「邪魔だ! 死ねーーーーーーっ!」
「ぐげぎゃあああああああ!!」
ランスの一撃で巨漢の鬼が崩れ落ちる。
本来鬼は首を刎ねられた程度では死なない存在だが、ランスの一撃はその鬼すらも容易く砕く。
「次は俺だ!」
「イヤ、オレダ!」
「むさ苦しい奴等が俺様に近寄るんじゃねー!」
ランスは襲い来る鬼を撃退しながら舌打ちする。
やはり鬼とは面倒臭い存在だ。
その生命力と闘争本能は脅威だ。
「しかし鬼が出て来るとなんてね。結構厄介ね」
レンは残った鬼を纏めて吹き飛ばしながらため息をつく。
「お町、気配はあるか?」
「うむ…近くなってるの」
お町は妖怪王なので、その手の妖気を感じ取る事が出来る。
そしてとうとうこのダンジョンを見つけ、数日前から潜っている。
このダンジョンは中々手強く、ランスでも攻略には時間がかかっているが、それもまたランスにとっては楽しみだ。
「で、今度はミスをしてないだろうなあ」
ランスはにやにやと笑いながら日光の尻を撫でる。
「…していません。だから止めて下さい」
日光はやんわりとランスの手を払う。
日光は可能な限りランスとは目を合わせ無いようにしている。
ランスに抱かれてからもう2週間程になるが…それからもランスにはオシオキと称して抱かれ続けていた。
「…ランス殿、確かに私は戒めとしてあなたに体を許しました。ですがこれっきりです」
ランスに抱かれた翌日、日光はシーツで体を隠しながら毅然とした目でランスを見ていた。
ただ、シーツで体を隠したのはいいが、そのシーツがとんでもない事になっていたのであまり気持ちよくは無い。
しかも濃厚な臭いが染みついており、それが日光に嫌でも昨日何があったのかを思い知らせていた。
「ふーん。だがお前を俺様の女にするのはもう決まった事だ。今拒否してもお前は絶対俺様のモノになる。そう決まっとるんだ」
「勝手な事を言わないで下さい。ランス殿は悪人ではあると思ってましたが…やはりその通りでした」
「フン、本当の悪党というのはこんなもんじゃないぞ。お前の世間知らずには呆れるな」
ランスから言わせれば日光が甘すぎるのだ。
「それにお前だって散々ひんひん言ってただろうが。この跡がその証拠だ」
「そ、それは!」
ランスの言葉に日光を顔を赤らめて声を荒げる。
それは日光もまた昨日何をしたのかハッキリと覚えている証拠だった。
初めてだったというのに、ランスに何度も絶頂させられた。
何度もランスの精をその体に受け、口でもランスのハイパー兵器を綺麗にさせられた。
日光は殆ど抵抗できずなすがままだったが、その体はランスの体を受け入れてしまっていた。
ランスと日光の相性は非常に良く、日光自身信じられない程に気持ちが良かった。
「それでもです! 私は必ず仇を取ると誓いました。それまでは女で有る事も捨てるつもりです」
「ほーん。で、その仇を取ったらどうするつもりだ?」
「…え?」
思いがけないランスの言葉に日光は言葉に詰まる。
仇を取った後、そんな事は全く考えてもいなかった。
「それは…」
「まあ答えなくてもいいぞ。どうせ答えなんて出てこないだろ。まあ思いつめるのは止める事だな」
「ランス殿…」
「お前も少しくらい笑ったらどうだ。俺様はお前が笑ったところなぞ見た事が無いぞ」
ランスの言葉に日光は俯く。
ランスの言う通り、親兄妹が魔人に殺されてから日光は心から笑った事は無い。
心が死んでしまったという事は無いが、心にあるのはあの魔人への復讐心だ。
「で、お前はそんなに俺様に抱かれるのが嫌なのか。別に隠す必要は無いぞ。ハッキリ言え」
「………」
ランスの真剣な顔に日光は何も答える事は出来なかった。
抱かれるのが嫌か、と聞かれれば嫌と答える事は躊躇われた。
もし本気で自分がランスを拒絶すれば、ランスは間違いなくその場は引き下がるだろう。
ランスの人となりを見て、日光もそれくらいは理解している。
悪人ではあるが、決して外道では無い。
お世辞でも性格は良いとは言えないが、それを補って余りある魅力も感じていた。
「即答しないという事はお前も悪くないと思っているという事だ。だったら別に拒否する必要も無いだろ」
「…やはり駄目です。私は…家族の仇を討つのです。それまでは」
「だったら俺様は速攻であの魔人をぶっ殺すぞ。そうすれば俺様の女になるという事だな」
「またあなたはそういう事を言う…」
日光はランスの言葉に微妙な表情を浮かべる。
ランスという人間は本気だ。
自分という女を手に入れるためなら、本気であの魔人を倒すだろう。
無敵結界をどうするのかは分からないが、それでもこの男なら何とかしてしまうのではないか、そんな思いが日光にはあった。
「とにかく俺様は絶対にお前を俺様の女にする。お前も俺様の魅力にメロメロになるのは間違いなしだ。がははははは!」
ランスに抱かれた朝、こんなやり取りがあった。
ただ、その後でランスは自分にこんな条件を付けてきた。
『お前が冒険でヘマをしたら大人しく抱かれろ』と。
日光はそれを拒んでも良かった…いや、拒むべきだったと今更ながらちょっとだけ後悔をしていた。
「お前の所為でこんなに沢山の鬼に襲われたんだからなー。全く、お前は本当にドジだな」
「…うぅ」
その言葉に日光は何も言葉を返す事は出来ない。
そんな日光を見てスラルが呆れたように声を出す。
「全く…お前という男は何処までも意地の悪い奴だ。ただ日光…お前も少しは学習をしろとも言いたい」
「面目ありません…」
スラルの言葉に日光は小さくなる思いで頭を下げる。
何故かは知らないが、日光は罠によく引っかかってしまっている。
中には地雷の罠、電流の罠、見えてはいけないモノが見えてしまう罠など沢山だ。
致命的なミスはしていないが、ダンジョンの攻略に影響が有るのは事実だ。
「フフン、今夜もオシオキ決定だな」
ランスの言葉に日光は手を力強く握りしめ、己の不出来を反省するしかなかった。
言い訳のしようが無く、日光が迷惑をかけているのは自分自身も良く分かっているからだ。
「でも流石にここまで来るとね…罠解除のアイテムとかも貴重な訳だし」
レンは手持ちのアイテムを見て嘆息する。
今の時代ではその手のアイテムを購入するのが難しく、ダンジョンで拾う以外に方法が無い。
探せば人里はあるだろうが、そこに目当てのアイテムが売っている保証は無い。
「レンジャー技能を誰も持たないと言うのはやはり厳しいな」
「フン」
スラルの言葉にランスは不愉快そうに唇を尖らせる。
スラルの言う通り、このパーティーにはレンジャーの技能を持つ者が居ない。
普段の冒険で有ればかなみが一応はレンジャーとしての力を持っているが、居ない者を言っても仕方が無い。
何故か大まおーがその役割を担っていたのだが、大まおーは魔王ジルとの戦いで離れ離れになってしまった。
そうなるとダンジョンでのモンスターの奇襲や罠の危険性が増えるのは当たり前の事だ。
やはり冒険…特にダンジョンの攻略にはレンジャーの力は必要だ。
しかし今はその技能の持ち主は居ない。
なので危険な状況の中、ランス達は進んでいる。
「とっとと進むぞー! がはははは!」
ランスは能天気に笑いながら進んでいく。
そんなランスを見ながら日光は複雑な顔でランスを見る。
「お前も大変だな。だが、それもランスに関わった者の宿命だ。大人しく受け入れるのだな」
スラルはそんな日光を慰めるようにその肩を叩く。
「スラル殿…その…スラル殿は宜しいのですか? 私が…その…」
「そんなの今更だ。それにランスにはそういうモチベーションが有った方が上手く行く可能性が高い。それに、本当に拒否をすればランスは取り敢えずは引き下がるはずだぞ」
「それはそうなのでしょうが…」
本気で拒否をすればランスも無理矢理日光を抱くような事は無いとは思っている。
だが、不思議と日光はランスの事を強く拒否する事は出来ない。
「それとな…ランスの言っている事は間違ってはいない。お前は甘すぎる…人間の善性を信じるのはお前の自由だが、それが必ずしも正しいとは限らない」
「…いけない事なのでしょうか」
日光も既に気づいている…あの母親の言葉は嘘だったと。
あれは日光を騙した言葉であり、最初からあのモンスター達とつるんでいたのだろう。
ランスはそれに気づいていながら、日光にそれを分からすためにあえてその誘いに乗った。
その結果、日光は命の危機に晒された。
「お前だけが危機に陥るならいい。いや、ランスからすれば良くは無いが…とにかく、お前一人の行動が周りに返ってくるという事もあると言う事を覚えておけ」
「そういうものでしょうか…」
「人間はそういうものだ。秀でている者を妬み、排除しようとする…自分の嫉妬で愚かな行為をするものだ」
そう言うスラルの顔は何処か達観しているかのように見える。
まるでそういう事を見てきたような言葉に日光はこれ以上スラルに何かを言う事は出来なかった。
「あとそれと…これは余計な詮索かもしれないが、お前はランスの言葉をどう思う? 一人の女として聞いてみたかった」
突然の言葉に日光は驚きに目を見開く。
まさかこのスラルからそんな言葉が出るなんて予想外だった。
それも何処か恥ずかしそうに聞いてくるあたり、スラルがランスをどう思っているのか、それはそういう事に鈍い日光でっも察する事が出来る程だ。
「…スラル殿はランス殿の恋人…では無いのですか?」
「恋人か…我にはそれが分からぬ」
「そう…なのですか?」
「ああ。我にはそういう感覚が今一分からぬ」
もしこれが日光で無ければ…スラルに対する答えになっていたかもしれない。
だが、生憎とスラルが漏らした相手はこれまたそういう機微が分からない日光だった。
「なら…私にも分かりません。私も自分がランス殿をどう思っているのか分からないのです。あの人は…ランス殿には申し訳ありませんが、褒められた性格ではありませんから」
「それは否定しない。善人か悪人かで言えばランスは間違いなく悪人だからな。だが、悪人だからこの世界を悪くするとは限らないという事だ」
「悪人ですか…どちらかといえば子供のような感じもしますが」
楽しそうに冒険をし、楽しそうに自分を抱く…その行動原理はまさに子供だ。
「ああ、それと一つ言っておいてやる。お前も少しは声を抑えた方がいいぞ。まあ我も人の事を言えないとは思うがな」
「!!」
スラルの言葉に日光の顔が真っ赤に染まる。
ランスとセックスをしているのは当然気づかれているのだが、まさか声が大きいと言われるなど思ってもいなかった。
「お前も結構情熱的な声を…」
「言わないで下さい!」
何かを言おうとするスラルの言葉を日光はその口を塞いで止める。
「おいお前ら! とっとと行くぞ!」
「あ、はい!」
ランスの声に日光は少し声を荒げてからランスの後を追って行った。
そんな日光を見て、スラルはため息をつきながらその後をついっていった。
その夜―――
「うーむ、中々進まんな」
ランスは食事を取りながらも意外と落ち着いた様子で言葉を放っていた。
「やはりレンジャーが居ない以上、慎重に進まざるを得ないからな。だが少しずつ進んでは来ている。問題は無いだろう」
「それと日光が結構な頻度で罠を踏んじゃうのもあるんじゃない? それが悪いとは言わないけど」
「…申し訳ありません」
レンの言葉に日光は小さくなって答える。
その言葉は事実であり、日光自身も何とかしたいとは思っている。
だが、日光がいくら強くなろうとも、やはり経験が足りないのは明らかだ。
「まあ俺様はそれでもいいがな。何しろ日光がヘマをすれば俺様は思う存分楽しめるからな」
上機嫌に笑うランスに日光は顔を赤くする。
それは日光も承知した事であり、その結果は日光にとっては戒めだ。
(でも…それがどんどん嫌ではなくなってく自分が居る…)
最初はランスに抱かれるのは仕方が無いと思っていた。
自分のミスで仲間を危険に晒してしまったという事に日光は責任を感じていた。
ランスの言っている事もスラルの言っている事も今は理解している。
こうして冒険をしているからこそ分かる、ダンジョンの中の危険さを。
一つのミスで自分が、いや、皆が危険にさらされるのが冒険だという事を。
だからランスの言葉も自分への危機管理として受け入れた。
そして自分は散々にランスに抱かれる結果になった。
初めは感じてはいけない、これは自分への罰だと言い聞かせていたはずだった。
だが、それが何時の間にか薄れていっている自分に気づいてしまった。
ランスとのセックスに嫌悪感は存在しない。
もしこれが日光の精神が成熟した時代…ブリティシュやホ・ラガ、カオスにカフェ・アートフルと先に出会っていればそうはならなかっただろう。
ハッキリとランスの言葉を断っただろうし、このままずるずると流される事はなかっただろう。
だが、この世界ではそうはならなかった。
日光はまだ自分という人間性が完成される前にランスと出会ってしまった。
日光もまだこの時は一人の女だった。
「それはそうとお町。お前、最近に何か色々やってるようだが何をやっとるんだ」
「うむ…我は今は戦闘ではあまり役に立てぬからな」
食事もそこそこに書物を熱心に読んでいるお町を見てランスは目を細める
最近はお町は本の虫になっており、何時もその手には本が有る。
「これは陰陽師達が残した書物…その中でも陰陽術について書かれた書物じゃ。恐らくは我でも使えるだろうからな」
お町は自分の力不足を思い知っている。
それはこの前の元魔王の一部である、ククルククルとの戦い以外でも顕著だ。
弱い魔物や中級の魔物程度であれば妖怪王のスペックで倒せるが、それ以上となると厳しい。
そしてランス達は上級の魔物でも苦も無く倒せる、それくらいのレベルにあるのだ。
「力が足りなければ搦め手で行けば良い。我にはそれくらいしか出来んからな」
「まあお前もまだまだ弱弱だからな。だがでっかくなれば強くなる。それは俺様が保証してやろう」
「そ、そうかの」
ランスの言葉にお町は嬉しそうに笑う。
お町にとってはランスは先代妖怪王の黒部が認めた男だ。
そのランスが自分を認めてくれるというのは、2代目妖怪王として誇らしい事だ。
「陰陽術か…確かに厄介な術だったな。鬼を操るのも陰陽師の力だったな」
「確かに面倒くさかったわね。あの北条早雲とかいう奴が特に」
「私は陰陽術をよく知らないのですが…皆様は知っているのですか?」
日光としては当たり前のように陰陽師の事を話す皆に疑問を投げかける。
何しろ今はGL期、JAPANに住まう日光でも陰陽師についてはよく知らない。
「色々とあったのだ。まあそれは何れ話してやろう」
「…はぁ」
ランスの言葉にも日光は少し納得はいかなかったが、話してくれるというのならば今は引き下がるしかなかった。
「まあそれよりも…分かってるな日光」
ランスの言葉の意味を敏感に感じ取り、日光の体が震える。
今日もランスに自分の体を好きにされる…その事への緊張、そして期待、それが入り混じった感情が日光の態度から見て取れる。
そんな二人を見てもスラル達は特に何の感情も見せない。
最早何時もの事であり、慣れてしまっているからだ。
「我はお町に付き合おう。陰陽師の力には興味が有るからな」
「私は今日は早めに寝るわ。ランス、あんまり日光を苛めるんじゃないわよ」
スラルはお町に付き合う事にし、レンは早々に休む事にする。
そして日光はランスに部屋へと連れ込まれてしまった。
もう何度も何度も自分が抱かれたベッドの上に座る。
今更拒否をする気は無いが、日光には聞かなければいけない事があった。
「あの…聞いてもいいですか?」
「何をだ。下らん事なら聞かんぞ」
「ランス殿の剣ですが、ランス殿は叫び男や微笑み男をいとも容易く斬っていました。一体ランス殿には何が見えているのですか?」
日光はランスの動きを注視してきた。
ランスの剣は真似できなくても、その戦い方は自分の剣に取り入れられる。
今はランスから借りたクリスタルソードを使っているが、幸いにも日光の技はクリスタルソードでも扱う事が出来た。
「叫び男…ああ、あの煩い連中か。あんなの簡単だろ」
「剣が効きにくい相手だと思いますが…ランス殿はまるで紙でも斬るかのようにあっさりと。ランス殿の剣が理解出来ないのは承知の上ですが、剣を使う者として聞いておきたいのです」
一体ランスからはどんな風に相手が見えているのか。
魔人と戦っている時も、無敵結界の前に傷をつける事はかなわなかったが、剣技では完全に上回っていた。
日光も大分レベルが上がったからこそ、ランスの異常な力が身に染みて分かっていた。
「…いや、普通に斬ってるだけだぞ。まあ何となく何処を狙えば楽にぶっ殺せるかは何となく分かるが」
「それが知りたいのです。ランス殿の剣の強さはその技だけでない、と私は思っています」
ベッドの上でランスに迫ってくる日光には流石に驚く。
「そんなの説明しても分かる訳が無いだろ。俺様は連中がどう動くのか何となく分かる。連中の隙を狙って斬る。隙が無くても斬る。それだけだ」
「完全に感覚なのですね…私がその域に達するにはどれくらいの鍛錬が必要なのか…」
ランスの説明は最低の部類だが、日光には何となくだが分かる。
とにかくランスの剣は無駄なく相手を殺す事に長けている。
殺し合いの中での見切りが上手いとでも言えば良いのだろうか、とにかくランスの剣は勝負を決めるという点では素晴らしい。
どれだけ劣勢だろうが、一瞬の隙を見逃さずに相手を倒す、その力がずば抜けているように感じられた。
「出来るかどうかは俺様は知らん。まあお前を鍛えてやる事は忘れてないから心配するな。それよりもやるぞ。これはオシオキだからな」
「…はい」
オシオキという言葉を聞き、日光は自ら服を脱ぎ始める。
その動作には恥じらいは無さそうに見えるが、ランスの目には日光が怖がりながらも期待しているように見えた。
(うーむ、日光も大分…いや、かなりセックスには積極的になってきたからな。今日からもっと踏み込むか)
ランスとしてはじっくりと快感を教え込み、それから自分の好みに調教みたいな事をするのもいいかと思っていた。
女性を辱める…とまではいかないが、セックスの過程でのソフトな責めはランスの好みでもあった。
基本的にはランスにとってはセックスは非常に気持ちの良いもので、相手を苦しめる行為は好まない…ようになっていた。
勿論敵対している女ならオシオキという名の無理矢理な行為に及ぶが、自分に近い女にはそんな事はしない。
「お前の体、どんどんと色っぽくなってきたな」
日光の肌を見てランスは何気なくそう口にする。
最初は少し細身でまだ未発達の少女のような肢体だったが、ランスと出会って食事のランクが上がり、そして鍛えていった結果、日光の体は戦士としても女性としても仕上がってきた。
「…別に私はそんな事は望んでいません」
「褒めてるんだぞ。女が色っぽくなったと言われてへそを曲げるな。まあいい。それよりもお前もそろそろセックスを楽しみ始めた頃だろう」
「そんな事はありません」
日光はランスの言葉を強く否定する。
その迫力にはランスも思わずひいてしまう程だ。
「分かった分かった。そう睨むな。だが、お前はオシオキを受けている事を忘れるなよ? という訳で今日からはお前も俺様を気持ちよくしてもらおうか」
「…私が、ですか?」
日光はランスの言葉に眉を顰める。
これまでのランスとのセックスは只管に日光がランスに責められるプレイだ。
何しろランスと日光は体の相性が非常に良く、時間があれば互いにくたくたになるまで行為をするのも珍しくない。
ただ、日光はその中でも受け身の体勢でしかなかった。
知識が乏しいので何をしていいのか分からないという事もあるが、それを差し引いても日光も何をしていいのかが分からなかった。
騎乗位もした事はあるが、それも下からランスに責められるだけで自分からは動かない…いや、動けないのだ。
「とにかくだ。ただ突っ込んで気持ちよくなる事だけがセックスじゃない。それ以外も重要なのだ、うん」
ランスは得意の誤魔化しと出まかせを混ぜながら日光の体に手を伸ばす。
日光の強さもかなりのもので、上杉謙信にはまだ及ばないものの、チルディやレイラとは良い勝負が出来るくらいに強くなっている。
それなのにその体は柔らかく、その胸の弾力も素晴らしい。
「だから今日は色々と俺様が教えてやろう。まずは俺様のハイパー兵器を咥えて貰おうか。掃除はした事があるだろうから要領は分かるだろう」
「…く、咥える…ですか」
ランスの言葉に日光の体がどんどんと朱に染まっていく。
その言葉通り、ランスのハイパー兵器を口に含んだ事はあるが、その時は既に日光の意識はとんでしまっている事が多い。
はっきりとした自分の意志で口にした事など無かった。
「そうだ。出来るな」
「…は、はい」
「その前に俺様のハイパー兵器をその気にさせてもらおうか。強くしすぎるなよ」
ランスがまだ完璧には大きくなっていないハイパー兵器を日光の前に出す。
日光はそれを見て生唾を飲み込むと、おそるおそると手をハイパー兵器に伸ばす。
これまで何度も抱かれたが、自分からこうして男性器に触るなど無かった。
(…すごい熱い)
ランスに言われたとおり、力を要れずに優しくランスのハイパー兵器を扱く。
拙い動きながらもランスのハイパー兵器は完全に大きくなる。
間近で見るそれの大きさに日光は思わず目を背ける。
「よーし、今度は舐めてみろ。出来るな」
だが、ランスはそれを許さずに日光の顎を掴むと、その口にハイパー兵器を突きつける。
日光は意を決したようにハイパー兵器に唇を近づける。
最初はキスをするように小さく、そして次にはその舌で舐めていく。
そして最後には覚悟を決めてその口内に収めていく。
その大きさに日光はむせるが、ランスが日光の頭を抑える。
日光は必死にランスのハイパー兵器を口内で愛撫するが、その動きは当然拙い。
ランスもそれだけで達する事は出来ないが、それでも満足感は感じていた。
(うむうむ。この調子で色々と教え込んでいくのがいいな。まあこいつは結構ドジだからどうとでも出来るだろ)
そんな事を考えながら、日光の与えてくる刺激にランスは身を任せる。
日光も必死にランスに奉仕をしているが、やはりかってが全く分からないので単調な動きになってしまう。
しばらくそうしていたが、ランスが日光の口からハイパー兵器を引き抜く。
「やっぱりまだまだだな。まあその内慣れるだろ」
「慣れる気は無いのですが…けほっ」
「まあいい。俺様がしっかりと教えてやろう。それよりも…」
「あっ」
ランスは日光を押し倒すと、何時ものように日光の体を愛撫する。
日光の体は敏感にランスの手と舌に反応し、ランスを迎える準備は既に出来ていた。
「がはははは! じゃあ本格的にオシオキじゃー! とーーーーーーっ!」
「ん、あああああああ!」
日光は今日もランスに好き勝手されるしかなかった。
そして幾分かの時が過ぎた。
ランスは日光にオシオキと称してベッドに連れ込むだけでなく、オシオキが出来ない日はスラルとレンの体を存分に楽しみ、気分上々にダンジョンの攻略にいそしんだ。
テンションが乗った時のランスの行動力、そして運は凄まじく、特に問題なくダンジョンを進むことが出来た。
「お町、どうだ?」
「うむ…気配がどんどんと濃厚になっておる。しかし…本格的な陰陽師としての技術が出来ないのが辛いの」
お町は一枚の札を片手に難しい顔をする。
スラルの助けもあり、何とか陰陽師の術の真似事のような事は出来るようになったが、やはり基本的な術式が分からないのが辛い。
それでもお町が少しでも陰陽師の術を使えるのはやはり才能と言う他無かった。
「それでも何も無いよりマシだろ。よくやったぞ、お町」
お町の頭を乱暴に撫でるランスに対してお町は嬉しそうな表情を浮かべる。
そんな2人を見て日光は思わず微笑んでしまう。
ランスは幼い子供には優しいのかもしれないと思ってしまう。
実際には…子供だろうと男には厳しく、女には甘いだけだったりする。
「気配が分かる…という事ですか?」
「まあ札が反応する程度じゃがな…それも無作為に反応してしまう。じゃから正解がなんなのかは全く分からぬ」
日光の声にもお町は難しい顔をするだけだ。
やはり基本となる術を学ばなければあまり役には立たないと痛感していた。
だが、流石にここまで気配が濃いと術が無くても分かる。
「このピリピリした感覚…確かに近いわね」
レンは周囲を見渡すが、生憎と何も存在していない。
だが、その周囲は何かが暴れた跡がきっくりと残っている。
「反応は地面…もしや地下か?」
お町が札を片手に歩いていくが、反応は地面の方向を指している。
だが、ここが最下層なので階段のようなものは無い。
「隠し階段…とかいうのがあるのかのう」
「そうなると…厄介だな」
お町の言葉にスラルは難しい顔をする。
こういう時こそがレンジャーの出番なのだが、そのレンジャー技能を持つものが居ないのだからどうしようもない。
スラルがどうしたものかと思案していると、地面が震え始める。
「…またこのパターンか」
ランスは少しうんざりした様な顔をすると同時に、地面から巨大な何かが現れる。
巨大な体に紅い目が目立つ巨大な生物…所謂大怪獣と呼ばれる存在の頭部には一本の刀が突き刺さっていた。
遅れを取り戻したいけどどうしても遅れてしまい申し訳ないです
ちょっと厳しい状態になっているので、次も遅れる可能性が有ります