「はぁ…」
天界に戻ったクエルプランは自分が何かとんでもない事をしてしまったのではないかと今更になって悩んでいた。
ランスに渡した褒美はレベル神として適正だったとは思っている。
レベルを元に戻したのも他のレベル神でもそこまで違法という事でも無い。
ただ、もう一つの褒美…レベルの上がりにくさを解消するためのアイテムを渡すという行為はやり過ぎたのではないかとも思ってしまう。
同時に、ランスに自分の身に着けていた物を共有しているという事がクエルプランに密かな喜びを与えていた。
「…」
クエルプランは腕輪をしていない自分の左腕に触れる。
ランスに渡したのは自分がしていた左腕の腕輪だ。
勿論それに特別な効果は存在しない。
所詮はただの飾りにしか過ぎない…少なくともクエルプランにとってはだ。
その腕輪に特別なアイテムを合成し、それをランスへと与えてしまった。
そしてランスはレベルを上げるためにその腕輪をつけて行動するだろう。
自分とお揃いの腕輪をして。
そう思うと不思議とクエルプランの心音が早くなる。
「…どうしてでしょうね。私の体に変化が見られます」
本来であればその変化は即座に解消しなければならない。
だが、クエルプランはそうする事が出来なかった。
悩みつつも、心地よい感覚に戸惑っていると誰かの気配を感じる。
それを感じた時、クエルプランの顔色が変わる。
「何の用ですか。我儘ALICE」
「あら、ご挨拶ね。堅物クエルプラン」
クエルプランの所にやって来たのは同じ1級神であるALICEだ。
ただ、二人は仲が良いとは言えず、クエルプランがランスのレベル神になってからはALICEも何かと小言を言って来ていた。
「相変わらずあの人間に肩入れしているみたいだしね。釘を刺しに来たの」
ALICEの言葉にクエルプランの目が細くなる。
「それを言うならばあなたこそ今回はやり過ぎなのでは? 干渉は禁じられているはずです」
クエルプランの言葉にALICEはその唇を吊り上げる。
ただ、それは非常に邪悪な顔と言えるだろう。
「あら、私はあの人間に干渉したわけでなく、ラ・バスワルドに干渉しただけよ。実験には変化がつきものでしょ?」
「…あのタイミングでですか」
ALICEの言っている事は詭弁以外の何物でもない。
ただ、結果としてそれは創造神を喜ばせる結果になった。
だからこそ、ランスに対して褒美を出す事になったのだ。
「そんなに睨まないでよ。流石にこれ以上は何かをする気は無いわ。バスワルドはラグナロクの管轄だしね」
「………」
ラ・バスワルドは神の実験のために地上に送られた。
現世界を生み出した魔王への褒美でもあるが、神からすればそんなのはどうでもいい事だ。
ラ・バスワルドは非常に扱い難い神であり、その活用性を見出すために二つに分けられ、それを魔人とするように魔王ジルに与えられた。
そのバスワルドの上司がラグナロクであり、その神が何も言わないのだからALICEの行動は黙認されたのだろう。
同時に、クエルプランが1人間に与えた褒美についても認めている。
ならばもう何も問題が無いというのか神としての結論なのだろう。
「それにしても…随分と変わった事をしたわね。バランスブレイカーを渡すだけで良かったのに、わざわざあなたの腕輪と合成してまで渡すなんて」
「それこそあなたに何かを言われる筋合いはありません」
「あら怖い。でも…あまり近づきすぎるのは止めなさいな。あなたのために良くないわよ」
そういうALICEの顔が少し真面目な事にクエルプランは気づく。
普段は揶揄うような声だが、声のトーンが違う。
「どういう意味ですか」
「…まあ好きにすればいいわ」
クエルプランの言葉にALICEの声が何時ものように戻る。
「さっき言った通り釘を刺しに来ただけ…それも終わったし私も戻るわ」
そして言いたい事だけを言ってALICEの姿は消えていく。
残されたクエルプランは少しの間何かを考えていたが、本来の自分の仕事に戻る事にする。
ただ、その視界の先に小さくランスの姿が映し出されていた。
「はぁ…はぁ…」
サイゼルはランスの胸の中で荒い息をついていた。
本当に一晩中セックスをさせられた結果、目も虚ろだが満足した顔でランスにしがみ付いていた。
(気持ち良かった…)
自分は初めてだったにも関わらず、散々イかされてしまった。
(あ、あんな事まで…)
セックスだけでなく、口や手を使っての行為もさせられた。
でも、サイゼルには嫌悪感が全く無かった。
グロテスクな形をしていて、まさか自分がそんなものに触れるなんて考えても居なかった。
だが、ランスに促されたのと、頭がぼーっとしていたのもあり言われるがままに奉仕する形になった。
「…人の気も知らないで」
先に眠りについてしまったランスの顔を軽く抓る。
自分の恥ずかしい姿を見られ、散々卑猥な事も言わされた。
二人の液体が混ざり合ったハイパー兵器も口で綺麗にさせられた。
魔人としては屈辱な事だと思っていたはずなのに、サイゼルはそれを自然と受け入れてしまった。
サイゼルはじっとランスの顔を見ているが、自分の顔が少し緩んでいるのが分かる。
心臓の鼓動が早くなり、何故だが無性に恥ずかしくなる。
もっと恥ずかしい事をしていたはずなのに、サイゼルは慌てた様に布団の中に潜る。
「~~~~~!」
それでも感じるランスの体の温かさに、サイゼルは顔を真っ赤にしながらその体の上に乗っかる。
サイゼルの体は体つきに比べると非常に軽い。
「もう…バカ」
そのままサイゼルはランスに抱き着いて眠りについた。
そしてランスが目を覚ました時、サイゼルが自分の上で寝ていた。
その寝顔は可愛らしく、とてもあの生意気な魔人とは思えない程だ。
ランスはサイゼルの顔を撫でる。
サイゼルはその刺激で目を覚ます。
「ん…まだ眠いんだけど」
「それはそうだが、流石に互いに汗をかいて凄い事になっとるからな。まずは体を洗わんと」
「…ま、それもそうよね。全部アンタのせいだけどね」
サイゼルの体は凄い事になっており、その感触は確かに不愉快ではある。
ランスはサイゼルをそのまま抱きかかえる。
「ちょっと」
「がはははは! もう何度もやったんだから構わんだろう。それよりも風呂に行くぞ」
「はぁ…本当に変わらない奴」
魔人である自分にも全く態度を変えない、それどころか非常に馴れ馴れしい奴。
でもサイゼルはそれを不快には思わなかった。
そしてそのまま二人はお風呂場でもいちゃついてしまうのであった。
互いに体を綺麗にし、ランスも何時もの服に着替える。
そしていつもの様に立てかけていた剣を見てランスは眉を顰める。
「なんだこりゃ」
「今更気づいたか。全く…この剣は一体どうなっているんだ」
ランスは立てかけてある二振りの剣を手に取る。
一本はこれまでランスが使っていた大陸では一般的なロングソードの形をした紅の剣。
ハウゼルとセックスするまではバスタードソード並みの大きさだっが、今はロングソードよりも一回り大きいくらいの剣に変わっている。
そして問題なのは、その剣と共にある一本の刀だ。
しかもご丁寧に鞘まで存在している。
「スラルちゃんはこっちに居るのか」
「我は相変わらずこっちの剣の中だ。だが今回の変化は本当に驚いたぞ…まさか剣が増えるとはな。非常識にも程がある」
ランスは突如として現れたもう一つの剣…刀を鞘から抜く。
そこにあったのは見事なまでに蒼い光を放っている刀があった。
刀には疎いランスもこれは良いものだと思うくらいにその刀は見事としか言えなかった。
「うーむ。ハウゼルとセックスをしたら剣の形が変わり、サイゼルとセックスをしたら刀が一本増えたか」
「ああ。非常識この上ない。ああ、しかし我が調べられないのが本当に惜しい…」
「スラルちゃんもブレないな。しかし炎を使うハウゼルが赤なら、氷を使うサイゼルが青か」
蒼い刀をランスは手に取る。
それはやはりランスの手にしっかりと馴染んでいる。
日光も十分に手に馴染んでいるが、しっくりと来るのはこの刀の方だ。
「まあいい。で、これでバスワルドの力が解放されたという事か?」
「それは分からん。ただ、バスワルドの力を使うにしても今のままでは問題があるのは分かっているだろう」
「…そういやそうだ」
スラルの指摘にランスは詰まらなそうな顔をする。
結局はランスのレベルが下がった問題は根本的には何も解決してはいないのだ。
「それは俺が何とか…うむ、何とかする」
「流石のお前も慎重だな。まあ無理は無いか…」
一度にレベルが2も下がるという副作用は非常に大きい。
何しろ今はレベルが上がるのが大変なのだから。
「しかし何で剣が増えたんだろうな。まあ便利だから気にならんが」
ランスは刀を振るう。
ここまで手に馴染む武器はそうあるものでは無い。
「それなのだがな…我に一つの予想がある」
「なんだ」
「お前の新たな技だが、これはハウゼルとセックスをしてから出来るようになっただろう」
「そういやそうだな」
ランスが新たな技を閃いたのは、夢の中でバスワルドと出会ったからだ。
ランスとしては中々便利そうな技で有る事と、これからの戦いを見据えての事だ。
魔人メディウサは何とかなった。
カミーラの介入が無ければそのままメディウサを倒す事は十分だった。
だが、その後のカミーラには苦戦させられた。
というよりも、魔王ジルの更なる介入が無ければ負けていたのは間違いない。
そしてその後の魔王ジルとの戦い…いや、これは戦いにもなっていなかった。
まさに絶対的な力の差、ランスも真正面から魔王を何とかするのは無理だと確信させられた。
「そして今回サイゼルとセックスをした事で新たな剣が増えた…つまりこれはハウゼルとサイゼルの関係性を表しているのだと我は思う」
「どういう事だ」
「元々は二つで一つの神、それがどういう理由かは知らないが二つに分けられ魔人へとされた」
スラルは剣の中からランスの手にある刀を見る。
「今のその剣の状態が、二つに分かれたバスワルドの関係性を示しているのだと思う。つまりは二人とセックスしたのはゴールじゃない。スタートなのだ」
「何だと!?」
「思えば二人を抱けば力を解放できるとは言ったが、使えるようになるとは言っていない」
「むむむ…詐欺ではないか」
「別に嘘は言っている訳では無いからな。それに神のやる事には善意は無いと思っておけ」
スラルは吐き捨てるように言う。
「まあいい。ハウゼルとサイゼルとセックス出来ただけでも十分だからな」
ランスは本気でそう思っている。
バスワルドの力よりも、あの二人とセックスする方がランスには大事だ。
「ただ、二人とセックスをした事で力は安定するとは思う。それを含めてお前の技次第だな」
「俺様なら余裕だ余裕。まあ目的は達成したから次はジルだな」
「ジルか…果たしてどうしていいか、我には見当もつかんな」
スラルの言葉にランスは眉を顰める。
彼女の言う通り、ランスも正直どうすればいいのか分からない。
魔王からジルを取り戻す…そんな事が出来るのかどうか。
「まあこの後どうするかはお前に任せるさ。お前の思う通りにするのが一番だ」
スラルに言われてランスは考える。
取り敢えず当面の目的は達したと言っても良い。
その場合次の行動をどうするか、なのだがランスとしても悩み所だ。
順当に考えるなら新たな力を使いこなすという所だろうが、ランスはそんな普通の事を考える男では無い。
「ケッセルリンクの所に行くか。取り敢えず魔王城に忍び込む方法を考えなければいかんからな」
魔王ジルは魔王城にいる。
だとすれば魔王城を目指すのが当たり前だが、愚直に乗り込むなんてマネはランスはしない。
ランスの子供達ならば真っ直ぐに乗り込んでいくだろうが、ランスはあくまでもランスだった。
「ケッセルリンクか。そうだな、久々に会いに行くのもいいな」
スラルもランスの言葉に賛成する。
ちょっと遠いが、まあ何とかなるだろう。
(それにジルはこの後封印されるからな)
ランスは未来を知っている。
ただ、その未来で起こる事の過程を知らないので、ジルがどうやって封印されるのかは分からない。
それにカオスが使われる、という事を知っているくらいだ。
そして未来に魔人ノスの計略でそれが解かれる事も。
勿論そんな事は許されない。
自分の女は何としても助ける、それがランスという男だ。
「ああそうだ。我としても少し分かってきたことがある」
「ん、なんだスラルちゃん」
「バスワルドの力を我が剣に付与させる事で力を使えてきただろう」
「そういやそうだな。でも今は無理なんだろ」
「ジルの力の影響でな…まあそれはともかく、我が想像するに我の補助が無くてもお前はその力を振るえるようになるとは思う」
「それなら便利だがな。だが、レベルが下がるならそうは使えんぞ」
これまでスラルがバスワルドの力を付与させた場合、ランスに影響は無いがスラルの魔法力が空っぽになっていた。
スラル無しでバスワルドの力を使えるようになるなら確かに凄まじい事だが、その代償が大きければ使うのは本当の本当にピンチの時だけだ。
それではランスとしては意味が無い。
「それもお前の力次第だろう。我もフォローはするが、お前が自らやろうとしない限りはどうしようもないぞ」
「フン、そんなの分かっとるわ」
ランスもそれを人任せにする気など更々無い。
力は自分が好き勝手に行動するために必要なモノ。
そしてジルを魔王から取り戻すためにも力は必要不可欠。
「まあ俺様に任せておけ。必ず上手く行く」
「そうで有る事を祈るさ」
「という訳でカラーの里に戻るぞ」
全員が集合し、ランスは早速これからの方針を口に出す。
「そうね。アレからカラーがどうなったのかも気になるしね」
レンも神の眷属だが、そこまで薄情な性格でも無い。
何だかんだ言ってもカラーとは協力関係だ。
それにカラーは将来天使になる可能性もあるので、レンとしては無下に扱う気は無い。
「ウトスカがどうなったのか…気にはなるからね」
ブリティシュも一人別れてしまったウトスカの事を思うと胸が痛い。
自分達を逃がすため、たった一人でジルに立ち向かったのだ。
もしかしたらもう殺されてしまっているかもしれない。
「私はランス殿に従います」
日光としても異論はない。
ランスの目的は魔王で有り、その過程で多くの魔人と戦う事にもなるだろう。
魔人を倒すのは日光の目的でもある。
ただ、女性の魔人だけはランスは手を出さないのが不満と言えば不満だが、それももうどうしようもない事だ。
「大陸か…我はカラーという種族を全く知らんからな」
お町はこれからの事を思うと正直ワクワクしている。
これまでは己の力の未熟さゆえにJAPANからは出れなかったが、ランス達が居れば問題は無いだろう。
妖怪王という立場ではあるが、特に妖怪達を纏める必要も無い。
時代が時代だけに、妖怪もおいそれと動くことは無いのだ。
「で、お前はどうするんだ。まだここに居るのか」
「私がどうしようが私の勝手じゃない。退屈だから一緒に居てあげてもいいわよ」
ランスの言葉にサイゼルは笑いながら言う。
実際サイゼルは暇なのだ。
だったらランスと一緒に居ても問題は無い。
(それにハウゼルもしばらくこいつと居たみたいだしね。だったら私だって居てもいいでしょ)
ハウゼルがランスと沢山セックスをしているのは知っている。
というよりもそれを何度もその体で味あわされた。
だったら自分がハウゼルにちょっと仕返ししたって良いだろう。
「…魔人であるあなたがですか」
サイゼルの言葉に日光の目が細くなる。
「何よ。文句でもあんの」
日光の剣呑な気配を感じ取り、サイゼルの目も細くなる。
そんな様子にブリティシュは背筋が細くなる。
それは魔人のプレッシャーに押されたのではなく、それ以外の女の争いを感じ取ったような気がしたのだ。
自分が関わってはいけない、そんな感じがする。
「いえ…ランス殿が決めた事なら従います」
日光は諦めたようにため息をつく。
たとえ魔人だろうと、容姿が優れていていればランスにとっては女性にしか過ぎないのだ。
だからこそ、魔人の協力すらも取り付けているのだ。
「何なのよ」
日光から剣呑な気配が消えた事に、サイゼルもその気配を消す。
「じゃあカラーの所に行くか」
「時間はどうしてもかかるだろうがな。新たなバイクでもやはり時間はかかるのは仕方ないだろう」
JAPANからカラーの里…LP期でのヘルマン・ゼス地方まで行くには時間もかかる。
それがGL期なら猶更だ。
「まあ余裕だ余裕」
ランスもGL期にはもう慣れてきており、今ではカオスの言う事は言い過ぎだったと思っているくらいだ。
実際には―――ジルは人間だけでなく魔物すらも強烈に締め付けているからこそ、ある程度の自由が存在しているのだ。
それもこの世界のイレギュラーであるこの男の存在があっての事なのだが。
カラーの里へと向かう途中、ランスはサイゼルと何度もセックスをしていた。
「ん…」
「大分上手くなってきたな。最初はあんだけ歯を立てていたのにな」
「…悪かったわね」
サイゼルはランスのハイパー兵器から口を離して軽くランスを睨む。
「そもそも本当にこんな事をハウゼルもやってるわけ?」
「おう、勿論やってるぞ。もっと過激な事もな。お前だってそれは知ってるだろ」
「………フン」
サイゼルは再びハイパー兵器を音を立てて舐める。
その動きはまだまだ拙いが、やはり懸命にしている姿を見るのはそれだけでも満足できる。
ましてや相手は魔人であり、あの生意気な態度をとっていたサイゼルだ。
それが今はランスのハイパー兵器を一生懸命咥えている。
その事実が一番のスパイスだ。
「もういいぞ。次は本番といくか」
「う、うん…」
ランスの言葉にサイゼルはハイパー兵器から口を離す。
そしてそのまま寝そべっているランスの上に腰を落とす。
「んっ…」
「お前はこっちの方が良いんだな。そこはハウゼルとは違うな」
「あ、あんたに押し倒されるとなんか居心地が悪いのよ! そ、それに私は魔人なんだから見下ろす方がいいの!」
サイゼルはそう言うが、ランスのハイパー兵器をおっかなびっくりに納めていく。
「なんだ、まだ怖いのか」
「う、うるさいわね!」
ゆっくりと最後まで飲み込み、ハイパー兵器がサイゼルの大切な所に当たる感触に彼女は震える。
そして何とか動こうとするが、やっぱり中々動く事が出来ない。
「最初は一気に突っ込んでそのままイッたからな。まあ無理はいかんぞ無理は」
ニヤニヤと笑うランスにサイゼルは顔を真っ赤にして睨む。
ただ、その様子はランスにとっては可愛らしく映るだけだ。
サイゼルはランスの安い挑発に乗り、ランスの胸に手をついてなんとか腰を動かそうとする。
だが、当然だが中々上手く行かない。
いや、上手く行き過ぎてサイゼルがあっけなく果てるのが原因で、中々動かせないのだ。
そのもどかしい動きにランスが反応する。
普通にセックスをしたいランスがサイゼルの手を掴んでそのまま腰を突き上げたのだ。
「んんんん!」
サイゼルはそれだけで体に電流が走ったように震え、ランスの胸元に倒れ込んでくる。
「がはははは! 相変わらず弱いな」
「な、何するのよ…」
絶頂を迎えたサイゼルの声は弱弱しい。
そんなサイゼルのあたまを撫でてからランスは改めて腰を動かす。
サイゼルはもう耐える事が出来ず、ランスにしがみ付く事しか出来ない。
「ほれほれ」
「あ…はぁ…き、気持ちいい…」
蕩け切ったサイゼルは素直に言葉を発するしか出来ない。
もう何回もしている事なのに、それでも何度も求めてしまう。
サイゼルはハウゼル同様にランスとの相性が良く、もうその体が完全に馴染んでいた。
「ん…」
躊躇いもせずにキスをし、互いに求めあう。
そんな日が続き、ランスとしてはもうウハウハだった。
ランス達は中々順調にカラーの里に近づいて行く。
まだまだ距離はあるが、モンスターにも魔軍にも特に遭遇せずに移動出来ていた。
そしてランスは今日も今日で夜のお楽しみの時間を楽しみに待っていた。
「うむ、サイゼルも夜は中々従順になってきたな。このまましっぽりと調教して完全に俺様の女にするか」
今日はスラルがサイゼルと話したい事があるとの事で、剣をスラルの部屋に置いてある。
なので当然サイゼルはスラルの部屋に居る。
ランスはそんな事を気にせずスラルの部屋に行こうとした時、その廊下に日光が立っていた。
「む、どうした日光」
「………またサイゼルを抱くのですか」
ランスの言葉に日光は鋭い視線をランスに向ける。
「何だ。何か問題でもあるのか」
「…魔人は人類の敵です」
「人類の敵であっても俺の敵では無いからな」
日光はその言葉に何も言えない。
ランスの言う事は間違っている、と言いたいのだが、実際にランスは魔人と協力的な体制を取っている。
これは驚異的な事で有り、それはそれで一つの答えとも言えるのかもしれない。
だが、日光にとっては魔人はやはり敵…という思いが強い。
だからこそ、日光は聖刀日光になったのだから。
「話はそれだけか」
ランスは話は終わったと言わんばかりに日光の横を通り過ぎようとした時、その袖が引っ張られ、ランスは自分の部屋へと連れ込まれる形になる。
「お」
『おい何をする』という言葉を言う前に、日光はランスに抱き着いてきた。
「…行かないで下さい」
消え入るような声がする。
完全にランスに抱き着いているのでその顔を見る事は出来ない。
「わ、私がいるじゃありませんか」
「………がはははは! そうか、お前も可愛い奴だな。いやー、まさかお前が嫉妬するなんてな。もてる男は辛いな!」
「ラ、ランス殿!」
ランスは日光をベッドに押し倒す。
普段は凛々しく、同性にも人気がある日光だが、今ランスの下に居る日光はランスにとってはただの一人の女だ。
そこには魔人だろうが聖刀だろうがそんなものは関係無い。
ランスにとっては美女は全て平等なのだ。
「しっかりと可愛がってやるぞ。まあこの前までは結構特殊なプレイばっかりしてたからな。うむ、今日は普通にするか。お前もそっちの方が良いだろ」
「わ、私はそんな…」
ランスの言葉を否定しようとするが、その唇が近づくだけで日光は直ぐにそれを受け入れる。
「いいな、日光」
「は…はい…」
ランスの強い言葉に日光は期待の篭った艶のある顔をする以外になかった。
その夜は、日光の嬌声が絶えずランスの部屋に響く事になった。