次の日―――相変わらずカラー達は喜んでいたが、事情を知っている者達の顔色はあまり良くない。
ジルがアイゼルの術を受け、味方に対して襲い掛かってきているのだ。
幸いにもジルの最大の攻撃である魔法は使ってこないが、その強靭な肉体はそれだけで脅威だ。
なのでレンがつきっきりでジルの面倒を見ていた。
レンならばジルの力にも対抗できるうえに、エンジェルナイト故に体力も非常に大きい。
「がはははは!」
ランスは相変わらずの馬鹿笑いをしながらリビングに入って来る。
そこではシルキィがハンティと共に頭を悩ませていた。
「相変わらずだね。随分と楽しんでたみたいね」
「当然だ。俺様に不可能は無いからな」
ハンティの皮肉にもランスは何時もと同じように答える。
そんなランスの様子にハンティは怪訝な顔をする。
ハンティもランスとの付き合も結構長くなってきたため、ランスという人間の事は少しは分かってきている。
自分の女の今の状況には少しは慌てるはずなのだ。
実際、昨日はランスはイラついていたのだが、今日は随分と明るい。
「ランス君…ジルを助けないと」
「うむ、魔人に操られるとはとんでもない奴隷だ。まあ俺様にかかれば何も問題は無いがな」
「どういう事?」
ランスの自信満々の顔にシルキィも眉を顰める。
「…何か解決策を思いついたようです」
ランスに少し遅れて日光が姿を見せる。
シルキィはやはり怪訝な顔で日光を見るが、その顔が少し赤くなる。
そんなシルキィの様子を見て日光が怪訝な顔をする。
「何か?」
「うーん…いや、こういう場所で言うのは気が引けると言うか…」
シルキィは曖昧な表情で顔をかく。
「鏡。見た方が良いわよ。結構な状況よ」
なのでハンティが呆れたように言葉を放つ。
日光はそんな二人の様子に首を傾げつつも、洗面所へと向かう。
そして直ぐに首筋を押さえながら真っ赤な顔でランスを睨んでくる。
「ランス…」
「フン、男と女がセックスすればそういう事も有るだろうが」
「そういう事な口には出さないべきですよ」
日光は着物でランスにつけられた情交の跡を隠そうとするが、流石に今来ている着物では完全に隠す事は出来ない。
なので仕方なくそのままでいる。
どうせ自分がランスとそういう関係なのは知られているのだ、今更どうなるものでもなかった。
「で、それよりもその解決策って何があるのよ」
「うむ、天才な俺様は思い出した。あの魔人…名前は忘れたが、あの洗脳野郎から解放する手段を思い出したぞ」
「思い出した、ね」
ランスの言葉にハンティは目を細める。
つまりはランスは魔人アイゼルの技能を何処かで経験しているという事だ。
ただ、それが何処なのかは分からないが、スラルやレンの様子から見て教えてはくれないだろう。
ランスなら話すかもしれないが…果たしてそれを素直に信じていいかという問題もあった。
「で、ランス君。どうすればジルを救えるの?」
「ああ。ユニコーンだ。レア女の子モンスターのユニコーンの蜜が必要なのだ」
「ユニコーン…私は知らないモンスターですね」
ランスの言葉に日光は首を傾げる。
ランスよりも長い間冒険に出ては居るだろうが、ユニコーンという魔物は聞いた事が無かった。
「レアだからな。そう簡単には見つからんだろ」
「確かにそうだね。で、あんたはそのユニコーンが何処に居るか知ってるの?」
「ああ、確か迷子の森だとかいう所…」
ハンティの指摘にランスは言葉を続けようとした所で眉を顰める。
(そうだ。迷子の森とは自由都市にあるではないか)
迷いの森は自由都市レッドの近くにある森だ。
ただ、ここはカラーの里…ヘルマンとゼスの地域に有り、流石にここからは遠い。
更には今の時代はジルの時代よりもモンスターが活発に動いている上、魔人とも遭遇したばかりだ。
つまりは今も外に魔軍がうろついている可能性は高い。
「その迷子の森とかいうのが何処にあるかは知らないけど、どうやら遠い所みたいだね」
ランスが口ごもったのを見てハンティは全てを察する。
ユニコーンの居る場所は分かるが、そこまで行くための手段が無いのだ。
あるにはあるが、リスクが大きすぎるというのはハンティも理解出来る。
「…いや、構わん。行くぞ」
「ランス君…」
シルキィもランスが何か無謀な事をしでかそうとしているのは分かる。
だが、そうしてでもジルは救わなければいけない存在なのだろう。
「ランス、落ち着いて下さい。そのユニコーンが今その場所に居るのかどうかも分かりません」
「日光、お前俺様に意見するつもりか」
「ええ、します。確かにあなたの判断力は凄いと思っていますし、その行動力も分かっています。でも、今あなたに無謀な事はさせられません」
日光の力強い言葉にランスは思わず口ごもる。
あまりに力強く、本当に反対しているのがハッキリと分かったからだ。
確かに日光の言う通り、これはランスをして無謀と言える行動だ。
あの時はレッドの町があったので直ぐに行けたが、流石にここからでは遠すぎる。
「ぐぬぬ…」
ランスは本気で迷う。
あの魔人アイゼルの能力は厄介で、神魔法の類では治らない。
しかもこれが続けば最悪は衰弱死するとあの時セルも言っていた。
ジルは体が頑丈なのですぐ死ぬという事は無いだろうが、それでもそれが長く続けばどうなるか分からない。
だが、ランスは自分の奴隷を見捨てるような人間では無いのだ。
そう思っていると、突如として明るい声と共にベネットが入って来る。
「やっほー、皆さん。って…凄い思い空気ですね」
「ベネット…ちょっとは空気を読みなさいな。今の状況くらい分かるでしょ」
ハンティの言葉にベネットはチッチッチと笑いながら指を振る。
「フッフッフ、私も手をこまねいていた訳じゃ無い出すよ。こんな事もあろうかと情報を仕入れたんですよ…そう、ユニコーンの事を!」
「ユニコーンの事って…どうして?」
シルキィはびっくりして目を丸くする。
彼女はこの場には居なかったのに、何故ユニコーンの事を知っているのか…それは普通の疑問だった。
「ジルの様子を見たら思い出したでやんす。昔どっかの文献にそういう状態から回復出来るっていうユニコーンの事を。そしてそれが今正にこの森の近くに居る事も!」
「何だと!?」
ベネットの言葉には流石のランスも驚く。
「いやー、あっしは運が良いでやんすよ。ユニコーンの事を思い出したのが昨日で、今日にはユニコーンが近くに居るって分かたんですから。我ながら自分の才能が怖いでやんす…」
そう言いながらベネットは得意げに胸をはる。
「おい、本当に近くに居るんだろうな」
「間違いないでやんす。目撃者は他にも居るでやんすよ。今魔軍の動きが活発だからこっちの森に逃げて来たって事でないですかね」
「よし、ならとっとと行くぞ! お前達も遅れるな!」
ランスはすぐさま魔法ハウスから飛び出す。
そんなランスを見てシルキィは微笑む。
「ランス君って優しい所もあるのね」
そんなシルキィに日光は微妙な顔をする。
「まあ…女性に対しては優しいのは間違い無いのですが…」
ランスは男には厳しい。
基本的に男が嫌いなので、仮に男が今のジルのような状態になったとしても平気で無視するだろう。
ランスとはそういう男なのだ。
「旦那! あっしが案内しないと行けないでしょ!」
「さあ、私達も行きましょう、日光。ジルを助けるためにもね」
「ええ。行きますか」
日光、シルキィ、ベネットもランスの後を追って走り出す。
それを見てハンティは苦笑するしかない。
「あいつ…やっぱり持ってる人間なのかね。ま、それくらいじゃないと魔王と相対して生きてるなんて出来ないか」
カラーの森、そこには普通にモンスターも出る。
勿論今のランスにとっては普通のモンスターなど相手にはならない。
「こっちでやんすよ、旦那」
ベネットの案内に従いランス達は森を進んで行く。
「ユニコーンってどんなモンスターなの? 私、聞いた事無いんだけど」
シルキィがランスに尋ねる。
「…見れば分かるぞ」
ランスはあの時の事を思い出す。
アレは確かに面白い光景ではあった。
(うむ、アレは中々楽しい光景だったな)
ユニコーンは女の子モンスターだが人間の女の子が好きというモンスターだ。
なのでセルとのエッチな光景は中々に面白かった。
(ただ…何か忘れてるような気がするぞ)
それを思い出しつつも、ランスには何か気になる事があった。
何か重要な事を忘れているような気がするが、思い出せないので大したことは無いのだろうと思い進んで行く。
「あ、モンスター」
ランス達の前にはイモムスDXやレッドハニーが現れる。
当然あっさりとランスに斬られる。
「こんな雑魚ではレベルも上がらんな」
「相当なレベルの高さですからね…無理はありませんね」
「私からすれば二人とも凄いレベルなんだけどね…」
「こっちの方ですぜ、旦那」
ベネットの案内でランス達は更に進む。
流石はカラーだけあり、森の中でも全く迷う様子は無い。
ランスからすれば代り映えの無い景色なのだが、カラーにはそうではないのだろう。
そして更に歩みを進めていくと…そこにはかつてランスが見た事のあるモンスターが居た。
「お、居たぞ。アレがユニコーンだ」
「…アレがですか」
「うーん…ああいうのも居るんだ」
ランスの言葉に日光とシルキィは微妙な表情を浮かべる。
そこに居たのは確かに女の子モンスターと言えば納得してしまえる存在が居た。
それは上半身は綺麗な少女だが、下半身が完全に人外、ハッキリ言えば馬のものだった。
「ゆにゆに…」
呑気な声を上げながらトコトコと歩いている。
「よーし捕らえるか」
「そうですね。なるべく傷つけないようにしないと」
「行きます」
ランス達は武器を構えるとユニコーンに向かって行く。
「がははは! いただきじゃー!」
「ゆに!?」
突然のランス達の登場にユニコーンは慌てた声を出す。
「手加減ランスアターック!」
「ゆにーーーーー!」
そしてランスは思いっきり手加減したランスアタックを放つ。
昔はランスアタックで手加減攻撃など出来なかったが、今ならばそういう芸当も可能だ。
ランスの手加減アタックを受けてユニコーンは気絶する。
「ランス君…ちょっと強引過ぎない?」
「これが一番いいんだ。えーと確か蜜だったか」
ランスはそこで思いだす。
あの時もこういう事があったのだと。
「ゆに!」
ランスが蜜を取ろうと近づくと、突如としてユニコーンが跳ね起きる。
「ゆにゆにー!」
そして大声を上げながら凄い勢いでランスから逃げていった。
「…凄い勢いですね」
「ランス君の一撃受けたのよね…」
その様子には日光とシルキィも茫然としていた。
「思い出した。そうだ、女だ。奴は女好きだったな」
あまりの見事な逃げっぷりにランスはようやく思い出した。
あの時もランスが近づくと逃げていった事に。
「女好き…? 女の子モンスターですよね?」
「別に女が女を好きでもおかしくないだろ。不健全だが…」
ランスは性癖はまともなので、同性愛には理解は無い。
バイならまだいいが、レズはいかんと公然と言ってのける男だ。
「女なのに女好き…そうなると旦那は無理なんでしょうねえ…」
ベネットもユニコーンの逃げっぷりには呆れてしまう。
「ベネット。奴が何処に逃げたか分かるか」
「それはお任せです。森の中でカラー…特にあっしから逃げれるなんて思ったらあかんですよ」
ベネットは木の上にあっという間に上がっていくと、ユニコーンが逃げた方向を見る。
彼女にはユニコーンがどう逃げていったか、その軌跡がハッキリと読み取れた。
性格も女性としての魅力も残念な彼女だが、それでも彼女には素晴らしい力があった。
「こっちですぜ、旦那」
ベネットは木から降りると、あっという間に消えていく。
「こら、俺様を置いて行くな」
ランス達はベネットを追って走る。
途中で出てくるモンスターをあっさりと撫で斬りながら進んで行くと、そこにはユニコーンが確かに居た。
「居ましたね…ですが、ランスが近づくとまた彼女は逃げ出すのでは?」
「うむ、あいつは女の子モンスターのくせに女好きだからな…忘れてたぞ」
ランスはもう一つ大事な事を忘れているのだが、生憎とそれをまだ思い出す事は無い。
「…では私が行きましょう」
日光は刀を収めると、そのまま無防備にユニコーンへと向かって行く。
ユニコーンは日光に気づくが、先程のランスを見た時と同じように逃げ出したりはしない。
それどころか日光に向かってトコトコと歩いてくる。
「本当に女の子ならいいのね…」
シルキィはそれを見て若干呆れている。
モンスターには変なのも多いが、あんなモンスターは初めて見るからだ。
対するランスは何か忘れているような気がして首を傾げていた。
(うーむ…あの時ユニコーンの蜜を集めるのにもっと苦労した気がするんだが…あ、そうだ。サテラが襲って来たんだったな。だがそれ以外に何かあったような気がするぞ)
迷いの森でサテラに襲撃され、そこで彼女のガーディアンであるイシスと戦った。
その後で色々とあったのだが、蜜は回収できた。
回収できたが、その過程がランスの記憶から抜けていた。
「お話しませんか?」
日光が柔和な笑みを浮かべるのを見て、ユニコーンは日光に近づく。
そして彼女の匂いを嗅ぐと、
「ゆにっ!?」
突如として驚いた声を出したかと思うと、
「ゆにゆにー!」
そのまま一目散に走りだしてしまった。
「…え?」
日光はその光景に思わず茫然としてしまう。
ランスが近づいた時よりも上手くは行ったと思うが、まさか脱兎の如く逃げられるとは思っても居なかった。
「あ、思い出した」
そしてランスは日光の様子を見てようやく全てを思い出す。
「あいつ、処女じゃ無いと逃げるんだったな」
「…何それ」
ランスの言葉にシルキィはげんなりした顔をする。
「そりゃ日光さんはおもいっきりの非処女でやんすしねえ」
ベネットも納得したように頷く。
ランスの言葉が聞こえたのか、日光は無表情にランスの側へとやってくる。
そして無言でランスの頭をひっぱたく。
「こら! 何をする!?」
「そういう事はもっと早く言ってください」
「忘れてたんだから仕方ないだろうが!」
「…もういいです。それよりもユニコーンを追いましょう」
日光は若干疲れた声を出す。
「うーむ、ただの女好きじゃなくて処女厨だったのを忘れてたぞ。で、この中で処女は…」
ランスは女性達を見渡す。
日光は当然の事ながら処女ではない。
ランスがバッチリと奪っており、今もなを自分の女としてセックスしまくっている。
「あっしはバリバリの処女でやんすよ」
ランスはベネットを見る。
確かにカラーなので当然のように美女だ。
活発そうなルックスに、おさげの髪がチャームポイントと言えばそうだろう。
そうではあるのだが、それ以上に彼女には問題がある
「お前、処女以前に滅茶苦茶残念な奴だからな…」
「その残念っていうのはなんなんすか!? 魔物も旦那も何故にあっしの魅力に気づかない!? これは差別でやんすよ! ファッ〇ンジャ〇プ!」
過激な言葉を叫びながら中指を突き立てるカラーに魅力が有るかと言えば無いかもしれない。
ランスとしても何故だかベネットに対してはハイパー兵器が反応しないのだ。
「よーし、あっしの魅力をユニコーンに見せつけるでやんすよ! そうすれば旦那も見方が変わるでやんすよ! ハリィハリィ! あのファッ〇ンホースに思い知らせてやるでやんすよ!」
ベネット興奮した様子でユニコーンを追って行く。
そんな様子にシルキィと日光は不安そうな顔をしている。
「ランス…良いのですか? その…彼女は」
「面白そうだからやらせておけ。まあ逃げられたらその時はその時だ」
そして三度ユニコーンを見つける。
「フッフッフ、あっしの魅力でユニコーンも濡れ濡れでやんすよ。蜜をたっぷり集めてくるでやんすよ」
ギラリと目を光らせ、ベネットがユニコーンの前に出る。
「へいユニコーン! あっしと良い事しようぜ!」
親指を立ててポーズを取るベネットに対し、ユニコーンはというと、
「ゆに! ゆにゆに!」
きしゃー! とでも言わんばかりにベネットに対して威嚇をする。
「ああん!? なんだその態度! 女の子モンスターですらあっしを否定する気か!? もう怒った! こうなりゃ実力行使じゃー!」
「ゆにー!?」
ベネットはそのままユニコーンに襲い掛かる。
「ベネットキーック!」
空中に跳び上がったベネットはそのまま華麗に一回転すると、強烈な蹴りをユニコーンに喰らわる。
「ゆにゆにー!」
ユニコーンは悲鳴を上げて吹き飛ぶ。
「ユニコーン! 仕留めたぜ!」
そしていい笑顔とサムズアップをしてランスを見て、
「アホかお前は! お前本当にカラーか!」
そのままランスにどつかれた。
「何をするでやんすか!? きちんとユニコーンを仕留めたでやんすよ!」
「誰が仕留めろと言った! 蜜を集めるんだろうが!」
「そう言えば! おのれユニコーン! あっしを挑発して目的を見失わさせるとは…恐ろしい奴」
「恐ろしいのはお前じゃー! お前が異性からもてない理由が分かったぞ」
ランスはもう一度ベネットをどつき、ユニコーンに向かおうとして足を止める。
「…シルキィ、お前が行け」
「え? 私?」
「処女はお前しかいないだろうが。それとももう一度このアホを行かす気か」
ベネットを指さすランスを見て、シルキィも曖昧な笑みを浮かべるしかない。
「…行くわよ。私が行く」
なのでシルキィは覚悟を決めてユニコーンの元へと向かおうとした時、その肩をランスが掴む。
「なに、ランス君」
「あー、色々思い出してな。お前がレズに走らんように教えんとな」
「何を突然…むぐっ!?」
ランスの言葉にシルキィは困惑するが、直ぐにその口が塞がれる。
硬直するシルキィに対し、ランスはその口内に舌を入れ、シルキィの舌と絡め合わせた時、シルキィの口が動いた。
「あだっ!? 何をする!?」
ランスは痛みからシルキィから顔を離す。
本気で噛まれた訳では無いが、シルキィがランスの舌を噛んだのだ。
「それはこっちのセリフよ! 突然何するのよ!」
「報酬の前借だ前借。それにお前の初めては俺様が貰うからな」
「訳分からない事言わないでよ! と、突然何を…す、少しは心の準備くらいさせてよ!」
シルキィは怒りと羞恥で顔を真っ赤にしてランスを睨む。
「うむ、そういう反応も懐かしいな。まあとにかく行ってこい。行けば分かるからな」
ランスはすんなりと引き下がると、ユニコーンの視界に入らないように大きな木の後ろに隠れる。
それに合わせて日光とベネットも木の後ろに隠れる。
「全く…こんな形でファーストキスを奪われるなんて…まあ特に気にしてないけど」
シルキィは自分の唇に触れる。
初めての感触だが、別に不快という事は無い。
(ランス君って本当に急なんだから。ま、今更か)
シルキィは気を引き締めるとユニコーンの側に向かう。
(…でも蜜って何の事なのかしら)
不思議そうにシルキィがユニコーンの隣に座った時、ユニコーンが目を覚ました。
そしてシルキィの匂いを嗅いだかと思うと、シルキィを押し倒した。
「わ」
シルキィは驚くが、ユニコーンはそんな事などお構いなしにシルキィの顔を覗き込む。
「ゆにゆに♪ ゆにゆに♪ あなた、なまえは?」
「え…喋れたの? 私はシルキィ・リトルレーズンよ」
シルキィがそう名乗った時、ユニコーンは満面の笑みを浮かべる。
「ゆに、しゃべれるの。すきなひとだけの、ひみつ。しるきぃ、きす、しようっ」
「え」
その言葉にシルキィは思わず固まるしか無かった。
1話に纏めようと思ったけどやっぱり2話に分かれる事になりました
ランス03のセーブの部分間違えてユニコーンイベをやり直しました
シルキィがこういう目に合うのはもう既定路線
なんかイメージしやすくて