ゼロの劣等生   作:かんね

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達也とルイズが話すだけで終わってしまいました。


三話 達也の勝利条件

達也はこれまでのやり取りで、

このトリステイン王国には『平民』と『貴族』という身分が確立している程に強固な身分制度が存在することが分かっていた。

そんな中で「ルイズ」と呼ばれる子は、その性格やこれまでの立ち振る舞いを見る限りその『貴族』にあたるものだと考えた。

 

そして今、達也は帰る手段の手立ても、状況もいまいちまだ掴めていない。しかも今までの主な情報提供者である、四葉家も今は使えない。

よって『貴族』であるだろう「ルイズの家」から帰るための情報提供をさせることが達也の「ルイズ」とのやり取りの勝利条件となった。

 

「ルイズ?で合っているか?」

 

「ええそうよ。名乗ってないと思うんだけど」

 

「野次で聞いたから分かる。

ルイズ、お前は使い魔が必要なのか?」

 

「おっしゃる通りよ。使い魔がいないと進級もできないのよ…」

 

「1つの条件を飲んでくれるのなら、使い魔という名の下で、俺はルイズの守護者をやってもいい。

これ以上の譲歩はできないが」

 

達也に「正式な使い魔にはならない」と間接的に言われ、ルイズは唸り、コルベールに視線で意見を求める。

それに答えるべく、コルベールが

「正式な使い魔でしか認めません」と言おうとした瞬間、達也は殺気立った視線をコルベールに向ける。コルベールは達也に対する恐れを本能的に感じたため、

 

「きょ、許可します」

 

と不本意ながら許しを出す。

達也に雰囲気で圧倒されたコルベールは生徒たちの視線に居心地が悪くなり、すぐさま

 

「こ、これで召喚の儀を終えます」

 

と言って逃げるように去っていった。

そして生徒たちは、それぞれの使い魔と交流した後、皆自分の部屋に戻っていった。

 

 

 

 

夜になって召喚の儀による学校全体の騒がしさも落ち着いてくると、ルイズは改めて進級が決まって、ホッとした一方で、達也が求める条件に少しヒヤヒヤし始めた。

 

普段なら嫌なことからは、逃げるルイズだが、ここで逃げると達也に負けた気になるのでルイズは達也にその条件を聞く事を決心した。

 

 

「で、今日言ってた条件って何よ?」

 

と恐る恐る達也に尋ねる。

 

「ルイズの家は貴族だな?貴族であるルイズの家に俺の帰る方法を調べてもらうことだ。」

 

「帰る?わたしにあんたを異世界人と認めろと?…というか、何でわたしが貴族ってこと知ってるのよ!」

 

「お前達のこれまでの立ち振る舞いを見たらお前達がその『貴族』である事は直ぐ分かる。特にルイズ、お前は分かり易かった。」

 

達也はルイズを「高飛車で子供っぽい」ルイズの性質を示唆して言ったが、ルイズは達也に褒められたと勘違いする。

 

「そ、そう!わたしの溢れんばかりの高貴な貴族オーラがあんたにも感じられたのね?」

 

「あぁ。(…誤解している様だが、まぁいい。)」

 

と、誤解したままの方が好都合に思い、達也は話を続ける。

 

「話を本題に戻すが、俺が所謂、異世界人であることは別に信じなくてもいい。ただ、お前の家に俺が日本に帰る方法を調べさせてくれ。」

 

「そう。それだけなら条件を飲むわ。」

 

達也の提示した条件が情報提供である事に、ルイズは安堵したのか

 

「じゃあ、私はもう寝るわ」

 

と言いながら、服を脱ぎ下着姿になるルイズに、達也は焦る様なことはなかったが、不用心だなと思うのだった。

 

 

 

 

ルイズが寝た頃、達也は転移させられた瞬間を思い出し、後悔していた。

 

「(俺を日本から此処に転移させた起動式さえ見ていれば、今頃には戻れていたかもしれないな。)」

 

と普段ならあり得ない、「仮定の話」を出す。

 

そのことで、自分が精神的に疲れていることに気づき、達也もまた睡眠に入るのだった。




達也の殺気のこもった視線は、恐ろしいでしょうね。コルベール先生の態度も仕方ありません。

ここで達也は1つ勘違いをしています。仕方ない事ですけどね。

誤字報告ありがとうございます。
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