「がはははは! とーっ!!!」
「ぐわーーーーっ!」
ランスの一撃が今日も藤原の兵士達を吹き飛ばす。
ランスアタックに巻き込まれた兵達のはバラバラになるのと、それを見た兵達の悲鳴が同時に上がる。
ランス達が独自に行動を開始して1週間、その結果は中々に上々なものと言っても良いものだ。
今もランス達の襲撃に耐えられず、砦の一つがあっさりと陥落する。
「俺様最強!」
剣を掲げて何時ものように胸を張るランスの横にほのかが降り立つ。
「ランス、敵が近づいてきています」
「そうか。よし、お前らとっとと退くぞ!」
ランスの声に合わせて全員が撤退を開始する。
陥落した訳ではないが、ここまでダメージを与えればもう十分だ。
「そうはいかんぞ!」
「かかったな! 異人!」
「ここまでだ!」
そう言いながらランス達の背後に現れたのは、無数の武士と足軽だ。
数は50はいるだろうか。
「囲まれたわね。一応」
そう言いながらもレダの口は軽い。
確かに囲まれているが、相手はランスの…そしてこの部隊の実力を過小評価している。
あるいは、この数しか集める事は出来なかったのか。
どちらかは分からないが、それでもこの数で優位に立ったと思ている相手がレダには滑稽だった。
「スラルちゃん。力は戻ってるのか?」
「流石に白色破壊光線クラスの魔法は使えないわ。レベル1相当の魔法ならもう使えるけどね」
「ならいいや。おいエルシール。スラルちゃんと一緒に魔法をぶちかませ。その後で突っ込むぞ。後ろを振り返るなよ」
ランスはこの状況でも余裕の表情を崩さない。
実際にこの程度の危機はこれまで何度か体験している。
ゼスでの魔軍に包囲されている中、リズナを助けに行った時よりも遥かにマシだ。
「行くわよエルシール。スノーレーザー!」
「はい! 氷雪吹雪!」
スラルとエルシールの放った魔法が相手に直撃し、その包囲に穴を作る。
「行くぞ! 突っ込め!」
それを合図にランス達は一斉に突っ込む。
「邪魔だ!」
「ぎゃーーー!」
ランスの一撃が足軽の体を両断する。
それだけでなく、返す刃でもう一人の足軽の腕を飛ばす。
「グレイトライト!」
レダの魔法が足軽を吹き飛ばし、崩れた所に更に突っ込む。
人間を遥かに超える力に相手は成す術も無く倒される。
「おう! 行くぞ! 乗れ!」
「………(俺も行くぜ)」
窮奇はエルシールや与一というあまり足が速くない者をその背に乗せ、猛然と突っ込む。
そんな窮奇を守る様に元康も続き、窮奇に放たれる矢はその体に当たる前に元康の持つ槍とその鎧に阻まれる。
「………(押しとおる!)」
元康はそのまま槍を振るいながら突っ込んでいく。
その巨体に見合った筋力から放たれる一撃は人間を容易く引き飛ばす。
「今よ! 行きなさい!」
レダの言葉に全員が開いた包囲網から逃げ出し始める。
放たれる矢をレダは魔法と盾を使って器用に防ぐ。
「この!」
中には槍でレダを突き刺そうとする者もいるが、それもあっさりとレダの盾に弾かれるだけでなく、その武器すらも破壊する。
「え?」
「そこまでね」
武器を失い呆然としてる足軽の心臓にレダの剣が突き刺さり、足軽は声も出せずに絶命する。
そのままレダと元康で殿を務め、ランス達が安全圏にまで移動した所でレダと元康も撤退を始める。
そして相手がもう追ってこれない状況になると、二人もあっさりと撤退してみせる。
それ以上追う事を危険と判断した侍大将はその顔に苦い物を浮かべる。
「逃した…か」
ここ最近現れる黒部軍の別動隊…その話は既に藤原家でも強大な敵として知られている。
しかも妖怪王黒部が前線に現れた事によって、そちらの方にも兵力を割く必要が出てきている。
だからこそ、この場で倒すつもりで包囲網を敷いていたのだが、容易く破られてしまった。
「強すぎる…」
こうして相手を見て分かった事、それは相手がこちらの想像以上の個々の強さを持つ事だ。
何よりもあの異人…茶色い髪をした黒い剣を持つ異人と、金色の髪を持つ美しい女性の異人は強すぎた。
そしてあの妖怪達も一騎当千の者が集められているようで、そう簡単には倒す事は出来ない。
「石丸様に来てもらう以外に無いのだが…」
だが、後を追うにしても奴等がどのような手段で移動をしているのかが全く分からない。
一日でかなりの距離を移動しているはずであり、そのためには必ず野営などをするはずなのだがその形跡が全く無い。
何とか手を尽くしてはいるが、未だにその謎は解明されていない。
手詰まりでは無いのだが、それでも厳しい状況なのは間違いない。
「何よりも…あの異人の一撃には最大限の警戒が必要なのだ…」
それは石丸と早雲よりもたらされた情報で、あの異人の一撃が石丸率いる精鋭達を壊滅させたのだ。
そのせいで、異人が現れると兵の士気が下がり逃げ腰になってしまう。
それが何よりも痛いのだ。
「次はいつ襲って来るか…それが分からないのが辛いな」
侍大将はこれからの事を考えて大きくため息をついた。
魔法ハウス―――
「中々上手くいかなくなってきたわね。まあそれだけ相手が警戒しているって事だろうけど」
ボードに貼られた地図を見ながらスラルが難しい顔をする。
今回で何度目かの襲撃だが、徐々に相手が対策をとれるようになってきた。
それ自体は当然の事であり、スラルとしても予想通りだ。
だが、思った以上に相手はしっかりと士気を保てている。
自分が魔王だった時の人間と比較しても、遥かに纏まっていると言えるだろう。
(ガルティアは…その力故に仲間からも疎まれていたのにね…)
ガルティアと出会った時、彼は餓死寸前だった。
ムシ使いであるガルティアは、自分のムシを維持するためにも大量の食糧を取らなければならない。
それを奪われるという事は、彼にとってはどれだけ苦痛だっただろうか。
それはともかく、今の時代の人間達は自分が魔王であった時よりも遥かに纏まっている。
(それも魔人とモンスターの脅威が増えたかしらね…私の時代よりも遥かに魔人は多いみたいだし)
「ランス、これからどうする?」
どうも自分はこういう事はやっぱり疎いと思ってしまう。
そういう事はやはりランスに任せるしかない。
「フン…生意気だな」
ランスもランスで、今の状況に少し不満を抱いているようだ。
最初は上手くやっていけたが、徐々にその速度が落ちている事は当然ランスも感じている事だ。
やはり浮遊要塞の時のような融通がきかないのがランスにとっては不満だった。
「あの…ランスさん。宜しいですか?」
「宜しくない」
「ええ…」
「冗談だ。さっさと言え」
ランスの言葉にエルシールは何とも言えない表情をするが、それでも気を取り直して、
「そろそろ食料が無くなります。一度戻った方がいいと思います」
「何?」
「あー食料か…その問題もあったわね」
今回の行動のために食料は大量に用意していたつもりだが、予想以上に消耗は激しかったようだ。
スラルはテーブルで酒を飲みながら食事を取る元康、床で大量の野菜を頬張る窮奇を見てため息をつく。
「仕方ないわね。一度戻りましょう。補給もしなくちゃならないし」
「むぅ…」
スラルの言葉にランスは明らかに気乗りがしない顔で応える。
(…? ランス、どうしたのかしら)
そして黒部達と合流した後、
「飽きた」
「…は?」
ランスが唐突に放った言葉にスラルは目を丸くする。
「めんどい。何で俺様がこんな事をしなければならんのだ」
「いや、こんな事も何も、全部ランスの思惑通りに運んでいるとは思うんだけど…」
「飽きた。めんどい」
「ちょ、ちょっとランス…」
思わぬ言葉にスラルはランスの顔を見るが、その顔を見て何も言えなくなる。
ランスの顔があからさまに面倒くさそうな顔になっているからだ。
(…そういえば前もこんな事があったような気が)
昔、スラルがまだ魔王であった頃、ランスを捕えて魔王城の一室で軟禁していたが、その時と同じような表情を浮かべているのだ。
ランスが無類の冒険好きなのはこれまでの旅の様子からも窺えたが、同時に退屈なのも嫌いだし、何よりも飽きっぽいという事も思い知らされた。
(今好きなようにしているとは思うけど…)
スラルからすれば今の状況は非常に面白く興味深いのだが、ランスにはそうでも無いようだ。
「ランス! 今更放り投げるなんて出来る訳無いでしょ!」
「…うーむ」
スラルの声にもランスは気乗りがしないように言葉を発する。
(ど、どうしよう…)
ランスの態度にスラルは焦りを覚える。
ランスが興味のある事と言えば…やっぱりセックスが一番だ。
だが今は自分には肉体が無いため、ランスの欲求を叶える事は出来ない。
毎日のようにレダとエルシールとはしてはいるが、それでもランスがこうだという事はそういう事では無いのだろう。
(もう一つは…やっはり貝なんだけど)
ランスの貝のコレクターであり、珍しい貝を収集するのが大好きだ。
自分には今一わからないのだが、何かランスの琴線を刺激する何かが有るのだろう。
暇なときは貝を見て唸っているし、手入れも自らの手でやっている。
これだけはシャロンやパレロアにもさせていなかった事だ。
(でも…こんな所に貝なんて無いし…)
スラルがどうしようかと頭を抱えていた時、
「あいやー! 茂野君の持ってるサクラ貝、凄い珍しいアルね」
「へへへ、いいだろう佐藤君! これはつい最近ボクが見つけたんだ! そろそろあの季節だから行ってみたら見つけたんだよ!」
2体のハニーが貝を片手に談笑しているのが見える。
「ホラ! ランス! あのハニーが…」
「ランスキーック!」
「「あいやー!!」」
スラルが何かを言う前に、ランスが茂野と呼ばれたハニーから貝を強奪する。
「がははははは! 貴様等ハニーには勿体無い物だ! 俺様が貰ってやろう! おお! これは白サクラ貝! これほどの大物には滅多に出会えんぞ!」
「ひ、酷いよ! それは茂野君が見つけたとっても貴重な貝なんだぞ!」
「そうだそうだ! それは100年に一度しか無い貴重な時間にしか取れない珍しい貝なんだぞ! 返せー!」
ハニーがランス向かって抗議をするが、
「何か文句があるのか。なんならお前らがこれをドロップした事にしてもいいんだぞ」
「う…何も無いです」
「そ、そうだね。それはボクがうっかり落しちゃったんだね」
剣を突き付けられたハニーが冷や汗をかきながら答える。
「うむうむ、当然だな。思いのほか珍しい物が手に入ったな。がはははは! グッドだ!」
落ち込むハニー達を余所に、ランスは本当に嬉しそうに白サクラ貝を手に笑っている。
(…ん? 100年に一度しか無い貴重な時間?)
スラルは先程のハニーの言葉を思い出し、ランスの手にある貝とハニーを交互に見る。
「ちょ、ちょっと待って! 詳しい話を聞きたいんだけど!」
「え? 何…?」
「もう何も持ってないよ…」
「あー別にあなた達から何かを奪おうっていう訳じゃ無いから。それよりあなた、これをどこで手に入れたの?」
スラルは真剣な表情でハニー達を見る。
(そう…ランスの趣味は貝の収集。もしかしたらランスが興味を惹かれる貝があるかもしれない)
僅かな望みをかけてスラルは唾を飲み込む。
もしこれでランスの気が惹けなければ、ランスは本当にこの戦いを投げ出してしまうかもしれない。
「それは…100年に一度、ハニーキング様がお祭りをするからだよ」
「そうだよ。その100年に一度のお祭りは、美味しい貝が沢山食べられる上に、綺麗な貝が色々と手に入るんだよ」
「何だと」
その声に反応したのは勿論ランスだ。
スラルは内心でガッツポーズをしながら、より詳しい説明をハニー達に求める。
「人間達は知らないお祭りだしねー」
「そうだねー。ハニーキング様も人間をあまり関わらせたくないみたいだしねー」
のほほんと話すハニー達に向けて、ランスがニヤリと笑みを浮かべる。
その笑みを見て、思わずハニー達は後ずさる。
自分達は何か非常によくない事をこの人間に話してしまったのでは無いかと思った。
「教えろ。死にたくなければな」
「は、はい…」
ハニー達は震えながら返事をするしか出来なかった。
「で、ここがその場所なのか」
「そ、そうです」
「お願いだから殺さないで…」
ランスに剣を突きつけられたハニーが震える声で答える。
スラルが場を見渡してここは特に何も無く、向こう岸には大陸が見えるだけだ。
JAPANが大陸から離れてから大分時間が経っているようだが、スラルも詳しいことは知らない。
以前にランスと共にこの地方に来たことがあるらしいのだが、生憎と肉眼でそれを感じることは出来ない。
そもそも、あの時は天満橋が存在しなかったのだから。
そして今目の前にある巨大なクレパス…ここに落ちたらどうなるのだろうかとも思うが、流石にそれは試すことは出来ない。
「こんな所に何があるってんだ。俺も長い事JAPANにいるが、そんな話は聞いたことはねえぞ」
黒部が周囲を見渡しながら唸る。
「何であんたがいるのよ」
「別にいいだろ。それに俺だって暇だったんだよ」
レダの言葉に黒部が頬をかきながら答える。
「俺だけ除け者にしようったってそうはいかねえぞ。ストレスが溜まってんだ」
「…所で私もここに居ていいのでしょうか」
そして黒部以外にも、何故か巴がこの場所に立っている。
「どうせランスが連れてきたんでしょ。言うだけ無駄よ」
レダは呆れた様にため息をつく。
ランスの破天荒さには毎度毎度呆れるが、これが自分の使命なので仕方のない事だと諦めている。
「で、何処に貝がある。何にも無いぞ」
「い、今はまだ時間じゃないです…もう少しでキングが降臨するはずです」
「…キング?」
凄い聞き覚えのある言葉を聞いたような気がして思わずハニーの方を見る。
するとハニーは奇妙な踊りを踊り始めると、
「わー!」
「もう少しで王様が来るよー」
「わーいわーい!」
突如として大量のハニーがわらわらと湧いて出る。
「あー…これ凄い嫌な予感がするわ」
スラルが非常に嫌な予感を感じると、
「はーにほー!」
「やっぱり…」
突如として天空から王冠を被り豪勢なマントをつけた白いハニーが出てくる。
これこそハニーの王であり、魔王時代のスラルですらも得体の知れない存在として、手を出すのが嫌だったハニー属の王、ハニーキングだ。
「やあやあみんな。今回も元気にいってみよー」
「おー!」
「王様ー! コロッケ頂戴ー!」
ハニーキングは地に降り立つと、周りに群がるハニー達に対してコロッケを与えている。
「…あれは何ですか?」
「別に覚える必要は無いわよ。いや、覚えようとしてはいけないタイプの存在よ」
困惑したような巴にレダは頭を押させる。
何しろハニーキングには常識は全く通用しないし、フリーダムだし、とにかく厄介な存在だ。
だが、それよりも何も…ハニーキングはこの世界における絶対的な強者の一人なのだ。
無敵結界が無ければ魔人すらも容易く倒す…それがハニーキングだ。
「王様ー。今回は人間もいるんだけどいいかな?」
「ん? 人間?」
ハニーの報告を受けて、改めてハニーキングがランス達を見て―――ビシッという音を立てて固まる。
「久しぶりね。ハニーキング」
「………」
スラルの言葉にハニーキングは何も答えない。
そして何か強烈なトラウマが甦ったかのように、白い身体が真っ青に染まると、
「う…えれえれえれえれ!」
「うわー! ハニーキング様が吐いたぞ!」
「えんがちょ! えんがちょだー!」
直視に堪えない物体をその丸い口から吐き出しながら痙攣を始める。
「あ、あ、あ…えにゃい!」
そして謎の悲鳴を上げて爆裂四散する。
「うわー! 王様が割れたー!」
「急いでくっつけないと!」
「接着剤! 無ければお米でもいいぞー!」
わらわらと砕けたハニーキングをくっつけているハニーを見て、与一は呆れた顔でハニーを指さす。
「何ですかアレ」
「この世界で最もアホな種族よ。考えるだけ全くの無駄」
しばらく待っていると、バラバラになったはずのハニーキングが立ち上がる。
「うっぷ…酷い目にあったよ…ひ、久しぶりだねスラルちゃん。そしてランス君も」
「私はもうあんたに会いたくなかったけどね」
スラルの視線を受けて、顔色(?)が悪かったハニーキングの顔に生気が戻って来る。
「うーん、いいねー。やっぱりスラルちゃんにはメガネが似合うと思うんだよ。どうだろうか、この幽霊でも装着できるメガネをつけてくれないかなぁ…」
「こいつは…」
ハニーキングの言葉を受けてスラルは頭が痛くなるが、それは自分が魔王であった頃から全く変わっていない。
「何でこいつが出てくるんだ」
ランスはハニーキングを見て少し不機嫌になる。
何しろこのハニーのせいで、ランスはスラルを久々においしく頂く事が出来なかったのだ。
ちなみにそれはランスが原因なのだが、ランスの中ではハニーキングが悪いという事になっている。
「ランス君は貝を探して来たのかぁ…うーん、どうしようかな」
ランスが何をしにここに来たのか分かっているハニーキングは少し頭を捻る。
この事を教えていいのか悩んでいるようだが、
「ま、いいか。どうせボクに責任がある訳じゃ無いし」
直ぐに決断をしたようで、直ぐに何時もの様にお気楽なハニーへと戻る。
「はーにほー! ここはねー、昔々ある貝が魔物と大きな戦いを繰り広げた場所なんだよ!」
「…は?」
「その貝も食べられるのは嫌だっただろうからねー。必死で抵抗してたけど相手が強すぎたからもう危ないっ!という時にね。ドラゴンとの戦いが大きくなってねー。結局は逃げる事が出来たんだよ」
「ちょっと待ちなさいハニーキング。あんた一体何を…」
「その後はずっと眠ってたみたいだけど、あの地震でJAPANが出来てから目覚めちゃったんだよ。でも、今だと流石に強すぎるからボクが食い止めてるんだよ」
ハニーキングは得意げに胸を張り、
「それから100年くらいの周期で目が覚めるようになったんだよ。人間達には知られないようにね」
「…突然とんでもない話を聞かされたような気が」
巴もハニーキングの話を聞いて、冷や汗を浮かべている。
もしこの陶器の言う事が正しいのなら、100年周期で人外の争いが続いていた事になる。
「それでねー。今日がちょうどその100年目なんだよ。あ、そろそろ時間かなー」
ゴゴゴゴゴゴゴ…
「あん、何だ?」
まるで地震のような揺れと共に、断崖絶壁であるはずの崖から何かが押し寄せてくるのを感じる。
その音はだんだんと大きくなり、ついにはランス達も立っていられなくなる程の揺れが襲ってくる。
そしてそれは姿を現した。
「グォォォォォォォ!!」
「…な、なんだありゃ!?」
それは確かにランスが収集している貝であるのは間違いないだろう。
だが、その大きさが規格外だ。
黒部ですら見上げるほどの大きさは、まるで魔人ノスのドラゴン形態だ。
そしてその貝殻から生えているのは巨大な二本のねじれた角だ。
「あれこそククルククルの好物にして、激闘を繰り広げたダイクウマリュウカイキングだよ!」
ちょっとまずい状態なのか思ったけど、結果は大丈夫でした
正直洒落にならない状態が続いて更新所じゃありませんでした…