殺伐とした別世界に、突如として変態なる国家が並行世界より来たる   作:ELDIAN

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第43話:歓迎されぬ訪問者達(5) v0.0

_皇城内、秘密裏に制作された警備隊司令所

 

 

 ガチャンッ!

 

 警備隊幹部たちが顔を合わせあって議論をしていると、突然秘密通路行きドアが勢いよく開き汗を大量に書いた二人の警備兵が現れる。

 

 「は、はぁっ・・・はぁっ・・・」

 

 「な、何事だね!?」

 

 警備隊幹部たちは目を見開き、ドアの前に立っている警備兵たちを見つめる。

 

 「て、敵はパン・ジャンド・ラムを全て撃破しましたッ!先ほど使い切ったのでもう在庫はありませんッ!」

 

 『なんだって!?』

 

 幹部たちは頭が混乱する。第一階層通路を密集隊形で通過中の敵を大量のパーン・ジャンド・ラムを使用し敵を撃滅する算段だったのだが、それが効かないどころか全て使用してしまったとなれば、第二第三階層に設置された罠で敵を止める他ない。

 

 「警戒度を最大に引きあげろ!何としても皇帝が脱出するまで足止めをするんだ!」

 

 幹部は魔導師にそう伝えると、警備隊司令所の中央にある机の上に敷かれた皇城内地図見る。

 

 「さて・・・次はいったいどうするか・・・」

 

 幹部たちは頭を抱えて悩む。

 

 「やはり『アレ』を使用するしかないのでは?」

 

 幹部の一人が提案する。

 

 「だがな・・・あれはやっとの事で使役したものだ。本当に危険な時でもなければ使用は許されんと思うぞ?」

 

 「ですが・・・」

 

 「まぁ、確かに言い分は分かる。だが『アレ』はそれほどまでに危険なんだ。現に、あれの維持だけで何人が失神したか・・・貴様も知っているはずだぞ?」

 

 幹部はため息をついて言う。

 

 「・・・やはり、現状この城に残された兵力だけで防衛するしかないんですか?」

 

 幹部は警備隊長に尋ねる。

 

 「ま・・・そうだろうな。敵の大規模攻勢だと言う噂も流れている。事実、市街地では目下戦闘中だしな」

 

 「援軍には期待できない・・・と?」

 

 「そうだ。市街地の敵部隊掃討が先だからな・・・援軍が来るのは早くても数時間後だろう」

 

 「それまで耐えれるんですかね・・・ここ」

 

 「頑張ればなんとかなるだろ!」

 

 警備隊長はすました顔で堂々と言い放つ。

 

 「そ、そうですか・・・」

 

 その後も、作戦修正は万が一の事態に備えて継続された。

 

_皇城、第二階層

 

 「ひ、広いな・・・」

 

 隊員たちは階段を登りきったあとすぐに現れた、異常なまでに広い空間に驚きを隠せないでいた。壁に配置された複数の巨大なステンドグラスからは淡い光が床に写され、なんとも幻想的な風景となっている。

 

 「これも罠かなんかの類ですかね?」

 

 「さぁな。とりあえず進むぞ!」

 

 『了解!』

 

 隊員たちは体調を先頭に配置した縦隊で警戒を止ませることなく部屋の奥へと進んでいく。

 

 「そういえばさ」

 

 隊員の一人が口を開く。

 

 「ん?」

 

 「俺さ、今度結婚するんだよね」

 

 「おー!それは良かったじゃないか!」

 

 隊員たちが銃を構えつつ結婚するらしい隊員を褒め称える。

 

 「いやーそれほどでも・・・」

 

 「じゃ、死なせないように何としても守らないとな!」

 

 「そうですね!」

 

 ふとそこで結婚するらしい隊員が何かに気づく。

 

 「おい、止まれ!」

 

 隊員たちはとっさに止まる。

 

 「な・・・なぁ。あそこ、動いてないか?」

 

 結婚するらしい隊員が右方向を指差す。そこには出入り口であろう場所と、そこにかけられたカーテンのようなものがある。

 

 「そ、そうか・・・?」

 

 隊員たちは凝視するが、カーテンは動きそうにない。

 

 「過度の緊張でちょっと疲れたんじゃないか?とりあえずこれでもかんで落ち着けよ」

 

 隊員の一人がポケットからそっとガムを取り出す。

 

 「いや・・・本当なんだって!」

 

 結婚するらしい隊員はそう言うと、手渡しされたガムを手に取り口の中で噛みだす。

 

 「・・・わかったよ。俺がついていくから様子を確認しに行こう」

 

 「あ、ありがとう・・・」

 

 隊列から離れた二人の隊員たちは忍び足で銃を構えて出口のような場所へと向かう。

 

 「・・・頼むから何もいないでくれよ・・・」

 

 結婚するらしい隊員は何度もそう呟きながら、ゆっくりと出口のような場所へと歩いていく。

 

 「・・・よし、行くぞ」

 

 二人の隊員は出口の縁で銃を構え、カーテンのようなものを手に掴む。

 

 「3、2、1・・・今だッ!」

 

 隊員は勢いよくカーテンのようなものを開くと、そっと中を確認するのだった。

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