ゼロの劣等生   作:かんね

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サブタイトル通り、朝食だけです。


六話 朝食

ルイズは達也を連れ、食堂のような縦長の広間に入る。

ルイズに続き達也も入ると、その広間には何十人と座れるであろう長机が二脚あり、その上には豪華な食事が用意されており、既に殆どの席は埋まっているように見えた。

 

他の生徒は、入ってきた達也に注目する。

噂で広まっていた達也の整った容姿を一目見ようとする女子達、そんな女子達の興味をかっさらっている達也に対する嫉妬が渦巻く男子達、両者の違いはあっても、注目しているのは同じだった。

 

これほど大多数の視線を集められ、

 

「(俺が召喚された事が、それほど好奇心がそそられる事なのか?)」

 

と、居心地が悪く感じていた。

 

部屋を長机に沿って進み、ルイズが長机の真ん中程まで来ると、二席続いて空いていた手前側の椅子に座った。それを見た達也は、同じようにルイズの隣に座ろうとする。

 

 

しかし、ルイズがそれを止めた。

 

「ここに座っていいのは、魔法が使える貴族だけよ!あんたは こ・こ!!」

 

とルイズは指で自分の足元を指す。この発言で達也は困惑と同時に、自分の誤解を認識する。

 

「(『魔法が使える貴族』?どういう事だ?トリステイン王国では、魔法が使える者が貴族で、そうでない者が平民なのか?)」

 

この瞬間まで、達也は過去の日本の『平民』と『貴族』の違いを、ここトリステイン王国における『平民』と『貴族』の線引きに、重ねていた。そんな誤解が解けたのだった。

 

「(そうなると、トリステイン王国の形式に則るならば、俺も『貴族』というわけか?)」

 

と、達也の脳内では、嘲るようにそんな思考をしていた。

 

「俺も魔法を使うのだが…」

 

達也がそう言うとルイズは間髪入れずに達也に怒鳴る。

 

「使い魔は普通ここにも入れないのに、特例としてあんたを入れてあげてるのよ!

それなのに嘘までつくわけ?!」

 

「今日の朝ごはんは抜きよ!あんたは、外にでも行ってなさい!!」

 

何を言っても、今のルイズには聞き入れてもらえないだろう、と考えた達也は、ルイズに反論する事なく広間を出て行く。

 

そんな達也に対してルイズは、広間を出て行く達也を惜しそうに視線で追う女子達を睨むのだった。

 

 

 

 

 

達也が外に出て、この空いた時間に何をしようか考えていると、

 

「達也さん、今から食事ではないんですか?」

 

と背後からシエスタから声を掛けられた。

そんな純粋な疑問に達也は苦笑いで答える。

 

「ルイズを怒らせたようで、追い出されてしまった。」

 

「と言うことは、まだ朝ごはんを食べてないんですか?」

 

「あぁ。」

 

「それなら洗濯を手伝ってもらったお礼に、朝ごはん用意しますよ!朝に稽古をされたんですし、食べなきゃダメですもん!」

 

とシエスタが嬉しそうに提案する。

 

断る理由も無かった為、

 

「あぁ。頼めるか?」

 

と受け入れる。それにシエスタは快く返事をして、達也を厨房に連れて行った。

 

 

 

 

 

日本にいた頃の達也の食事は普段、深雪が作っていた。深雪の料理の腕は高級料亭で出されてもおかしくないようなレベルであった為、達也の舌はかなり肥えていた。

それにも関わらず、厨房で出された料理はそれと遜色のない美味さだった。そのため、それを料理人に素直に伝えると、気に入られたのか、「これからも来てくれ」と言われ達也はこれからの食事に困る事は無くなるのだった。




これまで、私はSSを書く側ではなく、読む側でした。そして、その中でSSとは、「気に入らないならば、見なきゃいい」という代物だと考えておりました。ですが、それが全ての人に通用するものではないと今回初めて書かせて頂いたこのSSの感想にて、実感致しました。



このSSの続きを書くのは止めましたが、それまでに書き終わった8話までは予約投稿で投稿いたします。(こんなSSでもある程度の時間をかけたので)
こんなSSをここまで見て頂きありがとうございました。
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