ランス再び   作:メケネコ

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少し間が開いてしまいました
申し訳ありません

今回はほぼエロ話…内容的にセーフなのかアウトなのか…出来ればセウト辺りなら嬉しい




悪魔の望み

「悪魔の力とは便利な物だな」

ランスとケッセルリンクは、悪魔の力で別空間に移動させられていた。

ここには一つのベッドとクローゼットが用意されていた。

(前にリターンデーモンとかいう悪魔に飛ばされた場所に似てるな…)

過去に悪魔回廊を通るために悪魔の前でかなみを抱いたことを思い出す。

あの時は妙な雰囲気だと思ったが、ここはあの時ほど奇妙な場所ではない。

(ほぉ…)

ランスがクローゼットを見てみると、そこにはいかにもな衣装―――ランスが好みそうな衣装が多数入っていた。

中には過激な下着等もあり、ランスはそれをケッセルリンクに着せるところを想像し、いやらしい笑みを浮かべる。

「では早速するか」

ケッセルリンクは実にあっさりとそう言い放ち、服に手をかけた所で、

「ストーーーップ!」

ランスがケッセルリンクの手を止める。

「どうした?」

ケッセルリンクは意外そうな表情でランスを見る。

ランスが自分を抱きたいと思っているのは知っていた。

だからこそいきなり襲い掛かってくるかと思っていたが、以外にもその手は自分を止めていた。

「忘れたか? 奴はただお前が抱かれている所を見たいんじゃない。人間がどういうセックスをするのかが見たいんだぞ」

「…そうだったな」

「そうだぞ。それに奴は俺の『デリカシーもムードも無い』という言葉に反応していた。だからその辺を重点的に見せてやればいい」

「う、うむ…」

ランスに言われて、成る程と思うがそれを考えているとケッセルリンクは突如として鼓動が早くなるのを感じる。

やはり自分もカラーであり、女であると思い知らされる。

(ぐふふ…ようやくケッセルリンクとヤれるぞ。だがここで焦るのはいかんな)

ランスはランスでここからの事を考えていた。

(じっくりやって俺様に惚れさせるのだ。俺様もあれから大分テクを磨いたはずだ。うむ、大丈夫だ)

アギレダや鈴女にテクニックの事を言われ、そして禁欲モルルンにかかっていた時の事を思い出す。

そしてヘルマン革命の時、チルディを調教し、あの志津香すら普通にベッドに呼ぶことが出来るようになった。

その自分の集大成をもって、ケッセルリンクを抱く決意を固めていた。

「ランス…私には経験が全く無い。だからお前に全てまかせる」

「うむ、任せるがいい」

(こいつもかわいいところがあるではないか)

ランスはこれまでの過去を思い出し、慎重にキスをする。

「ん…」

ケッセルリンクも目を閉じランスのキスを受ける。

今までのランスならば、ここで馬鹿笑いを上げながら襲い掛かっていたところだが、必死に堪える。

一枚一枚服を脱がし、とうとうケッセルリンクの生の体に対面する。

(おお…)

以前にイージス・カラーに勝るとも劣らないと感じたが、もしかしたら彼女よりも胸が大きいかもしれない。

剣を振るうだけあって、イージスよりも筋肉質だが女性の柔らかさは失われていない。

「うーむ、ふかふかだ」

ランスはケッセルリンクの胸を揉みしだきながら至福の表情を浮かべる。

戦姫も大きいがそれに勝るとも劣らない感触を楽しむ。

「…人間というのはそんなに大きな胸が好きなのか?」

ケッセルリンクとて今まで人間を見た事はあったが、いずれもやはり自分の胸を見てきたのを思い出す。

中には自分を襲おうとしてきた人間もいたが、そういう人間はすぐに自分の手で大人しくさせてきた。

「別に俺様はそんなに気にしないがな。だが大きければ大きいなりのプレイが出来る」

「…人間とは複雑なのだな…んっ…」

ランスの指がその頂に触れ、ケッセルリンクは悩ましげな声を出す。

その頬は赤く紅潮し、体は僅かに震えているが、それでも抵抗はしない。

そしてランスの指がケッセルリンクの大切に所に触れた時、

「あ…ランス…」

不安そうな声を出したケッセルリンクに対し、ランスはキスをする事で言葉を塞ぐ。

「よし、いくぞ」

ランスはケッセルリンクをベッドへ押し倒す。

「あ…」

(…そうか。とうとう、か)

いずれは来るとは思っていたが、まさかこんなタイミングだとは考えてもいなかった。

そしてこのような男だとも考えてもいなかった。

「で、どうする? 手を絡めるか? それとも首に手を回した方がいいか?」

(確かシーラが手を絡めるのが好きだったな)

「…首で頼む」

「よし」

ランスはケッセルリンクの首に手を回し、ケッセルリンクもランスの首に手を回す。

「じゃあいくぞ」

「…ああ…んっ…」

その日、ケッセルリンクのクリスタルが青に染まった

 

 

 

「うわー…本当にランスさんとケッセルリンク様がHしてるよ…」

アナウサが手元にある映像を映す道具を見て顔を赤くする。

悪魔の力は本当にデタラメだと思うが、今はそのデタラメさが有難い。

獣の悪魔とその取り巻きは真剣にランスとケッセルリンクの情事を見ている。

「見てよメカクレちゃん。このケッセルリンク様の顔」

映像に映るケッセルリンクは顔を真っ赤に染め、目尻に涙を浮かべて必死にランスにしがみ付いてた。

そんな自分の顔を見せないように、力強くランスを抱き寄せて頬と頬を合わせる形になっていたが、ランスはそんなケッセルリンクの腕を外すとその手でケッセルリンクの顔が動かぬように固定する。

ケッセルリンクは羞恥心からか、目尻に浮かべた涙が頬を伝っていく。

ランスは意外にもそんなケッセルリンクの目尻を拭い、そのまま髪を撫でながら動きを激しくする。

「あ…もしかして…」

ケッセルリンクの喘ぎ声が大きくなり、その手がランスの腕を掴む。

ランスの動きが激しくなり、ケッセルリンクが必死にランスにしがみ付きとケッセルリンクが一層大きな声をあげる。

そして痙攣するかのように体を震わせると、ランスの腕を掴んでいた手が自然とベッドに落ち、荒い息を上げる。

「あのケッセルリンク様が絶頂してる…」

自分達を守り、導いてきたあのカラーのお姉さまと言われた方が。

いかなる時もクールで、先頭にたってモンスターと戦っていた方が。

つい先日出会った人間とまるで恋人のように肌を重ねている。

それだけでも何かいけない背徳感をアナウサは感じていた。

 

(…私とした時とは全然違う)

レダはと言うと、ランスとケッセルリンクの情事を見て複雑な思いをしていた。

自分とした時は、ランスが一方的に動いて自分は一方的に絶頂させられていた。

勿論気持ちは良かったが、ケッセルリンクの表情を見るとちょっと面白くなかった。

(私は初体験からしてアレだったのに…)

確かに自分達はランス達に襲い掛かった。

その結果人間達に破れ、ランスに犯されてしまった。

(理不尽というか何と言うか…いや、私も命を狙ったんだから仕方ないと言えば仕方ないけどね)

だがやっぱり女性として、ケッセルリンクとの扱いの差に少しモヤモヤしてしまう。

(でも…ケッセルリンクもあんな表情するんだ)

ここまで肩を並べて戦ってきた女性の嬌態に頬を赤くする。

直情的な自分とは違い、クールな女性だと思っていたがこうしてランスに組み伏せられている姿を見ると、やっぱり女性なんだなと思う。

(…ランスのバカ)

ちょっとケッセルリンクが羨ましかった。

 

(良かったですねーケッセルリンク様)

メカクレ・カラーはランスの下で喘いでいるケッセルリンクに涙していた。

今迄自分達を先頭に立って守り続けてきた偉大なカラーだ。

だがそれ故に己を犠牲をして来た面もある。

相手がランスなのもメカクレには良かった。

あの男はめちゃくちゃな人間だが、腕前は抜群でなおかつ人を束ねる器がある人間だ。

ケッセルリンクと力を合わせれば、間違いなくカラーの基盤を作ることが出来る。

(そうなれば…カラーが一纏めになれれば私みたいなカラーが生まれないためにも…)

自分は黒髪のカラーに助けられた運がいいだけのカラーだ。

魔人の脅威は身を持って自分が一番良く知っている。

黒髪のカラーのもとで人の世界も見たが、カラーよりはマシだとも言えた。

何より人は増えるペースが速いが、カラーは寿命が長い分どうしても人数は増えない。

だからこそ、黒髪のカラーやケッセルリンクのようなカラーの英雄が必要なのだ。

(この先のカラーの未来…ケッセルリンク様とランスさんに掛かっていますねー。だから…御願いします)

ランスには出来ればずっとカラーに寄り添って欲しいと思っている。

あのカリスマ、行動力、実力があれば必ず良い方向にもっていける。

(…でもランスさんって本当にHですねー)

そこの部分だけは、長い時を生きてるメカクレもどうしても赤面を抑え切れなかった。

 

「うーむ…」

獣の悪魔は真剣に人間とカラーのセックスを見ていた。

そこには勿論下心も多数あれど、やはり参考に出来る物があると真剣に見ていた。

「見てますか。あれがあなた様のちょっと足りない部分なんですよ」

女性悪魔の一人が発言すると、他の悪魔も頷く。

獣の悪魔は月に一度性欲が昂ぶり、女性型悪魔達と一日を過ごすが少し女性型悪魔から不満があるのも事実だった。

曰く「もう少しテクニックを」や「もっとデリカシーを」と言われることも少なくなかった。

中には「荒々しいのが素敵!」という意見もあるのだが、やはり男として女性に満足をして欲しいという思いもあった。

二人のセックスは特段何か変わった物がある訳ではないが、ショートのカラーは処女だというのに明らかに感じていた。

「なるほど、ああいうのもあるのか」

人間と悪魔は体型こそ違うが、少し似ている部分もある。

それ故、今の二人のセックスには獣の悪魔も何か感じる物もあった。

「あ、見てくださいよ。男の人が離れましたよ」

 

「うーむ、良かった良かった」

ランスは大満足でケッセルリンクから体を離す。

とうとうケッセルリンクを抱いたこと、そして絶頂に導いた事がランスには大満足だった。

かつてのランスは自分勝手な動きで、勝手に自分だけが満足していた。

しかしヘルマン革命の最中、女性を自分の手で善がらせる喜びもまた感じていた。

シィルが戻ってからは若干昔のように戻ってしまったと思ったが、やはり自分は大人になったと実感していた。

虚ろな目で荒い息を発しているケッセルリンクを見ると、再びハイパー兵器に力が入る。

(ここまで来たら焦ることは無いな)

まだまだ時間はあるのだから、たっぷりと楽しもうと決める。

(だとしたら色々なプレイをするのも有りだが…そういえば)

ランスは先程開けたクローゼットの事を思い出す。

そこには非常にランスが好む衣装が入っていた。

「おい、ケッセルリンク」

「…ん、ランス」

ケッセルリンクの顔をぺしぺしと軽く叩くと、ようやくケッセルリンクの目の焦点があう。

「私は…」

ケッセルリンクは先程の自分の状態を思い出し、顔をこれ以上無い位に紅潮させる。

まさか自分が男に必死になってしがみつく等考えてもいなかった。

さらに自分から足を絡めていた気もする。

「………み、見るな」

その顔を見られまいと、両手で顔を覆う。

「がはははは! しっかりと見せてもらったわ! いやーケッセルリンクにもああいう顔があるのだな!」

「言うな…」

何故か今迄平気だったはずのランスの顔を見ることが出来ない。

「が、ケッセルリンク。まだまだだぞ」

「何がだ…!?」

ランスが無理矢理ケッセルリンクの腕を取ると、自分に顔を向けさせる。

その目の前にあったのはそそり立つランスのハイパー兵器があった。

「お、お前! 何を…」

「俺様がたった1発で終わる訳が無いだろう。早速2回戦だ! が、その前にだな」

ランスは立上りクローゼットを開ける。

「まずはこれに着替えてもらおうか」

 

 

 

 

「うわ! ランスさんエロ! もうこれ以上ないくらいにエロ!」

「あの人間…只者じゃ無いわね」

アナウサと女性悪魔がいつの間にか意気投合したようで、一緒になって画面を見ていた。

画像では、ランスとケッセルリンクは風呂に移動していた。

当然のようにランスは全裸だが、ケッセルリンクは何故か面積の小さい水色の水着のような物を着せられていた。

しかもサイズが合っていないようで、その胸に水着が窮屈そうに収められていた。

「あれは態とね…これしか無かったとか言って合法的に着せてるのよ」

「そうですねー。エッチだとは思っていましたけど、まさかここまでとは驚きですねー」

「あなた様もこういった狡猾さが足りないんですよ」

獣の悪魔は女性悪魔に言われて少し小さくなっていた。

「あ、ランスさんがケッセルリンク様を洗ってる」

画像では椅子に座ったケッセルリンクをランスが洗っているところだった。

但し素手で。

『うはー、柔らか柔らか』

『ランス…あまり胸ばかり触るな。それに何故素手で洗う必要がある』

『お前の肌が傷つかないように俺の手で慎重に洗ってやっているのだ』

『お前という奴は…』

ランスからは見えないが、その光景を見ている者達には分かる。

ケッセルリンクは薄っすらと微笑んでいた。

「おお…ケッセルリンク様が完全に女の顔をしてる。ランスさんってやっぱり凄いわ」

「あんなクールな女がああいう顔をする…うーん、いいなぁ」

獣の悪魔もその表情を見てしみじみと頷く。

何か感じ入るモノがあったようで、アナウサと獣の悪魔はガッチリと握手をする。

『あ…ちょっと待ってくれ』

『あん? どうした』

ランスの手がその股間に伸びたとき、ケッセルリンクはランスの手を掴む。

『いや、その…先程のお前のが出てきそうでな…』

「「「「ブラボー!!」」」」

レダ以外の全員が興奮して声を出す。

(何言ってんだこいつら…)

レダだけはそれを冷ややかな目で見つつ―――それでも食い入るように画面を見つめていた。

それから十数分がたち、ケッセルリンクの体が泡に包まれていた。

『じゃあケッセルリンク。俺の事も洗ってもらおうか』

『ああ…だがスポンジは何処だ?』

ランスは結局最後までその手でケッセルリンクの体を洗っていた。

なのでケッセルリンクは体を洗う物を探すが、

『違うなケッセルリンク。恋人というのは互いの体を洗うのにそんな物は使わん。己の全身を使って洗うのだ』

『…そうなのか』

「うっわあの人間悪辣…性知識が無いのを良いことにとんでもない事言ってるわね…でもそれが良い」

「あの人間悪魔になったらいい階級いきそうよね」

「いやーでも何時の間にか恋人設定になってますねー。しかもケッセルリンク様も当然のように返してますし」

メカクレは今の状況を非常に喜ぶ。

このまま二人がくっついても良いとさえ思っていた。

「ケッセルリンク様も乙女だったんだねー…でもこのギャップがたまらない」

「静かにしなさい。動きがあるわ」

真剣に画面を見ているレダの声に、周りの声が自然と小さくなる。

ケッセルリンクが座っていた椅子にランスが座り、今度はケッセルリンクがランスの体をその手と体を使って洗っていた。

『身長はあまり変わらないと思っていたが…やはりお前の背中はでかいな』

『俺様はヘルマン人ほどでかくは無いぞ』

『ヘルマン人とは何かは分からないが、そういう事ではない。ただ、非常にお前が頼もしく見えているというだけだ』

『当たり前だ。俺様ほど頼りになる奴がそんな簡単にいる訳が無いだろう』

ケッセルリンクはその背中から腕をまわしてランスを軽く抱きしめる。

こうしていると確かに物理的には大きい背中ではないが、どこか安心出来る心地よさが存在した。

『それよりもケッセルリンク。そろそろ前を洗ってもらおうか』

ランスの言葉にケッセルリンクは赤面しながら前へとまわる。

当然ランスのハイパー兵器が目の前に来るが、ケッセルリンクは意を決してそれに手を伸ばし―――

『待て、ケッセルリンク』

意外にもランスに止められる。

「む…一体何を言い出すんだ。これからというときに…」

獣の悪魔はランスの言葉に首を傾げるが、女性型悪魔は分かったらしい。

「まあまあ待って下さい。この男の事だからきっと…」

「ええそうです」

続きを求め、獣の悪魔は食い入る様にその続きを待つと、

『俺様のハイパー兵器はその大きな胸で洗ってもらおうか』

『…胸で、だと?』

「「「「「キターーーーーー!!!!」」」」」

カラーと女性悪魔が喝采をあげる。

「いやー分かってるわこの人間は」

「うんうん、あの大きな胸を使わないのは女性への冒涜よね」

「な、何と…このようなプレイが…」

獣の悪魔は本気でショックを受けているようで、愕然と膝を突く。

『その大きな胸で挟むようにして洗うのだ』

『………わ、わかった』

ケッセルリンクは一瞬躊躇うが、それでもランスの言うとおり、恐る恐るそのハイパー兵器を胸に収めていく。

「なるほど…あの小さめの水着はこのための伏線だった訳ね…」

「どういう事?」

「あの小さめの水着がより圧迫感を生み出す…あの男はここまで計算してたのよ」

「…どうしてあの男はこういう事ばかり頭が回るのだろう」

悪魔達の考察に、レダは本気で頭を抱える。

そして二時間後…

 

 

 

「がはははは! どうだ! 満足しただろう!」

ランスは謎の空間からケッセルリンクを抱きかかえて出てきた。

ケッセルリンクはというと、アレからのランスの責めの結果、今は眠っていた。

レダを除く全員がランスを拍手で迎え、獣の悪魔にいたってはその大きな手でランスをハグしていた。

「ええい、男が俺様に引っ付くな!」

「わははは! いや、すまんな! だが素晴らしい物を見せてもらったぞ!」

獣の悪魔は十分に満足していた。

今迄人間に接する機会があまり無かったため、人間の性行為を見たことは無かったが実に堪能していた。

「ケッセルリンク様は…まだ寝てますねー」

「疲れたでしょうし寝かせておいてあげましょ」

メカクレとアナウサがランスからケッセルリンクを受け取り、悪魔が用意してくれていた敷物にケッセルリンクを寝かせる。

「ぐふふふ…今度はレダの番だな」

「はぁ!?」

ランスの言葉にレダは困惑する。

「忘れたのか? ケッセルリンクとお前の力を借りると言っただろう」

「そうだけど…」

レダの頭には先程のランスとケッセルリンクの情事が残っていた。

いや、あれほど強烈な光景等そう簡単に忘れられるはずがない。

それも短い期間とはいえ、共に戦ってきた仲間なのだ。

「という訳で頼むぞ」

「おう! 任せろ!」

獣の悪魔がサムズアップをしたかと思うと、周囲の風景が変わる。

そこは先程ランスとケッセルリンクが情事を行っていた部屋と全く同じ部屋だった。

ただ違うのは、先程の情事の跡が残っていない事だけだ。

「あああ…私何て事を…」

エンジェルナイトの自分がよりにもよって悪魔に人間との性行為を見られるなんて…!

(でも…)

この部屋に来たことで嫌でも先程の光景が頭をよぎる。

力強く動くランスの体、必死にランスにしがみ付くケッセルリンクの姿、そしてその体でランスの精を受け止めた時のあのケッセルリンクの顔。

(ちょっと…やっぱりほんのちょっと羨ましかったというか)

レダが指を合わせてモジモジしていると、

「おお、あったあった。これはレダに似合うと思ってたんだ」

ランスはいつの間にかクローゼットを漁り、一組の下着を取り出していた。

レダがそれを見て思い出すのは先程の風呂での光景。

態とサイズの合わない水着を着せ、ランスは明らかに楽しんでいた。

その後もその水着を着たまま風呂場でもしたし、そこから上がった後は再び互いに全裸になって行為をしていた。

「うう…着なきゃダメ?」

「これも俺様を守るためだぞ」

それを言われるとレダは弱い。

レダは思い切ってその下着を着るが―――

「…何コレ?」

備え付けてあった姿見に映る自分の格好にレダは絶句する。

一応下着をつけているのだが、これは果たして本当に下着の役割を果たしているのだろうか。

大事な部分が隠れていない、所謂性行為のための下着だ。

「ランス…」

「うーむ、やはり似合うな。俺様の目は正しかった」

レダの冷たい視線をランスはものともせずに自分の姿を堪能していた。

「いや、そうじゃなくて…なんで私はいきなりこんな恰好なのよ」

てっきりケッセルリンクと同じように…と思っていた。

だが、自分を待っていたのは最初からいきなり飛ばしていると思わざるを得ない下着。

「まあ落ち着け。俺様はマンネリ化を防ぎたいのだ」

「マンネリ化?」

ランスの言葉にレダは首を傾げる。

「ケッセルリンクの時と同じことをしても奴は喜ばないだろう。先程とは違う事をする必要がある」

「…そんなもの?」

エンジェルナイトである自分には今一パッとこないが、人間には違うのかもしれないとも思う。

「だからこそ…俺様が次にするのはお前の体を完全に俺様のものにすることだ!」

「…はあ?」

「大体お前、少しMの気質があるだろ」

「いや何言ってるのよ」

「忘れたとは言わさんぞ。お前が最初に俺様の城に来たときどうなったのかを」

最初にランスと出会った時の事を思い出し、レダは赤面する。

そうだ、あの時自分は同僚と一緒にランスに犯されていた。

その時は…二人でネットに包まれ、そこで犯された。

しかも自分はその時『もっとしたい』と言ってしまっていたような気がする。

「あ、あ、あ、あの時は…」

「ぐふふ…その時の事を思い出した時俺様は思った。お前を完全に俺様のモノにしてやろうと」

「いや、あのランス…」

「がはははは! もう言葉はいらん! とーーーーーっ!」

「きゃあああああ!」

レダは乱暴にランスに押し倒される。

「ちょっと、ランス…!」

自分の抗議にもランスはその手と口を止めない。

「わ、こら! 揉むな吸うな!」

「うるさい奴だな」

「むーーっ!!」

ランスは自分の口でレダの口を塞ぐ。

レダは目を白黒させ暴れようとするが、何故か力が入らない。

「さーてお楽しみタイムじゃー!」

「ちょ、ランス、待って…」

こうしてレダは無茶苦茶ランスに抱かれた。

 

 

 

先程同様2時間後―――

「がはははは!」

やはりランスは絶好調だった。

対してレダは完全に憔悴しきっており、ぐったりと体をランスに預けていた。

「わはははは! 人間、実に楽しましてもらったぞ!」

獣の悪魔も絶好調といった感じでランスの肩を叩く。

「人間ってエロに関しては悪魔よりも進んでいるのかもね」

女性悪魔達もうんうんと頷いている。

「分かってたけどランスさんって鬼畜! というかお尻まで…」

「御願いアナウサ、今は何も言わないで」

そう言うレダの顔にアナウサは言葉に詰る。

ケッセルリンクに対してのプレイとは一転し、レダはまさにランスに調教されていると言わんばかりの光景だった。

相手がランスなのでそこまで過激すぎるプレイという訳ではないが、ひたすらにランスに責められ続けた。

なまじケッセルリンクよりも体力があるせいで、2時間丸々ランスに抱かれていた。

(ねえねえアナウサちゃん。レダさんが途中からはノリノリだった事は言わない方がいいですよー)

(そうだねー。今はあんな調子だけど、後で思い出して爆発しそうだし)

何しろ先程のレダは最初こそ抵抗をしていたが、その内自分からランスを求めていた。

縄で軽く縛っていたときもあっさりと受け入れていたし、何よりネットでぐるぐる巻きにされていた時の乱れようは凄かった。

((まあ言わないであげるのが優しさよね))

カラーの二人は同時に頷いた

「いやー、満足満足。約束どおりこの剣をお前に貸してやろう!」

ランスは獣の悪魔から剣を受け取る。

その剣で2、3度素振りをするが、

「…悪くない」

ランス的には結構気に入ったらしい。

かつてランスが持っていた魔剣カオスに近い感覚で振るうことが出来る。

これならばランスの腕力を思う存分に発揮する事が可能だろう。

「あとお前が死ぬまで貸すだけだからな」

「別に俺が死んだ後ならどうなろうと構わん」

鞘が無いのは少し不便だが、カラーの誰かに作ってもらおうと勝手に決める。

「あ、ここにある物って持っていってもいいんですか?」

アナウサが悪魔達に聞くが、

「別に構わないぞ。ここにある物は別に悪魔の物って訳でも無いからな」

「わーい」

アナウサとメカクレの二人はその辺の物をごそごそと探っている。

「とにかく目的は果たしたな。後はあの魔人をぶっ殺すだけだな」

あの少女が言っていた通り、中々良さそうな剣は手に入った。

ならば後はあの筋肉モリモリマッチョマンの変態を叩き割るだけだ。

「おう、まあ頑張れよ」

「よし、じゃあ行くぞ」

「あっ待ってくださいよー」

ランスは未だに眠っているケッセルリンクを背負うと、この世界に来る前に持っていた帰り木を使用する。

するとランス達の姿が廃棄迷宮から消え去った。

 

 

 

ランス達の姿が消えた後―――

「良かったんですか? ボレロ・パタン様」

獣の悪魔―――ボレロ・パタンは別に気にしていないという感じで笑う。

「別に問題ないさ。どんなに長生きしても100年くらいで戻ってくるんだ」

「まあそうですね」

女性悪魔も大して気にしていないようで、ボレロ・パタンにしな垂れかかる。

「それよりも…そろそろ月に一度の」

「おう、あの人間は本当にいいものを見せてくれた…今度は楽しめそうだ」

だが彼は知らない。

ランスという人間がこれからどれだけ数奇な運命を辿るのかを。

そして貸した剣が戻ってくるのはもっと遠い時間だという事も。

 

 

 

「…ん?」

ケッセルリンクは自分の体が揺れているのを感じ、目を覚ました。

(確か私は…)

自分が何をしたのかを思い出し、自然とその顔が赤くなる。

意識がハッキリしてくると、自分は誰かに背負われている事を知る。

「ランス?」

「ん、起きたか」

「ああ…ここは? 廃棄迷宮では無いようだが…」

「もう用件は済んだからカラーの森に戻ってる途中だ」

「…そうか」

その言葉でランスは目的の物を手に入れたのだと安心する。

自分の痴態は決して無駄ではなかったのだと安堵する。

「まずは降ろしてくれ。自分で歩ける」

「そうか?」

ケッセルリンクはランスの背から降りるが、足に力が入らずに座り込んでしまう。

「無理するな」

ランスは再びケッセルリンクを背負う。

「むぅ…」

ケッセルリンクは不満気な声を出すが、力が入らないので大人しく背負われる。

「まあまあ無理は禁物ですよ、ケッセルリンク様」

アナウサとメカクレはニヤニヤと笑いながらケッセルリンクを見る。

「…まさか」

ケッセルリンクの顔が青くなると同時に、二人の笑いが最高潮に達する。

その態度で彼女は全てを理解する…つまりは自分の痴態は悪魔だけでなく、彼女達にも見られていたのだ。

「さ、最悪だ」

ケッセルリンクはランスの背中に顔を埋め、彼女達の視線から目を反らす。

「大丈夫ですよ。レダさんというお仲間がいますから」

「私に振らないで…お願い…」

ケッセルリンクがレダ方を見ると、彼女は憔悴仕切っていた。

それを見ただけで、彼女は自分と同じ目にあったと理解する。

「だがこれであのふざけた魔人を叩き割れるぞ」

「…そうだな。私をあんな目にあわせておいて、魔人を倒せない等あってはならないな」

「フン、誰に物を言っている。俺様に不可能は無い」

その日、ランスの馬鹿笑いが再び森を木霊した。

そして再び魔人との戦いが始まる…そしてそれが再びこの世界の命運を変えていく。

 

 

 

―――廃棄迷宮―――

スラルが本来ランスを導こうとした道。

そこには一本の剣が刺さっていた。

その剣こそがペルシオン、間違いなく伝説に名を残す剣である。

そこに一体の宝箱だんごがやってくると、ペルシオンを持っていた宝箱に入れ、その場から猛烈な勢いで消え去る。

こうして伝説の剣ペルシオンは、人目に触れる事無く数千年間宝箱だんごの中で眠り続けることになる。




この話を投稿するに至っての参考文献が超昂シリーズとかいう頭の悪い事実
最初は 超昂神騎レダ とか 超昂閃忍ケッセルリンク とか頭の悪い事を考えていました
おかげで書き直しで投稿が遅れてしまいました…まあ言い訳ですわな
そしてR-15とR-18の境界線が難しい…今回は本当にアウトなのかもしれないですし

話がかなり脇道それてしまいましたが、次こそ魔人戦
ところで話は変わるけど魔物スーツっていつ頃出来たんだろう…あれだけの技術を考えればやっぱりパイアール辺りなのかなあ…

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