね」

 

目的地への道中で今日の予定を確認する。少し高い位置にある彼女の頭が縦に振られる。

こうやって並ぶと昔は私の方が高かったのに……とどうしようもない事を考えてしまう。しかも彼女は飛び級で私と同じ学年になっており、お姉さんとしての威厳がピンチだ。

 

(ちら)

 

うん。まだ大丈夫だ。

以前よりは膨らみを増した─しかしまだ小さな─なだらかな丘と自分のそれとを見比べて心のなかの球審がセーフのポーズを取る。

そんなことをしている内にもう一人との合流場所へ到着。

 

「はぁ……ごんごんお姉ちゃんはまた遅刻ですか」

 

「みたいだね」

 

メールアプリの画面にいくつも写し出された謝罪スタンプをピノに見せる。

やれやれと頭を抱える彼女を呼び寄せて近くのベンチに座る。最後の連絡からみるに5分もすれば来るだろう。

ピノは一度周囲を見回してあの輝くような金髪を見つけられなかったのか、もう一度ため息をついてから隣に腰を降ろした。

平日の昼とはいえ、若者の街と評されるこの街は騒がしい活気に包まれていた。そこかしこで派手な服装の男女が往来を賑わせている。

 

「あ」

 

数分後、隣の彼女が小さな声を上げる。顔を上げると待ち人がようやく来たみたいだ。

 

「ごめーん遅れた!」

 

「いろはちゃん。まぁ私たちもさっき来たところだから」

 

たはー、と謝罪する金色の彼女。この無邪気な笑顔を見ると私は怒る気力が削がれるのだが、もう一人はそうではないらしい。レディーとしての嗜みを説く彼女を宥めつつ目的地へ向かう。

目的のお店があるビルに入り、ついでに色々な店を冷やかして回る。眼鏡屋、本屋、雑貨屋を巡って遊び歩く。

 

「あ、これ──」

 

ふと目に入った可愛らしい髪飾り。その元へ歩を進めようとしたらいきなり後ろから手を引かれてたたらを踏む。

 

「ねね!ちえりちゃんアレ見て!すごーい!!」

 

そのまま彼女に手を引かれてものすごい速さで雑貨屋の前から離されていく。チラリと振り返ると柄の悪そうな男がキョロキョロしながら歩いている姿が視界に入った。

 

 

 

──────

 

「いやー、楽しかった!」

 

「ごんごんお姉ちゃんはハシャギすぎですわ」

 

流れでお泊まり会をしよう!ということになりちえりの家へお邪魔する一同。

テーブルの上には買ってきたおつまみが一面に広げられ、真っ赤なワインが注がれたグラスが室内灯を反射して一層紅く輝いている。

騒がしい二人とは対照的にちえりはぼんやりと浮いた目でグラスを眺めていた。

 

「お嬢どしたのー?酔っちゃった?」

 

「あら、大丈夫ですの?」

 

両サイドから声を掛けられてゆっくりと視線が持ち上がる。

 

「いや…二人ともちえりを守ってくれてるなー、って思って。今日だけじゃなくて、ずっと、前から。嬉しいけど、そこまで弱くないっていうか……」

 

徐々に尻すぼみになっていく声。恥ずかしさに気付いたのと酔いの残る頭で言葉が上手く出ずに拗ねるような物言いになってしまう。彼女たちもキョトンとした表情で互いに見合わせている。

 

「「……」」

 

「あー、なんていうんだろ。勘違いかもしれないけ…ど?」

 

話を遮るようにしていろはに肩を押されてピノに寄りかかるようにして押し倒される。

わけも分からず見上げた先には笑顔のピノ。視線を戻すと肉食獣のような眼光を湛えて舌舐めずりをするいろは。

 

「そういうつもり……ではあったのかな。うん」

 

「まあ、悪い虫をつけないという意味ではそうですわねぇ」

 

「「だって──」」

 

何か二人とどこかが噛み合っていないことに混乱するちえり。その間にも二人の手が着ていたジャケットに伸び、脱がされる。

そして、混乱の収まらないちえりの頬を愛しそうに撫でながら彼女たちはこう言った。

 

「ちえりは」

「ちえりお姉ちゃんは」

 

「「私のものなんだから」」

 

 

 

 

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