めっちゃ短いです。
達也の朝はとても早い。
日本にいた先日までは、早朝に八雲の下で体術の稽古をしていたが、トリステイン王国にいる現在は、達也の脳内の仮想敵の動きに合わせて稽古をしていた。
そんな稽古中の達也の動きは、余りに人間離れで、舞のような美しさも兼ね備えていた。
そんな達也の姿を見ていた柔らかな雰囲気を持つ、黒髪の女の子は、達也の動きに見惚れていた。
「(誰かに見られているが、中断する必要もないだろう)」
と達也はその黒髪の女の子の視線を無視し、稽古を続けた。
達也が稽古を終えると、その黒髪の女の子が近づいてきた。
「あっ…あの、このタオル使ってください!」
と、達也にタオルを差し出す。
達也は、この子が自分の稽古を見ていた事を知っていたので、予め自分の為に用意していてくれたことをここで理解した。
「ありがとう。使わせてもらおう」
達也は普段なら、稽古後には汗を皮膚と服から分解するのだが、この様な場面でそんな無粋な事はしない。
「さっきの動きは、すごかったです!
私もう、目を奪われちゃってまじまじと見てしまいました。あれは一体何なのですか??」
と、少女は首をかしげる。
「さっきのは、単なる体術の稽古だ。早朝に稽古をするのが俺の日課なんだ。
君はこんな朝早くから何をするつもりだったんだ?偶然、起きたわけでもないだろう?」
と達也に言われ、何かを思い出したようで、
「あっー!!洗濯、忘れてました!どうしよう。これじゃ朝の準備に間に合わない!」
と慌てふためく。そんな姿を見て、達也は救いの手を差し伸べる。
「そういう事なら、俺も手伝うぞ。俺にも責任があるからな。」
「そんな!責任だなんて。で…でも、ご好意に甘えてもよろしいですか?」
「あぁ。全く問題ない。」
と達也が返すと、嬉しそうにその女の子は達也と洗濯をしに向かった。
洗濯をしている際中も、その女の子との会話は楽しげに進んだ。
「あ!そういえば、まだ自己紹介をしていませんでしたね。私はここで貴族の方々にご奉仕している、シエスタです。そのままシエスタと呼んでください!」
とシエスタは達也に柔らかな笑みを浮かべ、達也に視線を向ける。
「俺は司波達也だ。達也と呼んでくれ。」
「んー。あっ、ということは、ミスヴァリエールに召喚の儀で呼ばれた、あのしばたつやさんですか!
それなら、学院中で達也さんの話で持ちきりになるのも理解できました!」
「なぜ理解できたのか気になるが、話が広まっているのか…」
「はい!高身長で爽やかな男の人が呼ばれたっていう話でしたよ。そんな女の子たちの反応に、男の子たちは達也さんに嫉妬しているとのことでしたよ?」
とシエスタが嬉しそうに話すが、達也は
「そうか。」
と苦笑いで返すのだった。
他の方のSSを読むと、自分の書いている文章がいかに稚拙か分かりますね。
でも、まだまだ書いていきます(笑)