「ここか」
ランス達は例の魔人が居ると思われる屋敷の裏側に来ていた。
ランスやレダは普段通りの顔だが、それ以外の皆は明らかに顔色が悪い。
「どうしたのよあんた達」
「いえその…流石に気分が悪くて…」
「さ、流石にこの光景は…」
ジルは口を押えて青い顔をしている。
加奈代も何とか平静を保とうとしているが、明らかに無理をしているのが分かる。
クーやドロシーはもっと酷く、特にドロシーに至っては隅っこで嘔吐してしまっている。
「流石に女子供には刺激的すぎる光景だな…」
ドロシーを介抱しながらもドワイトも不快そうに眉を顰めている。
「前よりももっと酷くなってやがる…」
ゲンバは耐性があるのか皆に比べれば平気そうだが、それでもこの光景は見ているのは辛い光景だ。
(これが…魔人トルーマンのやり方…いや、魔軍のやり方か…)
バーバラもこの悲惨な光景には何も言う事が出来ない。
人間は嫌いだ、人間なんて滅んでしまえばいい、そう思っていた時に魔人ケッセルリンクに救われた。
人をやめる時も別に未練なんて無かった。
だがそれでも、この光景はあまりにも惨いと思ってしまった。
それはまさしく地獄絵図だ。
屋敷の柵には人間の首がかけられ、窓からは人間の死体が吊られている。
既に腐乱し過ぎて白骨化している死体も存在する。
そして何よりも悍ましいのは、その死体に群がりその腐肉を貪るかつて人だったモノの姿。
それ以外にも、明らかに人ならざるモノに犯されたまま死んだ女や、全裸で無造作に転がされている子供の死体。
まさに魔軍によって蹂躙された人間の姿と言わんばかりの光景がそこにはあった。
「で、裏口は見つけたのか」
「はい。俺はマディソンの屋敷に来た事がありますので、ある程度の事は分かります。どうやら魔軍はその辺りは無造作のようですね」
ゲンバの指が示す方向には、確かに裏口だと分かる扉がある。
そこにはゾンビがうろついているだけで、魔物兵の姿は見えない。
「居るのはゾンビだけか。だったらあいつらを消滅させれば問題無いわね」
「そうだな。じゃあとっとと行くか」
「さっさと片付けましょうか」
ジル達は慎重に周囲の状況を見渡していたが、ランスとレダとスラルはまるでそこらに買い物に行くかのような気軽さで立ち上がる。
「ランス様!?」
「こういう時は一気に突っ込むに限る。それに外に居るのは頭の悪いゾンビばかりだ。一気に突っ切れば問題無い」
「そうね。それにゾンビなら神魔法で一撃だしね。問題はこの中…魔物兵がうろついててもおかしくは無い。そこからが本番ね」
「じゃあ行きましょうか」
ジルの言葉にもランス達は全く態度を変える事は無い。
それどころかこちらを無視して既に走り始めていた。
「ちょ、ちょっと!?」
バーバラは慌てて声を出すが、一度走り出したランスとレダはもう止まらない。
それを見てジルと加奈代がランスを追って走り出す。
「ああもう!」
それを見ればバーバラももう付き合うしかなかった。
ドワイト達もそれに遅れて走り出す。
「消えなさい。浄化」
レダがそう言うだけで、裏口をうろついていたゾンビ達が一瞬で砂へと変わる。
「おお!」
「す、凄い…」
それを見て神魔法を使えるドワイトとクーは驚きに声を上げる。
浄化は神魔法の中でも基本のものではあるが、それだけで周囲にいるゾンビを纏めて砂へと変えたのだ。
それだけでレダの持つ圧倒的な魔力が感じられる。
そしてランスはと言うと、その黒い剣を抜いて跳び上がり、
「ラーンスあたたたーーーーっく!」
そのまま裏口の門を叩き壊した。
「えっ」
その光景にはバーバラは目が点になるしかない。
この男は、恐らくは頑丈に作られているだろう門を剣の一撃で叩き壊したのだ。
(いやいやいや! 滅茶苦茶でしょ!?)
主であるケッセルリンクはカラーでありながら剣も使用するというかなり珍しい存在…とシャロン達から聞かされていた。
勿論バーバラもケッセルリンクが剣を振るっている姿を見た事があるし、その技の美しさに惚れ惚れした。
優雅で華麗、そんなケッセルリンクの剣技とは対極に存在する、粗野で荒々しい一撃。
そのはずなのに、バーバラはその剣技に衝撃を覚えた。
「がはははは! ついでにお宝も頂きじゃー!」
そう言って意気揚々と屋敷に入っていくランスだが、その動きが止まる。
「うげ…」
「随分と悪趣味ね…実に魔人らしいとでも言えばいいのかしらね」
その光景には流石のスラルも不愉快そうに顔を歪める。
遅れて皆が入って来るが、誰もがその光景に絶句し、口を押さえる。
「うっ…」
「こ、こんな事が…」
クーとドロシーはその光景に耐えられず、再び嘔吐をしてしまう。
「ひ、ひでぇ…これが魔人のやる事だってのかよ…」
「こいつは流石にな…」
現場慣れしているゲンバとドワイトもその光景には目を背ける。
「ラ、ランスさん…」
加奈代は脅えた様子でランスのマントを握り、
「…」
ジルは無言で杖を強く握りしめる。
そこにあるのは魔人への強い怒りが宿っている。
(そんな…)
使徒であり、人間に憎しみを抱いているバーバラも強く自分の服を握りしめて何とか感情の爆発を抑える。
魔物が人間をおもちゃのようにしか思っていないのは知っている。
魔軍が時に人間の町を襲い、そこでは地獄絵図のような光景が繰り広げられるとも聞いた事が有る。
だが、聞いた事が有るのと実際に見るのとではここまでの違いがあるなど、まだ使徒になってから日が浅いバーバラは想像もしていなかった。
(別に人間がどうなろうとあまり知った事では無いけど…不愉快なものは不愉快ね)
レダは僅かに唇を歪めるだけだが、それでもこの光景を作った主に対する不快感が湧きあがってくる。
「クズだな。ここの魔人はさっさと殺そう」
ランスは不愉快そうに歩み始める。
その後にレダとジルが続き、皆もランスの後を追って歩き始める。
無造作に打ち捨てられた人間の死体はまだ良い方で、蝋燭立てには人間の頭がくくりつけられ、その頭からは蝋燭が突き刺さっている。
天井には無残な姿になった人間がシャンデリアの代わりのように吊られている。
「ラ、ランスさん…あの人達まだ生きて…」
「…ふん」
加奈代の言葉にもランスは不機嫌な顔をするしかない。
ああまで痛めつけられては最早人として生きて行く事は出来ないのは明らかだ。
酷いものだと四肢が切り落とされて尚生きているであろう者が吊るされているのだ。
「本当に酷い…」
「実に不愉快な奴だ。これに比べればまだカミーラはマシだったな」
ランスも過去に魔王ジルが復活した時のリーザス城の光景、そして魔軍に制圧されたゼスを見てきた。
それだけでなく、魔人カミーラには捕らわれてしまった事もある。
そこではカミーラを不快にさせたというだけで当たり前の様に殺され、そしてカミーラに粗相をしただけで100人輪姦等が行われていた。
幸いにもランスはシィル達に助けられ事なきを得たが、それでもあの時は本格的にピンチだったのだろう。
「とっととトルーマンとかいうヤツを探してぶっ殺すぞ」
ランスはそれからも慎重に進み、出会うゾンビ達をレダがあっと言う間に砂に変えながら進んでいく。
階段を上り、通路を歩いていると何処からか非常に不快な臭いが溢れてくる。
「こいつは…あの時の使徒の匂いだ…」
ゲンバの緊張した声には流石のランスも動きが慎重になる。
そしてゆっくりと音を立てずに移動をした時、その不快な臭いがどんどんと強くなってくる。
ゲンバが先頭に立ち、慎重に屋敷の扉を開ける。
音を全く立てずに扉を開けるなど、彼のレンジャーとしての技術の高さが伺える。
「ここはどこだ」
「この作りは…晩餐会等が行われる食堂のはず。私達は正面から入って来たけど、ここはその食堂を2階から見れる所」
「じゃ、じゃあまさか…」
クーはこの悍ましい臭いを放っている光景を見てしまった。
「うっ」
思わず悲鳴を上げそうになるのをドワイトがその大きな手で押さえる。
「声を出すな。今見つかる訳にはいかないだろう」
ドワイトの言葉にクーは涙目になりながら頷く。
バーバラも見つからない様に慎重に下を見る。
が、その光景を見てバーバラは見てしまった事を後悔する。
「うげっ」
そこは地獄絵図を更に酷くした、非常に悲惨な光景が広がっていた。
シャンデリアの代わりに複数の人間を組み合わせた不気味な物体が吊るされ、まだ生きているのか時折呻き声を発している。
そして机に並べられているモノは、バーバラでも思わず口を押させる程に悍ましいモノだ。
それを食しているのが魔人トルーマンの使徒、マッキンリーだ。
マッキンリーの周りには人間の手足が無造作に転がっており、中には頭だけが無い死体も存在している。
マッキンリーはテーブルに並べられた、人間の臓物らしき物体を口元に運ぶと、それをその腕力で一気に潰してその汁を一気に口の中に入れる。
「おおう…人間の胃をすり潰すと中々いいね…脳みそも少し食い飽きたから、さっぱりしたのがいいね」
醜悪な顔で残りの臓物を胃の中に収め、マッキンリーは醜悪に笑う。
「待たせたな、マッキンリー」
一人の男が台に何かを乗せて現れる。
白い布がかけられた何かは、僅かにだが動いているのが分かる。
「なんだあいつは」
「あいつは…ここの料理人だったはず。名前は確かジャバ」
ドロシーが口を押さえながら、小さい声でランスの言葉に答える。
ジャバと呼ばれた料理人だが、そのコックコートは真っ赤に染まっているが、その男は何も感じていないかのように振舞っている。
「最高の食材を用意したぜ。こいつならどうだい」
「おお…お前の作る料理は最高だ。お前もトルーマン様に使徒に推薦してやるね」
「そいつは嬉しいな。俺も最高の料理を作っていきたいからな。じゃあご賞味あれってね」
ジャバが台にかけられた布を取り去ったとき、そこに乗っていたのは一人の人間の女だった。
ジャバは涙で顔を濡らす女から猿轡を外すと、女は悲鳴を上げながら泣き叫ぶ。
「お願い! 殺さないで! こ、この子だけは!」
「…まさかアレって」
バーバラは震える声でその台に縛られた女性を指差す。
遠くからだと最初はよく分からなかったが、その女は腹が切られて内臓が露出されている。
「人間の生き作り? それはもう食べ飽きたね」
「おいおい。俺がそんな詰まらない料理を作ると思うか? これは今しか食べれない絶品だぜ? 見てみろよ」
その言葉にマッキンリーがその女の腹を覗き込むと、醜悪な笑みを浮かべて涎を垂らす。
「おー…凄いね。まさか生きた胎児をこうも料理するなんて」
「ククク…俺の最高傑作さ。さあ、生きのいい内に食べてくれよ。この料理は美味さの持続が短いんだ」
ジャバの言葉にマッキンリーは笑いながらその女の体にその手を伸ばした時―――
「行くぞ。とっとと魔人をぶっ殺すぞ」
その短くもハッキリと殺意が込められた言葉に誰もが息を呑む。
「ランス様…」
ランスを見るジルの顔は青い顔を通り越して白くなっている。
そこにあるのは明らかな魔人…魔物への怒りだ。
そんなジルをランスは少し力強く強引に自分の側に抱き寄せる。
「心配するな。俺様が必ず魔人をぶっ殺す。だからお前も落ち着け」
「…はい」
ランスの言葉にジルは一筋の涙を流す。
するとこの世のものとは思えない悲鳴が食堂に響き渡る。
何が起きているかはもう誰もが想像がついている。
バーバラですらも怒りを噛み締めながら進み始める。
「ねえランス。魔人が何処にいるかわかるの?」
レダにはこの行動が闇雲に進んでいるようにしか見えない。
彼女自身がこのような潜入行動の経験は無い。
自分程度の階級のエンジェルナイトがそういった事をする事など無いのだ。
「そうね。魔人が何処にいるのかも分からないんだけど」
スラルにも今自分達が進んでいる道が本当に正しいのか分からない。
しかしランスは不愉快そうに唇を歪めて進んでいくだけだ。
「お前達は俺について来ればいいんだ。何も問題無い」
そう言ってランスはどんどん進んでいく。
ランスについて行くしかない者達は皆不安そうだが、ランスは絶対的な自信があった。
何となくではあるが、魔人の気配ともいうべきものが感じ取れるようになってきた。
魔人だけでなく、人間や魔物も一緒なのだが、魔人は特に感じやすいとランスは思っている。
カオスと同じような事を感じるのは気に入らないが、手元にカオスが無い以上、今はその感覚に頼るしかない。
ランスはこれまで幾度と無く魔人と戦い続けてきた。
歴代の人類の中…それこそ遥か未来のLPですらランス程魔人と戦った人間は存在しないだろう。
それと運命の悪戯が合わさり、更なる力をランスに与えていた。
「こっちだな」
ランスは右と左と別れた通路を迷う事無く右に進んでいく。
そこから濃厚な『死』の臭いを感じ取っていた。
その感覚が非常に不愉快になるが、それでも魔人をぶっ殺すまでの辛抱だと思い進んでいく。
何よりも、ここ魔人を倒せば極上の女を味わうことが出来るのだ―――その思いがランスを只管に突き動かしていた。
(もう俺様も我慢の限界だからな。うむ、俺様も大人になって我慢を覚えたが、もう我慢はせんぞ)
自分の奴隷に手を出さないなど本来はありえないが、ジルという存在がランスをその気にさせていた。
あの魔王と同じ名前、似た容姿…しかし性格は全く違うというギャップがランスを突き動かしていた。
しかしその我慢ももう終わりだ。
「…あそこだな」
ランスが通路の角から見ているのは、明らかに濃厚な気配が漂っている一つの部屋だ。
部屋の前には誰も居ないが、それでもそこに魔人が居るのは明らかだ。
それをこの場に居る全員が感じ取っていた。
「ゴクッ…」
クーが緊張した様子で唾を飲み込む。
ドロシーもその顔には無数の汗が浮かび、しきりにその汗を拭っている。
皆がそれぞれ緊張をしている中、全く平然としているのはランスとレダとスラルだけだ。
「よーし、行くぞ」
ランス達はその部屋の前に来た時、
「その前にお客さんね。勿論私達にとっては招かれざる客だけどね。あ、逆か」
レダの言葉の通り、ゾンビ達が群れを成して歩いてくる。
そしてその中には緑色のゾンビ以外にも、紫色の肌で複雑な模様が描かれているゾンビが居る。
「マスターゾンビか。こっちは私がやるからランスはあっちね」
「え、一人で大丈夫なんですか!?」
「危険」
レダの言葉にクーとドロシーは驚くが、
「さっさと全滅させろよ」
「頼むわよ、レダ」
ランスとスラルはあっさりとこの場をレダに任せ、魔人が居るであろう部屋の扉を蹴破る。
「あなた達も行きなさい。こっちよりも間違いなくそっちの方が大変だろうし」
「…はい、任せます。レダさん」
「死なないで」
レダの言葉に皆がランスを追いかける。
一人残されたレダだが、その顔に浮かんでいるのは余裕の表情だ。
「ゾンビか…まさかエンジェルナイトの私がこんな低級のモンスターと戦う事になるなんてね」
エンジェルナイトは本来であれば人間界には余程の事が無い限りは干渉しない…らしい。
造られてからそんなに年月も経っていないが、これでも過去のエンジェルナイトの動きはきちんと分かっている。
その昔、エンジェルナイトの大群はこの世界の最初のメインプレイヤーである、ドラゴンすらも絶滅寸前に追い込んだ。
勿論それ以外にも神の干渉はあったようだが、本来はエンジェルナイトはこの世界を管理し、粛清する側なのだ。
「それが今は人間の守護だけど…これも全てALICE様、そして今はランスのレベル神をしているクエルプラン様のため…」
ランスを守る様に命じた人類管理局ALICE、そして何故かランスのレベル神をしている魂管理局クエルプラン。
その一級神の期待を裏切る訳にはいかない。
そのためにはまずはここにいる雑魚を殲滅しなければならない。
「私一人だから手加減は無しよ。じゃあ死になさい」
レダの口元には酷薄な笑みが浮かぶ。
それは本来のエンジェルナイトとしての笑みだった。
「こ、これは…」
通路を進むにつれて、皆の顔色が悪くなる。
それは魔人が居るというプレッシャーもそうだが、この地獄絵図が続く光景もそうだ。
「魔人って皆こんな感じなのかよ…」
ゲンバはこの地獄に顔を顰める。
その言葉にバーバラは『ケッセルリンク様とトルーマンを一緒にするな!』と言いたいのを必死で堪える。
実際には一部の魔人が人間に対しても割と寛大なだけで、多くの魔人はこれと同じ様な光景を作っているのだろう。
人間とは魔物の玩具であり、魔物を楽しませるだけの存在…それが魔物の共通認識なのだ。
(…私はケッセルリンク様に助けられて本当に良かった)
この悲惨な光景を作り出している魔人の使徒になってたら、きっと自分の神経は持たなかっただろう。
バーバラはより一層自分の主であるケッセルリンクへの感謝の気持ちに溢れていた。
そしてそのケッセルリンクのため、必ずやこの魔人の情報を持ち帰ってみせると。
「とーーーーーーっ!!!」
ランスの一撃が豪勢な扉を打ち砕く。
「うげ…」
そして目の前に入ってきた光景に、ランスは露骨に顔を歪める。
そこにあったのは無数の死体、死体、死体…まさに死体の山だ。
それも人間の死体だけでなく、魔物の死体も複数転がっている。
ランスもこれまで色々と悲惨な光景も見てきたが、その中でもこれは非常に目に悪い光景だ。
ノミコンに支配されていた頃のパパイヤのいた塔で見た光景とは違った気持ち悪さがある。
「騒がしいな…」
そしてその死体に囲まれた中央にその存在は立っていた。
「あれが…魔人」
ジルの言葉に合わせた訳では無いだろうが、魔人がこちらを振り向く。
そこに居たのは明らかにマトモではない顔をした一人の男の姿があった。
「AL教の司祭の服だと…!?」
その男の着ている服を見たドワイトが驚愕に目を見開く。
それこそ正にAL教のトップクラス…法王ムーララルーに近い者が着るような威厳のある服だ。
しかしその服は血に塗れすぎており、赤を通り越して黒に近くなっている。
「テンプルナイトか。そうか…魔物将軍は死んだか」
魔人が一歩前にでる。
その行為だけで、クーとドロシーは思わず一歩退いてしまう。
それだけの迫力が魔人という存在にはあるのだ。
「フン、お前が魔人か。カミーラに比べれば大したことないな」
ランスの言葉にトルーマンは眉を顰める。
魔人にとっては強さは絶対であり、魔人カミーラは魔人の中でも頂点に君臨する存在だ。
何しろ魔人カミーラは恐ろしい存在で、気に入らなければ全ての存在を消滅させる程だ。
そのカミーラの名前が人間の口から出た事に若干驚く。
「私の邪魔をするな。この世界の全ての魂を神の御許に送るのが私の使命なのだ」
そう言うトルーマンの顔には恍惚とした笑みが浮かんでいた。
「私は神に会ったのだ…そして神はこう仰せられた…命を捧げよと」
「命…?」
「そうだ。命だ。人の命を捧げよ…それこそが我が神の教え。さあ、貴様等も神の御許へと送ってやろう。そうだ…死こそが神の望みなのだ」
トルーマンが虚ろで硬骨な笑みを浮かべながら指を振るうと、床に倒れていた躯達が起き上る。
「そして我が救いを受けた者は新たな生を授かるのだ…さあ、お前達、仲間を増やしてやるのだ」
トルーマンは狂気の笑みを浮かべながらゾンビと共に向かって来る。
「フン、この世界の救いは俺様のハーレムに入る事にあるのだ! 男はいらん! 死ねーーーーーッ!!」
こうして魔人トルーマンとの戦いが始まった。
魔人トルーマン
サテラよりは確実に弱い
というか設定だけならサテラは他の魔人に比べても結構厄介だと思う
魔人が連携取れないのに、サテラは自分と同じ位の力を持つガーディアンと襲ってくる
本来はイシスⅡが居たはずなのにオミットされたのが悲しい…