ブリティシュは一人で傷ついた体を引きずっていた。
彼だけは『神』に会う事は出来ず、仲間たちを待っていた。
だが、ホ・ラガ達は帰ってこなかった。
ブリティシュは彼等が死んでしまったと思い、その場を後にした。
それでも、彼は決して折れず諦めない。
その強い意志こそが、仲間達が彼等をリーダーとして認めていた証なのだから。
日光は『神』と出会ってから自分の体の事を全て理解していた。
男性、または女性でも良いので、性行為を行わなければ魔人を斬れる剣にはなれない。
何ともバカバカしい話だが、それが真実であるとも分かっていた。
なので日光は魔人と敵対する強い意志を持ち、尚且つ強い者を探し続けた。
だが…当然の事ながら、そんな人間など見つかるはずもない。
日光が一番最初に思ったのがランスなのだが…今でもランスの姿は見当たらない。
あれ程に目立つのだから、早く見つかるのかとも思っていたが、そんな事は無かった。
カラーの所に行こうにも、日光一人ではカラーとは接触するのも難しい。
そんな訳で日光は自分を扱えそうかつ、魔人を相手にする事も躊躇わない人間を探していた。
ランスの次に思い浮かんだのはブリティシュだが、古代遺跡に再び訪れた時にはブリティシュの姿は無かった。
もしかして死んでしまったのかもしれない…と思いながら、世界を巡っていた。
しかし、そんな人間は見つからなかった。
日光は自然に自分との相性があるという事が分かった。
いくら剣の腕前が有っても、自分の力が30%しか発揮できないのでは意味が無い。
無敵結界を無効にしようが、必要となるのは魔人を倒せる『力』なのだ。
そしてそんな力を持っている者は、残念ながら日光の目から見ても存在しなかった。
(無理も無い事か…無敵結界を斬れるといっても、所詮は斬れるだけ。その後で魔人を倒せなければならない)
魔人の強さは日光も身に染みている。
魔人イゾウくらいなら、無敵結界が無ければブリティシュ達と共に倒せていたかもしれない。
しかし、最後に出会った魔人ケッセルリンク…あの存在は無敵結界の有り無しに関わらず、倒すのは難しいだろう。
(もどかしいものですね…力は有っても、それを振るうための力が必要になる)
そんな時日光は一人の少年と出会った。
少年は確かに強かった。
コーラと名乗る従者を連れ、強さの方もかなりのものだ。
まだ経験は足りないが、確実に強くなる…日光がそう感じ取った。
相性としては恐らくは悪くは無いが良くも無い程度だろうが、それでも強い事には変わりない。
なので日光は男を最初の持ち主に選ぼうとした。
そして自分を使うためには、性行為が必要である事を説明すると、その少年は俄然乗り気になった。
恐らくはそういう経験が無いのだろう、日光を見る目が男のソレだ。
日光としてもそれが今の自分の役目ならば仕方がない…そう割り切り、その少年に抱かれようと思った。
が―――その時に最悪で、そして最高の乱入者が現れた。
「がははははは! 日光! 俺様から逃げられると思うなよ!」
宿の扉が乱暴に蹴り飛ばされ、一人の男と二人の女性が部屋に入ってくる。
「え? な、なんだお前は!?」
少年は突然の乱入者に驚く。
これからやっと女の体に触れれる…その期待で股間は盛り上がっているのだが、当然の事ながらそれはランスを不快にさせた。
「ラ、ランス殿!?」
「やっと見つけたぞ! で、お前は一体何をしようとしている」
ランスはジロリと日光を睨む。
そこにあるのは強烈な怒りだ。
(無理も無い…私はランス殿を裏切ってしまった…)
スラルがランスに事情を話すと言っていたのを日光は信じている。
だが、それでもランスが自分をどうするか…それはランス次第なのだ。
そしてランスは見ただけで非常に怒っているのが分かる。
「ランス殿…申し訳ありません」
「随分と殊勝な態度だな。だが今お前は自分が何をしようとしてたか分かってるのか?」
「はい…私はランス殿を裏切りました。私の命を救ってくれたランス殿を裏切っただけでなく、あの黄金像を…」
日光はランスに土下座をするしか無かった。
それでランスの怒りが収まるとは到底思えない。
それでも、日光は謝罪以外に出来る事は無かった。
「そんな事はどうでもいい! それよりも今お前は何をしようとしていたのかを聞いとるんだ!」
「…え?」
「まさかこんなエロガキとやろうだなんて考えてないだろうな。言ったはずだ、お前は俺様の女だと」
ランスは日光を強引に抱き寄せると、その胸を少しきつく揉む。
「随分と成長したが、まさかこの俺様のおっぱいをこんなサルガキに好きにさせる気だったんじゃないだろうな」
「そ、それは…」
「俺様と離れている間何が有ったかは知らんが、俺様が現れたからにはお前は俺様の女だ。こんなエロガキが触れていい訳が無いだろうが」
日光の体をランスの大きな手が包み込む。
「あっ…」
その久々の刺激に日光は思わず色っぽい声を上げる。
「え…日光さん、嘘だよね…」
少年は非常に艶っぽい日光の声を聞き、その顔が真っ青になる。
今からこの魅力的な女性とセックスが出来ると思った時、突如として現れた男が日光の体に触れている。
そして日光はそれを抵抗すること無く受け入れている。
「がはははは! 日光は俺様の女だからな。お前みたいなエロガキが触れていい存在ではない。その粗末なモノをぶら下げてないでとっとと消えろ!」
「う、うわああああああ!」
ランスに剣を向けられ、少年は涙を流しながら部屋を出ていく。
「あ…」
日光は少年に対して罪悪感を抱くが、ランスはそんな事は知った事では無いと言わんばかりにその胸を揉む。
「とにかく行くぞ。お前には聞きたい事が山ほどあるからな」
「そうだ。感動の再会…とはならないが、色々と聞きたい事はあるからな。とにかく行くか」
「そうね。まずはここから出ましょ。騒ぎになるのは嫌だしね」
ランス達はひなびた宿から消えていった。
そして残された少年は…従者の元でいじけていた。
「酷いよ…僕は勇者なのに…やっと童貞を捨てられると思ったのに…理想のお姉さんだったのに…」
「そうですか、それは残念でしたね。まあ相手が悪いので諦めて下さい」
コーラはいじけている勇者に呆れたようにため息をつく。
「全く…手出しは厳禁というのも厄介ですね。まあ私の管理する所じゃ無いからどうでもいいですけど」
自分の管轄外の人間に対し、コーラはつまらなそうにため息をつくしかなかった。
久々の魔法ハウス―――日光はランスの寝室に連れ込まれていた。
「…あの、話があるのでは?」
「そんなのは知らん。俺様は今からお前を本気でおしおきするからな」
当然の事ながらランスは日光に対してオシオキするつもりだった。
勿論ランスのオシオキとはセックスだ。
そしてこの部屋こそが、ランスが密かに作っていたオシオキ部屋だった。
ハニーキングから受け取ったのは、所謂大人のオモチャだ。
LP期にはこの手のは沢山あったが、まさか今の時代でも手に入るとは思わなかった。
「それにしても…大きくなったな」
ランスは改めて日光の体を見る。
ランスとしては日光と別れていた期間は数か月だ。
だが、日光からすれば数年経過しているので、当然の事ながら体の成長が著しい。
少女から大人に変わり、肉体年齢だけならばランスよりも上だろう。
「…まあ精神的にはランス殿よりも上の自信が有りますが」
日光はランスに乱暴に服を脱がされる前に服を脱ぐ。
これから何が起こるか、日光も覚悟はしていた。
「それにしても…本当にランス殿は時間を移動していたのですね」
ランスの容姿は日光の記憶のままだ。
時間を移動している、という事は聞いてはいたが、それを目の当たりにすると複雑だ。
「フン、そんな事はどうでもいいわ」
ランスはそのまま全裸になって、日光を押し倒す。
その感触に日光は逆らわずにランスを受け入れた―――と思っていた。
「え?」
だが、そんな日光を襲ったのは、体が締め付けられる感覚だった。
「おお、これがあのハニワが寄こした捕獲ロープか。中々便利ではないか」
日光は何時の間にかロープで縛られていた。
手は後ろ手に縛られ、胸にもきつくロープが巻き付いている。
そして足は無理矢理開脚させられ、ロープが巻き付いて閉じる事が出来ない。
「ラ、ランス殿…これは」
「おしおきだと言っただろうが。お前が二度と俺様を裏切れないように、誰がお前の主人なのか徹底的に叩き込んでやる」
「そ、そんな…」
そんな事をしなくても、という言葉を日光は飲み込んだ。
ランスの顔はこちらを拷問しようとしているような顔では無く、これから自分を思いっきり抱ける事を楽しんでいる顔だった。
(…そうですね。ランス殿が女性を痛めつけるような事をする訳がありませんからね)
女性を性的に辱めるような事はあっても、女性を傷つけるような事はしない。
それに、日光としてもランスに対して償いたい気持ちもある。
なのでランスの好きにさせる事にする。
(それに…私はずっとランス殿の事を求めていたから…)
ランスの事を思って自分を慰めた事は一度や二度じゃ無い。
その度にもどかしい思いをしていたのも事実だ。
だからこそ、自分の胸は期待でこんなにも高鳴ってしまっているのを自覚していた。
「うーむ、それにしても本当にでかいな…前からでかかったが、こうも成長するとはな」
ランスはその大きな胸を見る。
縄で縛られているためか、その大きな胸がより一層強調されている。
「ん…」
その大きな胸を十分に揉みしだいていると、日光の体は羞恥心で快楽でその肌を桜色に染める。
ランスはそんな日光の体の変化に気を良くすると、その先端を口に含んで強く吸う。
「ああっ…」
それには日光も思わず艶っぽい声を上げる。
日光はその後もされるがままに胸をせめられる。
先端を指で抓まれ、弾かれ、そして口の中で転がされる。
完全に大きくなった先端をランスは尚も刺激し続けた。
日光はそれだけで軽く達し、その口からは歓喜の声が出ていた。
「随分と感度がいいな。お前、まさか他の男にやられてないだろうな」
「…していません。私はランス殿以外の男を知りません…」
日光の言葉を信じているか信じていないかは、彼女からは分からない。
「ほー、そうか。お前はそれ程までに俺様が良かったという事か」
ランスの言葉に日光は恥ずかしそうにランスから顔を背ける。
「し、知りません…」
「がはははは! 照れるな照れるな。だったらもっと気持ちよくしてやろう」
胸を思う存分堪能したランスは、今度は日光の下半身にその手が向かう。
「お前も随分と期待していたみたいだな。こんなにも濡れているではないか」
足を縛られているため、日光は足を閉じる事が出来ない。
ランスはそのまま日光の羞恥心を煽る様に、その入り口を指でなぞる。
そのままランスの指が大切な所へ何の抵抗も無く入っていく。
「んんっ…!」
そのままどんどんと日光の体を刺激し続ける。
「はぁ…」
日光の艶っぽい声にランスは興奮してくる。
その豊満な体はランスから見ても非常に魅力的であり、その女を好き勝手出来るのだから、男ならば興奮しないというのは嘘だ。
「さーて、こういうのも使ってやるか」
ランスはバッグを開くと、そこから色々なアイテムを取り出す。
それは所謂大人のオモチャであり、ランスがハニーキングから受け取ったものだ。
ハニーポイントとかふざけていると思ったが、こういうアイテムと交換できるのならば話は別だった。
何しろこの時代、この手のアイテムが手に入るとは思っていなかったのだ。
「さーて、まずかこれから行くか。とーーーっ」
ランスは日光の大切な場所に、バイブを挿入していく。
「ラ、ランス殿…!?」
その感触に日光は思わず声を上げる。
初めての感触に驚くが、ランスは構わずに日光に刺激を与えていく。
「ほれほれ」
「んんっ!」
ランスから与えられる刺激に日光は体を震わせる。
震える日光の体をランスは満足したように見ると、そのまま日光の体を立たせる。
膝立ちになった日光の眼前には、既に準備万端のハイパー兵器がある。
「わかるな」
「は、はい…」
ランスの言葉に日光は顔を真っ赤に染めながら、そのハイパー兵器を咥え込む。
当然の事ながら、日光にはテクニックなんてものは無い。
ただ只管に、しかし献身的にランスに奉仕をするだけだ。
だが、そんな日光の態度がランスの気分を高揚させる。
(うーむ、シーラみたいにテクが無いのは分かるが、あいつはお嬢様育ちだし年もそんなにいってないからなあ)
シーラに対してはランスが相当の数を抱いた。
最初は嫌がっていたが、後になると躊躇いながらもランスのされるがままだった。
そのシーラは清純なお姫様であり、ランスもそんなお姫様が自分の奴隷になってエロい事をするというシチュには興奮した。
そして日光は、ランスにとってはあまり周囲に居ないお姉さんタイプに成長していた。
そんな女性を好き放題すると言うのは、ランスとしても非常に楽しい事だ。
(本当にアレからやってなかったみたいだな。うむうむ、つまりは日光が俺様の事が好きだという事だな)
いつものランス特有のポジティブかつ、自分本位の考えだが、日光に関しては大体当たっていた。
「ん…ん…」
日光としては一生懸命奉仕をしているが、どうしても上手くいかない。
理由は単純、自分が不慣れな事と、下半身から伝わる刺激のせいだ。
その所為でどうしても集中できずにいた。
「そんなんじゃまだまだだな。だがこうしないとおしおきにはならんからな」
ランスは縛られても尚自己主張をしている日光の胸に触れる。
日光はその刺激に悶えるが、それでも口はハイパー兵器を放さない。
(縄が…食い込んで痛い…)
その体に食い込んだ縄が、彼女自身の汗を吸ってよりきつく締めつけてくる。
だが、それでも日光の体は止まらなかった。
本能に突き動かされるように、懸命にハイパー兵器を口で愛撫する。
「お…そろそろか」
数十分刺激を受けた事と、ランスも結構我慢していた事で、ハイパー兵器が震える。
「まずは一発行くぞ。しっかり受け止めろよ」
ランスのハイパー兵器が震え、日光の口内に皇帝液が放たれる。
「んんっ!」
その刺激に驚きながらも日光はそれを受け止める。
そして躊躇う事無く放たれたモノを嚥下する。
「よーし、次は綺麗にしろ。出来るな」
「ふぁい…」
日光はランスのハイパー兵器を口に咥えたまま頷く。
そのままハイパー兵器を綺麗にし、残ったものも全てその口で吸いだす。
「ぷはっ」
全てを飲み込んだ日光がハイパー兵器から口を放す。
一度出したというのに、ランスのハイパー兵器はまだ固くそそり立っている。
それを見て日光は思わず息を呑んだ。
「ランス殿…」
懇願するような日光の目にランスは気をよくしたのか、そのまま日光を押し倒した。
そして股間を刺激し続けていたバイブを抜くと、そのまま固いハイパー兵器をそこに突っ込んでいく。
「ああっ!」
待ち望んでいた感触に日光が歓喜の声を上げる。
やはり日光にとってもこの数年は辛かった。
今なら分かる、自分の持ち手には強い者が良い、というのは結局は自分自身を偽る言い訳だったのだ。
結局は自分は再びランスと出会いたかったのだと思い知らされた。
(私の体…悦んでいる…)
自分のソコがランスのハイパー兵器を悦んで受け入れている。
逃すまいときつく抱きしめているので、日光自信その形がはっきりと分かってしまう。
「おおお、前よりも具合が良くなったか? 体はでかくなってもここは変わらんか」
ランスは日光の感触に喜びながら腰を動かす。
その動きはゆっくりと、しかし確実に日光を焦らしている。
「ランス殿…どうして…」
どうしてもっと激しく動いてくれないのか、という言葉を日光は飲み込む。
体は成長しても、羞恥心は昔と変わらない。
「何がどうしてだ? まさかもっと激しく動いて欲しいとかか?」
ランスはニヤニヤしながら日光の顔を見る。
快楽で表情は蕩け、凛とした顔は最早見る影もない。
そこにあるのは性の快楽を待ちわびている女の顔だった。
「そ、それは…」
日光はランスがおしおきと言った時、乱暴にされるのかと思っていた。
確かに体は縛られて動けないし、ランスが動くたびに縄が擦れて痛みもある。
でもそれ以上に日光の体と心は喜んでいる。
「あーん? どうした? まあ俺様は俺様の好きなようにするだけだがな」
ランスはあくまでも日光を軽く刺激する様にスローペースで動く。
その際に縄で縛られて、大きく主張している胸を触るのを忘れない。
ランスとしても正直もどかしいが、今はそれよりも日光にそう『言わせる』方が重要だ。
だからその大きな胸を揉み、そして先端を吸う事でそれを我慢する。
「んん…お、お願いします、ランス殿…」
「だから何をだ。それはコレか?」
懇願するような目を見せた日光に対し、ランスは一度思い切り腰を動かし、その最奥にハイパー兵器を押し込む。
「あうっ! あっ、あああああっ!!」
その刺激だけで日光は目を白黒させる。
やっと来た最高の刺激に、日光は歓喜の声を上げる。
「あ、おい日光?」
たったの一突きで絶頂を迎えた日光を見て、流石のランスも困惑した声を出す。
ただ絶頂を迎えたのではなく、彼女の大切な所から溢れた蜜が噴出したのだ。
それにはランスも驚くが、すぐにニヤリと笑って日光の顔を撫でる。
「そんなに俺様に抱かれたかったのか。まさかこんな簡単にイクとはなあ」
「い、言わないで…下さい…」
なんとか気が付いた日光だが、自分に何が起きたか理解すると、荒い息のまま艶っぽい目をランスに向ける。
その懇願する顔を前にして、ランスはハイパー兵器を日光から引き抜く。
「あっ…」
「さーて、どうする? お前が素直になれば、こいつをもう一度入れてやろう」
「そ、そんな…」
ランスは動けない日光にハイパー兵器を見せつける。
固く反り立ったハイパー兵器を見て、日光は思わず息を呑んだ。
「言えばいいだけだ。別にもう隠す必要は無いだろ」
もう隠さなくてもいい、そう言われて日光はとうとうタガが外れた。
「い、入れて下さい! 私を満たして下さい! 私は…ランス殿と一緒に居たいです!」
「がはははは! 最初からそう素直に言えばいいのだ! では行くぞ! とーーーーーーっ!!」
ランスは滅茶苦茶に日光を犯した。
日光は縛られたままランスにされるがままになっていた。
最奥を突かれる度に体を震わせ、絶頂する。
そしてランスが日光の最奥に皇帝液を放った時、日光はその日最大の絶頂を味わった。
同時に、ランスの遺伝子を体に取り込み、日光が『聖刀日光』となる条件を満たした。
が―――それでも二人は止まらなかった。
ランスと日光はどこまでも交わり続けた。
そして次の日の朝―――ランスの隣にあったのは、一本の刀だった。
「………なんだこりゃ」
ランスはその刀を持って首を捻る。
「私です。ランス殿。どうやらこれが私の新たな力のようです」
「うおっ!? あ、ああそうか。喋れるんだったな」
「…は?」
「いや、気にするな。そういやそうだったと思い出しただけだ」
ランスは聖刀日光と出会ったのはJAPANの一件しかない。
その時は魔王リトルプリンセスや、魔人ザビエルとの戦いも有り、日光が喋れるという事も忘れていた。
「ん? ちょっと待て。お前人間の姿になれるのか?」
「…そのようです」
刀であった日光が人の姿へと変わる。
そこには昨夜ランスが散々抱いた日光の姿が有った。
「お、おおお!」
「どうやら人の姿にも戻れるようです。恐らくは…そういう事なのでしょう」
相手の遺伝子を取り込むことで、日光は聖刀日光となれる。
つまりは性行為をしなければいけないので、こうして人の姿になれるのだろう。
魔人を倒すためとはいえ、難儀なことだと日光は頭が痛くなる。
「ちょっと待てよ。じゃあお前が魔人の無敵結界を斬れるようになるためには、やらんといかんという事か」
「そのようです」
ランスはそう言われて、あの健太郎の事を思い出す。
(という事はあのボケボケ野郎も日光とやったのか!?)
あの見るからに童貞臭い、電波な男がこのスタイル抜群の女とやっていた。
それはランスに衝撃を与えた。
「…うがー! あの野郎! 戻ったら絶対に許さん!」
「…何の話をしているのですか?」
日光は突然怒り出したランスに困惑する。
「まあそんな事はどうでもいい。とにかくお前は俺様の女だ。だから聖刀日光も俺様のモノだ。分かるな」
ランスは日光を自分の側に抱き寄せると、その頭はやや乱暴にがしがしと撫でる。
「や、止めて下さい…昔とは違うのですから」
日光は顔を赤らめながらも、ランスの腕から離れる。
「まあいい。とにかくお前が無敵結界を無効に出来るなら話は早い。あの魔人をぶっ殺しに行けるからな」
「…そうです。私の使命を魔人を倒す事ですから」
ランスが突如としてやる気を出した事に日光は驚くが、ランスの言葉は自分自身の望みでもある。
魔人を倒す、そのために日光は人である事を止めたのだから。
「それよりも風呂と飯だ。とんでもない事になってるからな」
ランスは酷い事になっているシーツを見て顔を顰める。
そこはランスと日光の情事の後で酷い事になっていた。
「…わ、私が洗濯をしますので!」
日光は慌ててシーツをまるめると、凄い勢いで部屋を出ていく。
「うーむ…流石にやり過ぎたか。俺様もそういう趣味は無いからな」
昨日の出来事を思い出し、ランスも流石に少しやり過ぎたかと思う。
ランスの性癖はノーマルなので、特別な趣味は無い。
だが、流石に日光が漏らすまで責めたのはやり過ぎたかと少し反省するのだった。
箸休め回
無茶苦茶暑くて厳しい日々の上、コロナが重なるという大打撃
それでも何とか進められればと思います