達也は朝食を食べ終えると、シエスタと料理人にお礼を告げ、厨房を出た。その時、ちょうどルイズが外に達也を探しに来ていたため、自然と合流することとなった。
他の生徒たちは、それぞれの使い魔たちと思われる生物と戯れており、それが目に入った達也は、ルイズに問いかける。
「ここは魔法学院なんだよな?授業は何時から始まるんだ?」
「そうよ。だけど、今日は授業はないわ。使い魔との交流をするためにね。」
「なら、俺たちはどうするんだ?」
「そこのテーブルでティータイムにしましょう。それなら時間も潰せるわ。」
ルイズの提案によってティータイムーー紅茶を飲むことになったのだった。
そんな2人のティータイムが始まって5分程経つと、達也に女子達の視線が集まっていた。
達也が紅茶を飲む姿はどこか気品があり、『貴族』以上に貴族の雰囲気があった。
その為、貴族である生徒の中にも、そんな達也の姿に憧れる者さえいた。
その中の一人が、モンモランシーこと、モンモランシー・マルガリタ・ラ・フェール・ド・モンモランシであった。
モンモランシーには、ボーイフレンドのギーシュ・ド・グラモン、通称 ギーシュがいる。
そんなモンモランシーの姿を見たギーシュは、懸命に彼女の気を引こうとあらゆる手を尽くすが、無念に失敗し、逆恨みのように達也に怒りを向ける。
そしてギーシュは策を瞬時に練った。
「(みんなの前で一対一の決闘であいつを無様に倒せば、あいつの評価も駄々下がりだろう)」
そんな悪巧みをするギーシュだったが、普通、平民を一方的に魔法で攻撃することで、モンモランシーのギーシュに対する評価が下がる事が先に浮かぶだろう。
しかし、それ以上に達也に対する嫉妬と怒りが強く、冷静に考えることが出来なかった。
「おい!そこの平民!お前に決闘を申し込む!」
と、ギーシュが達也に怒りのこもった視線を送る。
「何故、そんなことになった?というか、この男は誰だ?」
と達也がごく当然に浮かぶ疑問をルイズに小声で問う。
そんな達也にルイズは、
「有力な名門グラモン伯爵家の息子の『青銅』の二つ名を持つギーシュよ。多分、隣にいるモンモランシーがあんたに気を引かれてる事が原因よ。」
と、冷静に分析する。
「(とんだ八つ当たりじゃないか。)」
そんな風に考えた達也だったが、1つ疑問が生じた。
「こいつは、青銅を生み出せるのか?」
「そうよ。だからそう呼ばれてるんじゃない!」
そんなルイズの返事を聞いて、何か思いついたように達也は悪魔も恐れるような笑みを浮かべるのだった。
原作のままだと、達也が戦ってくれなさそうだったので、改変しました。