「ど、どうも…レベル屋です」
パレロアは恥ずかしそうに身を捩らせながらランス達を見る。
少しの間パレロアをじっと見ていたランスだが、
「ああ、そういやそうだった。ウィリスも元々は人間でレベル屋をやってたな。でも使徒ってレベル屋になれるのか?」
「魔物はレベルが上がる時は自動で上がるからな…魔物がレベル屋をやるなどありえないからその考えをそもそも排除してたな」
ランスとスラルは忘れていたと言わんばかりの表情をしている。
同時に、使徒がレベル屋の仕事が出来るのかという疑問も出て来る。
「その…大丈夫だとは思いますが。レベル屋の事もジル様が書き残した書物に残っていましたので」
戦闘に向かないパレロアは主に炊事といった家事を担当している。
レベル差の関係でランスとスラルよりは強いのだが、基本的には後方担当だ。
使徒の力で相手を倒すという事が出来るだけで、そこには技能も何も無い。
純粋な力でしか対抗する手段が無いのだ。
だからこそ、ジルの残していた書物を見つけることが出来た。
「ふーん、まあいい。とにかく俺様とスラルちゃんのレベルを上げてみろ。まずは何事もやってみないと分からんからな」
もしこれでレベルが上げられれば、ランスとスラルのレベルの問題は解決する。
ランスのレベルさえ上がれば、超一流の剣士であるランスの本領が発揮され、女殺しの壁を突破する事が出来るのだ。
「で、ではいかせていただきます…」
パレロアは一度咳払いをすると、
「らーぬん うーでん そーねん ぴら ぴら。るん るん みる みる はらはらり」
「あ、ちょっと待て。ここでレベルアップの呪文を唱えても駄目だ。ダンジョンの中でやる必要がある」
パレロアが恥ずかしそうに呪文を唱えるのをスラルは止める。
ここはグナガン迷宮の外なので、今ここでレベルが上がっても意味が無い。
迷宮は迷宮で独自のルールがあるので、ランス達はそのルールに従わなければならない。
「一先ず休んでから試してみればいい。それで我とランスのレベルが上がれば何も問題は無いからな」
「そうですね…では夜が明けるまで待ちましょう」
そして次に日のグナガン迷宮―――
とりあえずモンスターを排除した一行は、再びレベルアップのための準備をしていた。
「こういう道具は必要なのでしょうかね…」
パレロアの手元には水晶が有り、昨日同様にメガネをかけている。
「うーむ、メガネをかけたパレロアも中々新鮮だな。うん、女教師みたいだ」
「教師…ですか。私は人に何かを教える程の学はありませんが…こほん、まずはやってみますね」
パレロアはやはり恥ずかしそうにしながら呪文を唱える。
ランスもスラルも若干の期待を込めているが、パレロアの呪文が終わった時、
「おめでとうございます。ランスさんのレベルが8になりました。スラル様のレベルが10になりました」
「お、おおおおおおおお! 確かに力が出て来たぞ!」
「そうだな。我の魔力も上がっている。どうやら成功したようだな」
ランスとスラルの力が目に見えて上がり、ランスは剣を振り回して満足気な顔をする。
パレロアも二人のレベルが上がった事で安堵のため息をつく。
こんな事をしたのは初めてだが、どうやら上手くいってくれたようだ。
(良かった…私でもランスさんの役に立てて)
パレロアが人間であった時からランスには世話をかけっぱなしだった。
日常生活ではランスを世話していたが、あの時はランスには命を助けられただけでなく、子供も救ってもらえた。
その恩返しも出来ぬままランスとは疎遠にならざるを得なかったが、こうして役に立てた事を嬉しく思う。
「だがしかし…何で俺様よりスラルちゃんの方がレベルが高いのだ。それに俺様はもっとレベルが上がり易かったはずだ」
ランスはパレロアから告げられたレベルに不満を覚える。
「我に言われても困るのだが…しかしランスは昔もそう言っていたな。そんなにレベルが上がり易かったのか?」
「他の奴等がレベル20前後をうろうろしていた時には俺様は既にレベルが25以上はあったからな…しかし何でか最近レベルが上がらん。どういう事だ」
ランスはレベルが上がるのが非常に早い。
ランスも認める強さを持つ、リック・アディスンに比べれば遥かにレベルが上がり易く、その素質はまさにこの世界有数と言えるだろう。
しかし一度レベルが上がらない状況からようやくレベルアップが可能になった時から、不思議とレベルが上がりにくくなってしまった。
「あ…」
ランスの言葉を聞いて、スラルは思わず口を開けるが、その瞬間をランスは見逃さなかった。
「おいスラルちゃん。何か知っているな。吐け」
「いや、それはだな…我もまだ確信を持てないと言うか何と言うか…いひゃいいひゃい」
ランスはスラルの柔らかい頬をむにーっと引っ張る。
その痛さにスラルは悲鳴を上げるが、ランスは更に逆側の頬を同じように引っ張る。
「や、やめへー」
「ランス。スラル様が困っている。やめてくれ」
ケッセルリンクの言葉にランスはその手を離す。
赤くはれ上がった頬を撫でながら、スラルは曖昧に笑って見せる。
「その…ランスを魔人にしようとしたとき、我の持つ魔王の血がちょっぴりランスの体の中に入っちゃって…その影響が出てるのかなと」
「な、何だと!?」
スラルの言葉にランスだけでなく、ケッセルリンク達も驚く。
「ほんのちょっぴりだちょっぴり! 魔人になる程の血では無く、少し影響が出る程度だ! だからこそ、お前は未だに若々しくて、レベルが上がりにくくなってるんだ」
「そう言えば…ランス様は昔から成長していないと思っていたんですよね。そこは少し不思議でした」
シャロンが納得がいったように頷く。
「どういう事ですか? シャロンさん」
「ランス様は私が出会った時から身体的な成長が殆ど見られないんです。いくらランス様がセラクロラスの力で世界にいない時期が有っても、何年間かはこちらに居られるのですよね?」
加奈代の言葉にシャロンが唇に手を当てて考え込む。
「私やエルシール、そして加奈代が居た時間を考えても、2、3年は経過していると思うんです。ランス様は確か私と出会った時は25歳と言ってましたけど、ランス様が27、8歳には見えませんよね?」
シャロンの言葉に全員が頷く。
確かにランスの姿を見て、もう少しで30台に届くとは誰も思わないだろう。
「いや、でも25歳にも見えませんよ? どう見ても20歳かそれくらいに見えます」
バーバラはランスの姿を見ても、年齢と外見が一致しない。
若作りと言えば納得も出来るだろうが、流石にそれはどうかと思わなくもない年齢だ。
「何でか知らんが若返っておったのだ。理由は知らん」
「それこそセラクロラスの力と言われれば納得はいく。そしてランスが年を取りにくいのも、レベルが上がりにくいのも分かる話だ。魔人はレベルが上がりにくいからな」
ケッセルリンクも合点が行く。
必要な経験値は人間に比べて魔人は格段に多い。
事実、グナガン迷宮でケッセルリンクは誰よりも戦っているが、そのレベルはまだ5だ。
勿論5といってもその辺のモンスターなど相手にならず、無敵結界が無くても余裕で相手を倒せる程だ。
「おいスラルちゃん。君はとんでもない事をしてくれたようだな。しかもそれを知ってて隠してたな」
「いや…確証が持てるまでは言う必要は無いと思っていたし、何よりお前がそんなに気にして無かったようだから…その…ゴメン」
スラルは何とか言い訳をしようとするが、ランスのジト目を見て最後には謝る。
「それに…お前の中に魔王の血の欠片が残っていたからこそ、我はあの時魔王の血を行使できた。無駄では無かったという事だな、流石我だな」
「………」
「あだっ!? ほ、本気で痛い…」
ランスは割と強めにスラルの頭にゲンコツをかます。
「おいスラルちゃん。俺様は魔人になる気は無いと言ったはずだぞ」
「わ、我の意志では無いから仕方が無いだろう!」
「スラルちゃんの意思だろうとなかろうと結果は変わらんではないか! スラルちゃんはおしおきだ。絶対だからな」
「うう…我だけが悪い訳では無いだろう。大体ランスが大人しく魔人にならないのが悪いんだ」
スラルは理不尽なランスの行動に思わず言い返してしまったが、それがランスの何かに触れてしまった。
「絶対におしおきだ。そうだな、取り敢えず女殺しをぶっ殺してから考えるか」
こうしてランスは再びグナガン迷宮へと入る。
「がはははは! とーーーーーーっ!」
ランスは嬉々として襲ってくるモンスターを撃退する。
その威力はまだレベルが一桁とは思えない程の威力で、物理攻撃が効きにくいはずの呻き男や微笑み男すらも容易く切り裂く。
「我はまだ初級の魔法しか使えぬか…光の矢!」
スラルの放つ魔法が同じように魔物を打ち倒す。
魔王に選ばれるだけあり、スラルもまたその力は普通の人間よりもずば抜けている。
初級の魔法でもこの程度であれば十分に倒せるだけの力が有るのだ。
「いやー、やっぱりランスさんが居るとモンスターを倒すのが早いですねー」
「本当にね…相変わらず納得は出来ないけど」
ランスとケッセルリンクの二人の力が飛びぬけているため、この二人が前衛に居れば敵の排除が本当に早い。
「レダさんとまおーが居ればもっと早く進めるんですけどね…あ、ランスさん。アレが女殺しです」
そこに居たのは赤ん坊のような姿をし、頭にパンツを被り翼を生やし、その手に包丁を持っている奇怪なモンスターだ。
「…で、お前達は本当にアレに手も足も出ないのか?」
「そもそも攻撃する事が出来ないからな…ゴブリンやトロールと同じ様な存在なのだろう」
ゴブリンやトロールは、その場に居るだけで魔法攻撃、物理攻撃が出来なくなる厄介な存在だ。
それと同種のモンスターと言われればランスも納得がいく。
(どっかで聞いたような事があるんだがな…女殺し。まあいいか、覚えていないという事は、どうせ大した事の無い奴なんだろう)
実際にはランスはマリアから話を聞いただけで、女殺しの存在は知らない。
「よーし、さっさとぶっ殺すか。おいお前!」
「なんでちゅか? あ、男はノーサンキュー…うぎゃーーーー!」
ランスの声に返事をした女殺しをランスは問答無用で斬り殺す。
「分かっていたけど一瞬でしたねー」
「ランスさん…本当に問答無用で相手を斬りつける人だから…」
加奈代もエルシールもランスとの長い冒険の期間で、ランスに情けも容赦もない事も知っている。
人間ですら平気で斬り殺すランスが、モンスターに対して無慈悲なのは分かり切っていた事だ。
しかしこれで女殺しが居なくなった事で先に進む事が出来る。
そこからは大した障害も無く、ランス達は割と順調に進む事が出来てはいたのだが、
「…ところで何時まで続くんだ」
「さあな…正直分からんな」
地下15階まで来たが、未だにグナガンの姿は見えない。
そしてここまで進んだことで、ランス達にも限界が近づく。
進むにつれてモンスターは強くなっていき、とうとうレッドハニーやまじしゃん、外人プロレス男やサメラーイ等といった中級のモンスターが多くなってきた。
これまで快進撃で進んできたランスだったが、ここでもまたレベルの壁が立ちはだかっている。
「ランス…そろそろ帰還しないか? ケッセルリンク達はともかく、我とランスは自動ではレベルが上がらないからな」
「そうだな…勢い任せで進んできたが、流石の俺様も疲れた。さっさと帰るぞ」
この迷宮の良い所は、帰り木等のアイテムが無くても簡単に撤退できる事だろう。
こうしてランス達の本日の冒険は終わりを告げた。
冒険は終わっても、その日のランスの一日が終わる訳では無い。
グナガン迷宮の入り口ならば問題無く魔法ハウスを展開出来るため、一行は本日もそこで休息を取る。
「あーーーー…疲れる。冒険ってこんなに疲れるものなんだ…」
肩をぐるぐると回し、体を解す様に運動をするバーバラがため息をつく。
「だらしないですよ、バーバラ」
「す、すみませんシャロンさん。何か凄い疲れちゃって…」
日常生活と違い、息つく間もなくどんどんと進んでいく冒険には凄い緊張感が必要になる。
こうした経験が一番乏しいバーバラは、その緊張感が疲れとして現れていた。
「ふむ…ランス、皆の疲労も溜まっているようだ。ここは少しの間、探索を控えてもいいのでは?」
「あん? お前等使徒のくせにだらしないな。俺様はまだまだ行けるぞ」
ランスはこのダンジョンに対して不満は無い。
確かにレベルが上がらないという焦りから苛立っていたのは事実だが、それが解消された今、ランスはこの冒険を楽しんでいた。
ランスは飽きやすいが、冒険においてはその集中力は非常に高い。
生まれ持った技能もあるが、何よりもランスは冒険がどんな事よりも好きなのだ。
誰も行った事が無いダンジョンならば尚更、そしてそれが異世界ならば何も言う事は無い。
ジルやシィル達の事も勿論気になるが、異世界に居る以上はそんな事を考えても仕方が無い。
まずは帰還に全力を注ぐだけだ。
ランスはそう思っているが、周りを見て少し考える。
確かにケッセルリンクはぴんぴんしている。
魔人である彼女は当然の事ながら人間よりも遥かに強い。
当然体力も人よりも遥かにあるので、問題無くランスについて行ける。
しかしその他の者はそうもいかない。
シャロンのような古参の使徒は問題は無いが、バーバラや加奈代といった新しい使徒達は流石に疲弊している。
スラルは流石に元魔王と言うべきか、貧弱に見えて実に体力がある。
「まあいい。別にそんなに急ぐ必要も無いからな。だがしかーし! 何もやらないなど俺様にはありえんからな。ずばっと楽しむとするか」
上機嫌に笑うランスに、バーバラが露骨に嫌な顔をする。
ただ、嫌な顔をするのはバーバラだけで、他の者達は顔色一つ変えない。
もう誰もが分かっている事だし、この世界に来てからもうシャロン達も何度もランスに抱かれている。
「さーて、スラルちゃん、分かっているだろうな」
「え? えーと…わ、我には何のことかわからない」
スラルは何とかあさっての方を向いて誤魔化そうとするが、そんなものは当然ランスには通用しない。
ランスはスラルを肩に担ぐと、そのまま上機嫌で自分の部屋へと駆け込んでいく。
「あの男…本当に元気というか、本当にあんなのがケッセルリンク様の戦友だというのが信じられないというか…」
「フッ…バーバラはランスとは唯一旅をしていないからな…ランスの魅力は共に居なければ分からないよ」
「そういうものでしょうか…確かに凄い強いですけど…」
バーバラの怪訝な顔にも主であるケッセルリンクは笑うだけだ。
「まあランスは君に対して無理に迫るなんて事は無い。それほど警戒をする必要は無いさ」
「わ、私はそういう事を心配しているのではなくて…その…皆さんが…」
「それこそ大丈夫ですよ。私達は嫌ではありませんし、ランスさんも無理矢理犯すなんて事はしませんから」
エルシールの言葉にやっぱりバーバラは納得が出来ない。
「もう…本当に何なのかしら、あの人間…」
バーバラは未だにランスには慣れそうにはなかった。
「がはははは! スラルちゃんをおしおきじゃー!」
「おしおきはいいけど…どうして我は縛られている」
スラルはベッドの上でランスに対して抗議の視線を向ける。
向けるのだが、生憎とスラルの目からはランスを見る事は出来ない。
目隠しをされており、縛られたスラルだが少し不安そうにしているのをランスは見逃さない。
「フッフッフ…スラルちゃんは俺様の許可も無く、勝手に俺様を魔人にしようとしたからな。その償いをしなければならんのだ」
「償いか…そうだな、我はお前に対して酷い事をした…」
償いという言葉を聞いて、スラルの口元が歪む。
(そうだ…我はランスの意志を無視してランスの中に魔王の血を入れ…そしてジルは我の次の次の魔王となった…)
自分がどうして魔王で無くなったのか分からないし、その後の魔王の血がどうなったのかも想像も出来ない。
「そのとーり! 今からスラルちゃんに色々とするが、それは当然の事なのだ」
ランスはそのまま動けないスラルに近づいていく。
スラルは姿が見えないランスに対して少し恐怖を抱く。
そして触れるか触れないかのギリギリの所で、ランスはスラルの胸や秘所を刺激していく。
そのもどかしさにスラルは体を捩るが、それでもランスはスラルの体にはギリギリの所で触れない。
(ぐふふふふ…ジルを調教するために用意した道具がスラルちゃんに使えるとは何があるか分からんな)
ランスは蟹の形をしたクリップを手に取ると、それをそのままスラルの胸の先端につける。
「ちょ…ちょっとランス!? な、何してるの!?」
「おしおきだと言ったはずだ。今から俺様はスラルちゃんの体をいいように使って俺様のモノにするのだ」
「だ、だからってこんな…」
スラルは顔を真っ赤にするが、それでランスの手が止まるはずが無い。
「がはははは! では行くぞー!」
ランスはそのままスラルの体を好き勝手に弄っていく。
道具を使ったプレイに、そんな知識が無いスラルは翻弄されていく。
口から溢れた涎がシーツを濡らし、秘所から溢れた蜜は既にシーツを大きく変色させている。
だが、それでもランスはスラルに挿入はしない。
「はぁ…はぁ…」
スラルは既に息が荒く、もう碌に抵抗する事も出来ない。
そんなスラルを見て、ランスはそろそろ次の段階へと進む事にする。
ランスが狙うのは、スラルの全てなのだから。
「よーし、じゃあスラルちゃん。本格的に行くぞ。暴れるなよ」
「本格的にって…こ、これでまだなの…?」
散々自分の体を好きに弄っているのに、これからが本番だと言うランスにスラルは弱弱しい声を出すしかなかった。
そして、次に自分の体に訪れた刺激に体を震わせる。
「よーし、行くぞ。力を抜いておけよ」
「な、何を…ちょ、ちょっとランス! 本当に何を!?」
スラルは自分の体のある刺激に対して本気で慌てる。
「今からスラルちゃんのこっちの処女を貰うからな。そのためには綺麗にしないといかんからな」
「ちょ、ちょっと…お、お願いやめて…」
スラルはこれから起きるであろう事に恐怖するが、そんなのでランスが止まる訳が無かった。
そして自分が恐れていた通り、自分の体に何かが入ってくる。
「カハッ…」
その刺激にスラルは目隠しの下で目を白黒させる。
「我慢出来なかったら言うんだぞ。流石に俺様もそういう趣味は無いからな」
ランスはその言葉通り、スラルの目隠しを外して、拘束していた縄も解く。
自由になったというのに、スラルは額に脂汗を垂らしてランスを睨む。
「な、何てことを…」
「おしおきだおしおき。それよりもあんまり我慢するのはいかんぞ」
「お、覚えていろ…」
スラルは何とか力を振り絞って立ち上がると、そのまま各部屋に備え付けられたトイレへと入っていく。
こうして、スラルの受難は始まった。
「…も、もう無理」
「がはははは! これだけやればもう大丈夫だろ!」
そしてそれが何回か繰り返され、スラルはもう自分の体に力が入らないのが分かる。
もう何度も入れられた部分にはもう何も無く、ランスの望みどおりの展開になっていた。
「よーし、それじゃあやるぞ」
「ほ、本当にするのか…」
スラルはもうランスが何をするのか完全に理解している。
そういうプレイがあるのは知ってはいたが、まさか自分が体験する破目になるとは想像もしていなかった。
「言ったはずだ。これはおしおきだとな。それにスラルちゃんは密かに俺様のセックスを盗み見してただろ。俺様がレダとそういう事をしてたのは知ってるだろ」
ランスの言葉にスラルは何も答えられない。
言っている事は事実だし、もう何も話す気力が無いという事もある。
「よーし、それじゃあいくぞ」
「…せ、せめて優しくしてくれ」
もう止められない事を覚悟し、スラルはせめて優しくして欲しいと懇願する。
「心配するな。別に俺様はスラルちゃんを苦しめたい訳じゃ無いからな」
ランスはそのまま準備をして、そしてスラルのもう一つの穴にハイパー兵器を埋めていく。
「あ…ぐ…」
スラルはその刺激に目を白黒させるも、ゆっくりとハイパー兵器が入ってくる感触に必死でシーツを掴む。
「おー…スラルちゃんはこっちの具合もいいな。慣れるまでゆっくりとしてやる」
そのままランスは普段の様子とは違い、慎重に腰を動かす。
間違ってもスラルの体を傷つけないように、緩急をつけながら刺激をしていく。
スラルは全身に脂汗を垂らしながらも、その体は敏感に反応していた。
初めての行為だと言うのに、スラルの体は最早その刺激に順応しつつあった。
その様子をランスは感じ取り、ゆっくりだったその動きをどんどんと激しくしていく。
スラルは歯を食いしばってその刺激に声を出さないようにする。
(こ、こんな屈辱を受けて…こ、声なんて出せるか…!)
必死に喘ぎ声を出さないように耐えるスラルを見て、ランスはスラルに何としても甘い声を出させようとする。
ランスの手がスラルの胸を刺激し、秘所を刺激するたびにスラルは声が出そうになる。
それでも必死に耐えているが、その指が秘所の奥を刺激した時にとうとうそれは決壊した。
「ん…あ、ああああああああ!」
その小さな体からは信じられないくらいの大きな声…最早悲鳴と言っても良い声を出す。
「がははははは! いい声だぞ! どうだスラルちゃん! 気持ちいいか!」
「あ、あ、あ」
ランスの声にもスラルはもう何も言う事は出来ない。
「気持ちよくないなら止めるぞ」
意地の悪いランスの声に、とうとうスラルはその理性を手放す言葉を放つ。
「や、やめないで! もっと…もっと動いて!」
「がははははは! スラルちゃんにそう言われたのなら、そうしてやるぞ!」
そして再びランスは激しく腰を使い、スラルはその刺激に翻弄される。
二人は同時に絶頂を迎え、スラルはその穴で熱い迸りを受け止める。
全てが終わり、ハイパー兵器がスラルの体から抜けた時、スラルは既に意識が朦朧としていた。
一瞬意識が飛んでいたかもしれず、自分の体が自分の体では無いようにも感じる。
「どうしたスラルちゃん。まだまだオシオキは終わって無いぞ。と言っても流石にこのままじゃいかんからな。よーし、風呂に行くぞ」
「あう…」
ランスはスラルを抱き上げると、そのまま備え付けの風呂に運んでいく。
結局スラルはこの後もランスにおしおきと称して色々な事をされるのであった。
地獄のGL期―――そこでは人間の悲鳴も魔物の悲鳴も等しく響き渡る世界。
そんな世界の最西端で、魔人ケイブリスは己の体を必死で鍛えていた。
「あーーーーーー! やっとここまで来たぜ!」
自分の体を必死で鍛え続けて4000年…ようやく自分も魔人の中でも真ん中らへんまでの強さを手に入れていた。
だが、上には上がおり、今はあの魔人ノスと魔人カミーラが強さを争っている状態だ。
無敵結界があり、ようやく安心出来るようになったが、それでもケイブリスは不安だった。
その理由こそが今の魔王であるジルだ。
「あの魔王はヤバい…ヤバすぎるぜ。近づくのも嫌だ…」
現魔王ジル…この魔王に対し、ケイブリスはとてつもない恐怖を感じていた。
歴代の魔王の中でも、これ程までに恐ろしく近づくのも躊躇う魔王は始めてだ。
魔王ナイチサは媚を売っていれば安泰だった―――代わりにザビエルには睨まれたが―――が、魔王ジルは全く違う。
おそらく媚を売っても全く効果が無いタイプの魔王だ。
それこそ、己の機嫌だけで全ての存在を無に帰す程の過激さを持っている。
だからこそ、ケイブリスは魔王城から離れた大陸で己を鍛えているのだ。
「ジルは魔物にも容赦しねえ…いや、もしかしたら魔物の方が悲惨かもしれねぇ…」
この時代に魔物の自由など存在しない。
全ての魔物は人間牧場、そして魔物牧場で働かせられ、何かミスがあればすぐさま処刑される。
その処刑もただの処刑では無く、魔物同士で殺し合いをさせられる恐ろしいものだ。
今はその刃が魔人に向けられる事は無いが、いつ殺されるか全くわからない。
だからこそ、ケイブリスは安全に安全を取って魔王から離れる選択を選んだ。
何とか強くなりはしたものの、あの魔王の前では自分が未だに無力なリスでしかないと思い知らされたのだ。
「ここは我慢だ…我慢して何とか強くなるんだ…」
今は何もせずに、ただ只管に己を鍛える事に集中するしかない。
魔王に注目されないように、目立たずにひっそりと己を鍛えるしかない。
「早く…早く時間が経ってくれ…」
ケイブリスは今日も眠れぬ日々を過ごしていた。