殺伐とした別世界に、突如として変態なる国家が並行世界より来たる   作:ELDIAN

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新:第5話:『奴』 改稿その6

 ここ最近、Wikipe○iaのドイツ製試作・計画兵器を見ることで少しモチベが上がった気が……する?あと局地戦闘機の閃電に惚れた。あの形状すき。

 レールガンは登場させようと思ったけど……現実的には結構厳しそうねぇ、現状。バレルが消耗品とか……。うーん、もう。

 あ”あ”あ”あ”あ”ッ”!(第二次大戦の試作兵器はいろんな意味で)たまんねぇぜっ!

______

 

 

_ドライ市から北東5キロ地点、旧アメリカ合衆国国道199号線

 

 

 人口減少による整備の不行き届き、また利用回数そのものの減少により使われなくなり数十年の月日が流れた旧アメリカ合衆国国道199号線。自然の恐ろしいまでの破壊力により、道路の脇にも、路上にも草木が中に生い茂り、砕け散ったアスファルトが所狭しと転がるそこを、2両のL-ATV……JLTV (統合軽戦術車両) 計画の車種として数十年前に採用、多々の重大な欠陥が発見されたものの技術陣の奮闘により無事採用、生産が始まり、今尚使用され続けるハンヴィーの正式な後継車両が、疾走していた。

 その車列の先頭を疾走する1号車。その中では、後ろで控える四人の無口な兵士をよそ目に運転席で会話をする兵士が居た。

 

 「ドライ市の状況、知ってるか……?」

 

 助手席に座る東アジア系の血を持つグエンは、タバコ片手に窓から外を眺めながらぼやく。

 

 「……あぁ」

 

 グエンから話を投げかけられたジョンはハンドルに手をかけたまま、濁った声で問いに答える。

 

 「……ひどいもんだよな」

 

 二人は共に独身。グエンの家族は祖国のベトナムに残り、ジョンは親類含め皆、メキシコ国境付近に住んでいたことも不幸となったか、地球温暖化の影響により南米より北上して来たシャーガス病に侵され、今は病院で病の床についているか……もうこの世には、いない。

 二人ともドライ市には身内が一人もいないのでまだマシだったが、それでも軍部から伝えられた『市民を老若男女問わず無差別に虐殺した』と言う点に関しては多少なりとも堪えるものがあった。

 

 「っと、そうだ……。お前、家族と連絡取れたか?」

 

 ジョンはグエンに、今思い出したかのような口調で尋ねる。

 

 「何度か試したが……無理だったな」

 

 「お前もか……」

 

 まるでわかりきっていたかのような口調で答えるジョン。グエンはなぜその質問をしたのか聞こう__とした時だった。

 

 「ん……?」

 

 ジョンは、谷間を間を飛行する黒い無数の何かを見つける。

 無数の何かはどうやらこちらに向かってきているようで、こちらとの相対距離はだんだんと縮み次第にそのシルエットをあらわにして行く。

 

 「どうした?」

 

 グエンは心配そうな口調で尋ねる。

 

 「いや……あれ……」

 

 ジョンはそう言い、前方上空を飛ぶ何か……まぁ『へんなの』とでも呼ぼうか。それを指差す。

 

 「えっと……あれは……」

 

 グエンはそのシルエットを見た瞬間、結論を導き出した。

 

 「『カラス』じゃねぇか?」

 

 「んんん……?そう言われてみれば……確かに」

 

 ジョンも、彼の答えに同意する。

 確かにそのシルエットは、カラスなのだから。

 ジョンは車内無線機を手に取り、『2号車、一旦止まれ』とだけ伝える。

 もちろん我々は観光のために来たわけではないが……何せ気になってしょうがない。

 

 「んー……でもこんな谷間をあんな大群で飛行するなんて……珍しいな」

 

 「地震とかあったら逃げるって聞くけどな。んでもここ最近は地震があったわけでもないし……なんでだろ?」

 

 グエンは疑問を隠せない表情でカラスの群れを眺める。

 

 「お前らはどう思う?」

 

 ジョンは背後に控える四人に尋ねる。

 __が、又しても無口。内心、こいつらが兵士……いや、人間なのか疑わしくなってきた。

 

 「あー……もういいよ」

 

 ジョンは諦めを混ぜた声で言うと、エンジンをかけ直す。

 

 「ドライ市に向かうぞ」

 

 

 _十数分後、ドライ市北東 レッドウッド・ハイウェイ

 

 

 交通規制がかけられたのか、一切車両の通行が見られないレッドウッドハイウェイ。既にドライ市まで数キロを切っている。

 この場所からも既にドライ市を見ることができ、パッと見ただけでも惨状は目にとれるものだった。

 街の各所からは煙が濛々と舞い上がり、第一段階で『MOAB』を使った影響か市街中央にそびえるシンボルだったはずの白いタワーは中心あたりからポッキリと折れており、それより先端は消えている。

 が、それに似合わないかのように辺り一面は静かで、不気味さが増す。

 

 「そろそろか……」

 

 ジョンは、その風景を見ながら警備隊・市民が絶滅してないことを願い、車内無線を手に取る。

 

 「2号車はレッドウッドハイウェイを降り次第北部予定地点に移動、到着次第偵察を開始してくれ」

 

 『了解』

 

 妙に雑音が多いのが気になるが、まぁ良い。

 

 「俺たちの目にしたものが……今後の行方を左右すると言ってもいい、か……」

 

 グエンはふとそう言った。

 

 「確かにそうかもしれんな……」

 

 バァァァンッ……パァァァンッ……

 

 と、そこで、突発的に銃声が2つ、辺り一面に響き渡る。

 

 「……生存者か……?」

 

 彼が、僅かな希望を持ち、それは即座に……踏み躙《にじ》られた。

 

 __ゥグァァァァァァァァァアアアアアアアアアッッッッ!!!!!!

 

 『ファッッ!?』

 

 車内にいる一同全員が驚愕の声をあげる。ジョンは状況確認のためL-ATVを適当な場所に止めると、咆哮の上がった方向__ドライ市を見る。

 

 「あ……あれはッ!!」

 

 ドライ市中心で、大きな翼をはためかせ滞空する大きな赤い物体……いや、巨大な、生物。目測でも40m近いサイズがあるであろう『それ』は長い首の先端についた口から炎のブレスを吐き出している。

 その姿は……どう見ても……。

 

 『『ドドドドドドドドドドラゴンッッ!?』』

 

 あまりにも、頭のおかしいソレ。我々が言える立場でないのは重々承知しているが……本当に、頭がおかしくなったんじゃないだろうか?

 神話上、ファンタジー上にしか存在しないはずのドラゴン。それも、とてつもなくデカい。

 それは半ば廃墟と化したビル群の開けた場所へと降り立つと、某日本の怪獣映画よろしく光線にも似た青く、そしてまっすぐと伸びた鋭い炎を辺り一面に撒き散らす。その光線(?)に触れたものはなんであれ一瞬で融解し、跡形も無くなる。

 

 「し、司令部に報告だッ!これは……まずいぞ!」

 

 彼の本能が、警報を鳴らす。あれは……まずい。早急に手を打たなければならない。偵察機《UAV》を撃墜したのも……あいつで間違い無いだろう。

 車内無線を手に取り、西部方面地方軍へ向けて無線を繋げようとする……が。

 

 「つ、繋がらないッ!?」

 

 ここぞとばかりに、通信機の発する大きなノイズ音が耳を歓迎する。

 ジョンは悲鳴にも似た声をあげるが、それで事態が収束に向かうはずはない。

 どう足掻いても、絶望。これでは司令部に連絡を入れるどころか、2号車に撤退を指示することもままならない。

 

 「一体どうする……どうする……!!」

 

 彼は必死に、思考をフル回転させる。

 

 

_一方その頃、国籍不明軍現根拠地では

 

 

 「な、なッ……!!」

 

 彼らもまた同様、『奴』からの攻撃を受けていないとは言え突如として現れた『アレ』に誰もが恐れおののいていた。__一人を除いて。

 

 「……」

 

 街の中心部で炎の光線をあちらこちらに吐き続ける『奴』。それを、彼は__ゲラーウスは、陣地のテントの隙間からじっと見つめていた。

 

 「……多量の魔力が放出される地点にのみ出現する、『奴』……」

 

 気づけばあの『奴』に最後に出会ってから、相当な月日が流れたものだ。

 数十年前にある辺境の地で行った原住民の”超”がつくほどの大虐殺……。それを行っている最中に、突如として現れた奴は原住民も、我が軍も、見境なく焼き殺した。それも、跡形も残らないほどの超高温で。

 彼は、そっと目を閉じ、こう呟いた。

 

 「破壊龍『バハムート』……」

 

______

シャーガス病

 現実では新型HIVと呼ばれたりする病気です。理由はその潜伏期間の長さ。短くて数週間、長くてなんと数十年間の潜伏期間を持ちます。

 クルーズ・トリパノソーマと呼ばれる原虫を媒介するサシガメ経由で感染し、初期の症状として発熱や頭痛、呼吸困難など。慢性期では心臓や消化器の筋肉にまで侵入し、心筋障害による突然死や心不全などを引き起こします。

 ここ1年前に中国でコレが見つかって、サシガメ1匹に8元(約130円)の賞金を賭けたとか。

 温暖化の影響でこう言うのもやっぱり北上してくるんでしょうね……きっと。

 

 これくらいビックリドッキリストーリーな方が面白い!(錯乱)

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