ランス再び   作:メケネコ

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ランスと闘将

 それは異質な黒い雷光だった。

 黒、というだけありそれは非常に禍々しく、人が使うにしては邪悪な力に見える。

「あ、あれは…何なんだ、ルーン」

「いや、私にも分からない…でもアレは魔力じゃない。純粋な稲妻…だけど、あんな黒い稲妻なんてありえない…」

 だが、目の前にあるのは間違いなく現実だ。

 ランスを覆うように黒い稲妻がドラゴンの形を模っているのだ。

「それにアレはドラゴン…か? 何が起きてるんだ」

 誰もが疑問を口にするが、その答えが出る事は無いだろう。

 

「あの姿は…まさかアベルか!?」

 スラルはランスを覆う黒い雷光を見て思い出す。

 2代目魔王であり、ドラゴンだった存在。

 あのククルククルに止めを刺した事で魔王になってしまったドラゴン。

 カミーラを魔人にした事で、ドラゴンの王と戦い敗れた魔王―――それがアベルだ。

「アベルって…まさか2代目の魔王!?」

「ああ。我の中の血の記憶とでも言うべきか…恐らくはジルの中に残って居る僅かな魔王の血がその記憶を揺さぶったのだろう」

「確かあのカインってアベルと血縁だったわよね。そしてカインも雷竜だった…って事はアベルも雷竜でもおかしくは無い。でも何でランスが…」

 スラルはランスを冷静に見つめる。

「…いや、魔王の血はランスからは感じられない。ならば…アレは純粋なアベルの力、つまりはドラゴンの力でもおかしくは無い。一体何があったのか分からぬが…実に興味深い」

 ランスの体から感じるドラゴンの力を感じ取り、スラルは楽しそうに目を細める。

「まあ後で説明はしてもらいましょ。でもこれで分かった」

「何がじゃ? 我は全く話が分からぬ」

 お町はランスの力に感心はすれど、スラルとレンの会話の意味が全く分からない。

「ランスがカミーラと特訓してたと言ったらどうする?」

「…何の戯言だと普通は言い切る所じゃが…ランスとカミーラならばあり得ない事では無いの」

 ランスとカミーラの因縁はお町も知っている。

 二人の激しい戦いもこの目で見ていた。

 故に、あり得ない事では無い―――だが、この世界の常識からすればあり得ない事なのだ。

 それでもそのあり得ない事が起きるのがランスという男なのだ。

「どう見る? この戦い」

 スラルの言葉にレンは嘆息する。

「もう見るまでも無いでしょ。元々あんな力が無くたってランスが勝つんだから。もう消化試合よ」

 

 

「がはははは! 折角俺様が少し本気を出してやってるんだ。少しくらいは耐えろよ」

 ランスは剣を闘将に向ける。

 その剣も凍てつくような深い青から、黒い鱗のような紋様が浮き出た剣に変わっている。

 刀身も伸び、ロングソードとバスタードソードの中間程の大きさに変化している。

 代わりに刀の姿が変わっている。

 鮮やかな朱色の刀身が以前のような青い刀身へと変化している。

 ランスはそれを見て唇をへの字に曲げる。

「またか。相変わらず安定しない奴だな。しかも今回はお前か」

 その剣には再びククルククルの顔が浮き出ている。

 ランスに向かって笑いかけるような顔だが、その目は確実にランスを捕らえていた。

「あのバカドラゴンはこの剣には浮き上がってこんな。ま、お前が居るからか」

 ククルククルはランスの言葉に少し笑ったように見える。

「あの馬鹿剣と違ってお前はうるさく無いからまだいいな」

 ランスはそう言ってニヤリと笑う。

「ここから先は手加減はせんぞ。とっととぶっ潰してクエルプランちゃんから褒美を頂く!」

 そう言ってランスは動く。

「!」

 二人の闘将はその動きに反応出来なかった。

 まるで雷光のような速さにその脳がついていけて無いのだ。

 闘将は人体で使用されるパーツは、骨格、バイオメタル化された脳、そして左目のみだ。

 魔法の力で筋肉の役割を持たせた体に、金属製の外皮、そして腐敗・腐食を除く為の魔法のコーティングを施される事で完成する。

 そして何よりも重要なのは、闘将の性能は素材となった者の生前の能力が大きく影響されるという事。

 この二人の生前の力は決して低くない。

 むしろ人間の中では結構強い方であると言っても良い。

 だがそれでも、相手が悪すぎた。

 何故なら相手は悪魔・魔人、そして魔王とも激戦を繰り広げ、あり得ない事によってその力を無理矢理授けられたバランスブレイカーの存在なのだから。

「とーーーーーーっ!」

 ランスの強烈な一撃が闘将ミドテリーに襲い掛かる。

「うおっ!?」

 ミドテリーはそれを手で防ぐが、

「ぐわああああああ!」

 ランスの剣に触れた時に凄まじい痛みに襲われる。

「な、何だ!? この闘将のボディが痛みを感じるなど…! 魔法でも無いのに…!」

 闘将トワクンの一撃を避けるため、ランスは距離を取る。

 そしてミドテリーは痛みを感じた事に驚愕する。

「何が起きた、ミドテリー!」

「わ、分かりません…あの剣を受けた時に脳に鋭い痛みが…」

 闘将にも弱点は有る。

 それはいくら体が鉄となり肉体面の強さが上がっても、精神的な部分が強化される訳では無い。

 なので闘将は魔法攻撃が大きな弱点になりえる。

 生前の魔法防御力に依存してしまうため、魔法によっていとも簡単に倒されてしまうという弱点もあるのだ。

 しかし目の前の男は明らかに魔法使いではない。

 それなのに明確に自分達に痛みを与えてくる、恐ろしい相手だという事は分かる。

「…アレは比喩ではなく本当の電撃。まさか彼がこんな力を持っていたなんて…ある意味闘将の天敵か」

 ルーンはランスが隠していた力を目の当たりにして唇を噛む。

 闘将ならばランスと良い勝負が出来ると思っていた。

 だが、現実はそう甘くは無かった…ランスは闘将とも互角以上に戦える力を持っていたのだ。

「あいつ…本当に人間か?」

 セルジオはランスの力を見て冷や汗が止まらない。

 あの人間にはどうあっても勝てる気がしない…それだけの力の差を思い知らされた感じだった。

「成程…ハンティが『関わるな』と言った意味が分かったわい。あの嬢ちゃん達も、あの青年もまさにルーンと同じ…凄まじい力を持つ存在じゃったという訳か」

 フリークも親友の言葉を思い出し、今更ながらその忠告を真剣に受け止めていなかった自分を恨む。

「フン、とっとと終わらせてやる。レアドロップになりやがれ!」

「いや我々はモンスターじゃ無いからアイテムは落とさないぞ!?」

「がはははは! そんなの知った事では無いわ!」

 ランスの剣に凄まじい電撃が集まっていく。

 ランスを覆っていたドラゴンの腕が完全にランスの手と重なり、剣が放つ黒い雷とオーラが増していく。

「ルーン! 止めよう! あくまでも性能のテストで、闘将を失うのはただの損失だ! 相手が悪すぎる! これじゃあテストにもならない!」

「あ、ああ、そうだねルシラ。ランスさん! ストップ! ストップです!」

「死ねーーーーーっ! ラーンスアターーーーック!」

 戦闘でテンションが上がり切ったのか、ルーンの言葉など無視してランスはその凄まじいオーラを放とうとした時、

「はい、そこまで。相手がストップって言ったんだから止めなさいよ」

 レンがランスの背後に現れ、その手を止める。

「む、何で邪魔をする。今から俺はこいつ等をレアドロップに変えるんだぞ」

「もう終わりです、ランス様。相手は負けを認めました」

「何だと?」

 ランスはジロリとルーンを睨む。

「そうです。終わりです。私達としては闘将を犠牲にする訳にはいきません」

 ルーンもジルの言葉に同意する。

 ランスはそれを見て呆れたような顔で剣を収める。

 同時にランスを覆っていた雷光もその姿を消す。

「じゃあ俺様の勝ちでいいな」

「はい。ランスさんの勝ちです」

 ルーンも認めた事で、ここにランスの勝利が決まる。

 それを受けて、闘将達も安堵したように肩を落とす。

「いや、お主強いな…その力が無くても我等は負けていただろう」

「それ程の腕…どこで身に着けたんだ? 教えて欲しいくらいだぜ」

 闘将は落ち込むかと思ったが、むしろ親し気にランスに向けて話しかけてきた。

「何だお前等。急に馴れ馴れしくしおって」

「ハッハッハ! 戦いはもう終わったんだ。我等の負けだが、ここまで言い訳出来ん程に負けたのならもう笑うしか無いだろう!」

「おう! 俺達に勝つほどの人間が居るって事が逆に嬉しいぜ!」

 むしろ好意的にランスを称える闘将にランスは困惑する。

 何故ならランスが知る闘将は、ランス達を蛮人と見下し殺しにかかって来る奴等しかいなかったからだ。

 それもそのはず、今時代の闘将はまだルーンによる蛮人抹殺の命令は受けていない。

 なので当然闘将達はその本来の性格のままだ。

 この二人の闘将は人格面で非常に優れた明るい性格の闘将なのだ。

「しかしこれじゃあテストにはならなかった…」

「まあ死ななかっただけでも御の字ですよ」

 二人の闘将は顔を見合わせ大笑いする。

「うーむ。何かこれはこれで気持ち悪いな…」

 ランスも二人の闘将の様子には毒気を抜かれ、戦闘の意思を完全に消失させる。

「お見事です、ランスさん。いや、しかし…私達の目的が全く果たされませんでしたよ」

 ルーンも苦笑しながらランスに向かってくる。

 だが、その目にはランスへの敵意や悪意は全く無く、純粋にランスを凄いと思っているのが分かる。

「俺様の勝ちで良いだろうな」

「それは勿論。約束はきっちり守りますよ。ですが、今は闘将の整備もあるので、後でも良いですか?」

「約束は絶対に守れよ。守らんかった時はお前を殺すぞ」

「大丈夫ですよ。後でまた話しましょう」

 ルーンはそう言って二体の闘将を連れて仲間達の所に戻っていく。

「流石じゃな、ランス。まさかあのような力を持っていたとは」

「がはははは! 俺様の修行の成果だ」

「修行って、本当に修行してたのね…アンタの事だから、カミーラとセックスしまくってたと思ってたんだけど…」

「バカを言うな。俺様があいつとヤルためにどれだけ苦労させられたか…」

 ランスはカミーラとの修行を思い出し少しゲンナリする。

 確かにカミーラとセックスは出来たが、それなりに…いや、かなり苦労させられた。

 強くなった自覚はあるが、それでも大変な物は大変なのだ。

「まあいい。それより飯だ飯。これを使うと腹が減るからな」

「ふむ…あの力の副作用か? だが、あの力の副作用だとしたら随分と軽いな」

「まあよい。腹が減ってるなら用意させよう」

 お町が合図をすると、JAPANの者達が慌ただしく動き始める。

「さて、詳しく話してくれるな、ランス」

 スラルはそう言って非常に楽しそうに笑うのだった。

 

 

 

「ふう…それにしても彼の腕は本当に凄いな。闘将のボディでもお構いなしに傷つける」

 ルーンは傷だらけの闘将のボディを見て感心した声を出す。

「感心している場合か。あの男、やっぱり異常だぞ」

 ダムドは目を輝かせるルーンに対して釘をさす。

 あの男は確かに強いが、こちらとは理念と共にすることが出来ない。

 今は敵とは言わないが、将来的には敵に回ってもおかしくは無い相手だ。

「そうだね。アレが彼の持つ力だとしたら、凄い事だと思うさ」

「同時に、ランスを闘将にするという案も難しくなったがな」

 ルシラの言葉にフリークが頷く。

「うむ…まあ儂は元々あの御仁を闘将にするのは反対じゃったがな。じゃが、これで皆も納得するじゃろう」

「そうなんですか? 先生」

 ダムドの言葉にフリークは頷く。

「あの御仁の持つ力は闘将と相性が悪い。仮にあの青年が闘将になってもあの力を使えるかどうか分からんからの」

「そうですね…魔法の電撃とは違う、本物の電撃…闘将のボディとの相性は良くないですね」

 闘将も所詮は金属のボディだ。

 あの雷撃が闘将に有効な事は、逆に言えば闘将の体になっても影響が出るという事だ。

「絶縁体とかを使えば上手くいきそうですけど…そこまでするのも厳しいですしね。私としても彼を闘将とする話はこれで綺麗さっぱり終わったと思います」

 ルーンも色々な話はあったが、これで全ては決着がついたと安堵もしていた。

 ランスの力は惜しいと思っていたし、闘将になってくれれば良いと頭の片隅には思っていたが、その迷いもすべて晴れた。

 彼の力は闘将と相性が悪い、それだけで全てが納得させられるからだ。

「だが、あの男の力を魔物達にぶつけられないのは惜しいな」

 セルジオの言葉にルーンは苦笑する。

「それは仕方ないです。彼の言葉通り、私達が彼を巻き込んでいい理由は無いですから。それよりも今ある技術で何とかしましょう」

「うむ、それしかあるまい。ルーン、まだまだ我等の戦いは始まったばかりじゃぞ」

「ええ。魔王の支配から人類が完全に解放されるまで…」

 魔教団の戦いはここから始まる。

 これからどれだけ残酷な現実が待っていようとも。

 

 

 

「さて…ランス、話して貰えるか? お前がガイの手によってカミーラと共に飛ばされた所から」

 スラルが目を輝かせながらランスを見る。

「少し待て。ジル、お茶だ」

「はい、ランス様」

 ジルはランスにお茶を入れる。

 ランスはそれを飲み干すと、ジルの尻に手を伸ばす。

「そういうのは後ですればいいだろう。早く話せ」

 スラルはランスの手をはたき落とすと、ジロリとランスを睨む。

「フン、せっかちな奴だ。まあいい、えーと確かあの時は…」

 ランスはこれまでの事を思い出す。

 かなりの苦労をさせられただけあり、実りも大きかった。

「何か訳の分からん所にカミーラと飛ばされた。そこでカミーラを魔人にした奴と会った」

「…魔王アベル。我の先代の魔王であり、初代魔王ククルククルに止めを刺したドラゴンだな」

「そんな事言ってたな。まあそこでカミーラとアベルがぶつかったが…俺様も巻き込まれた」

「魔王と魔人の争いに巻き込まれて良く生きてられるわね」

 レンは呆れたように言う。

 この男が危機に見舞われるのは何時もの事だが、それでもそれを乗り越えるのだから相当なものだ。

「フム…それでお前が何でその力を得るに至った?」

「よく分からん。何か何時の間にか使えるようになってた」

「なんだそれは。説明になって無いではないか」

 ランスの言葉にスラルも呆れた声を出す。

「全く…お前は本当に説明が下手だな。お前の側に居る者の苦労を少しくらいは考えた方が良いぞ」

 その時ランスの剣から声が聞こえてくる。

「ケッセルリンク! ああ、そうだ。お前が居たな。お前なら見ていたのだろう? 何が起こったのかを」

「…少し難しい話ですね。正直言えば、これを誰かに言いふらすのは私としても本意ではありません。何しろランスだけでなく、カミーラも関わっている」

 ケッセルリンクは剣の中で悩む。

 これがランスだけなら話しても問題は無いだろう。

 だが、カミーラも関わっているとなると少々話が面倒くさい事になる。

「別に良いだろ。どうせこいつ等が言いふらす訳でも無いだろうしな」

 ランスは話を聞いているメンバー…ジル、スラル、レン、お町を見てそう言い放つ。

 全員自分の女だし、知られてもそれを言いふらすような者達ではない。

「ああ。我とてそんな事を言いふらすつもりは無い。というよりも、誰も信じぬであろうよ。今でもJAPANにはお前の話など欠片も残っておらんのだからな」

 お町の言葉にレンもスラルも頷く。

「ケッセルリンク、話していいぞ」

「…まあ良いでしょう。私の視た事を話しましょう」

 ケッセルリンクはランス達とアベルの戦いを話す。

 ただし、カミーラとアベルの間の因縁に関しては決して触れない。

(スラル様達の興味も、ランスの力に対してのみだ。カミーラの事は必要無いだろう)

 そう判断しての事だ。

「相性が良い…か。複雑な言葉だな」

「何をもって相性が良いのかというのは私には分かりません。ですが、ランスはこうして力を使えている…そう言う意味では正しく相性が良かったのでしょう」

「能力の相性という事か? カインが雷を操るドラゴンなのだから、アベルもそうであってもおかしくない。そしてアベルは血を介してランスに力を与えたと…」

「でもそのアベルという魔王はどうしてランス様に力を与えたのでしょうか」

 ジルの疑問にランスは下らなそうに鼻で笑う。

「そんなのカミーラに対する執着だ。ようは俺様に力をやったから、俺様を見て俺の事を思い出せという下らん執着がやった事だ」

「…そこまでしてカミーラの記憶に残りたかったという事か? ドラゴンとはそういうものなのか?」

 ランスの言葉にお町は複雑な顔をする。

「知らん。どうせもう会うことも無い奴だ。考えても意味無いだろ」

 本当に気にしてないようにランスは鼻で笑う。

「我としては非常に興味が惹かれるのだが。まあお前がその力を使えるというのであればそれで良い。しかし代償は食欲か? 今までに比べると代償が随分と優しいな。今でもバスワルドの力を使うとお前は経験値を犠牲にするというのにな」

「別に普段から使う訳じゃ無いぞ。それこそ魔人クラスが相手じゃ無いと使う必要も無い」

 ランスの言葉にスラルは頷く。

「当然だな。お前はそんなのを使わなくても十分に強い。だが、慣れる意味でも少しくらい使ったらどうだ? どうせお前の事だ、これから先も魔人と戦い続けるだろ」

「大きなお世話だ」

「しかし…ケッセルリンク、本当にカミーラがランスを鍛えたのか?」

 スラルの言葉にケッセルリンクは複雑な顔をしているであろう事が容易に分かるほどに声を落とす。

「信じられませんが…カミーラは本当に普通にランスを鍛えました。それこそ手取り足取りと言っても良いでしょう。アイツはドラゴンの事は嫌いですが、その力を扱うランスには普通に接していました。ただ、カミーラなりに踏ん切りがついたのだとは思います」

「そうか…」

 カミーラの事を知っているスラルとしては複雑だ。

 別にカミーラの事を特別視した事は無いし、魔王だった頃はカミーラには特に興味も無かった。

 それはカミーラも同じだろうし、互いに接触をする事も殆ど無かった。

 それこそ魔王と魔人の、主と下僕という当然の関係しか無かった。

(カミーラはランスに会って明確に変わった。この男と関わると何かしらの変化が起きる。それこそ我にもジルにも…)

「さて、奴等はどんなのを持ってくるかな」

「そういやバランスブレイカーだったか。それをクエルプランちゃんに渡さんとな」

「うむ、しかもお前の口車に乗せられ、相手は二つも渡さねばならぬからな。なるべく良い物を持って行きたい所だな」

 バランスブレイカー…言葉通り、この世界のバランスを崩しかねないアイテム、又は人だ。

 ランス自身がバランスブレイカーの存在だが、ランス自身が特に世界をどうこうしようという考えが無いので、当時バランスブレイカーを集めていたクルックーに見逃されたという経緯がある。

 それ以外にも、呪い消し消しゴムを使ってノミコンに支配されていたパパイヤを助けたり、ヘルマン革命で使った浮要塞もバランスブレイカーに当たる。

「問題なのはそういう物を敵になるかもしれないランスに渡すかという事もあるけどね」

「うむ…ランスに対して厄介なアイテムを押し付ける可能性も捨てきれぬな」

 レンとお町は難しい顔をする。

「だからお前が鑑定するんだろうが。厄介なモノならそれこそクエルプランちゃんに渡せばいい」

「ま、それもそうね」

 ランスの言葉にレンも同意する。

「ランス様、これからどうしますか?」

「そろそろ拠点を作りたい所だが…あんまり意味無いしな」

 ランスは自分のランス城以外にも、世界に色々と隠れ拠点と言うべきものを持っていた。

 が、それは結局日の目を見る事は無かったが、ランスはそういう事も師である女戦士に色々と叩きこまれた。

 ようやく人間の世界になったのだから、ランスとしては当然冒険をする気だ。

「バランスブレイカーを手に入れてからだな。今の世界を見て回るのもいいな」

 ランスはこの先のまだ見ぬ冒険を楽しみにしていた。

 束の間の平和…確かにこの際それは続くのは間違いではなかった。




割とあっさりと終わりましたがまあこれくらいかなと
モブ闘将なので能力は控えめです
色々と考えてるのですが、
最強の闘将ディオは不知火+フルスペックハンティには負ける
でもハンティは闘神MMには勝てっこないという
闘将の強さの幅はかなり難しいですよね…
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