ランス再び   作:メケネコ

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メガラスの戦い方は完全にオリ設定になります…
メガラスパッチ出してくれよ…アリスソフト様…
新しいメガラスのCGをみたいんじゃ~




魔人メガラス

(むぐぐ…こいつは強そうだぞ)

 ランスも一流の戦士、相手の実力を見抜く力はある程度は持っている。

 持っていても油断したりと色々な所でポカをするのもランスなのだが、目の前の相手はまったくもって油断出来るような相手とは思えなかった。

 今まで相対した魔人―――色々な魔人がいたが、目の前にいる魔人は今までランスが倒して来た魔人とはまったく異質なものに感じられた。

 これまでの相手は魔人のくせに感情的であったり、色々と隙をつける部分もあった。

 が、その魔人にはそんなものが全く感じられない。

 姿はランスが倒したメガフォースに似ているような気がするが、感じられる気配が全く違う。

 あのホルスの連中とは比べものにならないくらいに強い。

 

「………」

 

 メガラスもメガラスで、誰が相手でも油断はしないように慎重に相手を観察する。

 元々はメガラスは戦闘要員のホルスではなく、整備士の一人だった。

 他の技術者は戦艦の墜落の際に、全て死んでしまった。

 墜落から数百年後、その時の魔王アベルに襲撃されてもメガラスは果敢に立ち向かい続けた。

 そしてメガラスはアベルに気に入られ魔人となった。

 それから長い時間が経ち、メガラスはいつの間にかこう呼ばれるようになった。

『世界最速』の存在と。

 そんな魔人であるメガラスだが、目の前にいる人間を決して甘く見てはいない。

 最初に不意打ちの形で目の前の男に一撃を食らわせて気絶させる予定だったが、この男は驚異的な反射神経で自分の一撃をその剣で防いだ。

 初撃を防がれたメガラスは、その時の予定通りに女性二人をガルティアに任せ、自分はこの男を捕らえることにした。

 距離が大分離れたところでこの男を叩きつけようとしたが、男はその状況から受身を取って見せた。

 今のメインプレイヤー―――人間とも何度か戦った事はあるが、この人間がそれを遥かに上回る存在だと認めた。

 

(もしかして俺様ピンチか?)

 ランスはランスでこの状況に頭を悩ませていた。

 相手は恐らく魔人…ランスには現状で魔人の無敵結界を解除する方法が無い。

 今持っている剣は切味は素晴らしいが、魔人の無敵結界を斬れないのは先程理解した。

 魔人に叩きつけられたときに剣を振るったが、それは無敵結界に弾かれてしまった。

 無敵結界を破る手段は魔剣カオス、聖刀日光しか存在しない。

 ランスはその内の1本である魔剣カオスを持っていたが、今は色々とありその手には存在しない。

 他にも魔封印結界という手段はあるのだが、勿論ランスには使う事は出来ない。

 つまりは現状は自力で何とかしなければならないという事だ。

 

「ぐぐ…」

 

 ランスは呻くが、それでもメガラスからは視線は逸らさない。

 先程はかろうじて攻撃を防ぐ事が出来たが、ほとんど勘でかわした様なものだった。

 一番の手段は逃げる事なのだが、この魔人のスピードを考えれば逃げる事は難しいだろう。

 

「おい貴様! 一体俺様に何の用だ!」

 

 ならば残る手段はランスの何時もの口からの攻撃なのだが、

 

「………」

 

 メガラスは何も答えない。

 ただ無言で自分をその紅い眼で見ているだけだ。

 

「用があるなら何とか言ったらどうだ!」

「………」

 

(ダメか…)

 魔人はこちらと会話する気は無いらしく、どこまでも無言を貫いてくる。

 ランスが歯噛みしていると、突如としてメガラスが動く。

 

「グッ!」

 

 まるで鋼と鋼が打ち合うような音をして、メガラスの腕とランスの剣が交差する。

 まさに一瞬、ランスとてほぼ本能で相手の攻撃を防いだにすぎない。

 しばらく睨み合いが続くが、意外にも先に距離をとったのはメガラスだった。

(何だと?)

 ランスは魔人の動きに困惑する。

 今の状況で魔人が距離を取る理由が分からなかった。

 一方のメガラスも相手は一筋縄では行かないと感じていた。

 先程の一撃を防いだのもそうだが、今の一撃を防いだのも偶然ではない。

 この人間は自分の攻撃を防ぐ技量を持つ、確かな戦士だとメガラスは確信した。

 ならば…と、メガラスは再び攻撃をしかける。

 

「チッ!」

 

 ランスはメガラスの攻撃を今度はある程度の余裕を持って受け止める。

 メガラスは表情には全く出さないが、内心では驚く。

 まさかここまであっさりと攻撃を受け止められる等とは思ってもいなかったからだ。

 メガラスは今度は離れずに攻撃を仕掛けるが、ランスはそれを剣でいなし、時には攻撃が通じないと知りながらもその剣の衝撃で相手の攻撃を防ぐ。

 ランスの攻撃の鋭さは以前にも増しており、メガラスはその衝撃に驚きを見せる。

 強力なムシとの戦いでもこれほどの衝撃はめったに無い。

 それこそ大型のティラノサウルスくらいのものだ。

 それがこの小さな人間が繰り出している、それはメガラスの生の中でも衝撃だった。

 メガラスは攻撃方法を切り替える。

 メガラスの本来の攻撃方法である、自身のスピードを活かしたヒット&アウェイの方法へと移行した。

 

「うおっ!」

 

 目の前から突如として消え、そして攻撃を仕掛けてくるメガラスにランスは目を白黒させる。

 しかしそれでもランスはその一撃を受け流し、また避けていく。

(確かに早い、が…)

 ランスは徐々にメガラスの動きを見切っていく。

 メガラスのスピードは確かに早いが、動きそのものは単純だ。

 リック・アディスンのように手数が多い訳ではなく、動きが早いだけならば今のランスは十分に反応できている。

 ダメージこそは与える事は出来ないが、それでも防ぐだけならば今のランスならば難しくない。

 剣戦闘LV3、それは攻撃だけではなく防御にも表れていた。

 普段はランスは攻撃一辺倒であり、防御の事はあまり考えてはいないが、今では自然に体が動き相手の攻撃を捌く事が出来ている。

 魔人の攻撃を捌いている内に、ランスは相手の攻撃を完全に読めていた。

 相手はフェイントを織り交ぜて攻撃をしてくるが、ランスは全ての攻撃を捌き、時にはカウンターまで放ってみせる。

 無敵結界によりダメージを与える事は出来ないが、その衝撃により確実に魔人の動きを鈍らせていた。

(だが…このままではどうしようもないぞ)

 内心はランスは焦っていた。

 いくら相手の攻撃を防ぐ事は出来ても、相手を倒す事が出来なければ結局は体力の差で押し切られる。

 

「むぐぐ…」

 

 だがランスに出来るのは呻く事ぐらいだ。

 いくら素晴らしい技能があろうとも、神の定めたルールを破る事は出来ない。

 

 

 一方のメガラスもこのランスに対して完全に認識を改めていた。

 まさかここまで自分の動きについてこれるなど、考えてもいなかった。

 それどころか自分の動きを完全に見切られているようにも感じられる。

 人間と戦うのは初めてではないが、まさかここまで自分の動きについてこれるなど考えてもいなかった。

 だからこそ、メガラスは本気を出す決意をする。

 この人間は普通の人間ではない。

 勿論倒すだけならば簡単だ、このまま無敵結界を利用しての体力切れを狙えば良いだけだ。

 しかしそれでは時間が掛かるし、何より今回は一人ではなく、ガルティアとも一緒だ。

 それに、この人間がどれくらい自分と戦えるのか、そして何故魔王がこの男に興味を持ったのか、それを知りたくなった。

 

「むっ」

 

 メガラスはランスから一度離れる。

 ホルスにはこの世界には無い力がある。

 メガラスは魔人となり、この力に改めて磨きをかけた。

 これこそがAV期に魔王アベルからホルスの戦艦を守り続けてきた力。

 

「な、何だ!?」

 

 ランスは驚きの声をあげる。

 目の前にいる魔人から得体の知れない力が感じられる。

 そしてそれが目に見える力でランスの前に示される。

 メガラスの体が浮き上がり、肩から背中にかけて青い粒子のような物が舞う。

 その粒子はまるで翼のような形をとる。

 これこそがメガラスの本当の力。

『フォース』、それがホルスに備わる力であり、メガラスはそのフォースを使いAV時代に仲間を守り続けていた。

 本来は戦闘要員ではないメガラスが、魔人となる事で開花させた力。

 

「………行くぞ」

 

 メガラスは初めてランスに向けて言葉を放つ。

 それはメガラスなりの戦いの合図だったのかもしれない。

 

「ぬお!」

 

 それはまさに一瞬、先程とは比べ物にならない速さでメガラスはランスに迫る。

 ランスがそれを避ける事が出来たのは本当に偶然。

 たまたま地面の石に足を取られたという事が結果的にランスを救った。

 

 ズドンッ!

 

「な、何だと!?」

 

 まるで巨大なバリスタが木に打ち込まれたような音がして、ランスがその方向を見ると、巨大な木に穴が開いている。

 ランスはそれがメガラスの一撃である事を嫌でも理解する。

 すぐに立上り、本能的に剣を構える。

 

 ガキッ!!

 

 鈍い音がして、ランスの剣が、それを支える腕が悲鳴を上げる。

 それだけに留まらず、ランスの体がその衝撃に耐えられずに吹き飛ばされる。

 ランスが剣を構えた事によって、ランスはメガラスの体当たりではなく無敵結界に弾かれる形になったからだ。

 メガラスは上空から吹き飛ばされたランスを見る。

 メガラスの驚きは、今の一撃を勘とはいえ防いだ事、自分の一撃にその剣が耐えた事。

 そして何よりも、自分を睨みつけるその顔。

 

「………」

 

 思えば自分が魔王アベルから仲間を守るべく、一歩も退かなかった時もあのような顔をしていたのだろうかと思う。

 郷愁に浸るのも悪くはなかったが、今は相手を倒すほうが先決だ。

 メガラスがしているのは『本気の手加減』だ。

 決して誰であっても油断はしない、それがメガラスという魔人。

 メガラスのフォースがまるで翼の様にうごめくと、一気にトップスピードでランスに襲い掛かる。

 ランスは肉眼ではその動きについていく事は出来ないため、ほとんど勘で防ぐしかない。

(こいつは…)

 早いだけなら何とかなる…なるはずだと思いながら、やはり勘だけで剣を振るう。

 先程はどんなに早くても一直線故に動きを見切る事が出来たが、今回は違う。

 背中の粒子がまるで推進力になっているかのように、直前での動きの切替が可能になっているようだ。

 ほとんど粒子の残像を頼りに攻撃を防いでいるだけだ。

 勿論そんな事はあのリック・アディスンにも出来はしない。

 ランスは無意識に、そして確実に剣戦闘LV3技能をその身で理解して戦っているのだ。

 しかしそれも長くは続かない。

 体力だけでいえば、ランスもパットンには及ばない物の、かなりのものだ。

 だがこれだけの超スピードの前には、ランスの体力も徐々に削られていく。

(クソ! このままでは本気でヤバイぞ!)

 今ではもう肩で息をするまで体力が削られている。

 対するメガラスはまだ余裕という感じだ。

 

「………」

 

 メガラスは冷静にランスを観察する。

 剣の腕前は確実にガルティアをも大きく上回る。

 いくらガルティアでも、フォースを使った自分の動きに剣だけで対抗する事は出来ないだろう。

 しかしこの男はその腕と勘だけで自分の攻撃を防いでいる。

 手加減をしているとはいえ、全力で攻撃をしかけているはずなのにだ。

 だがこのまま行けば相手を無傷のまま捕らえる事が出来るとも確信していた。

 

 ランスは一撃だけの機会を探っていた。

 あのスピードは今の自分では完全に見切る事は出来ないと理解していた。

(…一撃をカウンターで決めるしかないな)

 無敵結界と言えども、相手は自分の剣で体勢を崩したりしている事は分かっていた。

 ならば、ランスアタックを上手く当てる事が出来れば、倒すのは無理だが行動不能に出来るかもしれない。

 本来であればそんな無謀な賭けはしないのだが、今の状況ではもうそれしか考え付かなかった。

 これ以上長引けば、ランスアタックを打つ気力と体力も削られてしまう。

 だからこそランスは一撃で決めるしか無いと考え、その動きを注視していた。

(あいつは俺の右側から攻撃を仕掛ける事が多いな)

 ランスは普段は片手で剣を振るい、必殺技の時は両手で剣を持つ。

 だからこそ相手は剣を持っていない右側から攻撃を仕掛ける事が多いのだろう。

(チャンスは一度だけだな)

 だが、ランスに不安は無い。

 これまでもっとヤバイ強敵と戦ってきた。

 だからこそ今回もやれるはず…ランスはそう信じて疑わない。

 ランスはメガラスの動きを注視する。

 相手の動きに合わせるのでは遅い…相手が動く前にはもう既にランスアタックを放つくらいの速さでなければダメだ。

 

「………」

「………」

 

 無言のにらみ合いが続いた時、先に動いたのはランスだった。

 それはまさに一瞬の出来事。

 

「ラーンスあたたたーーーっく!!!!」

「………!」

 

 ランスの必殺の一撃がメガラスの無敵結界に当たる…はずだった、ランスの予想では。

 しかしメガラスはその一瞬をフォースの力で避けようとする。

 が、完全に避けられた訳ではなく、その衝撃波までは防ぐ事は出来ない。

 ランスアタックとメガラスのフォースの一撃は互いに相殺し、二人は同時に吹き飛ぶ。

 

「ぐっ!」

 

 ランスは自分の攻撃が完全に当たらなかった事に歯噛みする。

 今の一撃は確かに魔人を吹き飛ばす事は出来たが、状況を打破する事は出来なかった。

 

「あっ、やば…」

 

 そして起き上がったときにランスが見たのは、今まで以上に粒子を纏った魔人の姿。

 

 メガラスは素直に相手の実力を認めていた。

 まさか『世界最速』と言われている自分の動きを予測して、あのような一撃を放つとは思ってもいなかった。

 もし無敵結界が無ければ今の一撃で気絶くらいはしたかもしれない。

 だが戦いには『もしも』は存在しない。

 互いに吹き飛びはしたが、メガラスはフォースの力で地面に倒れるという状況にはならない。

 それに比べて相手は後ろに吹き飛び、尻餅をついている。

 その一瞬の差がこの勝負の全てを決めたと言えるだろう。

 

「…行くぞ」

 

 メガラスの己の必殺技である「ハイスピード」の準備は既に整っている。

 この高速の一撃は今の相手の状態では防ぐ事は不可能だ。

 無論本気で殺すつもりは無いが、動けなくはさせてもらうつもりだ。

 

「…ハイスピード」

 

 メガラスが一瞬で勝負を決めようとしたとき、

 

 グガァァァァァァァァ!!!

 

 森に凄まじい咆哮が響く。

 メガラスは思わず「ハイスピード」の体勢を解除する。

 この声は過去に聞いた事があった。

 昔、ホルスを襲ったのは魔王だけではない。

 魔王以外にも強力な敵は存在していた。

 モンスターには時には変異種というものが生まれる。

 それは通常のモンスターよりも凶暴で、メガラスも危うく死に掛けた事もある存在。

 そしてその咆哮はガルティア達がいる方向から聞こえてきた。

 

「な、何だ?」

 

 ランスもその咆哮が聞こえてきた方を向く。

 まるでドラゴンのような咆哮だが、ドラゴンの姿は見えない。

 ランスが魔人の方を見ると、その魔人は既に意識をランスに向けておらず、その咆哮が聞こえた方に向いていた。

 

「あの方向は…いかん!」

 

 あの方向には確かケッセルリンク達が居た方向…向こうの方で何かがあったという事だ。

 ランスは目の前の魔人を無視し、その方向に向かって走る。

 何かもの凄い嫌な予感を感じる。

 そしてこのような時のランスの勘は当たってしまう事も多々あった。

(だが…どれだけ離れているかわからんぞ)

 ランスは魔人にここまで連れてこられたのであり、ここが何処なのか正確な位置は分からない。

 それでもランスは動かずにはいられなかった。

 

「あん?」

 

 しかしその歩みが急に宙を蹴る。

 ランスはメガラスに体を掴まれていた。

 

「貴様!」

「………動くな。振り落とされるぞ」

 

 それはランスが初めて聞く魔人の声。

 これはメガラスにとっても不測の事態だ。

 もしあの咆哮が、メガラスが思っている奴の声だとすれば、ガルティアはともかく目標の二人の命が危ない。

 魔王の命令は生かして相手を捕らえる事であり、ガルティア一人では手に余る可能性がある。

 それならばこの男の力も必要になるとメガラスは考えた。

 ランスはその魔人の思惑は分からないが、直ぐに移動できるのであれば今は構わなかった。

 そしてランスの目に飛び込んできたのはランスの想像以上の光景だった。




ちょっと短いですが魔人メガラス戦です
メガラスのイメージですが、ZOEシリーズのジェフティみたいな感じで

ちなみにランスはまともにやりあえば現状では完敗です
メガラスは全力で手加減している状態です
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