ランス再び   作:メケネコ

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魔王ジルとの再会

 魔王ジル―――それはLP期において一番有名な魔王だろう。

 何しろこの世界を地獄に叩き落とした張本人であり、魔王と言えばジルという事を植え付けた魔王である。

 何より残忍で凶悪で人を苦しめるだけ苦しめた魔王…それがジルだ。

 それはこの世界でも変わらない。

 事実は違っても、人間から見ればジルはこの世界を苦しめている魔王なのだ。

 その魔王が…かつてのランスの奴隷であったジルが今目の前に居た。

「これが…魔王ジル…」

 日光は震える声で呟く。

 実際に魔王ジルを見るのは初めてだが、その圧倒的な存在感に思わず声が震える。

 それは生物としての圧倒的な力の差を感じさせるものだった。

「臭いな…ここは」

 ジルの放つ言葉にその場にいる全員が凍りつく。

 ただ言葉を発しただけなのに、凄まじいプレッシャーを放っていた。

「ジル様…!」

 魔人メディウサが這うようにしてジルの足元に縋りつく。

「あ、あの人間が…わ、私に呪いを…」

 メディウサにとってはジルは絶対的な主で有り、自分を気に入ってくれている魔王という認識だった。

 だから人を殺すなという言葉を破って処罰されないでいた。

 ならば自分を助けてくれるはずだ、という思いを込めてジルを見る。

 しかし、ジルから返って来たのは恐ろしく無機質な冷たい目だった。

「よくやった…メディウサ」

「ジル様…」

 ジルの言葉にメディウサは助かった、という表情を浮かべる。

 が、次の瞬間ジルの黒い腕がメディウサの首を掴んで持ち上げる。

「がは…ジル様!?」

「今まで…良くやってくれた。全ては私の予想通り…貴様を生み出したのは正解だった」

 ギリギリと音を立ててメディウサの首を絞めつけるジルの腕をメディウサは必死に掴む。

 だが、魔王の腕は魔人であっても全く抗う事は出来ない。

「だから…生かしておいてやる。ただし…その身に更なる呪いを受けてな…」

 ジルの黒い腕から瘴気が放たれ、それがメディウサを包む。

 メディウサが目を白黒させるが、ジルはそんな事はお構いなしに黒い瘴気を放っていく。

 それがメディウサの体に吸い込まれた時、ついにメディウサは意識を失った。

 気絶したメディウサをジルはゴミのように投げ捨てる。

 事実、ジルにとっては今はメディウサは用済みのゴミでしか無かった。

 しかし、ランスがこの魔人を呪ったのであれば、より苦しめるために生かしておくだけだ。

「カミーラ…お前も来てたとはな…」

「………」

 カミーラはジルに跪いて居る。

 それは魔人の本能に近い行動で、プライドの高いカミーラであっても抗う事が出来ない。

 事実、魔王としての強さ、そして凶悪さはカミーラですらも認めざるを得なかった。

「お前も…関係が有るという事か。だが…もうお前の出番は無い。この場から消えるがいい」

「…はっ」

 魔王の絶対命令権を受けて、カミーラはその言葉に疑問を思う事無くその場から消えていく。

 本来であれば絶対にしない行動にカミーラを知る者は唇を歪めた。

 そしてジルは真っすぐにランスを見る。

 そこには先ほどのような冷淡な視線は無く、待ち焦がれた者を目の前にした目だった。

「ランス…久しい」

「…フン、お前はまだ魔王なんぞやっとるのか。何時まで俺様より偉いつもりだ。俺様の奴隷の分際で」

 ジルがランスの名前を呼んだことにブリティシュは目を見開く。

 この二人は顔見知りのようだが、一体どういう事なのかさっぱり分からない。

 ただ分かるのは、この二人はただならぬ関係だという事だけは分かる。

「私は魔王だ…そして…お前は私のものだ。この空っぽの隙間を埋めるのに…お前が必要なのだ」

 ジルは自分の腹に触れる。

 その姿を見てスラルは強く唇を噛む。

 そこには本来ならばランスとの子供が居た所なのだ。

 だが、魔王ナイチサによってその夢は砕かれ…そしてジルは今でも失ったものを取り返そうとしている。

「だったらジルを返せ。あいつにならまあ考えてやらんことも無い」

「私がジルだ…例え魔王になってもな…」

 そういうジルの気配が濃厚になる。

「だから…魔王の流儀で行こう。ランス…お前は私のものになる」

「俺様は誰のものにもならん! 魔王が俺様の女になるのだ!」

 ランスはそのまま日光を構える。

 まずは無敵結界を斬らなければ話にもならない。

 いや…相手が魔王ならば聖刀と魔剣が有ろうとも話にはならないのはランスも分かっている。

 だがそれでも、ランスにも退けない戦いがあるのだ。

 それが例え魔王であっても。

「来るがいい…お前の力、私が試してやる」

 ランスは以前にジルの復活の場面に立ち会ってしまった。

 その時にランスが感じたのが魔王ジルへの恐怖だった。

 まだ若かったとはいえ、ランスはジル相手に逃げ出したくなる程だった。

 今のランスは真っすぐにジルに向かって行った。

 聖刀日光を手に、まずはジルの無敵結界を斬る。

 ジルはその感触に笑う。

「成程…斬れるか」

 魔王と魔人の持つ無敵結界を斬れる、これはジルにとっても驚くべきことだ。

 この世界の仕組みについては既にナイチサから聞いていた。

 そして魔王に対抗できる唯一の手段が勇者と呼ばれる存在だとも知っていた。

 だからこその人間牧場なのだ。

 人間の数が減れば勇者は魔王を殺せるようになる、それを防ぐための行動。

「だが…それで魔王に対抗出来ると思っているのか」

 確かに魔人の無敵結界を斬れるのは脅威だろう。

 ただし―――それは魔人にとってはだ。

 魔王にとっては無敵結界を斬られる事は何の障害にもならない。

 何故ならば、魔王はこの世界最強の存在、無敵結界があろうが無かろうが人間に負けるなどありえないからだ。

「ぐっ!」

 ジルが右手を突きだすだけでランスが吹き飛ばされる。

 そのままランスは血を吐いて倒れる。

 その掌がランスを押しただけで吹き飛ばされた…その光景を見てブリティシュは愕然とする。

(ランスが…まるで相手になっていない…)

 ブリティシュの目から見てもランスは間違いなく強い。

 自分と戦っても間違いなく彼が勝つ、ブリティシュもそれは自覚していた。

 そのランスが、ただ魔王に押されただけであそこまで吹き飛ばされた。

 それこそが人間と魔王の絶望的なまでの実力差だと思い知らされた。

「ランス!」

 レンとスラルがランスに駆け寄る。

「ヒーリング!」

 回復魔法をかけると、ランスは立ち上がる。

「相手は魔王だ。どうするつもりだ」

「どうもこうも無いだろうが。ジルを取り戻す、それだけだ」

 ランスはそれでも魔王に向かって行く。

 何としても自分の奴隷であるジルを取り戻す、ランスの頭にあるのはそれだけだ。

 だが、魔王の力はそれこそ圧倒的だった…そう、人では決して魔王に勝つ事など出来ないのだ。

「ラーンスあたたたーーーーーっく!」

 ランスは必殺の一撃をジルに放つ。

 相手が女だろうが関係ない、それこそ自分の本気の一撃。

 それを剣戦闘LV3を持つランスが放つのだから、まともに喰らえば魔人ですらも大きなダメージを受ける一撃だ。

 だが―――

「!? 何だと!」

 魔王ジルはランスの必殺の一撃を指一本で受け止めた。

 それだけでランスの攻撃を無効化してしまっている。

 ランスがどれだけ力を込めようとも全く動かない。

 ジルが指に力を入れると、逆にランスが弾き飛ばされる程だ。

「…ほう、流石だなランス。お前の剣は魔王に傷をつけたぞ。ほんの少しだがな」

 ジルは指の先から流れる一滴の血を見る。

 ランスの渾身の必殺の一撃は魔王に傷を負わせる事も出来なかった。

(やばいぞ…これがマジの魔王か)

 本気の魔王とランスは戦った事は無かった。

 リーザスで魔王ジルと戦ったが、その時はジルは長年の封印の結果喋る事もままならなかっただけでなく、その力も5%程に抑えられていた。

 ランスが勝ったのはそれこそ奇跡の産物でしか無かった。

 しかし、目の前に居るのは正真正銘の魔王…それも人類に最も知られた魔王であるジルなのだ。

「ランス…お前は何故魔人になる事を拒む。魔人になればお前は私と永遠に居られるというのに」

「フン、俺様はそんな永遠の命なんてものには興味は無い。俺は俺のしたいようにするだけだ。それを邪魔するなら魔王だろうが神だろうが許さん!」

 ランスの言葉にジルは妖艶に笑う。

「ククク…その強がり、何時まで続けられる」

 ジルの手に稲光が集まる。

「げ!」

「雷の矢」

 それはランスに向かって放たれるが、それは普通の雷の矢とは大違いだった。

 まるで魔人が使うライトニングレーザー…いや、それ以上の威力があるのは明らかだった。

「ランス!」

「危ない!」

 そのランスの前に立つのはレンとブリティシュの二人のガードだ。

 二人は盾を構え、レンも最大限に防御魔法を使う。

 だが、

「きゃああああ!」

「くううううう!」

 無情にも二人は吹き飛ばされ、起き上がる気配も無い。

 たった一撃の魔法で世界有数のガードが叩きのめされたのだ。

「レン! ブリティシュ!」

「次はお前か。スラル」

 倒れた二人の名前を呼んだスラルにジルが襲い掛かる。

「く…ジル!」

 スラルは魔法を放とうとするが、その前にジルの手がスラルの首を掴む。

「スラルちゃん!」

 ランスはスラルを助けようとするが、ジルの手から風が放たれるとそれだけでランスは床に転がる。

「ぐ…」

 魔王の腕力には全く抵抗できず、スラルも何も出来ない。

 そんなスラルをジルは嘲笑う。

「魔王の絞りカスか…だが、それでもお前が出てくるとややこしい…少し大人しくしていろ」

「何を…」

「フン」

 ジルの手が光ったかと思うと、スラルの魂と肉体が無理矢理分離される。

 IPボディが床に転がり、ジルはそれを持ち上げるとランスに向かって投げる。

「スラル…お前は邪魔だ」

 そして霊体となったスラルに更なる光が押し寄せようとした時、

「いい加減にしやがれ!」

 ランスが日光を片手にジルに斬りかかる。

 魔王の血への絶対的な殺意を感じ取り、ジルはランスにその手を向ける。

 日光を払いのけ、ランスを再び吹き飛ばした時、ジルの前からスラルの気配が完全に消える。

 見れば、ランスの剣がスラルの居た所に突き刺さっていた。

 ジルはそれを見て顔を歪める。

 それは完全な愉悦の顔だった。

「見事だ…流石に抜け目がない」

 それは魔王の最大の賛辞だった。

 自分に攻撃するように見せて、実際にはスラルの魂を剣の中に入れて彼女を救ったのだ。

 勿論そんなのはジルにとってはどうでもいい事だが、ランスという人間の強靭な意志が変わらないのを嬉しく思っている。

「フン、俺の前で俺の女を殺そうとするとはいい度胸だ」

 ランスは日光を構え、ジルを睨みつける。

 そんなランスの視線を受けて、ジルは妖艶に微笑む。

「私は…お前の女ではなかったのか?」

「魔王が俺の女になるのはそれはそれでいいが、ジルは俺の奴隷だ」

「ならば…取り戻してみるがいい」

 ジルが無造作に腕を振るうだけでランスは吹き飛ばされる。

 生物としての圧倒的な実力差にランスは成す術も無かった。

「お前も邪魔だ」

「ああっ!」

 そしてついに日光がジルによって折られる。

「日光!」

「だ、大丈夫です!」

 折れてはいても、日光から声は聞こえる。

 どうやらカオスと同じように折れていてもきちんと意識はあるようだ。

「そいつもお前の女か…フフフ」

 日光がランスの女である事を察し、ジルは何かを思いついたように笑う。

「ランス、どうする!」

 剣の中からスラルの声が聞こえるが、ランスも正直何も思い浮かばない。

 魔王は強いとは思っていたが、ここまで手も足も出ないとは考えていなかった。

(ヤバイぞ。マジでどうする)

 どうするも何も逃げる以外に道は無いのだが、ジルがそうやすやすと逃してくれるとは思えなかった。

「喰らうがいい。アンコク」

 そしてジルの魔法がとうとうランスに直撃し、ランスはメディウサの使っていたベッドに吹き飛ばされる。

 上質なベッドがクッションになってくれてはいるが、それでも痛い事には変わりは無い。

「うぐぐ…」

 ランスの手からハデスも日光も離れ、それでもランスは起き上がろうとするが、その上にジルがのしかかって来た。

「終わりだな」

 そのままランスの首に手をかける。

 ジルが力を込めればランスの首など簡単に引きちぎられる。

「ランス殿!」

 日光は動けぬ刀の身で声を出すが、ジルのやったことはランスの鎧を壊す事だった。

 ランスの鎧は簡単に引きちぎられ、そしてゴミのように捨てられる。

「お前何を…むぐっ!?」

 ランスは声を出そうとするが、その口を塞いだのはジルの唇だった。

 ジルはそのまま情熱的にランスの口内で舌を動かす。

 まるで今までの分を取り戻すかのように、ランスの口内で激しく舌を絡める。

 そのまま吸い続けていたが、ジルは満足したかのようにランスから離れる。

 二人の口の間に唾液の糸が、二人がどれだけ激しいキスをしていたのかを示していた。

「私は待った…ここに足りないモノを埋めるために。さあ…再び私に命を…」

「何を…」

 日光が驚愕していると、ジルはランスの服を脱がせて全裸にする。

「おいジルお前!」

 ランスも魔王と相対しているにも関わらず、かつての奴隷であるジルに対しての怒鳴り声を上げる。

 ジルはそんなものは無視してランスの唇を貪る。

 ランスをベッドに押し倒しながら、その異形と化した黒い手でハイパー兵器を刺激する。

 人間のソコなど優に潰せるその腕を使い、優しく刺激していく。

 その顔は歓喜に溢れており、砂漠でオアシスを見つけた者のように輝いている。

(違う…それだけじゃない…)

 同じ女である自分だから分かる、魔王ジルは今でもランスの事が好きなのだろう。

「やめんか! レ〇プはいかんぞレ〇プは!」

「…どの口でそれを言う? 散々女を襲っていたお前が」

「俺はいいがやられるのは嫌だ。レ〇プは鬼畜のやる事だ」

 それを聞いたジルは本当に楽しそうに笑う。

「それを聞いて尚更したくなった。ならば女のように動けなくしてから犯してやろう」

「うおっ!? か、体が動かん!?」

 ジルの魔法でランスは完全に体が動けなくなる。

 ただ、ハイパー兵器だけは天高くそそり立っていた。

 ジルはそれを見て自分の唇を舐めると、そのままハイパー兵器を飲み込んでいく。

「…ああ、そうだ。この感覚だ。忘れていたこの感覚…ようやく思い出したぞ」

 恍惚の表情でジルはため息をつく。

 顔を紅潮させ、歓喜の表情を浮かべるのは人間の女と相違は無い。

 一方のランスも久々のジルの中…それも魔王と化したジルの感触に呻く。

「うおおおお」

 思わず達しそうになるのを力を入れて堪える。

(前にジルとした時よりもとんでもないぞ。あ、そうだ…リーザスで魔王のジルとやったのと似てるぞ)

 あの時に魔王ジルとセックスをしたが、その具合はまさに最高だった。

 今のジルの肉体は子供のような体格だったあの時とは違い、立派な大人の女性のそれだ。

 しかし、魔王であるためか体温は低い…のだが、その肌は極上のスベスベだ。

「フフフ…お前も気に入ったようだな。さあ…存分に放つがいい」

 ジルはそのまま激しくランスを犯す。

 ランスは本当に体が動かないようで、ジルから強制的に与えられる快楽に身を任せる以外に無かった。

 前の時よりも体が大人である事、そして人間である時からジルを知っていた事からランスの快楽は以前の何倍にもなっていた。

 快楽に耐えている様子のランスを見ながら、ジルは唇を舐める。

 ジルには人間だった頃にランスに何度も何度も抱かれている記憶が残っている。

 その時はランスにいいようにされ、何度も何度も絶頂を迎えさせられた。

 それだけでなく、色々な事をランスに教え込まされた。

 そのランスが今自分の下で快楽に耐えている。

 その事にジルは優越感を感じていた。

「うぐぐ…おい、いい加減にどけろ!」

「断る。さあ…お前の精を放て」

 ランスは必死で我慢するが、それでもジルの体は極上だった。

 技術に関しては拙いと言っても良いだろう。

 プロの娼婦の動きに比べれば単調だが、やはり魔王の肉体というのは凄まじい。

 そんな単調な動きでもランスは絶頂に導かれた。

「あっ」

「っく…ああ…いいぞ、ランス」

 ランスの精を受け止め、ジルはうっとりとしながら絶頂を迎える。

 ここまで心地良い感触は魔王になって以来無かった。

 ジルは魔王になって初めて心地よい感触を味わったのかもしれない。

「フフフ…お前は精を放ったぞ。どうだ…我が体は」

「今のはノーカンだノーカン! レ〇プはいかんぞレ〇プは」

 この期に及んでそう言うランスを見て、ジルの唇が弧を描く。

「ならば…お前が動けばいい」

 ジルの唇が動くと、ランスの体が動けるようになる。

 ジルはランスの上から退くと、そのままベッドの上に寝転がる。

 そのまま自分の秘部を晒しながらランスを挑発する。

「さあ…来い、ランス」

「がはははは! 動けるようになったらこっちのものだ!」

 ランスはそのままジルの上にのしかかると、そのまま愛撫もせずにハイパー兵器を突っ込む。

 相変わらず極上の肉体で、挿入しただけで射精しそうになるのを堪える。

(セックスは出来たがどうする…いや、本気でヤバイぞ。今までの比じゃ無いぞ)

 普段は喜々としてエッチをするランスだが、今はこの状況に危機感も覚えている。

 何しろ相手は魔王な事と、以前のように自分がジルより強いという事も無い。

 相手の方が圧倒的に強く、生殺与奪権を握られている状態だ。

(まあそれでも楽しむか)

 先程は逆レ〇プをされたのでランスとしても不本意だが、こうして自分で動けるならば話は別だ。

 今は確かにピンチだが、それはそれ、これはこれだ。

 セックスは楽しむものなので、ランスはまずはジルとのエッチを楽しむことにする。

(エッチをしてたら何か打開策が浮かぶかもしれんしな、うむ)

 そんな感じでランスは自分を誤魔化してジルの上で腰を振る。

 こうして自分で自由に動けると気持ちいいが、それでも相手が魔王となれば話は別だ。

 女の魔王なのかそれとも魔王だからなのか分からないが、ジルの体は極上なのだ。

 異空間でエッチしたときもそうだが、触れているだけで絶頂を迎えさせられそうなほど、ジルの体は極上の体だった。

 体に触れているだけでここまで性的興奮を味わわせるなどありえない。

 鈴女のような技術も無いのに、ただ動いてるだけで精を吐き出しそうになるのを必死で堪える。

「ああ…そうだ、この感覚だ」

 ジルはその青い肌を真っ赤に染めてランスを抱きしめる。

 先程は自分が好きに動いてランスを絶頂に導いたが、やはりランスに抱かれている方が安心する。

 ランスは口では色々言うし、奴隷として頭を叩かれたりもしていたが、それでも優しさもあった。

 そういう『プレイ』はする事もあったが、ジルにとってはランスは自分の主人で有り、愛している人だ。

 そんな自分が人間であった頃の記憶に引きずられているのかもしれない。

「ランス…手を」

 ジルが手を差し出したのを察し、ランスもその指を絡めてやる。

 ジルはこういう行為が好きだった事をランスも覚えている。

 かつて自分が倒し、見捨てた魔王と同じ名前であった事からランスは彼女を自分に惚れさせようとし、それは実現した。

 まさか本当に魔王ジルだったとは思ってもいなかったが、それでもジルはランスにとっては自分の女なのだ。

(うーむ、やばいぞ。やっぱり滅茶苦茶具合がいいぞ)

 ランスはジルに激しいセックスをするが、昔と違ってジルには無限の体力があるので耐えられてしまう。

 これではまずいとランスは思ってしまう。

 今ランスに出来る事はジルを快楽に与えて何とかこの場から離れる事だけだ。

 取り敢えずはこのままジルを絶頂に導けそうな気配がするので、ランスはそのままジルの最奥を責め続ける。

「よーし、行くぞ!」

「ランス…私ももう…」

 ジルは両手両足でランスを抱きしめる。

 人間など簡単に潰せるその腕で優しくランスを抱きしめる。

 そのままランスの体が震え、ジルの中に大量の皇帝液が放たれる。

 ジルはその感触に震え、歓喜の声を上げる。

 本当に久々の感覚…女としての幸せにジルは魔王で有る事を忘れたかのように、ランスに甘えるようにキスをする。

 そんな光景を見て日光は何も言えなくなる。

 ジルはランスの事を愛していた…と聞かされてはいたが、実際に聞くと見るとでは大違いだ。

 実際にジルの態度を見て、日光は何も言う事が出来なくなる。

(…これが魔王ジルの真実)

 今現在人類を地獄に落としている魔王の本当の姿はもしかしたらこれなのかもしれない。

 それを思わせるくらい、同じ女としてジルの顔は美しかった。

「日光…」

「…レン殿」

 レンが小声で日光に声をかける。

「動ける?」

「残念ながら…どうやら折られてしまっては自力で人の姿に戻れそうにありません」

「そう…でも持つくらいなら出来そう。逃げるわよ」

「ランス殿はどうするのですか?」

「勿論ランスもよ。尤も、魔王が本気なら逃げられるかどうか怪しいけどね…」

 ランスとジルは再び性交を始める。

 ジルの性欲はどうやらあの程度では満たされないようだ。

「…ランスにはもっと頑張ってもらわないとね」

 頑張ってセックスをして魔王を足止めする。

 皮肉にもそれが今魔王を何とか出来る唯一の手段となっていた。

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