ランス再び   作:メケネコ

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カラーの女王

「はぁ…」

 日光は心地よい朝を迎えた。

 これほど気持ちの良い朝を迎えたのは何時振りか…いや、初めてなのかもしれない。

 家族が生きていた頃は怯えながら暮らしていた。

 それでも魔人が来るまでは何とか生きてこれた…家族と支え合ってこれた。

 その家族が殺され、そして復讐のためにランスに教えを請い…裏切ってしまった。

 だが再び再会し…仇を討つ事が出来た。

 その次の日の朝も仇を討った嬉しさが有ったが、今日はその嬉しさとは違う。

 もっと心地よい、晴れやかな気持ちになっていた。

「む…朝か」

 日光がその余韻に浸っていると、ランスが目を覚ます。

 相変わらずその体内時計は正確で、ランスは自然と目が覚めるのだ。

「ランス殿、おはようございます」

「おう」

 日光はランスに挨拶をするとベッドから起き上がる。

 体が汗で大変な事になっているのでそれを流したい所だ。

「がはははは! ターーッチ!」

 ランスは相変わらず抜群のスタイルを持つ日光の体に触れる。

 日光が自分の女になったのだから、ランスとしては非常に機嫌が良かった。

 昨夜は本当に日光に対して優しくしてやったが、その日光は非常に積極的だった。

 おかげでランスは非常に満足いく夜を過ごせた。

「ダメですよ、ランス殿。もう朝ですから」

 日光は少し照れくさそうにしてランスから体を離す。

 そして一瞬でその顔を普段の大人びた日光の顔に戻す。

「もう昨日の事はお終いです。今はあなたの仲間であり、聖刀日光です」

「む。そんなのは許さんぞ。お前は俺様の女だ。昨日俺様に告白してきただろうが」

「ええ…ですから、その時間はもうお終いです。魔人を倒すのでしょう? 時間はいくらあっても足りませんからね」

 態度が普段のように戻りランスは不満気な様子だ。

 そんなランスに対して、日光は微笑んでランスに抱き着き、その耳元に口を寄せる。

「…夜の間はあなだだけの日光になりますから」

 そう言ってからランスに軽くキスをする。

 自分の大胆な行動に日光は思わず自分の唇を抑える。

 完全に無意識にそういう事をしてしまった。

 ただ、そんな事をされれば当然の事ながらランスは反応する。

「がはははは! お前も随分と積極的になったな。いい事だな」

「朝からは駄目です。それよりも体を綺麗にしないと…」

「そうだな。まずは朝風呂だな。よーし行くぞ」

 ランスは日光の手を引いて浴室へと向かう。

 新たな魔法ハウスには浴室は2箇所ある。

 それもパイアールがこの魔法ハウスを改造し、より快適にしてくれたおかげだ。

 ただ、それによってどうしても手入れが必要な所も出てくるのだが、カラー達が定期的に清掃してくれるので何も問題は無かった。

「ラ、ランス殿! 言ったじゃありませんか。そういうのは夜の間だけと…」

「普通に風呂に入って体を洗うだけだぞ。がはははは! 行くぞー!」

「ちょ、ちょっと待って…あああ!」

 結局は日光はランスによって風呂に連れ込まれ、色々とされるのであった。

 

 

 

「準備が出来たよ。リディアのレベルが35になったよ」

 それは突然のハンティの言葉だった。

「突然だな。それよりもそんなに早く終わったのか」

 ランス達は夕食を食べながらその言葉を聞いていた。

 レベル35というのは一般的にも上の方のレベルで有り、才能が有ればランスの冒険にもついてこれるレベルだ。

 それをこれほどの短時間で成し遂げたのはひとえに彼女自身の努力だろう。

「まあ…終わったけど少しの間はダウンしてると思うけどね」

 ブリティシュが苦笑しながら呟く。

 今回のブリティシュの指導はかなりのスパルタで、強行軍となってしまったのだがリディアはそれに耐え抜いた。

 勿論ランス達の力や、魔人ハウゼルの助力は大きいが、ここまで計画的にリディアのレベルを上げられたのはブリティシュの力があってこそだ。

「やり過ぎだとは思いましたけどね…でも、彼女はそれを耐え抜いた…凄まじい意志の持ち主ですよ」

 日光もリディアの芯の強さには感心する。

 自分と同じように家族の復讐が糧となってはいるのでその気持ちは良く分かる。

「これで結構な呪いをかけられるようになったと思うけど…何か策はあるのかい? まさか魔人の所に直接あの子を連れてく訳じゃ無いだろ? 流石にそれは認めたくないからね」

 とりあえずは強くなるためのレベル上げ。

 その後の事はその後で決めればいいとハンティは考えていた。

 実際、魔人を倒した実力を持つランス達ならば無策で突っ込む様な事はしないとも確信している。

「連れて行っても問題無いレベルだとは思うがな。まあ俺様もあいつにそんな無茶はさせるつもりは無いぞ」

 直接連れていき、呪いをかける事が一番の復讐となるとは思うのだが、流石にそれは厳しいだろう。

「そうかい。でも魔人に対してどう対抗するんだい? 私は魔人とは戦った事は殆ど無いからね。アンタ等頼みなんだよ」

「ランス、我もその辺りは疑問だった。彼女に復讐をさせたいと思うのは分かる。だが、世の中には出来る事と出来ない事がある」

「まあ俺様に任せておけ。俺様には秘策が有るからな」

 ランスはニヤリと笑う。

 その笑みを見てもやはり不安だが、ハンティはもう一つランスに伝えなければいけない事があった。

 正直こんな事は許可したくなかったが、彼女の熱意は本物だし、必要かと言えば間違いなく必要な事だった。

「それと…避妊してくれるならリディアを抱いて良いよ。いや、彼女の力を解放するためにはそうするのが一番だからね」

 ハンティは頭を抑えながら言う。

「ほー。一体何の変化だ」

「はぁ…私が一々口を出すのもおかしな話だからね…ついでだから紹介しておくよ。入って来な」

 ハンティの言葉と共に、一人のカラーが魔法ハウスへと入ってくる。

 それは小柄だが、カラーなので当然の事ながら美しい。

「初めまして。私はこの『ペンシルカウ』の女王を務めさせて貰う事になりました、インデックス・カラーと申します」

「女王だと? そういや今まで居なかったな…」

 ランスが知っているカラーの女王はパステル・カラーとその親であるモダン・カラー、その親のビビット・カラー、そのまた親のフル・カラーだ。

 パステルには酷い目にあわされたが、今ではまあマシな関係にはなっただろう。

「ようやくカラーも落ち着いてきたからね。あんた達のおかげで世界に散らばるカラー達を集める事も出来た。そろそろあたし以外にカラーを纏める奴が必要だったのさ」

「ほー。そんなに集まってきてたのか。ちょっと騒がしくなったと思ったが…」

「僕に対して警戒する視線が増えた理由はそれだったのか。仕方ない事だけどね」

 ランスとブリティシュの二人の男がそれぞれ違った言葉を発する。

「で、俺様がリディアとエッチして良いというのは…」

「それは私から説明させて頂きます」

 インデックスはランスに対して一礼する。

「私が許可をしたのはカラーの未来のためです」

「カラーの未来?」

 レンの言葉にインデックスは頷く。

「魔人メディウサはカラーにとっては脅威です。勿論人間も脅威なのですが、人間は撃退する事は出来ますが魔人はそうはいきません」

「無敵結界があるからですね」

「はい。日光様の言う通り、私達の呪いの力も無敵結界の前には意味が有りません。ですが、あなた方は魔人を倒す事が出来ます」

 ランス達が魔人を倒したというのはカラーにとっても朗報だ。

「言葉は悪いかもしれませんが、皆様方が魔人メディウサを倒して貰う事はカラーの未来のためにもなります」

「分かる話だ。だが、それ以外にもあるのだろうな」

 スラルは目を細くしてインデックスを見る。

 この少女はカラーの女王だというが、恐らくは力だけではなくその政治能力をハンティに認められたのだろう。

 そして女王というのは時には非情な決断も下さなければならない時もある。

「数が増えた事で色々な意見が出て来ました。中にはあなた方に対して警戒する動きもあるのです。私の権限で押さえていますが、それを払拭するためにも魔人の撃破は必要になるとも思うのです」

「成程な。カラーの女王としては我等をここに置いておいても良いと思うが、新たに合流したカラーにとってはそうでは無いという事か」

 インデックスの言葉をスラルは理解する。

 確かに人が増えるという事は意見も増えるという事。

 そして新たなカラー達はランスやブリティシュの事は知らないだろう。

 人間であるという事だけで警戒するには十分なのだ。

 過激な連中ならば殺してしまえという者も居るかもしれない。

「なんだ、どういう事だ」

「つまりは魔人を倒す事で、我等がカラーの味方だという事を他のカラーにもアピールしたいのさ。つまりはカラーを救った英雄になって欲しいという言葉だ」

「ふーん。まあ俺様は最初から英雄だから何も問題は無いな。メディウサは俺様が倒すからな」

 魔人を倒す事をこうもあっさりと言う事にインデックスは申し訳なさそうに頭を下げる。

「申し訳ありません…私としては皆さまに居て貰ってもいいのですが…」

「気にするな。俺様ならば余裕だ余裕。あ、お前カラーの女王って事は呪いにも詳しいのか?」

 ランスの言葉にインデックスは頷く。

「はい。始祖様からのお墨付きです。同時にリディアもまた呪いの力は素晴らしいものが有ります」

「なら都合がいいな。リディアを呼べ。そろそろ動くからな」

 ランスの言葉にインデックスは頷く。

「少し待って下さい。これはカラーにとっても大きな出来事です。主な者を集めたいと思いますので」

 そう言ってインデックスは魔法ハウスを出ていく。

「…悪いね。でもカラーが生きていくためにはあの子たち自身で乗り切らなきゃならない」

 ハンティはランス達に頭を下げる。

「構わんぞ。まあカラーが色々と大変なのは知ってるからな…」

 ランスはヘルマン軍に襲われたカラーの事を思い出す。

 ペンシルカウの惨劇はランスをカラーの英雄にしたが、同時に多くのカラーの命が失われた。

 そしてその失われたカラーのクリスタルはヘルマン革命で使用され、ランスもミネバが使ったアイテムには苦しめられた。

「…あの、私は話を聞いてもいいのでしょうか」

「あー…出来るなら聞かない方が良いと思うよ」

 ハウゼルの言葉にハンティは苦笑する。

 魔人を倒す相談を魔人の前でするなどおかしな話だ。

「私もそろそろ戻らないといけませんね…」

 ハウゼルとしてはそろそろ戻っておきたい所だ。

 いや、本当は魔人なんて自由なのだから何年間も行方不明になっても誰も気にしないだろう。

 だが、ハウゼルとしてはケッセルリンクに話を聞きたいし、姉のサイゼルにも話をしておきたかった。

「何。お前、もう行くのか」

「はい。あまり長く出ていると姉が何をするか分かりませんし…ここを戦場にする訳にはいきませんから…」

「戦場? 何でだ」

「私達も姉妹ですので喧嘩をする事も有りますから…そうなったら大変ですし」

「…そりゃあ有難く無いね」

 ハウゼルの言葉にハンティは唇を歪める。

 今もまだ大変な状況なのに、魔人同士の諍いに巻き込まれるのだけは勘弁してほしかった。

「…ランスさんがメディウサの所に行く時に私も離れる事にします」

「まだ行かんぞ。それまでは俺様の側に居て貰うからな」

 ランスの言葉にハウゼルは微笑む。

「大丈夫ですよ。黙って居なくなるなんて絶対にありませんから」

 そういうハウゼルの笑みは本当に綺麗だった。

 

 

 そしてカラーの女王のための家に、ランス達とカラーが集められていた。

 確かにインデックスの言う通り、一部のカラーの視線は鋭い。

 それは明らかな警戒心と敵意であるが、ランスは特に気にした様子は無い。

 どうせこの視線も後で変わるのだからと確信しているからだ。

「ランスさん。まずはお聞きしたいのですが、魔人メディウサに対してどのように対抗するのですか?」

「そんなの簡単だ。魔人の所に行って無敵結界を日光で斬る。その後で呪いをかければいいだろ」

 ランスの言葉にインデックスはため息をつく。

「ランスさんはカラーの事を知っているようですが、呪いに関してはそこまで詳しくは無いようですね…呪いをかけるには相手に近づく必要が有ります」

「…あれ、そうだっけ? なんか結構な距離から呪いをかけられなかったけ。えーと、昔そんな呪いを見たんだが…」

「それは大規模モルルンBの事かもしれませんね。確かに範囲は広いですが、その呪いは男性にしか効果はありませんから」

「そうなのか…意外と不便なんだな」

「ええ。呪いとは原則として二つ同時にかける事は出来ません。ですので、魔人に呪いをかけるのであれば飛び切り強力な呪いをかけなければいけないとも思いますが…ですが、それは少し厳しいですね」

 インデックスは難しい顔をする。

 リディアの敵討ちに関しては、女王としては無理はして欲しくないので反対する立場だ。

 ただ、一人のカラーとしてはその無念を晴らしてやりたいと思う。

 これまでの彼女の努力、そして才能を考えれば当然の事だ。

「遠隔で呪いをかける事は出来ないのか」

「大規模モルルンBは半径10kmに効果は有りますが…メディウサは女ですから効果は無いでしょう」

「ふむ…呪いも万能では無いという事か。だとすると厳しいな…」

 インデックスの言葉を受けてスラルも頭を捻る。

 ケッセルリンクから呪いの話は聞いた事は有るが、何しろケッセルリンク自身はカラーなのに呪いは不得手なので、彼女自身が呪いの事をよく知らなかった。

「あの…ランスさんはメディウサにどんな呪いをかけたいのですか? 私、メディウサに呪いをかけたいとは思っていましたが、具体的にどんな呪いをかけるかまでは考えていなくて…」

 リディアがおずおずと言葉を放つ。

「ああ。そんなの簡単だ。禁欲モルルンとかいう呪いがあるだろ。それをかければいい」

「禁欲モルルンですか…確かにあの呪いはモルルンの中でも最高ランクの呪いですが…でもメディウサは女の魔人なのに女を殺しているのでしょう? 禁欲モルルンはあまり意味が無いのでは…」

「あ…」

 ランスはインデックスの指摘を受けて気づく。

 確かに禁欲モルルンはランスにとっては最悪の呪いだったが、それはセックスをしないとホモになるという事だったからだ。

 幸いにもランスの周りには限界レベルが35以上の女が沢山いたので、禁欲モルルンも何とか乗り切った。

「じゃあ元々レズの相手には効果が無いという事か?」

「そうなりますが…」

「むむむ…ならばメディウサを苦しめられんではないか。普通にぶっ殺すか…」

 ランスとしてはカラーを犯し殺したメディウサを苦しめたかったが、禁欲モルルンが効果が無いのでは意味が無い。

 その手の奴には最適の呪いかと思ったが、流石に相手がレズだと意味が無いとは思わなかった。

 ランスが本気で悩んでいるのを見て、インデックスが笑みを浮かべる。

「大丈夫ですよ、ランスさん。ちょっとだけ呪いの質を変えればいいのです。禁欲モルルンの呪いの対象をノンケ以外にすればいいのです」

「あ…だがそんな事が出来るのか?」

「勿論です。こう見えても私はカラーの女王ですよ? それくらいならば可能です。いいですよね、始祖様」

「今インデックスが決めたならあたしはそれでいいよ。正直呪いに関してはあたしも詳しくは無いからね。ただ、問題なのはどうやってその呪いをかけるかという事だけどね」

 ハンティの指摘にランス達は唸ってしまう。

 結局の所、一番肝心の部分が解決していないのだ。

 ランスが呪いをかけられた時も、パステルはわざわざランスの所に現れて呪いをかけた。

 ならば呪いの射程距離はそんなに広くは無いのだろう。

「それに関しては一つ提案が有る。その呪いを『付与』という形で具現化する事は出来ないか?」

「呪いの付与ですか…? そんな事はした事が無いので何とも言えませんが…」

「ランスの持っている剣は特殊な剣だ。我はランスの剣に魔法を付与している。それの応用という形ならば出来るのではないか」

 スラルの言葉にインデックスは考え込む。

 呪いのエキスパートのカラーが出来ないと言ってしまえばそれまでなのだが、スラルはその可能性にかけた。

「…やってみなければ分かりませんが、その呪いの力を保つための触媒が必要になると思います。ですが…」

「カラーのクリスタルが必要か…それは確かに厳しいな」

 インデックスの言葉にスラルは残念そうな顔をする。

 呪いをかけるのにカラーのクリスタルが必要となれば本末転倒だ。

「あるぞ。リディアの家族のクリスタルがあっただろ。メディウサに殺されたんだから相当に恨んでるんじゃないか」

「あ」

 ランスの言葉にリディアが思い出す。

 ランスに家族のクリスタルを託したが、今もそれを持っていてくれていたようだ。

「成程…それを使えば良いかもしれませんが…皆はどう思いますか」

 インデックスが会議に参加しているカラーに聞く。

「私はいいと思います。それで殺されたあの娘達の無念が晴れるなら…」

「私は…反対です。危険だと思います」

 カラー達はそれぞれ意見を出し合う。

 それを見てハンティは密かに笑みを浮かべる。

 こうして意見を出し合えるまでカラーは回復できたという事でもあるからだ。

 インデックスはそれらを聞いて頷く。

 賛成意見も反対意見もそれぞれ言い分が有り、どちらも納得できるものだからだ。

 ただ、自分はカラーの女王なので結論を下さなくてはならない。

「皆の意見は分かりました。それを聞いたうえで女王としての結論を出します」

 インデックスの言葉に誰もが続きの言葉を待つ。

 それを理解したうえでインデックスはその口を開いた。

「まずは結論として、私はランスさんへ協力します」

 その言葉を聞いて喜ぶカラーも憤るカラーも居る。

 それを分かった上で、インデックスは言葉を続ける。

「理由は色々有りますが、一番重要なのはカラーの未来のためでもあります」

「カラーの未来…ですか?」

 反対の言葉を上げていたカラーの一人が目を丸くする。

 新たなカラーの女王はこの人間に好意的なので、それが理由だと思ったからだ。

「ええ。魔人がカラーの呪いにかかった…それは人間への抑止力に繋がると思っています」

「抑止力ですか?」

「はい。魔人ですら抗えない呪い、という話が広まればカラーを狙う人間に対しての牽制にもなります。勿論それだけで人間がカラーを狙わなくなるとは思えませんが…」

 インデックスは一度ため息をつく。

 人間とカラーの確執は深く、それは1000年近くたった今でも変化は無い。

 その上で魔物にも狙われたとあってはカラーが滅びてしまうのは想像に難くない。

「それに何よりもメディウサが今でもカラーを狙っているという事は事実なのです。人間よりも遥かに強大な脅威なのです。それを排除するためにはこちらから行動を起こさなければなりません」

 インデックスの言葉を聞いてカラー達が考え込む。

 その様子を見て、スラルはハンティが何故彼女を女王に選んだかを理解する。

(成程、人の上に立つ者として申し分ないという事か。人間に協力するのでなく、カラーの未来のために戦うという方向に誘導した訳か)

 こうした政治的な事も必要な事なのだろう。

 元魔王である自分は常に力ありきだったので、その辺りの機微には疎いと自分でも分かってしまう。

「そしてそのメディウサをどうにか出来るのは今ここに居るランスさん達だけです。ならばそれに協力する事に躊躇いは必要無いでしょう」

 女王の言葉に誰もが沈黙する。

 魔人の脅威と人間への敵意…それらを比較しても魔人の脅威の方が遥かに大きいだろう。

「理解してくれますね?」

 女王の言葉に誰もが頷く以外に無かった。

 インデックスは微笑むと、改めてランスに向けて一礼する。

「カラーの女王として協力します。それで問題のクリスタルなのですが…」

「これだろ」

 インデックスに言われてランスがカラーのクリスタルが入った袋を取り出す。

 その袋から出てきたのは青いクリスタルだ。

 クリスタルを見てリディアが手を強く握りしめる。

 それこそ、自分の家族や親戚のクリスタルなのだから。

「ランス。お前の剣を出してくれ。お前以外に持てないからその辺りは不便なのだがな」

 スラルに言われてランスは自分の黒い剣をテーブルに上げる。

「この剣に呪いの力を付与できないかという事だ。この剣はかなり特殊だから、やってやれない事は無いと思う」

 インデックスとリディアがランスの剣に触れる。

 確かにこの剣には得体の知れない何かの力があるのは分かる。

「…魔人相手だと力が足りないかもしれません」

「このクリスタルは魔人への強い恨みが残っていますが…色々と課題は多そうです」

 クリスタルはあればあるほど効果は高い。

 ただ、数に関しては一桁なので、その呪いが魔人に届くかどうか、そしてそれを付与出来るかどうか色々と試す事は多い。

「だったらこれも使え」

 ランスは腰に下げてあったもう一つの剣をテーブルに上げる。

「いいの? ランス」

 それを見てレンが口を開く。

 ランスがテーブルに上げたのはクリスタルソード…NC期にランスが強奪したものだ。

「構わん。まああれば便利だが…これで呪いをかけれるならそっちのほうがいいだろ」

 ランスにとってはクリスタルソードですらも惜しいものではない。

 確かに色々と便利ではあるのだが、それでカラーの呪いが魔人にかけられるのであれば大した問題では無い。

「いいのですか? これは人間の間では相当な値打ちのある剣だと思いますが…」

「いいぞ。その代わり絶対に成功させろ」

「…分かりました。この剣に宿るカラーの意思も込めて…必ず成功させます」

 インデックスはクリスタルソードを握ると、その剣の意思を確かめるように優しく撫でる。

 そしてこの剣を容易く手放す決断をしたランスに対し心からの感謝をする。

「では色々と試してみます。スラルさん、あなたは付与に関しては色々と知識が有りそうですので、お話を聞いてもいいですか?」

「ああ。我もカラーの呪術には興味がある。ただ、この剣はランス以外には持てないからこの場から動かせないが構わないな?」

 スラルの言葉にインデックスは頷く。

 こうして人間とカラーによる対メディウサ討伐戦が開始される事となった。

 

 

 

「で、どうして私の所に」

「うむ、それはお前にやってもらいたい事があるからだ」

 その夜、ランスはハウゼルを呼び出す。

「…え、エッチな事ですか? そ、それなら」

「それもあるが別の事だ。そろそろ戻らなきゃいけないんだろ」

「あ、ええ。私もケッセルリンクさんに聞きたい事も有りますし。姉さんの事も気になりますから」

「そこだがな。うし車を用意できるか」

「うし車…ですか」

 うし車はこの世界におけるポピュラーな乗り物だ。

 故に手に入りやすいのではあるが、それはLP期の話だ。

 GL期では中々手に入らないし、魔物に見つかる可能性も考えればそう使えるものでは無いだろう。

「用意は…出来ると思います。でもそれをどうするんですか?」

「おう。それを使って俺様達をメディウサの城に連れていけ。魔人のお前が使ってるなら魔物も何も言わんだろ」

 ランスの言葉にハウゼルはそういえばという表情をする。

「そうですね…それならばある程度は近づけるでしょう」

 魔人である自分がうし車を使っても別に何もおかしくはない。

 それに何よりも魔人であるハウゼルに意見を出来る魔物も居ない。

「でも…その後は大丈夫なのですか?」

「ああ。魔物なんて魔人が居なくなれば逃げるだけしか出来んからな。その後で直ぐに逃げれば問題無い」

「…気を付けて下さいね。魔人というのは皆が強いのですから」

 ハウゼルは心の底から心配している顔をする。

 そんなハウゼルにランスは普段通りに笑うと、そのままハウゼルをベッドに押し倒す。

「お前もそろそろ帰るならしっかりやっとかんとな」

 そのままハウゼルの服を脱がせ、ランス自身も全裸になる。

 そこには既に天を向いているハイパー兵器があった。

「さーて、まずはこいつを復習からいくか。出来るな」

「はい…」

 ハウゼルは真っ赤になりながらもハイパー兵器から目を離さない。

 ランスはハウゼルに対して当然の事ながら様々なプレイをした。

 手、口、胸…それらを使って男を喜ばせる事を教えてきた。

 ハウゼルは顔を真っ赤にしながらランスに跪き、そのままハイパー兵器を口に含む。

 ぎこちない動きだが、それもまたランスにとっては快感のスパイスだ。

 そのままランスはその夜もハウゼルとイチャイチャしていた。




カラーの呪いについては結構独自解釈が入っています
大規模モルルンBとか滅茶苦茶範囲広いですし…
遠距離で禁欲モルルンとかは出来なさそうですし

インデックス・カラーに関してはあまり出番は作れなさそう…
LP期のカラーの掟が出来たのはビビットの功績ですし
もうこれは仕方ないです…
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